三陸はるか沖地震
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三陸はるか沖地震 | |
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本震 | |
発生日 | 1994年(平成6年)12月28日 |
発生時刻 | 21時19分21秒(JST) |
震央 |
日本 青森県 八戸市 東方沖180km 北緯40度25.8分 東経143度44.7分(地図) |
震源の深さ | ごく浅い |
規模 | マグニチュード(M)7.6 |
最大震度 | 震度6:青森県 八戸市 |
津波 | 55cm:岩手県 宮古市 |
地震の種類 | 海溝型地震 |
余震 | |
最大余震 | 1995年1月7日 7時37分37秒 M7.2 震度5:八戸市 |
被害 | |
死傷者数 | 死者:3人 負傷者:784人 |
被害地域 | 主に青森県 |
出典:特に注記がない場合は気象庁による。 |
三陸はるか沖地震(さんりくはるかおきじしん)は、1994年12月28日に日本の三陸沖で発生したM 7.6の地震である[1]。
Contents
概要
1994年(平成6年)12月28日21時19分21秒、青森県八戸市東方沖180km(北緯40度25.8分、東経143度44.7分、深さごく浅い)を震源として、Mj 7.6(Mw 7.7)の地震が発生した。
気象庁は「平成6年(1994年)三陸はるか沖地震」と命名した[2]。
メカニズム
- M5 前後の初期破壊の後、主破壊が生じた。
- 全継続時間は55秒前後。
- 断層長さ L=138kmと推定[3]。
- 震源域は、1968年十勝沖地震の南側約30kmでほぼ重なる[4]。
- 最大すべり量は4.0m、平均すべり量は1.2m。[5]
震源となる海域では、日本列島が乗る北アメリカプレートに太平洋プレートが沈み込んでおり、これらのプレートの境界で生まれる歪みが解消されるときに地震が発生する。この海域では固有地震以外にも10年程度の間隔でプレート間地震が起こり、同様の傾向が千島海溝周辺に見られる。
震源域やアスペリティ(固着域)の位置関係から、(実際は三陸沖北部地域で発生している)1968年の十勝沖地震で破壊されずに残った部分が今回の地震で破壊されたという説もあるが[6]、文部科学省の地震調査研究推進本部は「三陸沖北部地震」には含まず、固有地震ではないとしている。
各地の震度
震度 | 都道府県 | 市区町村 |
---|---|---|
6 | 青森県 | 八戸市 |
5 | 青森県 | むつ市 青森市 |
岩手県 | 盛岡市 | |
4 | 北海道 | 函館市 苫小牧市 浦河町 帯広市 |
青森県 | 五所川原市 七戸町 | |
岩手県 | 宮古市 大船渡市 葛巻町 花巻市 | |
秋田県 | 大館市 |
余震
この地震の最大の余震は、本震から10日後の1995年(平成7年)1月7日07時37分37秒に岩手県沖で発生したM7.2の地震だった。青森県八戸市、岩手県盛岡市・葛巻町で最大震度5を観測し、津波注意報が発表されたが、津波は観測されなかった。
前兆現象
本震の1か月程度前から周辺の地震活動が低下していた[7]。
津波
地震の規模に比べ発生した津波の規模は小さかった。また、各地で観測された津波の第一波は押し波で、最大波は 2 -3時間後であった。
- 東北地方の太平洋沿岸に津波警報が、津軽海峡・日本海沿岸・北海道南東沿岸に津波注意報が発表された。緊急警報放送も実施された。
- 北海道から東北地方の太平洋沿岸では、岩手県宮古市の55cmを最高に津波が観測されたが、被害はなかった。
被害
- 死者3名、負傷者784名。
- 全壊72棟、半壊429棟、一部損壊9021棟。
影響
- 八戸市内で営業中のパチンコ店が倒壊。地震発生当時200人以上の客が来店しており、2名が死亡した。
- JR東日本東北本線(現在の青い森鉄道青い森鉄道線)の青森県上北郡内の区間で、線路の路床が崩落した。復旧は比較的早かったが、年末の帰省時期[8]と重なったため、帰省客など多くの乗客に影響が出た。
- 八戸市内では高台を通る市道などが崩落・陥没する所があった。
法的措置
- 激甚災害法適用。なお適用されたのは阪神・淡路大震災の発生数日後である。
その後
- 20日後に発生した阪神・淡路大震災とともに、発表された震度・マグニチュードと被害の規模に大きな差があり、当時8段階に分かれていた気象庁震度階級が翌年10段階に改正されるきっかけとなった。
- 建築物の応急危険度判定が初めて実施された。
- 2001年の気象庁マグニチュードの改定によって、地震の規模がMj 7.6と改められた(改定前は7.5)。
- 2011年3月11日15時08分に当地震の震源域南隣でM 7.4(Mw 7.4)の地震(東北地方太平洋沖地震の余震)が発生した。[9]
出典
- 平成6年(1994年)三陸はるか沖地震」(12月28日,M7.5)(気象庁) (PDF) 地震予知連絡会 会報 第54巻
- 平成6年(1994年)三陸はるか沖地震の概要 (PDF) 気象庁地震火山部・札幌管区気象台・仙台管区気象台・東京管区気象台 験震時報第64巻 pp.23-166
脚注
- ↑ 震度データベース
- ↑ 気象庁が命名した気象及び地震火山現象
- ↑ 加藤 研一、武村 雅之:強震記録の継続時間から推定される1994年三陸はるか沖地震の破壊伝播特性 地震 第2輯 Vol.49 (1996-1997) No.1 P75-83, JOI:JST.Journalarchive/zisin1948/49.75
- ↑ ゆっくりとした断層破壊による地震津波について 海岸工学論文集 Vol.51 (2004) P281-28
- ↑ 永井理子・菊池正幸・山中佳子(2001):三陸沖における再来大地震の震源過程の比較研究 ―1968年十勝沖地震と1994年三陸はるか沖地震の比較― (PDF) 地震, 第2輯, 第54巻(2001), P267-280
- ↑ 地震発生の長期的予測における地震空白域と地震活動静穏化現象の意義 東北大学大学院理学研究科 (PDF)
- ↑ 第113回地震予知連絡会(1995年2月20日)議事概要 地震予知連絡会
- ↑ 当時、東北新幹線は盛岡までで、青森方面は盛岡から特急「はつかり」に乗り継いでいた。
- ↑ 3月11日 岩手県沖の地震 - 近地強震波形による震源過程解析(暫定)- (気象庁) (PDF)
関連項目
外部リンク
- 三陸はるか沖地震 青森県防災ホームページ - ウェイバックマシン(2015年6月11日アーカイブ分)
- 地震予知連絡会 会報 第54巻
- 三陸はるか沖地震における被害と地盤特性 土木学会論文集 Vol.2001 (2001) No.694 P117-130