下北交通

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下北交通株式会社(しもきたこうつう)は青森県下北半島を中心にバス事業を行なっている民間会社である。本社所在地は青森県むつ市金曲1丁目8番12号。

元は下北バスと称し、バス事業のみを行なっていたが、一時期、日本国有鉄道(国鉄)の特定地方交通線を引き継いで鉄道事業を行なっていたことがある。鉄道路線2001年廃止され、再びバス専業に戻った。

沿革

  • 1920年 - 田名部町(現・むつ市)の白浜友次郎が「下北自動車株式会社」を設立、乗客8人乗りバス1台を使用し大畑〜田名部間などで運行開始(青森県で初めての国認可バス事業)。
  • 1936年6月 - 白浜友次郎、小原愛吉らが営業権を持ち寄り「下北乗合自動車」設立(本社大畑町、車両7台、従業員16人)、赤川駅〜佐井間66.6km、田名部〜恐山間15kmの2路線を運行開始。
  • 1952年 - 社名を「下北バス」とする。
  • 1984年2月 - 社名を「下北交通」とする。
  • 1985年7月 - 国鉄から大畑線の営業移管を受ける。
  • 2001年3月31日 - 大畑線を廃止、翌4月1日から鉄道代替路線「下北駅線」運行開始。
  • 2004年4月1日 - 小湊出張所設置、平内町から「平内町民バス」の運行を受託する。
  • 2005年4月1日 - 平内町からスクールバスの運行を受託。

バス事業

ファイル:ShimokitaKotsu ROSA No.40.jpg
マイクロ型一般路線車両
ファイル:ShimokitaKotsu MachiaijyoBooth.jpg
同社はバス停の待合所ブースの設置に積極的であり、このようなブースが各路線の沿線にてほぼ見かける。

営業所・案内所・車庫

  • むつ営業所
    • 所在地:むつ市金曲一丁目8-12(本社併設)
    • 担当:平内町民バスを除く全路線、貸切バス
      • 大畑・野辺地出張所の車両運用・整備も担当する。
      • 車両整備を行う下北整備工場が併設されており、小湊配置車両を含めてここで点検・整備をする。
      • 国際興業バスしもきた号の運行支援業務(乗車券発売・点呼・車両待機等)を実施。 
  • 大畑出張所
    • 所在地:むつ市大畑町庚申堂60
    • 沿革:大畑出張所・鉄道部大畑駅→
  • 佐井車庫(むつ営業所佐井在勤)
    • 所在地:下北郡佐井村
    • 担当:佐井線、長後線
  • 泊車庫(むつ営業所泊在勤)
    • 所在地:上北郡六ヶ所村
    • 担当:泊線、六ヶ所線
  • 横浜車庫
    • 所在地:上北郡横浜町
    • 横浜線の折り返し待機のための車庫で以前は乗務員休憩所もあったが、現在は横浜線が廃止されてしまったため駐車場のみとなっている。

むつバスターミナル

青森県むつ市柳町一丁目2-20にある下北交通専用バスターミナルで、旧称は「下北バスターミナル」である。

構造

  • 3階建ての建物で、1階部分はバスターミナルとなっている(2階と3階はテナント部分)。
  • 1階には案内所があり、定期券・回数券を販売しているほか、待合室・売店も設置されている。
  • 待合室内には次発車案内の表示幕(3台)が設置されている。
  • 乗り場のプラットホームが3列で、各列2台ずつ=計6番線(1〜6番線がある)まで停車可能であるが、5番線・6番線にかかる列には安全地帯がない。
  • なおいずれの番線も、路線ごとに対しては決められた停車番線が固定されておらず、時間帯により停車番線が変動される。

むつバスターミナル近隣の他社バス

  • JRバス東北下北本線は同ターミナル構内には乗り入れないが、隣接して「柳町」バス停がある。2005年4月1日にバス停が設置されるまでは、徒歩約3分程度にある「田名部」バス停(始発地)が最寄であった。

廃止出張所

  • 青森出張所
    • 所在地:青森市合浦一丁目9-15
      • 2007年に廃止された。末期は出張所としては機能しておらず、青森線や下北交通が受託する日本郵政公社の郵便線路(輸送トラック)「青森西・むつ線」ドライバーの休憩所となっていた。青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸の専用駐車スペース待機となったのち、現在は十鉄バス(十和田観光電鉄)青森総合営業所での待機・休憩となっている。
  • 野辺地出張所
    • 所在地:上北郡野辺地町田名部道43-2
    • 末期の担当路線:野辺地線、六ヶ所線、泊線
      • 2013年3月限りで廃止された。出張所機能は小湊出張所に統合され、敷地は更地となった。特急青森線の休憩場所は十鉄バス野辺地案内所に変更された。

