早岐駅

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西口(旧表口)の新旧駅舎(2014年10月)
ファイル:Haiki sta.jpg
旧駅舎(2008年10月18日)

早岐駅(はいきえき)は、長崎県佐世保市早岐一丁目にある、九州旅客鉄道(JR九州)のである。

概要

長崎県北部の鉄道交通の要衝となる駅で全列車が停車し、特急「みどり」「ハウステンボス」の併結列車が当駅で分割・併合を行っている。当駅の所属線である佐世保線[1]、当駅を起点とする大村線の2路線が乗り入れている。複数のJR路線が乗り入れる駅としては日本最西端にあたる[2]

佐世保線の普通列車は朝・夕方の下り3本・上り2本を除き当駅で乗り換えとなる。当駅以東の普通列車の一部は長崎本線に直通して鳥栖駅まで乗り入れ、1往復のみさらに鹿児島本線に直通して門司港駅吉塚駅発着で運行される列車もある。吉塚駅始発の列車は2012年3月16日までは山陽本線下関駅が始発で、佐世保線の列車としては本州に乗り入れる唯一のものになっていた。その後門司港駅始発に変更されたのを経て2014年3月15日より現在の区間となっている。大村線は当駅が起点であるが当駅始発・終着の列車は朝晩の普通列車の一部のみで、特急「ハウステンボス」は佐世保線肥前山口駅方面に乗り入れて博多駅まで、快速・区間快速(「シーサイドライナー」)全列車と残りの普通列車は佐世保線佐世保駅までそれぞれ直通している。このほかに松浦鉄道西九州線の列車が1往復のみ佐世保駅から佐世保線に乗り入れて当駅まで運行される。

当駅は佐世保線の中間駅、大村線の起点駅であるが、駅構内の配線は大村線と佐世保線の双方向が直通可能で、佐世保線はスイッチバック構造となっている。これは、当駅がもともと長崎本線から佐世保線が分岐する駅として開業した名残で、1934年に長崎本線が現在の肥前鹿島駅経由のルートに変更された際、肥前山口駅 - 当駅間は従来の佐世保線である当駅 - 佐世保駅間と統合されて佐世保線となり、当駅 - 諫早駅間は大村線として独立した結果である。

また、長崎駅の連続立体交差事業に伴い長崎車両センターが長崎駅から当駅に移転することが決定し、2010年8月から移転工事が始まっていたが、2014年3月15日に佐世保車両センターとして開業した。

歴史

  • 1897年明治30年)
    • 7月10日 - 九州鉄道長崎線の駅として開業。当初は終着駅であった。
    • 7月22日 - 長崎線の長与駅 - 長崎駅(現在の浦上駅)間が開業。同時に当駅と長与駅の間を結ぶ鉄道連絡船として、大村湾連絡船が運航を開始する。
      • 早岐側の港は当駅から徒歩数分の早岐港。長与側の港は、当初は道ノ尾駅近くの時津港だったが、まもなく長与駅近くの舟津港に変更された。
  • 1898年(明治31年)
    • 1月20日 - 長崎線が大村駅まで延伸。同時に早岐駅 - 佐世保駅間の路線も開業。
    • 11月27日 - 大村駅 - 長与駅間が開業し長崎線が全通。これに伴い大村湾連絡船は廃止。なお、現在の長崎駅まで路線が伸びたのは1905年である。
  • 1907年(明治40年)7月1日 - 九州鉄道が国有化される。
  • 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称制定により、鳥栖駅 - 早岐駅 - 長崎駅間に長崎本線、早岐駅 - 佐世保駅間に佐世保線の名前が与えられ、当駅は長崎本線と佐世保線の駅となる。
  • 1934年昭和9年)12月1日 - 長崎本線が肥前鹿島駅経由の現ルートに変更されたのに伴い、従来のルートは肥前山口駅 - 早岐駅間は佐世保線に編入され、早岐駅 - 諫早駅間は大村線の名前が与えられる。これにより当駅は佐世保線と大村線の駅となる。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、九州旅客鉄道(JR九州)の駅となる。なお民営化と同時に有田駅 - 当駅間の貨物営業が廃止されたため、当駅は日本貨物鉄道(JR貨物)には継承されていない。
  • 2010年平成22年)
    • 7月8日 - 佐世保市役所 教育委員会早岐地区公民館・東部住民センターにて、地元住民に対する早岐駅への車両基地移転工事に伴う工事説明会を実施。
    • 8月上旬 - 車両基地移転工事着工。
  • 2014年(平成26年)3月15日 - 車両基地が一部完成し、「長崎鉄道事業部佐世保車両センター」として運用開始。長崎駅に隣接する同事業部長崎車両センターの基地機能の大半が移管される。
    • 10月11日 - 橋上式新駅舎と東西連絡通路が完成し、供用開始[3]。旧駅舎は前日限りで営業終了。「ありがとう早岐駅記念乗車券」を500枚発売。
    • 10月27日 - 旧駅舎お別れセレモニーを開催[3][4]

