宮澤洋一
宮沢 洋一（みやざわ よういち、1950年（昭和25年）4月21日 - ）は、日本の政治家、元大蔵官僚。自由民主党所属の参議院議員（2期）、自由民主党税制調査会長（第35代）。
衆議院議員（3期）、経済産業大臣（第19・20代）、内閣府特命担当大臣（原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当）、参議院政策審議会長代理、自民党たばこ議員連盟副会長などを歴任。
Contents
経歴
出生から学生時代まで
1950年4月21日出生。1963年、東京教育大学附属小学校（現・筑波大学附属小学校）を卒業。1966年、東京教育大学附属中学校（現・筑波大学附属中学校）を卒業。藤巻健史（参議院議員・為替ディーラー）とは小・中学校9年間同じクラスだった[1]。1969年、東京教育大学附属高等学校（現・筑波大学附属高等学校）を卒業[2]。
大蔵官僚として
1974年、東京大学法学部を卒業して、大蔵省に入省[3]。1978年、米国ハーバード大学行政大学院を修了（行政学修士（MPA：Master in Public Administration）取得）。大阪国税局岸和田税務署長、 内閣総理大臣首席秘書官を経て1993年に退官した。
政治家として
2000年、伯父で元首相の宮澤喜一が比例中国ブロックに回ることになったのを受けてその地盤を継ぎ、第42回衆議院議員総選挙で広島7区から立候補し初当選。3期務めた。2008年8月、福田康夫改造内閣で内閣府副大臣（経済財政、地方分権改革、道州制等）に就任。2009年8月30日の第45回衆議院議員総選挙で、民主党の和田隆志に敗れ、比例復活もならず落選。2010年の第22回参議院議員通常選挙に広島県選挙区から初の自民党予備選挙を経て、自民党公認候補として立候補し当選、国政に復帰した[4]。
2014年10月21日、政治資金問題で辞任した小渕優子の後任として経済産業大臣に就任。
2015年10月7日、内閣改造に伴い、大臣を退任し、自民党税制調査会長に就任[5]。
2016年7月10日、第24回参議院議員通常選挙に自民党公認で立候補し、再選。
不祥事
SMバーへの政治活動費支出
入閣2日後の2014年10月23日、宮澤の資金管理団体「宮沢会」が2010年に広島市内のSMバーに政治活動費を支出していたことが判明した[6][7][8]。政治資金収支報告書によると、2010年9月6日に広島市中区の繁華街にあるSMバーに18,230円を支出していた[8][9][10]。
同店は客と女性スタッフでSMのようなショーをおこないながら、客に飲み物を提供している[11]。同店で支払いをおこなったのは宮澤の資金管理団体の職員であり、宮澤自身は今まで同店に入店したことは無いと述べている[12]。また、店長も毎日新聞の取材に対し、宮澤の顔に見覚えは無く、当日に誰が来店したかも記憶に無いと証言した[11]。
宮澤は、共同通信の配信記事でこの一件を初めて知ったと述べ、支出が事実であることを認めた上で、事務所関係者が誤って政治資金として処理したものであるとして、政治資金収支報告書の訂正をおこなうとしている[8]。
外国資本パチンコ企業からの寄付
2014年10月27日、上記SMバーへの支出金問題を受けて自身の資金管理団体を調査した結果、衆議院議員時代に代表を務めていた政党支部が2007年と2008年に、外国人が50％超の株式を保有する広島県福山市のパチンコ企業[13]ゴールド[14]から計40万円の寄付を受けていたことが判明したため、10月26日に返金したことを公表した[15][16]。政治資金規正法では、外国人や外国法人からの寄付の受け取りを禁じている[15]。株主の国籍については「わからない」と話しているが、韓国籍が多数を占めるとみられている[17][18]。
東電株保有問題
2014年10月23日、宮澤の事務所担当者によれば、東京電力（経済産業省の所管対象）の株式600株を保有しているという[19]。ロイターは、東電の株主と経済産業大臣の立場は利害が相反するがい然性が高い、と指摘している[19]。宮澤は参議院経済産業委員会で、「在任期間が終わった後、福島の復興に役立てるため、処分して全額を寄付したい」とコメントした[20]。
補助金企業からの献金
政治資金規正法は国の補助金の交付決定通知から1年間、企業などに政治献金を禁じているが、国の補助金の交付決定通知を受けた企業から12万円の献金を受けたことが、2015年明らかになった[21]。
人物
政策
- 永住外国人への地方選挙権付与：反対[23]
- 選択的夫婦別姓について、2010年の毎日新聞の調査では反対としていた[24]。2016年の朝日新聞の選択式アンケート調査では、どちらとも言えない、としている[25]。
家族・親族