主な路線

  • 特急青森線・野辺地線
運行経路
  • むつバスターミナル - むつ新町 - むつ営業所 - 大曲 - 金谷沢 - 近川 - 横浜 - 横浜車庫 - 中吹越 - 有戸 - 野辺地中央 - 野辺地駅前 - まかど温泉入口 - 狩場沢 - 狩場沢小学校前 - 狩場沢駅通り - 口広 - 清水川 - 薬師野入口 - 一本松入口 - 堀替 - 浜子 - 夜越山公園入口 - 町営体育館前 - 新あおもり農協平内支店前 - 平内病院通り - スキー工場前 - 藤沢 - 西平内郵便局前 - 平内中野 - 大石平 - 土屋 - 土屋番所跡 - 浅虫水族館通り - 道の駅ゆ〜さ浅虫前 - 新あおもり農協本店前 - 後萢通 - 県立中央病院通り - (県立中央病院前/むつ行のみ) - (保健所前/むつ行のみ) - 合浦公園口 - 栄町一丁目 - 文化会館前 - 市役所前 - 新町二丁目(旧・松木屋前) - 青森駅前
※特急青森線:むつ〜野辺地駅間は各停留所停車のため主要停留所のみ記載、野辺地駅〜青森間は停車停留所を記載(太字:青森行では降車専用・むつ行では乗車専用)。
沿革
  • 1959年11月 - むつ〜青森間の路線開設を申請する(先行して本田名部〜野辺地間の路線認可が下りる)。
    このころ、青森市営バスが青森〜十和田市間、国鉄バスが青森〜野辺地間、十和田観光電鉄が青森〜十和田市間、東北観光バス(本社:十和田市)が青森〜十和田市・八戸間、三八五観光が八戸〜青森間を相次いで申請をしたため難航、公聴会を開き十鉄バス青森〜三本木間78.9kmと下北バス青森〜本田名部間98.9kmが認可された。
  • 1960年 - 横浜線運行開始。
  • 1963年5月 - 青森線運行開始。
  • 1964年 - 吹越線(田名部〜尾駮間)運行開始。
  • 19xx年 - 青森バスセンター発着から青森駅前発着となる。
  • 1986年4月 - 青森駅前発着から観光物産館発着となる(青森県観光物産館開館による)。
  • 1990年代末 - 野辺地駅前経由となる。
  • 2002年4月1日 - 青森線を6往復から3往復に減便、青森出張所での宿泊行路廃止。また野辺地線、吹越線、横浜線を廃統合し、野辺地線に一本化。
  • 2002年7月1日 - むつバスターミナル〜野辺地駅間各停留所停車化、野辺地駅での青森方面客扱い開始。
  • 2003年7月15日 - 県立中央病院前経由に変更。
  • 2009年4月1日 - 青森線を3往復から2往復に減便。
  • 20xx年 - 青森行が県立中央病院前経由から国道4号直進(南造道)を通る従来のルートに戻る。むつ行は引き続き県立中央病院前経由で運行。
利用状況
  • 運行開始当初…12往復、平均乗車密度27人
  • 2001年度…6往復、平均乗車密度3.9人、年間赤字約6000万円(補助対象路線外)
  • 2003年度…3往復、年間赤字約3700万円
    現在の利用者の多くは青森県立中央病院への通院者である。
青森線のクローズドドア制度について
  • 青森市内
  • 青森市内区間(青森〜新あおもり農協本店前)は青森市営バスの路線と重複しているため、認可された停留所のみで青森行は下車、むつ行は乗車のみとなっている。そのため、この区間のみの利用はできない。
  • 野辺地駅
  • 1990年代に野辺地駅前へ乗り入れたが、青森行は降車のみ、むつ行は乗車のみとなっていた。現在は撤廃された。
その他
  • 野辺地折り返し系統に限り、地域間幹線系統として国の補助を受ける[1]
  • 十鉄バス野辺地案内所で5分休憩がある。
  • 青森線「野辺地駅前」停留所はロータリーではなく、駅前路上停留所停車となる。
  • むつ〜青森間往復乗車券発売、むつバスターミナル・大畑駅で発売している。
  • 青森行の「合浦公園口」停留所は青森市営バス弘南バスの「岡造道一丁目」と同じ場所にある。
  • むつ行の「合浦公園口」停留所は十和田観光電鉄の「岡造道一丁目」と同じ青森東バイパス上の岡造道交差点西側にある。
  • 以前は「新町二丁目」停留所を「松木屋前」停留所と呼んでおり、西口玄関前に「下北交通のりば」と書かれた看板と共に専用バス乗り場があった。
