西海市
西海市(さいかいし)は、長崎県西彼杵半島の北部に位置する市。
Contents
地理
三方を五島灘・佐世保湾・大村湾に囲まれた西彼杵半島北部と、周辺に点在する島からなる。ほとんどの地域がリアス式海岸で、海岸線は複雑に入り組んでいる。半島部の最高峰は標高561mの長浦岳(ながうらだけ、山頂は長崎市)である。海岸までは丘陵地で照葉樹林、スギ・ヒノキ林、果樹園、農耕地などがあり、平野部は狭い。市章は青い丸の中に小さな白い丸が5つ、「S」字に並んでいる。5つの丸は合併した5つの町を、Sは西海(Saikai)の頭文字を表している。
- 主な河川
- 島
- 大村湾内 - 特に鳥加(とりか)・大串(おおぐし)[1]周辺は島が多い。このうち竹島と前ノ島は有人島である。
- 五島灘沖
隣接する自治体
地域
人口
西海市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
地名
西海市の地名は「□□町○○郷」のように合併前の町名を冠した後に郷の名称が付く(大島町および崎戸町江島・平島を除く)。
住所表記として用いられる郷の他に、行政上の単位で、自治会としても用いられる行政区についても記述する。
合併などによる名称変更など、地名の変遷は各町のページを参照のこと。
- 旧西海町(さいかいちょう)
12行政区が存在する。
- 西海町横瀬郷(よこせごう)
- 行政区は横瀬西・横瀬東に分かれる。
- 西海町七釜郷(ななつがまごう)
- 行政区は「七釜」の他に山間部の「白岳」がある。
- 西海町中浦北郷(なかうらきたごう)
- 西海町中浦南郷(なかうらみなみごう)
- 行政区は南北合わせて「中浦」としている。
- 西海町太田原郷(おおたはらごう)
- 西海町木場郷(こばごう)
- 西海町川内郷(かわちごう)
- 行政区は太田原・木場・川内をあわせ「川内」としている。
- 以下は各郷ごとに行政区が設置されている。
- 西海町面高郷(おもだかごう)
- 西海町天久保郷(あまくぼごう)
- 西海町丹納郷(たんのうごう)
- 西海町黒口郷(くろくちごう)
- 西海町太田和郷(おおたわごう)
- 西海町水浦郷(みずうらごう)
- 旧西彼町(せいひちょう)
行政区は、喰場郷が上岳に含まれることを除けば、各郷ごとに設置。
- 西彼町伊ノ浦郷(いのうらごう)
- 西彼町小迎郷(こむかえごう)
- 西彼町八木原郷(やきはらごう)
- 西彼町大串郷(おおくしごう)
- 西彼町平山郷(ひらやまごう)
- 西彼町鳥加郷(とりかごう)
- 西彼町喰場郷(じきばごう)
- 西彼町上岳郷(かみだけごう)
- 西彼町下岳郷(しもたけごう)
- 西彼町白崎郷(しろさきごう)
- 西彼町中山郷(なかやまごう)
- 西彼町宮浦郷(みやうらごう)
- 西彼町亀浦郷(かめうらごう)
- 西彼町風早郷(かざはやごう)
- 西彼町白似田郷(しらにたごう)
- 西彼町平原郷(ひらばるごう)
- 旧大瀬戸町(おおせとちょう)
- 大瀬戸町では郷の名称に「多以良」「松島」「瀬戸」「雪浦」の旧村名を冠する。
- 大瀬戸町多以良内郷(たいらうちごう)
- 行政区: 下郷、上郷
- 大瀬戸町多以良外郷(たいらそとごう)
- 行政区: 柳、平倉
- 大瀬戸町松島内郷(まつしまうちごう)
- 行政区: 釜浦、本村、西泊、内浦
- 大瀬戸町松島外郷(まつしまそとごう)
- 行政区: 外平
- 大瀬戸町瀬戸板浦郷(せといたのうらごう)
- 行政区: 板浦
- 大瀬戸町瀬戸福島郷(せとふくしまごう)
- 行政区: 福島、向島
- 大瀬戸町瀬戸樫浦郷(せとかしのうらごう)
- 行政区: 樫浦
- 大瀬戸町瀬戸羽出川郷(せとはでがわごう)
- 行政区: 羽出川
- 大瀬戸町瀬戸下山郷(せとしたやまごう)
- 行政区: 下山、白西平
- 大瀬戸町瀬戸西濱郷(せとにしはまごう)
- 行政区: 西浜、緑が丘
- 大瀬戸町瀬戸東濱郷(せとひがしはまごう)
- 行政区: 東浜、小干
- 大瀬戸町雪浦幸物郷(ゆきのうらこうぶつごう)
- 行政区: 幸物、藤原
- 大瀬戸町雪浦久良木郷(ゆきのうらきゅうらぎごう)
