地形
地形(ちけい、英語:landform)は、地球表面の不均衡のことである[1][2]。なお、日本語の日常語では地表の高低や起伏の形を指す[3]。
Contents
概要
地形は内作用・外作用・外来作用の連続で形成される。内作用により変動地形や火山地形が、外作用により侵食地形や堆積地形が形成される。この他、外来作用により衝突地形が形成されるが、現在の地球ではほとんど見られない[2]。
小分類
地形は、規模によって大地形、中地形、小地形、微地形の4種に分類される[4]。
大地形(だいちけい、英語: major landform, macro-morphology)
プレートの運動、地殻変動、火山活動の他、広範囲の侵食作用、堆積作用などが複合的に関わって形成された大規模な地形で、大きく大陸と海洋底の2つに分けられる[5]。大陸、大洋底[4]、大山脈、大平原など。
中地形(ちゅうちけい)
小地形(しょうちけい)
侵食作用・堆積作用などによってできた小規模な地形。沖積低地、モレーンなど[4]。
微地形(びちけい、英語: micro-topography)
肉眼では確認できるが地形図上では判別しにくい非常に小規模な地形。自然堤防、河床[4]など。
地形の一覧
成因ごとに、地形の一覧を示す(成因が複数ある地形は重複あり)。
風成地形
- 砂丘
- バルハン(三日月型砂丘)
- 風食凹地(ブロウアウト) en:Blowout (geology)
- 砂漠舗石(砂漠石畳、礫砂漠) en:Desert pavement
- 砂砂漠(エルグ)en:Erg (landform)
- 砂漠ワニス en:Desert varnish
- 稜石 en:Ventifact
- 三稜石(ドライカンター) en:Dreikanter
- レス(黄土)
- 乾燥湖(ドライレイク)en:Dry lake
- en:Sandhill - 灌木地帯で、数年の短い周期で山火事がおこることで植生の遷移が起こらず砂丘の状態が維持される地形のこと。
- ヤルダン
侵食地形
- メサ(浸食台地) / テプイ en:Tepui / テーブル en:Table (landform)
- 残丘(モナドノック、インセルバーグ)
- ビュート
- 峡谷
- 崖
- ケスタ
- ホッグバック
- 開析台地 en:Dissected plateau
- 砂砂漠(エルグ)en:Erg (landform)
- en:Exhumed river channel - 河川の流路変化や蛇行、三日月湖の切離などが連続的に起こっている氾濫原のこと。
- リル(細溝)
- ガリ(雨裂)
- 土柱
- ラヴァカ en:Lavaka - 地下水浸食による崩壊地形。
- 石灰岩舗石 en:Limestone pavement
- アルヴァ en:Alvar - 石灰石基盤岩の上に僅かな土壌があり、そこに植生がある状態。
- カルスト地形
- ポリエ(溶食盆地)
- マルペイス en:Malpaís (landform) - 火山岩が浸食された荒れ地。
- 自然橋 en:Natural arch
- ペディメント(山麓緩斜面) en:Pediment (geology)
- 準平原
- 尾根(稜線、山稜)
- 連続崖 en:Escarpment
- en:Stone run - 石が敷き詰められたような地形のこと。
- en:Tor - ぽつんと取り残された岩山、岩石群。
- en:Promontory - 落差の大きい岬(内陸にある同様の地形も含む)。
- 棚 (地形) en:Bench (geology)
- 段丘 en:Terrace (geology)
- 谷
- V字谷
海岸・海底地形
- 海
- 海洋
- 湾
- 灘
- 入り江(浦)
- 海峡
- 水道
- 瀬戸
- 海岸
- 砂浜
- 干潟
- 磯
- 塩沼
- 塩湖
- 潟湖(ラグーン)
- 砂丘
- 砂嘴
- 砂州
- バリアー島
- ビーチカスプ en:Beach cusps
- 浜堤 en:Beach ridge
- 海岸段丘
- 潮吹き穴 en:Blowhole (geology)
- 扇状地
- 三角江(エスチュアリー)
- 半島
- 岬
- 地峡
- 陸繋島
- 陸繋砂州(トンボロ)
河成地形
- 池
- 湖
- 川(渓流、沢、淵、バイユー、急流)
- 本川
- 支川
- 派川
- 旧河道
- en:Anabranch - 分流した後再び合流する支流。
- 川床 en:Stream bed
- 川原
- 中州
- 滝
- 泉
- 自然堤防
- 氾濫原
- 天井川
- 後背湿地
- 網状河道 en:Braided river
- 蛇行 en:Meander
- 三角州(デルタ)
- 扇状地
- オアシス
- 洞窟
- 鍾乳洞
- 沼
- 水無川 / ワジ
- 河岸段丘 / 湖岸段丘
氷河地形
- 圏谷
- U字谷
- 氷食尖峰
- トリムライン en:Trim line
- アレート
- 羊背岩
- フィヨルド
- モレーン
- 氷堆丘
- エスカー
- ケイム段丘
- ザンドル
- 釜状陥没地
- 迷子石
- ダートコーン en:Dirt cone
- 氷床
- 氷原
- 氷帽
- 溢流氷河
- 谷氷河
- 山腹氷河
- 雪原
- 岩石氷河
- 棚氷
- 氷舌
- 氷山
- 氷丘
- 氷丘脈
- パドル
- ムーラン
- クレバス
- 氷河洞窟 en:Glacier cave
- 氷河湖
- 氷河盆地
- ヌナタク
- ツンドラ
- 周氷河地形
- 永久凍土
- ピンゴ en:Pingo
- アラス en:alas
斜面・平面地形
火山地形
火山地形(かざんちけい、英語: volcanic landform)は、火山の火口周辺において、火山活動(噴火など)によって形成された地形のことである[6]。火山地形や噴出物をみることによって、噴火様式や火口周辺の環境などについての情報も得ることができる[7]。
例えば、深海底の火山帯では溶岩台地・盾状火山・溶岩湖・砕屑丘などが見られる。これはプレートの発散境界で火山活動があまり激しくないためである。一方、プレートの収束境界では火山活動が激しいことから、成層火山やカルデラが見られる。なお、環太平洋造山帯では海溝と火山帯が並行して形成されている[8]。
岩石
構造地質学状の分類
脚注
参考文献
- 貝塚, 爽平 『発達史地形学』 東京大学出版会、1998年。ISBN 4-13-060720-0。
- 貝塚, 爽平 『写真と図で見る地形学』 東京大学出版会、1985年。ISBN 978-4-13-062080-2。(編者は貝塚ほか、計7名。)
関連項目
外部リンク
- 日本の典型地形 - 国土地理院