  • むつ・佐井線 ※むつ~佐井車庫前間は、地域間幹線系統として国の補助を受ける[1]
    • 下北駅 - 田名部高校前 - むつバスターミナル - 北関根 - 川代 - 正津川 - 大畑駅 - 下風呂 - 易国間 - 大間 - 佐井車庫前
      • 1937年10月 - 佐井線路線バス運行開始[2]
      • 2001年4月1日 - 下北交通大畑線廃止代替路線である下北駅線を下北駅〜大畑駅間で運行開始。しばらくは田名部駅前へも乗り入れていた。
      • 200x年4月1日 - 下北駅線の田名部駅経由を廃止し、むつ線と整理・統合したうえで、一部便が下北駅〜佐井車庫前間の運行となる。
  • むつ線 ※地域間幹線系統として国の補助を受ける[1]
    • むつバスターミナル - 北関根 - 浜関根 - 川代 - 正津川 - 大畑駅
  • 尻労(しつかり)線 ◎生活交通路線として自治体の補助を受ける[1]
    • むつバスターミナル - 最花 - 目名 - 入口 - 野牛口 - 尻労
  • 尻屋線 ◎生活交通路線として自治体の補助を受ける[1]
    • むつバスターミナル - 最花 - 目名 - 入口 - 野牛口 - 岩屋 - 尻屋( - 尻屋崎)
尻屋〜尻屋崎間は毎年5月1日から10月31日の間のみ運行。
  • 東通村庁舎線
    • むつバスターミナル - 大利 - 高間木 - 石持 - 蒲野沢 - 桑原 - 東通村庁舎 - 野花菖蒲ノ里(大利経由大利線)
      • 1989年4月20日 - 大利経由運行開始。
      • 平日朝のむつ方向のみ、桑原始発のむつ行がある。
    • むつバスターミナル - 最花 - 高間木 - 石持 - 蒲野沢 - 桑原 - 東通村庁舎 - 野花菖蒲ノ里(最花経由蒲野沢線)
    • むつバスターミナル - 最花 - 高間木 - 石持 - 稲崎平 - 野牛口 - 桑原 - 東通村庁舎 - 野花菖蒲ノ里(野牛経由野牛線)
      • 平日朝に限り、桑原行がある(1本のみ)。
      • 蒲野沢線は、生活交通路線として自治体の補助を受ける[1]
  • 六ヶ所線 ◎生活交通路線として自治体の補助を受ける[1]
    • 野辺地駅前 - 野辺地出張所 - 有戸 - 六ヶ所役場 - 泊中央 - 泊車庫
  • 泊線(旧・小田野沢線) ※地域間幹線系統として国の補助を受ける[1]
    • むつバスターミナル - 上田屋 - 東通村庁舎 - 猿ヶ森 - 小田野沢 - 白糠 - 泊中央 - 泊車庫
  • 長後線
    • 佐井車庫前 → 磯谷
※大間高校休校日と土曜・日曜・祝日は運休。利用の際は確認のこと。
  • 恐山線
    • 下北駅 - むつバスターミナル - 冷水 - 恐山(季節運行)
毎年5月1日から10月31日までの運行。恐山大祭期間中は臨時便が運行される。
  • むつ養護学校線
    • むつバスターミナル - むつ総合病院前 - 下北駅前 - 赤川駅前 - 金谷沢 - むつ養護学校前
  • むつバイパス線
    • むつバスターミナル - 女館 - 東横迎町 - むつ営業所
むつ養護学校線の出入庫を兼ねた路線である。
  • むつ市内線
    • むつバスターミナル - 田名部高校前 - 下北駅 - 赤川駅 - 第三小学校前 - むつ営業所 - むつバスターミナル
    • むつバスターミナル - むつ総合病院前 - 合同庁舎前 - 下北駅 - 赤川駅 - 第三小学校前 - むつ営業所 - むつバスターミナル
    • むつバスターミナル - むつ総合病院前 - 下北駅 - 赤川駅 - 第三小学校前 - むつ営業所 - 消防署前 - むつバスターミナル
    • むつバスターミナル - 田名部高校前 - 栄町 - むつ総合病院前 - 小川町二丁目 - むつバスターミナル
  • 中央クリニック循環
    • むつバスターミナル - むつ総合病院前 - 下北駅前 - 中央クリニック - 合同庁舎前 - むつ総合病院前 - むつバスターミナル
  • むつ総合病院循環
    • むつバスターミナル - 消防署前 - むつ総合病院前 - 消防署前 - むつバスターミナル

