新日鐵住金広畑製鐵所

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新日鐵住金広畑製鐵所(しんにってつすみきんひろはたせいてつじょ)は、兵庫県姫路市広畑区富士町にある新日鐵住金工場である。

概要

姫路市南部、夢前川河口に隣接し姫路港(広畑港)に面する場所に立地する工場である。播磨臨海工業地帯を形成する工場の一つ。

1939年(昭和14年)に日本製鐵(日鉄)によって銑鋼一貫製鉄所として建設された、比較的古い製鉄所である。戦後賠償に充てられる予定となったため1946年(昭和21年)に休止するが、解体はなされず4年後の1950年(昭和25年)に再開した。再開直後に日鉄が解体され広畑製鐵所は富士製鐵が継承、その後は同社の主力製鉄所として発展する。1970年(昭和45年)には八幡製鐵・富士製鐵の合併により新日鉄が発足すると、同社の広畑製鐵所となった。新日鉄は1970年代後半以降、各製鉄所の縮小・合理化を進めるが、その一環として広畑製鐵所は1993年(平成5年)に高炉を休止し、銑鋼一貫体制を廃止した。

現在の広畑製鐵所は、面積約641万平方メートル、従業員数1244人(2009年7月1日時点)。高炉はないが冷鉄源溶解設備があり、年間100万トンの粗鋼生産量がある。現在では熱延・冷延鋼板やめっき鋼板、電磁鋼板など薄板の生産拠点である。

設備と製品

粗鋼の生産は既存転炉を改造した「冷鉄源溶解法 (SMP)」で行われる。原料はスクラップなどの冷鉄源で、溶解炉で溶解して銑鉄とし、脱炭炉で炭素を除去して粗鋼を生産するプロセスである。溶解炉・脱炭炉・兼用炉が各1基設置されている。粗鋼は連続鋳造機(1基設置)で鋼片に鋳造される。

鋼片を圧延し製品の薄板とする設備は、鋼片を熱間圧延し熱延鋼板とする設備(1ライン設置)、熱延鋼板を冷間圧延し冷延鋼板とする設備(2ライン設置)、電磁鋼板を製造する設備(1ライン設置)の3種類ある。電磁鋼板工場は、他の設備が夢前川西側にあるのに対し、川の東側にあり離れている。鋼板に表面処理(めっき加工)を施す設備は、ブリキ用(2ライン)、溶融亜鉛めっき用(2ライン)、電気亜鉛めっき用(1ライン)の3種類がある。

かつては最大4基の高炉で銑鉄の製造を行っていた。また最終製品の製造設備も、厚板用、H形鋼などの大形形鋼用があった。

鉄鋼製造用の設備ではないが、発電事業 (IPP) 用の石炭火力発電所があり、関西電力へ発電した電力を供給している。

上記の新日鐵住金の設備のほかにも、新日鉄住金化学広畑製造所、新日鉄住金化学傘下のシーケム広畑工場、日鐵住金建材広畑製造所、新日鉄住金マテリアルズコンポジット社姫路工場・日本グラファイトファイバー広畑工場など、新日鐵住金グループの工場が広畑製鐵所の構内に立地している。また、製鉄所西部の遊休地は「広畑臨海産業団地」として旧新日鉄が分譲しており、三菱電機ダイセルの工場などが進出している。

沿革

アクセス

関連項目

脚注

  1. 広畑製鉄所30年史 p.14 新日本製鉄 1970年

参考文献

  • 日本製鉄株式会社史編集委員会 『日本製鐵株式會社史』1959年。
  • 新日本製鐵 『炎とともに』富士製鐵株式會社史、新日本製鐵、1981年。
  • 新日本製鐵 『炎とともに』新日本製鐵株式會社史、新日本製鐵、1981年。

外部リンク


座標: 東経134度38分31.7秒北緯34.775806度 東経134.642139度34.775806; 134.642139