元鉄道大臣小川平吉は曾祖父。小川は1903年（明治36年）に弁護士から代議士に転じ、激烈な対露強硬論をぶち上げた“国士”タイプの政治家で、実業への足掛かりはもたなかったが、特筆ものの閨閥を残した[26]。衆議院議員を務めた宮澤裕、岸田正記は祖父。参議院議員、広島県知事、法務大臣を務めた宮澤弘の長男で、首相を務めた宮澤喜一は伯父にあたる。妻は日本航空社長を務めた柳田誠二郎の孫娘。自由民主党政調会長の岸田文雄は母方のいとこ[27]。
宮澤家
小川家
岸田家
柳田家
所属団体・議員連盟
- 自民党たばこ議員連盟（副会長）[28][29]
- 神道政治連盟国会議員懇談会[30]
- みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[30]
- 再チャレンジ支援議員連盟
- 日韓議員連盟
- 朝鮮通信使交流議員の会（幹事）
- TPP交渉における国益を守り抜く会
参考文献
- 早川隆 『日本の上流社会と閨閥』、153-157頁 角川書店 1983年
- 佐藤朝泰 『豪閥 地方豪族のネットワーク』 立風書房 2001年 446-448頁
- 神一行 『閨閥 改訂新版 特権階級の盛衰の系譜』、197-211頁 角川書店 2002年
脚注
- ↑ 本文＆フジマキな日々(歌舞伎座千秋楽） - 藤巻プロパガンダ
- ↑ 公式ページ プロフィール
- ↑ 同期に杉本和行（財務事務次官）、石井道遠（国税庁長官）、丹呉泰健（財務事務次官）など。
- ↑ 加藤小夜 (2010年2月21日). “選挙：参院選 選挙区の公認候補に宮沢洋一氏を擁立へ－－自民党県連 ／広島”. 毎日新聞 . 2010閲覧.
- ↑ [1]
- ↑ 宮沢大臣の資金管理団体 SMショー行うクラブに支出 テレ朝ニュース
- ↑ 宮沢経産相:SMバーに政治活動費 資金管理団体 毎日jp 2014年10月23日
- ↑ 8.0 8.1 8.2 “SMバーに「宮沢会」政治活動費 経産相の資金管理団体”. 共同通信社. 47NEWS. (2014年10月23日) . 2014閲覧.
- ↑ 経産相「宮沢会」、SMバーに政活費支出 「面目ない」 - 朝日新聞デジタル 10月23日(木)13時18分配信
- ↑ Yahoo!ニュース 時事通信 10月23日(木)21時27分配信「政権イメージ悪化避けられず＝宮沢経産相問題、野党追及へ」
- ↑ 11.0 11.1 “宮沢経産相:SMバー店長「議員の顔に見覚えない」”. 毎日jp (毎日新聞社). (2014年10月23日) . 2014閲覧.
- ↑ Japan's industry minister's staff spent money at sex bar. The Guardian. Oct 23
- ↑ [2]
- ↑ [3]
- ↑ 15.0 15.1 “経産相に外国人企業寄付 宮沢氏政党支部へ４０万円”. 共同通信社. 47NEWS. (2014年10月27日) . 2014閲覧.
- ↑ 「宮沢経産相:『支部、外国人企業から40万円寄付』」毎日新聞 2014年10月27日
- ↑ [4]
- ↑ [5]
- ↑ 19.0 19.1 宮沢経産相、東電株式600株を保有ロイター
- ↑ 宮沢経産相「復興に役立てる」退任後、東電株売却し福島に寄付へ スポニチ 2014年10月28日
- ↑ 朝日新聞、2015年3月4日
- ↑ [6]
- ↑ 2010年参院選時毎日新聞のアンケート調査への回答
- ↑ 2010年参院選時毎日新聞の選択式アンケート調査への回答
- ↑ 朝日新聞2016年参院選候補者アンケート（朝日・東大谷口研究室共同調査）、(2016年6月23日閲覧)
- ↑ 佐藤朝泰『豪閥 地方豪族のネットワーク』 442頁
- ↑ 佐藤朝泰『豪閥 地方豪族のネットワーク』 446-447頁
- ↑ “「自民党たばこ議員連盟」役員（2017/3/7現在）及び役員へのタバコ販売＆耕作者政治連盟からの６年間の献金額（万円）”. . 2018年4月11日閲覧.
- ↑ “自民党たばこ議員連盟臨時総会（出席者）”. . 2018年4月11日閲覧.
- ↑ 30.0 30.1 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
関連項目
外部リンク
| 公職 | ||
|---|---|---|
| 先代： 小渕優子 |
 経済産業大臣第19・20代：2014年 - 2015年 |
次代： 林幹雄 |
| 先代： 小渕優子 |
特命担当大臣 （原子力損害賠償・廃炉等支援機構） 第3・4代：2014年 - 2015年 |
次代： 林幹雄 |
| 先代： 木村勉 山本明彦 中川義雄 |
内閣府副大臣 増原義剛・谷本龍哉と共同 2008年 - 2009年 |
次代： 大島敦 古川元久 大塚耕平 |
| 党職 | ||
| 先代： 野田毅 |
自由民主党税制調査会長 第35代：2015年 - |
次代： 現職 |