廃止系統

  • 横浜線
    • むつバスターミナル - 近川 - 横浜車庫
  • 吹越線
    • むつバスターミナル - 近川 - 横浜 - 中吹越 - 尾駮 - 六ヶ所役場前
      • 2002年4月1日 - 廃止。
  • 中野沢線
    • むつバスターミナル - 近川 - 中野沢開墾
      • 2002年4月1日 - 廃止。
  • 六ヶ所線
    • 白糠 - 北滝の尻
  • 川目線
    • 佐井車庫前 - 川目
  • 石上線
    • むつバスターミナル - 横迎町二丁目 - 品の木 - 石上入口 - 青光運輸前 - 渡部宅前
  • 小湊線
    • (野辺地駅前 - 狩場沢 - )東地区館前(清水川) - 平内役場前 - 平内中央病院前 - 浅虫温泉
    • (野辺地駅前 - 狩場沢 - )東地区館前(清水川) - 平内役場前 - 平内中央病院前 - 浅虫 - 県立中央病院通り - 観光物産館前
  • むつ市内循環アークスプラザ線
    • 1998年4月1日 - 運行開始。
    • 2002年4月1日 - 廃止。
  • 松山団地循環線
    • むつバスターミナル - むつ総合病院前 - 第二田名部小学校前 - 松山団地 - 市役所前 - むつ総合病院前 - むつバスターミナル
  • 薬研線
    • (大畑病院←)大畑駅 - 小目名 - 薬研 - 奥薬研
      小目名〜奥薬研間は毎年5月1日から10月31日まで運行。
  • 特急むつ - 七戸十和田駅線
    • むつバスターミナル - むつ市役所 - 下北駅 - 横浜 - 野辺地中央 - 七戸十和田駅
      • むつバスターミナル - 野辺地中央間はクローズドドア制(七戸十和田駅行では野辺地中央まで乗車専用、むつ行では野辺地中央より降車専用)[5]
概要
  • 十和田観光電鉄と共同運行していた。1日2往復(各社1往復)。
  • 現金のみの精算で、下北交通・十和田観光電鉄バスの定期券・回数券等は使用できない。また、運賃は並行する両社の一般路線バス運賃とは異なる[6]
路線沿革
  • 大畑校舎線・関根橋線

平内町民バス

その他

鉄道事業

1981年に国鉄大畑線が第1次特定地方交通線に指定されたのを受けて開催された協議会において、南部縦貫鉄道が引継ぎの意向を示したことから、それに対抗して下北半島に営業基盤をもつ下北バスが大畑線の引継ぎを決断。経営に乗り出すこととなった。下北バスは鉄道経営の経験は無かったが、バス事業でつながりのあった京浜急行電鉄の支援を仰ぎ、1984年2月には社名を下北交通に変更、翌1985年7月に大畑線を引き継いだが、赤字のため2001年3月31日限りで廃止された。

その他事業

脚注

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 欠損補助路線について2015年12月14日閲覧。
  2. 『佐井村史』(佐井村役場・1972年10月10日発行)705頁「年表」
  3. 第2回むつ市地域公共交通活性化協議会 議事概要より
  4. 東北運輸局報:2009年10月13日付け発表 (PDF, 1~2ページを参照)
    廃止理由:薬研地区の旅館等が送迎バスを運行していることに加え、経路中の小目名地区の小学校が統合されて通学者もスクールバスを利用していることによって、本路線の利用者が激減したことによる。
  5. 七戸十和田駅 - むつ線運行について (PDF, 十和田観光電鉄による案内より(2010年12月4日閲覧))
  6. 七戸十和田駅発むつ行き時刻表 (PDF, 十和田観光電鉄公式サイトより)
  7. 七戸十和田駅〜むつバスターミナル線バス運行について (PDF, 十和田観光電鉄(2011年4月26日発表))
  8. 十鉄・下北交通が新幹線接続バス 東奥日報(2011年4月27日)
  9. 「七戸十和田―むつ」路線バス11月末終了デーリー東北(2011年10月24日)
  10. 平成26年度第2回むつ市地域公共交通活性化協議会 議事概要 (PDF)

外部リンク