鹿児島神宮
鹿児島神宮(かごしまじんぐう)は、鹿児島県霧島市隼人町内(はやとちょううち)にある神社。式内社(式内大社)、大隅国一宮。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社。別名を「大隅正八幡宮」。
Contents
祭神
現在の祭神は次の通り[1]。
- 主祭神
-
- 天津日高彦火火出見尊(あまつひだかひこほほでみのみこと、山幸彦)
- 豊玉比売命(とよたまひめのみこと) - 天津日高彦火火出見尊の后神。
- 相殿神
- 相殿神4柱は八幡神を合祀した関係による。
歴史
創始は社伝によると「神武天皇の時に天津日高彦穗穗出見尊の宮殿であった高千穂宮を神社としたもの」とされる。当社の北西13kmの地点には、穗穗出見尊の御陵とされる高屋山陵がある。
欽明天皇の代に八幡神が垂迹したのもこの場所とされる。当社を正八幡と呼ぶのは『八幡愚童訓』に、「震旦国(インドから見た中国)の大王の娘の大比留女は七歳の時に朝日の光が胸を突き、懐妊して王子を生んだ。王臣達はこれを怪しんで空船に乗せて、船のついた所を所領としたまうようにと大海に浮かべた。船はやがて日本国鎮西大隅の磯に着き、その太子を八幡と名付けたと言う。継体天皇の代のことであると言う。」との記載がある。 八幡神は大隅国に現れ、次に宇佐に遷り、ついに石清水に跡を垂れたと『今昔物語集』にも記載されている。
信頼できる史料での初出は、醍醐天皇の時に編纂された『延喜式神名帳』に「大隅国桑原郡 鹿児嶋神社」とあるもので、大社に列している。その高い社格から桑幡氏、税所氏などの有力国人をその神職より輩出した。平安時代に宇佐八幡が九州各地に別宮を作ったのに伴い、当社に八幡神が合祀されたともされている。それ以降、正八幡宮・大隅八幡宮・国分八幡宮などとも称される。
戦国時代から江戸時代には、地元の大名である島津氏の尊崇を受けた。
1874年(明治7年)に神宮号宣下及び近代社格制度において官幣中社に列し、1895年(明治28年)に官幣大社に昇格した。戦後は神社本庁の別表神社となった。
境内
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社殿(鹿児島県指定有形文化財)
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本殿
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本殿・拝殿
左下に石灯籠(鹿児島県指定有形文化財)。 - Kagoshima-jingu, entrance.jpg
境内入り口
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神田
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宮内の田の神(鹿児島県指定有形民俗文化財)
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弥勒院跡(国の史跡のうち)
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社家桑幡氏館跡(国の史跡のうち)
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石體神社(境外摂社)
鹿児島神宮元宮伝承地。 - Legendary Imperial Palace of Takachiho.jpg
石體神社境内の高千穂宮顕彰碑
祭事
鹿児島神宮で行われる年間祭事は次の通り[2]。
- 七種祭(1月7日)
- 初午祭(旧暦1月18日:近年は近日の日曜日)
- 藤祭(旧暦3月10日)
- 御田植祭(旧暦5月5日)
- 例祭(旧暦8月15日)
- 七夕祭
- 御浜下り祭(10月第3日曜日)
文化財
重要文化財(国指定)
- 紺糸威鎧 兜、大袖付(工芸品)
- 色々威胴丸 兜、大袖付(工芸品)
- 永禄元年(1558年)の島津貴久の奉納。鹿児島県歴史資料センター黎明館保管。1953年(昭和28年)3月31日指定[5][4]。
- 色々威胴丸 兜、大袖付(工芸品)
- 刀 無銘(伝則重)(工芸品)
- 戦後の進駐軍の接収で所在不明。1918年(大正7年)4月8日指定[7]。
- 刀 銘相州住秋広 明徳三(工芸品)
国の史跡
鹿児島県指定文化財
- 有形文化財
- 本殿・拝殿・勅使殿(建造物)
- 正宮造替の石灯籠(建造物)
- 2014年(平成26年)4月22日指定[4]。
- 鹿児島神宮所蔵陶磁器(工芸品)
- 鹿児島神宮文書(古文書)
- 有形民俗文化財
霧島市指定文化財
- 有形文化財
- 史跡
- 無形民俗文化財
- Kagoshima-jingu, Ukemochi-jinja.jpg
保食神社
- 鹿児島神宮四天王石像.JPG
四天王石像
隼人塚史跡館展示。
現地情報
所在地
交通アクセス
脚注
- ↑ 由緒について(公式サイト)。
- ↑ 神社由緒書「鹿児島神宮由緒略記」。
- ↑ 紺絲威鎧〈兜、大袖付/〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ↑ 4.00 4.01 4.02 4.03 4.04 4.05 4.06 4.07 4.08 4.09 4.10 4.11 4.12 4.13 4.14 文化財【隼人】(霧島市ホームページ、2017年4月1日更新版)。
- ↑ 色々威胴丸〈兜、大袖付/〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ↑ 色々威胴丸〈兜、大袖付/〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ↑ 刀〈無銘(伝則重)/〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ↑ 刀〈銘相州住秋広/明徳三〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ↑ 大隅正八幡宮境内及び社家跡 - 国指定文化財等データベース(文化庁)
- ↑ 10.0 10.1 10.2 10.3 10.4 10.5 10.6 10.7 10.8 指定(登録)文化財一覧表(霧島市ホームページ、2018年4月5日更新版)。
関連図書
- 安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、19頁
- 白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、89-90頁
- 菅田正昭『日本の神社を知る「事典」』日本文芸社、1989年、240頁
- 上山春平他『日本「神社」総覧』新人物往来社、1992年、284-285頁
関連項目
外部リンク