- 久良木集落・古田開拓地があったが現在、行政区としては数えられておらず、国勢調査も河通郷の一部として数えられている。
- 大瀬戸町雪浦河通郷(ゆきのうらごうつうごう)
- 行政区: 河通
- 大瀬戸町雪浦奥浦郷(ゆきのうらおくうらごう)
- 行政区: 上の瀬、奥浦
- 大瀬戸町雪浦上郷(ゆきのうらかみごう)
- 行政区: 北区
- 大瀬戸町雪浦小松郷(ゆきのうらこまつごう)
- 行政区: 小松
- 大瀬戸町雪浦下郷(ゆきのうらしもごう)
- 行政区: 南区、中区
- 大瀬戸町雪浦下釜郷(ゆきうらしものかまごう)
- 行政区: 西区
歴史
五島灘沿いの西彼杵半島西部および離島の各港は1630年代(江戸時代・寛永年間)から捕鯨基地として栄えた。明治以降は石炭採掘が始まり、各地の港は大いに賑わった。しかし捕鯨産業が成り立たなくなり、炭鉱も全て閉山した現在は人口の流出が多い。
近現代
- 1955年(昭和30年)12月1日 - 西海橋が開通。
- 1961年(昭和36年) - 中戸大橋が完成し、蛎浦島と大島が結ばれる。
- 1967年(昭和42年)- 崎戸橋が開通。(蛎浦島の入り江を結ぶ橋)
- 1971年(昭和46年)- 本郷橋が完成し、崎戸島と蛎浦島が結ばれる。
- 1973年(昭和47年)2月7日 - 大島造船所が設立。
- 1981年(昭和56年)1月16日 - 松島火力発電所1号機が稼働開始。
- 1988年(昭和63年)- 寺島大橋が完成。大島と寺島が結ばれる。
- 1999年(平成11年)11月11日 - 大島大橋(長さ 約1,095m/有料)が開通。
- 寺島と西彼杵半島が結ばれたことにより、崎戸島・蛎浦島・大島・寺島・西彼杵半島すべてがつながった。
- 2006年(平成18年)3月5日 - 新西海橋が開通。
- 2009年(平成21年)3月31日 - 西海市が加盟していた佐世保地域広域市町村圏組合が解散。
- 2010年(平成22年)4月1日 - パスポート業務が長崎県から西海市に移管。これにより、西海市民は西海市役所本庁でパスポートの申請・受け取りができるようになった。[2]
- 2011年(平成23年)4月1日 - 大島大橋が無料化。西海市立病院(大島町)が民営化され、社会福祉法人福医会さいかい病院となる。[3]
- 2014年(平成26年)7月3日 - 気象庁が設置する雨量計で当時の最新記録を上回る78.5mmの雨を観測。各地で冠水や土砂崩れが起こり、後に50年に1度の大雨と発表される。
行政区域の変遷
- 1871年(明治4年)
- 1878年(明治11年)
- 1883年(明治16年) - 平島村の一部が分立して江島村となる。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、西彼杵郡のうち現在の市域にあたる以下の各村が発足。()は合併を行った村、他は単独での村制施行。
- 1928年(昭和3年)6月1日 - 瀬戸村が町制施行、瀬戸町となる。
- 1931年(昭和6年)10月1日 - 崎戸村が町制施行、崎戸町となる。
- 1949年(昭和24年)
- 1955年(昭和30年)
- 1956年(昭和31年)9月1日 - 崎戸町が江島村・平島村を編入する。
- 1957年(昭和32年)3月31日 - 西海村と瀬川村が合併し、あらためて西海村が発足。
- 1961年(昭和36年)6月29日 - 亀岳村と大串村が新設合併し、西彼村が発足。
- 1969年(昭和44年)1月1日
- 2005年(平成17年)4月1日 - 大瀬戸町・西彼町・西海町・大島町・崎戸町が合併し市制施行。西海市が発足(平成の大合併)。西海市役所は旧大瀬戸町役場に置かれ、他の旧町役場は「総合支所」となった。
産業
海に囲まれていて沿岸漁業がさかん。南東部の大村湾沿岸ではナマコやカキ、真珠など、北部・西部の五島灘ではアラカブ(カサゴ)、クエ、ブリ、アワビ、イセエビ、ウニ、ワカメ、ヒジキなど、多くの水産物が漁獲される。
農産物ではミカン、スイカ、西海町のゆで干し大根、大島町の完熟トマトなどが特産品として売り出されている。 また、松島には電源開発松島火力発電所、大島には大島造船所、蛎浦島には崎戸製塩所がある。
