海底谷
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海底谷(かいていこく、submarine canyon)とは、海底の大陸斜面に存在する渓谷である。海底谷は一般に大陸からの大河川の延長として海底へ連続的に伸び、最大距離数百km深度1kmに及ぶ。
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海底谷の形成(仮説)
特に深い海にある谷が、なぜ、どのようにして形成されたのかは、正確なところわかっていない。その成因は、2通りあると考えられている。もちろん、これら2つの現象が同時に発生するのかもしれない。
- 海底谷は、海面が現在よりも低く、河川が大陸棚の端に流れ出ることができた時代、すなわち地上にあるときに河の流れによって削られていたのかもしれない。この理論は、氷河期の海面が低い時代に地表であった地域(多くの渓谷が大河の沿岸部に発見される)に海底谷を見ることができることから支持されている。一方、海面下3,000mの斜面にも海底谷が確認でき、地上での水による浸食による形成としか考えにくい地形も多い。しかし海面の高さは、地球の大陸形成史において数千mも上昇したとは考えられていないことから、このような深海の谷の形成については、地表での浸食を考えるこの理論では説明が難しい。ほとんどの地質学者は信じてはいないが、白亜紀以降に地球膨張し、結果的に海面も数千m上昇したという仮説(地球膨張説)を唱える研究者もいる。
- 海底谷は、海中の乱泥流(タービダイト)により削られているのかもしれない。つまり、密度が濃い堆積物が、例えば地震などのきっかけにより、浸食しながら大陸棚を流れ落ち、谷を形成すると考えられる。富山深海長谷などはこのような成因と考えられている[1]。しかしながら、海水中のこのような流れでは、急峻な谷地形を形成できないとの考えもある。
海底谷の例
- CanyonsbathyLG USGS.jpg
ニューヨーク沖。7つの海底谷があり、左のハドソン谷が最も深い。
- Congo canyon.png
南西アフリカのコンゴ谷は約300kmの長さがある。
- Porcupine Biscay canyons.png
ビスケー海底平原北端のウィッタード谷。
- Beringian Margin canyons.png
ベーリング海の海底谷。