エリック・キャンベル (野球)
エリック・シングルトン・キャンベル(Eric Singleton Campbell, 1987年4月9日 - )は、アメリカ合衆国コネチカット州ノーウィッチ出身のプロ野球選手(内野手、外野手)。右投右打。
14世紀のスコットランド国王ロバート1世の遠い血縁に当たるとする説があるが[1]、キャンベル自身は否定している[2]。
Contents
経歴
メッツ時代
2008年のMLBドラフト8巡目(全体254位)でニューヨーク・メッツから指名され、プロ入り。この年は傘下のA-級ブルックリン・サイクロンズで66試合に出場し、打率.260・4本塁打・28打点・1盗塁だった。
2009年には、A級サバンナ・サンドナッツで、公式戦95試合に出場。打率.248、5本塁打、47打点、6盗塁を記録した。9月2日にA+級セントルーシー・メッツへ昇格すると、公式戦7試合に出場した。
2010年には、ルーキー級ガルフ・コーストリーグ・メッツ、A+級セントルーシー、AA級ビンガムトン・メッツでプレー。AA級ビンガムトンでは、公式戦50試合の出場で、打率.279、6本塁打、30打点、1盗塁という成績を残した。
2011年には、AA級ビンガムトンで公式戦126試合に出場。打率.247、4本塁打、46打点、6盗塁を記録した。
2012年には、AA級ビンガムトンで公式戦115試合に出場。打率.297、9本塁打、50打点、10盗塁という成績でシーズンを終えた。
2013年には、AAA級ラスベガス・フィフティワンズで公式戦120試合に出場。打率.314、8本塁打、66打点、12盗塁を記録した。
2014年には、AAA級ラスベガスで、開幕から33試合に出場。打率.355、3本塁打、24打点、3盗塁という成績を残した。5月10日には、メッツとのメジャー契約締結[3]を経て、対フィラデルフィア・フィリーズ戦でMLB公式戦にデビュー。6回裏に代打として出場すると、犠牲フライでMLB公式戦初打点を記録した[4]。MLB公式戦全体では、85試合の出場で、打率.263、3本塁打、16打点、3盗塁を記録。内外野をこなせるユーティリティプレイヤーとして、左翼手20試合で無失策・DRS0、三塁手19試合で1失策・守備率.971・DRS0、一塁手18試合で1失策・守備率.992・DRS + 1、右翼手3試合で無失策・DRS + 1という成績を残した。
2015年には、メッツ屈指の人気選手であるデビッド・ライトが故障で戦線を離脱したことを背景に、三塁手としてMLB公式戦へ起用される機会が増加。公式戦71試合に出場すると、前年と同じ3本の本塁打を放つ一方で、打点や盗塁で自己記録を更新した。また、打率.197ながら出塁率.312を記録するなど、選球眼の高さを発揮。守備面では、48試合で三塁を守ったものの、8失策、守備率.921、DRS - 3と振るわなかった。その一方で、AAA級の公式戦では、33試合の出場ながら.363という高打率を残している[5]。
2016年には、MLB公式戦40試合に出場したが、打率.173、1本塁打、9打点と低迷。その一方で、83試合に出場したAAA級の公式戦では、打率.301、7本塁打を記録した[5]。11月1日に40人枠から外れ、AAA級ラスベガスに降格し、11月7日にFAとなった[6]。
阪神時代
2016年12月2日に、NPBの阪神タイガースと1年契約を結んだことが球団から発表された[7]。三塁手としての起用を想定した契約[8]で、背番号は29[9]。
2017年には、スローペースで調整していた春季キャンプ終盤の紅白戦で打席に立った際に、空振りで左手首を負傷[10]。後の診察で腱鞘炎の発症が判明したことを受けて、オープン戦の期間中から患部のリハビリを優先していた[11]。公式戦開幕後の4月12日からウエスタン・リーグ公式戦8試合に出場すると、本塁打こそ出なかったものの、一塁手や左翼手にも起用されながら打率.261をマーク。4月25日[12]の対横浜DeNAベイスターズ戦(阪神甲子園球場)8回裏に、代打で一軍デビューを果たした。2日後(27日)の同カードに「5番・一塁手」として初めてスタメンに起用されると、3回裏の第2打席で一軍初安打、7回裏の第4打席に放った適時打で一軍初打点を記録している[13]。その後はチーム事情で出場の機会がほぼ代打に限られたため、自身の希望で昼に阪神鳴尾浜球場でのウエスタン・リーグ公式戦へ出場してから、夜に甲子園で一軍の公式戦へ臨むこともあった[14]。しかし、5月25日の対読売ジャイアンツ(巨人)戦(甲子園)に「6番・三塁手」としてスタメンに起用されると、一軍公式戦での初本塁打と適時二塁打で3打点を挙げてチームを勝利に導いた[15]。だが以降は25打席連続無安打を喫するなど打撃が振るわず、6月7日に出場選手登録を抹消[16]。さらに、この事態を重く見た球団がジェイソン・ロジャース内野手を獲得した7月以降は、一軍に復帰できなかった。後にロジャースも二軍へ降格したため、9月28日にウエスタン・リーグの最終戦(甲子園での対広島東洋カープ戦)へロジャースと共にスタメンで出場すると、一軍のレギュラーシーズン終了を待たずにアメリカへ帰国した[17]。