金融
- 銀行
- 農業協同組合(JAバンク)
- 長崎西彼農業協同組合
- 支店 - 西海支店、面高支店、七釜支店、多以良支店、西彼支店、大串支店、大瀬戸支店、雪浦支店、大崎支店
- 営業所 - 太田和営業所、大島郷営業所、江島営業所、平島営業所、
- 出張所 - 小迎出張所
- その他、資材センター、自動車整備センター、農機具センター、Aコープ、給油所、斎場等の運営を行っている。
- 長崎西彼農業協同組合
- 漁業協同組合(JFマリンバンク)- 大瀬戸町漁協、西海大崎漁協
- 郵便局(ゆうちょ銀行)- 全部で21局。
教育
高等学校
- 県立3校
- 長崎県立西彼農業高等学校(せいひのうぎょう、西彼町上岳郷323番地)
- 長崎県立西彼杵高等学校(にしそのぎ、大瀬戸町瀬戸西濱郷663)
- 長崎県立大崎高等学校(おおさき、大島町3468番地1)
- 西海市は長崎県教育委員会により、長崎市や西彼杵郡と同様に「県南学区」に指定されており、以下の全日制普通科高等学校にも志願・入試・通学が可能である。[4]
- 長崎県立長崎北高等学校、長崎県立長崎西高等学校、長崎県立長崎東高等学校、長崎県立長崎北陽台高等学校、長崎県立長崎南高等学校
- また、以下の調整区域もある。
- 西彼中学校・西海中学校区 - 長崎県立佐世保北高等学校、長崎県立佐世保西高等学校、長崎県立佐世保南高等学校
- 江島中学校・平島中学校区 - 県内すべての全日制課程普通科の県立高等学校
中学校
- 市立
- 6校(うち休校1校)(2013年(平成25年)4月現在)
- 廃止となった中学校については長崎県中学校の廃校一覧#西海市を参照。
小学校
- 市立
- 13校(2018年(平成30年)4月現在)
- 西海市立ときわ台小学校(2018年新設、西彼町下岳郷2118)[5][6][7]
- 大串小学校(おおぐし、西彼町平山郷2333)
- 西彼北小学校(せいひきた、西彼町小迎郷2530)
- 雪浦小学校(ゆきのうら、大瀬戸町雪浦下郷1313-2)
- 大瀬戸小学校(おおせと、大瀬戸町瀬戸樫浦郷2159)-2013年に瀬戸小学校・多以良小学校(たいら)・松島小学校の3校と雪浦小学校幸物分校を統合。
- 西海東小学校(さいかいひがし、西海町丹納郷2030)
- 西海小学校(さいかい、西海町中浦南郷215)- 2016年4月 西海市立西海西小学校と西海市立西海南小学校2校を統合の上開校。
- 西海北小学校(さいかいきた、西海町横瀬郷660)
- 大島東小学校(おおしまひがし、大島町1922-2)
- 大島西小学校(おおしまにし、大島町7720)
- 崎戸小学校(さきと、崎戸町蠣浦郷1771)
- 江島小学校(えのしま、中学校と併設、離島、崎戸町江島204)-2007年(平成19年)より休校していたが、2010年(平成22年)小学生の入学で復校。
- 平島小学校(ひらしま、中学校と併設、離島、崎戸町平島741)
- 廃止となった小学校については長崎県小学校の廃校一覧#西海市を参照。
特別支援学校
- 長崎県立鶴南特別支援学校高等部西彼杵分教室(2016年(平成28年)4月 長崎県立西彼杵高等学校に併設)
幼稚園
- 市立
-
- 大島幼稚園
- 私立
-
- 天真幼稚園(西彼町平山郷2324-16)
- 西彼中央幼稚園(西彼町喰場郷413)
- あかつき幼稚園(西海町木場郷1398)
- 崎戸幼稚園
保育所
- 市立
-
- 間瀬保育所(大島1876-2)
- 横瀬保育所(西海町横瀬郷2938)
- 私立
-
- 亀岳保育園(西彼町上岳郷148)
- 小迎保育園(西彼町小迎郷2734-1)
- 瀬川保育園(西海町丹納郷2766-5)
- はすの実保育園(西海町太田和郷907-1)
- 樹心保育園(西海町天久保郷1325)
- たんぽぽ保育園(西海町川内郷1093)
- 西海保育園(西海町七釜郷1888)
- 瀬戸保育園(大瀬戸町瀬戸福島郷1458-33)
- 遊林保育園(大瀬戸町瀬戸西濱郷63)
