御木徳一

御木 徳一（みき とくはる、明治4年1月27日（1871年3月17日） - 昭和13年（1938年）7月6日）は日本の宗教家。PL教団の前身であるひとのみち教団の教祖。

略歴

愛媛県生まれ。1879年に黄檗宗から得度し、1893年に松山の安楽禅寺の住職となり斬新な説教と指導で若者達から尊敬され寺は栄えたが、かつての師匠福山大道の依頼で安城寺の住職を継いだが生活が立ち行かず1910年に還俗し大阪へ移住。

貧困と病の中で後に御嶽教徳光大教会教祖となる金田徳光（かなだ とくみつ）と出会い、1916年4月、長男の御木徳近と共に徳光大教会教師となる。金田教祖の信望を得、遺言を託される。金田教祖の遺言「御木さん、私が死んだら、ヒモロギを植えてそれを毎日拝んでいなさい」1919年、金田の死後、教団は疲弊し解散した。 1924年、金田の遺言を守り彼の教えを完成させた御木は正統な後継者として徳光大教会を再建。 この頃、橋本鄕見が、徳一のもとを訪れる。 徳一は、橋本に「金田教祖の供をして、私（徳一）が高野山に行った時のこと、金田教祖は私に『御木さん、私もこの高野山のような教えの本山というようなところを、どこかに開かねばならんとおもっている』と言われたことがあったのだが・・・・」と伝える。また、徳一は橋本に「高野山の奥の院に金田教祖が、生前に自分の墓地をここにしてもらいたいといって、龍泉院（高野山）の院主と約束されたところがある。それは、現地に行って尋ねたらわかっているはずだから、現地を見てきてもらいたい」と伝える。 その後、1928年に扶桑教人道徳光教会と改称。1929年、 徳光育英会を組織し、その運営のもとに旧制中野中学校（明治大学付属中野中学校・高等学校の前身）を開校。開校式には田中義一内閣総理大臣や堀切善次郎東京市長らも出席した。

1931年2月、扶桑教ひとのみち教団と改称。1934年仮本殿を建立（千畳敷の大広間あり）1936年、教祖の地位を御木徳近に譲位。同年9月28日、ひとのみち教団盛岡支部長の娘を強姦した容疑で警察に逮捕される。

前年、同様に急速に発展した大本教を弾圧した内務省は翌年1937年、教義が皇室に不敬であるとの理由により、当局によって解散させられる。

1938年、厳しい取調べで衰弱した徳一は保釈され自宅療養中に死去。徳一の歿後、1944年に教団の不敬罪が確定したが、1945年マッカーサー司令部令により無罪となった。

参考文献　金田徳光先生伝、自然社本宮造営史