駅構造

1・2番線と4・5番線の地平式島式ホーム(※1番線は佐世保・肥前山口方からのみ入線可能な切り込み線)2面4線を持つ橋上駅。2つのホーム及び駅窓口・売店・改札口(1ヶ所)は跨線橋で繋がっている。開業時からの初代駅舎が老朽化したことにより橋上式駅舎に改築され、2014年10月に供用開始された[3]。同時に駅の東西両側を結ぶ自由通路が設置されている[3]

運行上の拠点駅で当駅発着の列車も多いこともあり、切り込み線の1番線が佐世保線専用、2番線を佐世保線上り普通列車が使用しないことを除けば、普通・快速列車はどのホームも区別なく用いられている。特急列車は「みどり」「ハウステンボス」の分割・併合が2番線に固定されているため2番線に発着する列車が多い。また一般に切り込み線は短いことが多いが、当駅の1番線はかつて本州に直通する優等列車が停車していた名残で、現在当駅を経由する列車では最長である8両編成の「みどり」など長編成にも対応したものとなっている(ただし2018年3月17日のダイヤ改正で、1番線を使用する「みどり」は設定がなくなった)。

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3番線に留置されている783系ハウステンボス色

3番線はホームのない渡り線で、機関車牽引列車がスイッチバックを行う際はここで機関車の付け替えを行うが、2000年3月11日に「あかつき」の佐世保駅発着列車が廃止されて以降、当駅に乗り入れる機関車牽引の定期列車はない。そのため車両の留置に使用されることが多く、日中では右写真のように主にハウステンボス用の783系が留置されていることが多い。なお、「ななつ星in九州」(1泊2日コース)が2015年3月15日ダイヤ改正より有田駅で一部の乗客を降ろしてから佐世保駅まで乗り入れるようになったが、当駅では列車は4番線に停車し、機関車の機回しは5番線を用いて行っている。

かつては2面のホームを0・1番線、3・4番線(0番線が切り込み線)、渡り線を2番線としていたが、2013年3月16日のダイヤ改正時に各番線に1ずつ加え、現在の呼称となった。

直営駅で、みどりの窓口自動券売機が設置されている。自動改札機は設置されていない。エレベーターについては跨線橋の改築に併せて2012年10月に設置された。開業時から1984年まで早岐機関区早岐客貨車区が設置されており、機関区で使用された煉瓦造りの給水塔や転車台が残されている。現在は機関区及び客貨車区の跡地を活用した佐世保鉄道事業部(旧早岐運転区)が併設され、広いヤードをもつ。夜から早朝にかけて構内に滞泊する車両が多く、当駅 - 佐世保間には回送列車の設定がある。

2007年11月28日より自動放送が導入された。

のりば

のりば 路線 方向 行先 備考
1 佐世保線 下り 佐世保松浦鉄道西九州線 佐々たびら平戸口方面 西九州線直通は1本のみ
上り 有田肥前山口鳥栖方面
2 佐世保線 下り 佐世保方面
大村線 ハウステンボス大村諫早長崎方面
特急「みどり
ハウステンボス
下り 佐世保・ハウステンボス行き 併結列車は分割・併合を行う
「みどり」のみ一部4番線
上り 佐賀新鳥栖博多方面
4・5 佐世保線 下り 佐世保方面
上り 有田・肥前山口・鳥栖方面
大村線 ハウステンボス・大村・諫早・長崎方面
  • 西九州線に直通する列車は伊万里駅行きだが、伊万里駅には有田駅経由の方が早く着く。
  • 当駅 - 佐世保駅間は乗車券のみで特急の普通車自由席に乗車可能(途中駅では客扱いを行わない)。