- 淳心保育園(大瀬戸町雪浦下郷1206-1)
- 松島保育園(大瀬戸町松島内郷298-1)
- 多以良保育園(大瀬戸町多以良内郷1336-1)
- 太田尾保育園(大島町太田尾4617)
- まさご保育園(大島町真砂1813-8)
図書館
- 西海市立西彼図書館(西彼町喰場郷736)
- 西海市立大島図書館(大島町1922-2)
- 西海市西海歴史民俗資料館図書室(西海町黒口郷488-1)
- 西海市崎戸中央公民館図書室(崎戸町蠣浦郷1645)
- 西海市大瀬戸歴史民俗資料館図書室(大瀬戸町瀬戸西浜郷61-1)
交通
空路
海路
- 市外への路線
- 瀬川汽船(旧 西海町渡船)[8]
- 高速船「せがわ」、「さんせがわ」
- 路線1 : 佐世保港 - 寄船港 - 横瀬西港 - 小郡港 - 畑下港 - 川内港 (いずれも旧西海町地区)
- 路線2 : 佐世保港 - 横瀬西港(距離 10km/所要時間 せがわ-15分、さんせがわ-18分)
- 高速船「せがわ」、「さんせがわ」
- 市内路線
- 西海市営交通船
- 「New松島」
- 路線 : 瀬戸港 - 松島釜浦港
- 総距離2.4km/所要時間約12分
- 路線 : 瀬戸港 - 松島釜浦港
- 「New松島」
- 江崎海陸運送
- 旅客カーフェリー「シャトル5」
- 路線 : 瀬戸港 - 松島吉原港
- 旅客カーフェリー「シャトル5」
鉄道
道路
- 自動車専用道路
- 西海パールライン有料道路
- 大島大橋(2011年(平成23年)4月に通行料が無料となった。)
- 一般国道
- 主要地方道
- 一般県道
- 西彼杵広域農道
バス路線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事・レジャー
- 大島大橋・大島大橋公園
- 丸田海水浴場
- 七ツ釜鍾乳洞
- 中浦ジュリアン記念公園
- 柳の浜海水浴場
- 尻久砂里浜
- 外平海水浴場
- つがね落としの滝・岩背戸渓谷・ながさき県民の森
- 音浴博物館
- 西海歴史民俗資料館
- 大瀬戸歴史民俗資料館
- 崎戸歴史民族資料館
- 雪浦海水浴場
- 横瀬浦
- 虚空蔵山・西彼青年の家
- 伊佐ノ浦公園
- 八人ヶ岳公園
- 西海橋・新西海橋・西海橋公園
- 四本堂公園
- キャスビレッジ(破産)
- 生長の家総本山
- 長崎バイオパーク
- 長崎オランダ村(2017年11月にポートホールン長崎から名称変更した)
- オリーブベイホテル
出身有名人
- 太田敏夫(海軍軍人)
- 神近義邦(実業家。長崎オランダ村・ハウステンボス社長)
- 楠本長三郎(医学者・大阪帝国大学第二代総長)
- 栗田有起(小説家)
- 野田秀樹 (劇作家・演出家・役者)
- 三遊亭金翔(元・噺家)
- 中浦ジュリアン(天正遣欧使節・福者)
- 堀川安市(自然史研究家)
- 松竹伸幸(ジャーナリスト)
- 隆昌山勝茂(大相撲力士)
参考文献
- 『角川日本地名大辞典 42 長崎県』1987年 ISBN 9784040014203
脚注
- ↑ 鳥加・大串ともに旧西彼町。大串は長崎バスの終点としても有名である。
- ↑ 長崎県パスポートインフォメーション
- ↑ 4月1日(金)さいかい病院除幕式、大島大橋無料化記念式典
- ↑ 平成23年度 ハイスクールガイダンス 長崎県教育委員会
- ↑ 西海市小中学校適正配置(学校統廃合) - 西海市ウェブサイト
- ↑ 学校だより「白似田の風」2017年第1号 (PDF) - 西海市立白似田小学校ウェブサイト
- ↑ 学校だより「せんだん」2017年第1号 (PDF) - 西海市立亀岳小学校ウェブサイト
- ↑ 1972年(昭和47年)3月に瀬川渡船株式会社に譲渡された。詳しくは瀬川汽船ウェブサイト
関連項目
- 西海(その他の用法)
外部リンク
- 西海市ウェブサイト
- 西海市大瀬戸歴史民俗資料館
- 西彼北部地域合併協議会(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業)
- オープンストリートマップには、西海市に関連する地理データがあります。