武蔵野銀行
株式会社武蔵野銀行(むさしのぎんこう、The Musashino Bank, Ltd.)は、埼玉県さいたま市大宮区に本店を置く地方銀行で、いわゆる戦後地銀である。
Contents
概要
内閣書記官長や貴族院議員を務めた遠藤柳作がデフレ下における資金難の救済を称えて、青木正、上原正吉、横川重次、貫井清憲、馬場元治など埼玉県内外の政治家に呼びかけて発起[1]。旧野村合名出身の熊田克郎を経営陣に迎え、1952年(昭和27年)4月に開業した。
設立にあたっては、県内においてトップシェアを握っていた埼玉銀行が反対したことなどから、経営理念に潜在預金余力の開拓とそれによって集めた預金を主に中小企業への融資として運用を図ることなどを方針として盛り込んだ[1]。昭和40年代初頭までは、営業店の開設は20店舗台までに抑制した。その後1969年4月、埼玉銀が都市銀行へと転換したことや[2]、県南部が東京のベットタウンとして人口が急増した状況を踏まえ、県内の新工業都市や公団住宅を含む団地・住宅地、市街地へと店舗網を広げていった[3]。
市場規模が大きい東京都内にも複数の支店や営業オフィスを展開している[4]。
武蔵野銀は保証協会付き融資を好む行風であるとされ、県内の自営業者を除く企業・法人においては、単独のメインバンクを担うケースは稀であるとされる。また県内における大部分の自治体から武蔵野銀は指定代理金融機関を受託している中、秩父郡横瀬町からは指定金融機関を受託している。このほか生活・経済圏が埼玉県と一体化している茨城県猿島郡五霞町にも支店を持ち、町の指定金融機関を受託している。
大和銀行を親密先とし長らく筆頭株主としていたが[5][6]、後に株式は大和銀から三菱東京フィナンシャル・グループに売却されている。
1991年4月、埼玉銀が協和銀行と対等合併してあさひ銀行が発足し、本店を東京都に移転した。このことから2003年まで唯一県内に本店を置く銀行となった。2003年3月、あさひ銀行から埼玉りそな銀行が分離され、再び地元に大規模な銀行が誕生した。これによって武蔵野銀は「県民の銀行」をキャッチコピーとして、地元銀行であることを強くアピールするようになった。
2003年には店舗網が重複する埼玉りそな銀行と統合し、「県民銀行」を発足させる構想が浮上したが実現しなかった。2010年代に突入すると地銀再編の潮流の中で、2016年には千葉銀行と包括提携である「千葉・武蔵野アライアンス」を締結、さらに2017年4月17日には千葉銀行と共同で千葉・武蔵野アライアンス株式会社を設立[7]するなど、現時点では統合に依らない経営戦略を模索している。
コーポレートアイデンティティ
2005年(平成17年)に、20年以上使用されてきたロゴタイプ(和文の『武蔵野銀行』)と緑色のコーポレートカラーをワインレッドへと一新。従来からの行章(△形)を発展させたシンボルマークを新たに導入した。これに伴い、『ぶぎん』の名称とロゴはパンフレットなどではあまり用いられなくなった[† 1]。
また最近では、埼玉県内の地域別にキャッチフレーズをつけている。
沿革
- 1952年(昭和27年) - 埼玉県大宮市(現・さいたま市大宮区)に、資本金100,000,000円・店舗数8で設立[8]。
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年) - 東京証券取引所第1部へ指定換え。
- 1975年(昭和50年)2月 - 総合オンライン稼動[8]。
- 2003年(平成15年)1月14日 - 北埼信用組合を合併[8]。
- 2006年(平成18年)1月4日 - 勘定系システムを「じゅうだん会共同版システム」に移行[9]。
- 2007年(平成19年)7月31日 - 勘定系システムのシステム障害が発生。
- 2008年(平成20年)8月4日 - 常陽銀行、関東つくば銀行(現・筑波銀行)、千葉銀行、東京都民銀行(現・きらぼし銀行)、横浜銀行とのATM相互無料・振込手数料優遇提携を開始。
- 2012年(平成24年)9月 - 新事務センター完成[8]。
- 2014年(平成26年)2月 - ぶぎんビジネスサービス株式会社を清算[8]。
- 2016年(平成28年) - 千葉銀行と包括提携である千葉・武蔵野アライアンスを締結。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2月13日 - 本店ビルの建て替え工事のため、さいたま市大宮区大成町3丁目264番地2の仮店舗において本店営業部の業務を開始[12]。
外部認証
- 「武蔵野銀行事務センター新別棟」は、第三者認証としてJHEP認証を受けている。
関係会社
連結子会社
- ぶぎん総合リース株式会社
- ぶぎんシステムサービス株式会社
- 株式会社ぶぎん地域経済研究所
- むさしのカード株式会社
- 株式会社ぶぎんキャピタル
- ぶぎん保証株式会社
持分法適用関連会社
- ちばぎんアセットマネジメント株式会社
ギャラリー
- Japanese Musashino Bank head office.jpg
旧本店
- MusashinoBank Warabi-003.jpg
蕨支店
脚注
注釈
- ↑ かつては「ビギン・ザ・ブギン」というキャッチフレーズを使っていたこともある。
出典
- ↑ 1.0 1.1 『日本地方金融史』p.117
- ↑ 『日本地方金融史』p.118
- ↑ 『日本地方金融史』p.119
- ↑ 店舗リスト・東京都武蔵野銀行(2018年7月20日閲覧)
- ↑ あさひ銀と大和銀の経営統合、中小金融機関に大きな影響も ロイター(2001年9月7日)
- ↑ 『エコノミスト』p.23
- ↑ 千葉銀と武蔵野銀が新会社設立、経営戦略や提携策など検討
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 8.5 8.6 「沿革」『株式会社武蔵野銀行 S1005534:有価証券報告書 ‐ 第92期』
- ↑ “「じゅうだん会共同版システム」 武蔵野銀行、琉球銀行で稼働開始” (プレスリリース), じゅうだん会行 日本アイ・ビー・エム株式会社, (2006年1月4日) . 2015-10-9閲覧.
- ↑ 千葉銀と武蔵野銀が新会社設立、経営戦略や提携策など検討
- ↑ “地銀、相次ぎ本店建て替え 統合と一線などアピール”. 日本経済新聞. (2017年6月20日) . 2017-8-27閲覧.
- ↑ “半世紀の歴史に幕 武蔵野銀本店ビル”. 日本経済新聞. (2018年2月10日) . 2018-4-8閲覧.
参考文献
関連項目
- 大宮アルディージャ - スポンサーとなっている。
外部リンク