11月30日、日本野球機構に提出する保留者名簿が期限を迎え、ルイス・メンドーサ、ジェイソン・ロジャース、ロマン・メンデス、キャンベルの4選手が退団になった。12月2日、自由契約公示された[18]。
マーリンズ傘下時代
2018年、マイアミ・マーリンズとマイナー契約を結んだ。招待選手としてメジャーキャンプに参加する。
選手としての特徴
AAA級では、2013年から4シーズン続けて3割台の打率を記録[5]。守備面では、アメリカ球界時代に、捕手と中堅手以外のポジションで公式戦に出場した経験を2014年から2016年までのMLB公式戦には、三塁手として通算74試合、一塁手として44試合、左翼手として26試合、右翼手として3試合、二塁手・遊撃手として2試合ずつ起用。さらに、シーズンを通じてラスベガスに所属していた2013年には、投手としてAAA級の公式戦1試合に登板している[8]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | NYM | 85 | 211 | 190 | 16 | 50 | 9 | 0 | 3 | 68 | 16 | 3 | 0 | 0 | 3 | 17 | 0 | 1 | 55 | 5 | .263 | .322 | .358 | .680 |
2015 | 71 | 206 | 173 | 28 | 34 | 8 | 0 | 3 | 51 | 19 | 5 | 3 | 1 | 2 | 26 | 1 | 4 | 37 | 11 | .197 | .312 | .295 | .607 | |
2016 | 40 | 88 | 75 | 9 | 13 | 1 | 0 | 1 | 17 | 9 | 1 | 0 | 0 | 1 | 10 | 1 | 2 | 24 | 2 | .173 | .284 | .227 | .511 | |
2017 | 阪神 | 21 | 54 | 47 | 5 | 9 | 2 | 0 | 1 | 14 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 17 | 2 | .191 | .296 | .298 | .594 |
MLB:3年 | 196 | 505 | 438 | 53 | 97 | 18 | 0 | 7 | 136 | 44 | 9 | 3 | 1 | 6 | 53 | 2 | 7 | 116 | 18 | .221 | .312 | .311 | .622 | |
NPB:1年 | 21 | 54 | 47 | 5 | 9 | 2 | 0 | 1 | 14 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 17 | 2 | .191 | .296 | .298 | .594 |
- 2017年度シーズン終了時
年度別守備成績
- 内野守備
年 度 |
球 団 |
一塁 | 二塁 | 三塁 | 遊撃 | ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2014 | NYM | 18 | 125 | 5 | 1 | 15 | .992 | 1 | 3 | 3 | 0 | 2 | 1.000 | 19 | 5 | 28 | 1 | 3 | .971 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.000 |
2015 | 5 | 30 | 3 | 0 | 4 | 1.000 | - | 48 | 28 | 65 | 8 | 5 | .921 | - | |||||||||||
2016 | 21 | 114 | 12 | 1 | 11 | .992 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 7 | 2 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | - | ||||||
2017 | 阪神 | 5 | 34 | 2 | 1 | 4 | .973 | - | 7 | 3 | 7 | 2 | 1 | .833 | - | ||||||||||
