東海交通事業城北線
停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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城北線(じょうほくせん)は、愛知県春日井市の勝川駅から愛知県清須市の枇杷島駅に至る東海交通事業の鉄道路線である。
Contents
概要
旧日本鉄道建設公団(鉄建公団)主要幹線(C線)[1]建設線の瀬戸線の一部を完成させて開業した。全線が高架線で、勝川駅 - 小田井駅間では名古屋第二環状自動車道の高架の南側に沿って走る。ガイドウェイバス等を除けば愛知県内で唯一の非電化旅客鉄道路線である。
味美駅付近で名鉄小牧線、小田井駅付近で名鉄犬山線および地下鉄鶴舞線とそれぞれ高々架(多重高架)で交差する。城北線の小田井駅と犬山線・鶴舞線の上小田井駅の間は徒歩5分だが、本路線の味美駅と小牧線の味美駅は同名ながら離れている上に連絡通路も設置されていないため、乗換駅として機能していない。
運転本数の少なさや運賃の高さ・他路線との接続の不便さから、2010年(平成22年)度の輸送密度は約490人/日[2]、2011年(平成23年)度は472人/日[3]と、利用者数は伸び悩んでいる。
路線データ
- 管轄(事業種別)
- 路線距離(営業キロ):11.2km
- 軌間:1067mm
- 駅数:6駅(起終点駅含む)
- 複線区間:全線(ただし、勝川駅構内と枇杷島駅構内に一部単線区間あり)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:ATS-ST
運行形態
正式な起点は勝川駅だが、列車運行上は枇杷島駅から勝川駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。
すべて線内折り返しのワンマン運転列車で、日中は1時間間隔、平日の朝夕は約20分間隔(土曜・休日は40分間隔)と大都市近郊の路線としては運転本数が少ない。
元日には「初日の出号」として途中初日の出がよく見えると予想される箇所で初日の出時刻前後に一時停車する臨時列車も運行される(1往復)。これに乗車するとその年の干支の陶器製置物がプレゼントされる。また、この列車に限らず元日は一日中、ヘッドマークの上に日章旗が掲示される(ただし、2013年はヘッドマークのみ掲示された)[4]。
2010年より2016年の年始まで、年末年始の夕方以降には側面にイルミネーションを施した車両が定期運行されていた。使用していた車両のキハ11形200番台が運用を終了することから、2016年1月3日が最終運行となった[5]。
このほかにも、利用促進策として、2012年から他の路線よりも上に立体交差する高架線の特性を活かし、交差する3路線の車両を撮影する「とれいんWatchingトレイン」[6]や、車内でコーヒーとサンドイッチで眺望を楽しむ「カフェトレイン」[6][7]、車内をビアホール(夏季)・居酒屋(冬季)に見立てた「ビアトレイン[8]」・「熱燗トレイン」の運行を実施している。
車両
キハ11形300番台が単行(1両編成)で使用される。開業時には、JR東海から借り入れたワンマン運転仕様のキハ40形が使用されたが、1993年に自社所有のキハ11形200番台が4両新製され、うち2両(キハ11-201・202)が城北線に投入された後も定期検査による車両不足等の際に、JR東海所有のキハ40形や美濃太田車両区に貸し出していたキハ11-203がステップを埋めた上で代走することがあった(キハ11-204も貸し出していたが、城北線の運用に就いたことはなかった)。キハ40およびキハ11形300番台にはトイレが設置されているが、城北線では汚水処理設備が無いなど地上側が対応していないため、使用できない。城北線用には2両しか車両が配置されておらず、利用者も少ないため増結は行われない。
2015年9月8日、東海交通事業はJR東海からキハ11形300番台2両を購入して、キハ11形200番台を翌年3月までにすべて置き換えることを発表した[9]。1両目(キハ11-301)は2015年9月24日から運用を開始し[10]、2両目(キハ11-302)は2016年3月22日から運用を開始した[11]。 このうち、キハ11-302については側面の塗色を変更して2016年6月15日から運用を開始した[12][13][14]。
2017年1月30日午後より、スギテツの杉浦哲郎作曲による車内チャイムが使用されている。枇杷島駅および勝川駅発車直後に流れる[15]。
- TKJ-Kiha11DC.jpg