JR長崎本線連続立体交差事業に伴う長崎駅地区からの車両基地移設工事

長崎県 長崎鉄道高架整備事務所によれば、2010年8月上旬に長崎駅から当駅への車両基地移設工事が着工された[5]。2010年度分の工事は資料[6]によれば、

  1. 仮留置線(7番線[7] - 11番線)の増設
  2. 改札口左側(佐世保方)の洗面所の先にあった跨線橋の改札口前への移設
  3. 島式ホーム(3・4番線(現4・5番線))の諫早方への延長及び佐世保方部分の撤去

である。また、その他の既設の佐世保鉄道事業部(2010年時点。旧早岐機関区早岐客貨車区)内の配線も全面的に再構成され[8]、 駅前広場東口が整備される[9]

移転工事完了時の車両基地の主な設備

2010年着工分の仮留置線は最終的には撤去され、以下に挙げる設備が設置される[10]

  1. 検修庫(3線:13 - 15番線)
  2. 給油線(2線:11 - 12番線)
  3. 自動洗浄装置
  4. 洗浄線(2線:7 - 8番線)
  5. 留置線(4線:6番線、9番線、17 - 18番線)
  6. 転車台(19番線)
  7. 引上線(1線:16番線/既存の佐世保線肥前山口方の引上線は撤去される)

また、車両基地移設工事に関連して早岐駅周辺整備事業として下記の事業が行われる[11]

  1. 駅前広場東口整備
  2. 東西連絡通路整備
  3. 稗田第一踏切拡幅

利用状況

2016年(平成28年)度の1日平均乗車人員1,646人である[12]

各年度の1日平均乗車人員は以下の通り。

年度 1日平均
乗車人員
2000年 1,343
2001年 1,333
2002年 1,244
2003年 1,320
2004年 1,307
2005年 1,342
2006年 1,314
2007年 1,380
2008年 1,440
2009年 1,394
2010年 1,392
2011年 1,394
2012年 1,435
2013年 1,479
2014年 1,512
2015年
2016年 1,646
2017年 1,663

駅周辺

その他

  • 歌手の藤井フミヤが高校卒業後当時の国鉄に就職し、早岐駅に配属され輸送係として貨物列車の操車・入換業務に従事していた。
  • SUGOCAは改札では使えないが、早岐駅東口有料駐車場(平面自走式)では、精算機でSUGOCAが利用出来る。(ただし、カードの発売及びチャージはできない)最寄り(西口)のドラッグストア(ドラッグイレブン早岐店)のレジでチャージできる。駅売店は未対応。駅に設置してある自動販売機もSUGOCA対応。(Edy、iD等は利用不可)

隣の駅

九州旅客鉄道
佐世保線
普通
三河内駅 - 早岐駅 - 大塔駅
大村線(佐世保駅 - 当駅間は佐世保線)
  • 特急「ハウステンボス」停車駅
快速「シーサイドライナー」・区間快速「シーサイドライナー」・普通
大塔駅 - 早岐駅 - ハウステンボス駅

脚注

  1. 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  2. 単に「複数の鉄道路線が乗り入れる」駅としては、佐世保線(JR九州)と西九州線(松浦鉄道)が乗り入れる佐世保駅が日本最西端。
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 井上和也(2014年10月28日). “JR早岐駅:新装 利便性アップ 東西連絡通路も完成”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
  4. 「お疲れさま、早岐駅旧駅舎」 長崎新聞ホームページ 2014年10月28日
  5. 工事関係のページ(2010年7月28日更新)
  6. 今年度(2010年度)予定箇所
  7. ただし、7番線は既設だが引き直すか否かについては触れられていない。
  8. 早岐駅車両基地移転に関する説明会(平成20年10月29日) 資料
  9. 早岐駅周辺整備事業及び車両基地移転工事に関する説明会 資料
  10. 地元住民に対する工事説明会 資料の別紙-3
  11. 地元住民に対する工事説明会資料の7ページ目
  12. 駅別乗車人員上位300駅(平成28年度) (PDF)”. 九州旅客鉄道 (2017年7月31日). . 2017閲覧.
  13. 13.0 13.1 “JR九州 早岐駅東口にスーパー開業”. 交通新聞 (交通新聞社). (2016年4月19日) 

関連項目

外部リンク

  • 早岐駅(駅情報) - 九州旅客鉄道

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