MLB | 44 | 269 | 20 | 2 | 30 | .993 | 2 | 4 | 3 | 0 | 2 | 1.000 | 74 | 35 | 99 | 9 | 8 | .937 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
NPB | 5 | 34 | 2 | 1 | 4 | .973 | - | 7 | 3 | 7 | 2 | 1 | .833 | - |
- 外野守備
年 度 |
球 団 |
左翼 | 右翼 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2014 | NYM | 20 | 18 | 2 | 0 | 1 | 1.000 | 3 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1.000 |
2015 | 4 | 8 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | - | ||||||
2016 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | - | ||||||
MLB | 26 | 28 | 3 | 0 | 1 | 1.000 | 3 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2017年度シーズン終了時
記録
- NPB
- 初出場:2017年4月25日、対横浜DeNAベイスターズ3回戦(阪神甲子園球場)、8回裏に岩崎優の代打として出場
- 初打席:同上、三上朋也の前に二塁ゴロ
- 初先発出場:2017年4月27日、対横浜DeNAベイスターズ4回戦(阪神甲子園球場)、5番・一塁手として先発出場
- 初安打:同上、3回裏に井納翔一から左前安打
- 初打点:同上、7回裏に田中健二朗から左前適時安打
- 初本塁打:2017年5月25日、対読売ジャイアンツ10回戦(阪神甲子園球場)、1回裏に大竹寛から中越2ラン
背番号
- 29(2014年 - 2017年)
登場曲
- I'm a Ramblin' Man - ウェイロン・ジェニングス(2017年)
脚注
- ↑ 「ニューヨーク・メッツ」『2016MLB選手名鑑全30球団コンプリートガイド』 日本スポーツ企画出版社 79頁
- ↑ キャンベル、国王の末えいではなかった 「そういう話は聞いたことがない」 2017年1月28日 デイリースポーツ
- ↑ Anthony DiComo (2014年5月10日). “Mets set to call up Campbell from Triple-A”. MLB.com. . 2014年5月11日閲覧.
- ↑ “Scores for May 10, 2014”. ESPN MLB (2014年5月10日). . 2014年5月11日閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 5.2 “阪神新助っ人候補、右打ち三塁キャンベルにオファー”. 日刊スポーツ (2016年11月19日). . 2016年12月19日閲覧.
- ↑ MLB公式プロフィール参照。2016年12月20日閲覧。
- ↑ エリック・キャンベル選手との契約締結について 2016年12月3日閲覧。
- ↑ 8.0 8.1 スポーツニッポン (2016年12月18日). “虎新助っ人キャンベルは七刀流?捕手、中堅以外OK 登板経験も”. . 2016年12月19日閲覧.
- ↑ 背番号の決定について 阪神タイガース 2016年12月3日閲覧。
- ↑ 阪神キャンベル負傷で病院直行 開幕三塁構想に暗雲 日刊スポーツ 2017年3月18日閲覧。
- ↑ 阪神キャンベル、けんしょう炎離脱 鳴尾浜で別調整 日刊スポーツ 2017年3月18日閲覧。
- ↑ 初昇格の阪神キャンベル一塁、三塁、左翼で守備練習 日刊スポーツ 2017年4月25日閲覧。
- ↑ 阪神・キャンベルが来日初打点 初スタメンでマルチ安打 デイリースポーツ 2017年4月27日
- ↑ 阪神キャンベルが助っ人では異例の親子試合 チーム関係者も同情 東京スポーツ 2017年5月16日
- ↑ 阪神キャンベル1号「これだけ時間がかかるとは」 日刊スポーツ 2017年5月25日
- ↑ 二軍で好調の阪神新井が一軍昇格、キャンベルが降格 日刊スポーツ 2017年6月7日
- ↑ “ジェイソン・ロジャース選手の帰国について”. 阪神タイガース. (2017年9月28日) . 2017閲覧.
- ↑ “自由契約選手 | 2017年度公示”. 日本野球機構 (2017年12月2日). . 2017年12月6日閲覧.
関連項目
外部リンク
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