侵食
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侵食(しんしょく、侵蝕とも、erosion)とは、水や風などの外的営力により岩石や地層が削られること。浸食(浸蝕)と表記する場合もあるが、水に「浸る」とは限らないため、学術的には侵食(侵蝕)の表記を用いる[1]。
水の場合は雨水およびそれが流れたものから河川の流れ、海や湖の波、氷河などが原因(scoring)。水流そのものによって物理的侵食をする場合を「洗掘」、長時間にわたって堅い岩盤などが摩耗されることを「磨食」と区別することもある。
風の場合は風そのもののほか、風で飛ばされてくる砂粒によって削られる(サンドブラスト状態)ことも多い。これは風食(deflation)と呼ばれることもある。また、貝類やウニなどによって石灰岩などが侵食されることを生物侵食(bioerosion)という。
侵食によってできた地形の例
- グランドキャニオン(アメリカ合衆国)
- 地殻変動により隆起した地層がコロラド川によって削られ、平坦な高原に断崖が切り込む現在の地形となっている。
- カッパドキア(トルコ)
- 凝灰岩が雨によって侵食され、残った部分が円錐形 - キノコ型の奇岩群となっている。
- 桂林(中華人民共和国)
- 石灰岩が雨水によって化学的に溶解し(侵食の一種で溶食という)、大規模なカルスト地形となっている。
脚注
- ↑ 文部省 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2(オンライン学術用語集)。