城北線で使用されていたキハ11形200番台。(2006年撮影 枇杷島駅)
- TKJ-kiha11-301.JPG
キハ11形300番台(2015年)
歴史
国鉄瀬戸線は改正鉄道敷設法に「愛知県瀬戸ヨリ稲沢ニ至ル鉄道」として挙げられ、東海道本線と中央本線を結ぶ貨物主体の路線として計画された。1962年の鉄道建設審議会で敷設予定鉄道路線となり、名古屋方面と直通できるよう枇杷島駅との分岐線が追加され、瀬戸 - 高蔵寺間、勝川 - 枇杷島間が1976年に着工された。その他、中央本線高蔵寺 - 勝川間を複々線とする構想もあったためこの区間の用地買収も行われた。その後、財政難などから工事は中断され、国鉄分割民営化後は瀬戸 - 高蔵寺間を愛知環状鉄道が、勝川 - 枇杷島間を東海旅客鉄道が第1種鉄道事業路線として承継することになった。しかし、同社の路線として開業させた場合、約40年もの間(2032年に終了予定)年間49億円程度の借損料(賃借料、借りた物の消耗分の賃料。独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令第7条により規定)を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に支払わなければならない[16]上に、電化などの投資を行えば、その管理費も借損料に含まれる[17]ことから、同区間を非電化で開業させた上で子会社の東海交通事業に運営させることとした。小田井 - 尾張星の宮間において、稲沢方面の線路と立体交差させる構造で高架橋を建設したため、該当区間の勝川方面の線路が上昇し、高々架となる。この分岐点予定地から稲沢までは一部用地の買収は行われたが工事着工には至らなかった。また、中央本線高蔵寺 - 勝川間で一部取得していた複々線化用の用地は売却されている。
年表
城北線の中央線勝川駅乗り入れ
城北線の勝川駅は仮駅営業となっており、中央線の同駅とは500mほど離れている。2009年に中央線勝川駅の高架化が行われたが、城北線の乗り入れは実現しなかった。しかし、完成した高架ホームは城北線の乗り入れを想定した2面4線対応で(中2線には線路未敷設)、城北線が中央線の上り線の下を通り接続するよう準備工事がなされた[19]。ただし、高架化された中央線の線路と城北線の仮駅がほぼ同じ高度になってしまったため、乗り入れを実現させるには城北線の高架を数百メートルに渡って取り壊して高度を調整して造り直す必要がある。
- Kachigawa Station (Tokai Transport Service) -1.JPG
城北線勝川駅(右)と
中央本線(左) - Kachigawa Station (JR central) -2.JPG
中央本線勝川駅構内。ホーム間には城北線乗り入れに備えたスペース。
- Kachigawa Station (JR central) -1.JPG
中央本線勝川駅構内南方。城北線乗り入れに備えたスペース。
駅一覧
全駅愛知県に所在。
駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 所在地 |
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勝川駅 | - | 0.0 | 東海旅客鉄道:CF 中央本線 | 春日井市 |
味美駅 | 1.8 | 1.8 | ||
比良駅 | 2.7 | 4.5 | 名古屋市 西区 | |
小田井駅 | 2.2 | 6.7 | ||
尾張星の宮駅 | 2.6 | 9.3 | 清須市 | |
枇杷島駅 | 1.9 | 11.2 | 東海旅客鉄道:CA 東海道本線 |
- 味美駅 - 比良駅間で名古屋市北区を通るが、同区間内に駅は存在しない。
- 枇杷島駅を除いて無人駅である。ただし、枇杷島駅は東海交通事業の職員が駅業務を行っているが、あくまでJR東海からの業務委託であるため、実質的に全駅無人駅となる。
- 枇杷島駅の城北線のホームは東海道本線の貨物専用の別線である稲沢線上に設けられている。
- ホームにある駅名標は親会社のJR東海と同様の形式を取っているが、オレンジのラインが二本線(〓)になっている。
- 勝川駅と枇杷島駅以外の中間駅では、他路線(名鉄・地下鉄)と駅がかなり離れており乗り換えできない。他路線(名鉄・地下鉄)でも城北線への乗り換え案内は行っていない。
輸送・収支実績
年度 | 旅客輸送人員(千人) | 輸送密度(人/日) | 鉄道業営業収入(千円) | 鉄道業営業費(千円) |
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1991 | 42 | 204 | 11,858 | 92,275 |
