砂州
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砂州(さす)とは、流水によって形成される砂の堆積構造。河口付近では、波と沿岸流によって形成される細長い堆積地形であり、海岸や湖岸の近くに見られる[1]。岩石海岸が浸食されてできた砂や礫、あるいは河川から流れ込む土砂によって構成される[1]。
Contents
概要
日本では一般的に湾口にできた砂嘴が発達し、対岸またはその付近までに至った地形と言われるが、砂州と砂嘴との厳密な区分基準は定義されていない[1]。
砂州には様々な種類があり、湾口砂州・湾央砂州・舌状砂州・環状砂州・河口砂州・陸繋砂州(トンボロとも呼ぶ)などに分類される。海岸線に沿って伸びるバリアー[2]も砂州と呼ばれることがあるが、日本にはこのタイプの砂州はない[1]。なお、専門書・教科書・辞書によって使用語がかなり異なり、国内外において用語が統一されていない現状にある[1]。
砂州によって隔てられた水域を潟湖(ラグーン)と呼ぶ。陸繋砂州は陸繋島と陸地をつなぐ部分である。
主な砂州
アジア
日本
- サロマ湖 (北海道北見市・同常呂郡佐呂間町・同紋別郡湧別町)
- 御浜岬(静岡県沼津市)
- 天橋立 (京都府宮津市)
- 小天橋 (京都府京丹後市)
- 弓ヶ浜 (鳥取県米子市・同境港市)
- 波の橋立 (山口県長門市)
- 曲崎 (熊本県苓北町)
- 長目の浜(鹿児島県薩摩川内市・上甑島)
陸繋砂州
(陸繋島も参照)
インド
ヨーロッパ
陸繋砂州
河川における砂州
河川では、中規模な河床形態として規則的に出現する砂の堆積、侵食パターンを砂州という。形成は、河幅と水深の比により左右され、おおよそ10倍から20倍程度以上となる河川の区間で出現する。砂の堆積が左岸、右岸交互に出現する砂州を交互砂州。川幅が広がると、交互砂州の組み合わせが進み左岸、右岸の堆積、侵食が同じ場所で生じる複列砂州、さらに複列砂州の組み合わせが進み鱗状砂州となる。大井川では、14列にも及ぶ鱗状砂州が存在している[3]。