1992 | 125 | 184 | 40,588 | 233,420 |
1993 | 356 | 434 | 107,743 | 243,300 |
1994 | 374 | 460 | 116,977 | 238,825 |
1995 | 391 | 471 | 154,453 | 266,643 |
1996 | 388 | 464 | 166,454 | 282,650 |
1997 | 368 | 453 | 164,033 | 283,630 |
1998 | 375 | 460 | 177,105 | 291,310 |
1999 | 358 | 444 | 180,975 | 330,035 |
2000 | 353 | 454 | 187,131 | 336,083 |
2001 | 357 | 468 | 197,730 | 359,074 |
2002 | 343 | 435 | 204,467 | 340,762 |
2003 | 318 | 399 | 193,458 | 401,309 |
2004 | 303 | 382 | 200,407 | 358,200 |
- 民鉄主要統計『年鑑日本の鉄道』鉄道ジャーナル社、1994年-2007年
脚注
- ↑ 根岸線や石勝線・長崎本線長崎トンネル経由の新線(浦上線)・岡多線・伊勢線などと同ランク。
- ↑ (一般財団法人)運輸政策研究機構『数字でみる鉄道 2012』(ISBN 978-4-903876-44-3 2012年10月31日発行)正誤表(2013年1月22日発行) (PDF) p.1
- ↑ 国土交通省鉄道局監修、(一般財団法人)運輸政策研究機構発行『数字でみる鉄道 2013』(ISBN 978-4-903876-51-1 2013年10月31日発行) p.66
- ↑ 城北線特別企画 初日の出号の運転について - 東海交通事業、2016年1月1日
- ↑ “城北線特別企画 イルミネーショントレインの運転について”. 東海交通事業 (2015年12月18日). 2015年12月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2017閲覧.
- ↑ 6.0 6.1 旬な列車ガイドブック 平成24年春編 - 国土交通省中部運輸局
- ↑ 都会の秘境線、売りは高さ 眺望生かしイベント 愛知 - 朝日新聞、2012年4月12日
- ↑ 城北線で「ビアトレイン」 - 中日新聞、2012年6月16日。
- ↑ “営業車両の購入について” (プレスリリース), 東海交通事業, (2015年9月8日), オリジナルの2015年9月8日時点によるアーカイブ。 . 2016閲覧.
- ↑ 城北線でキハ11-301が運用開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2015年9月25日
- ↑ 城北線でキハ11-302が運転開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2016年3月26日
- ↑ 城北線列車の「車体色変更」について - 東海交通事業、2016年6月13日(2016年6月15日閲覧)
- ↑ キハ11-302の車体色が変更される - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2016年6月16日(2016年6月17日閲覧)
- ↑ 検査期間中の代走は、名古屋車両区所属のキハ11-305が務めた。城北線表示はヘッドマークを取り付けて行っていた。
- ↑ “城北線列車における車内チャイム使用開始について” (プレスリリース), 東海交通事業, (2017年1月13日) . 2017閲覧.
- ↑ 第27期有価証券報告書(自平成25年4月1日 至平成26年3月31日) (PDF) p.30 - 東海旅客鉄道株式会社
- ↑ 平成25年12月清須市議会定例会会議録 (PDF) p.163。なお、清須市議会議員のAは中央本線勝川駅への接続及び枇杷島駅から名古屋駅への直接乗り入れをもって「全面開業」と位置付けている。
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「交通2001
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ “愛知県尾張建設事務所 鉄道高架事業の概要”. 愛知県 (2016年11月17日). . 2017閲覧.