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金融庁(きんゆうちょう、英語: Financial Services Agency、略称:FSA)は、内閣府設置法49条3項及び金融庁設置法を根拠法として設置される日本の行政機関の一つである。
「日本の金融の機能の安定を確保し、預金者、保険契約者、金融商品の投資者その他これらに準ずる者の保護を図るとともに、金融の円滑を図ること」を任務とし(金融庁設置法3条)、内閣府の外局として、内閣総理大臣の所轄の下に設置される。金融庁の長は金融庁長官である(金融庁設置法2条2項)。
国務大臣としての内閣府特命担当大臣(金融担当)のほか、副大臣、および、大臣政務官が置かれている。事務方(役人)のトップは金融庁長官であり、長官の下に次官級である金融国際審議官(1人)と内部部局(3局)が設置されている。
Contents
金融上の行政処分
金融行政上、利用者保護と市場の公正性の確保に配慮した金融のルールの整備と適切な運用を目的に、法令に照らしあわせて利用者保護や市場の公正性確保に重大な問題が発生している場合に、金融庁が厳正かつ適切な処分を行うこととされている。行政処分を行うのは、金融機関の財務の健全性、業務の適切性等の確保が主眼であり、処分そのものが目的ではなく、各金融機関の業務改善に向けた取組みをフォローアップし、その改善努力を促すことを目的とする[1]。
2016年度(平成28年度)から、金融庁と金融機関の対話を重視する行政方針・金融監督手法に転換している[2]。
種類と内容
程度や規模、故意性、悪質性の有無により総合的に「業務改善命令」、「業務停止命令」、「登録取消」までの処分が決定される[3]。 行政処分の種類・内容は概ね、以下の通りとなる。
- 改善に向けた取組みを金融商品取引業者等の自主性に委ねることが適当であれば「業務改善命令」
- 一定期間業務改善に専念・集中させる必要があれば最大6か月間の「業務停止命令」
- 業務を継続させることが不適当とすれば「登録取消」
沿革
- 1998年(平成10年)6月22日、総理府の外局として金融監督庁を設置。
- 1998年(平成10年)12月15日、総理府の外局として国務大臣を委員長とする金融再生委員会を設置し、金融監督庁は金融再生委員会の管理下とした。
- 2000年(平成12年)7月1日、金融監督庁を金融庁に改組。
- 金融制度の企画立案にかかる事務は金融監督庁設置後も大蔵省に存置されていたが、これを契機に金融庁へ移した。
- 2001年(平成13年)1月6日、金融再生委員会廃止・中央省庁再編により、金融庁は内閣府の外局とした。
- 2003年(平成15年)4月1日、政策金融機関(日本郵政公社、日本政策投資銀行等)への検査権限を各所管庁が委任。
- 2011年(平成23年)4月1日、総務企画局総括審議官(国際担当)に代わり、総務企画局金融国際政策審議官を設置。
- 2012年(平成24年)8月29日、総務企画局金融国際政策審議官に代わり、国際政策統括官(局長級)を設置。
- 2014年(平成26年)8月29日、国際政策統括官(局長級)に代わり、金融国際審議官(次官級)を設置。
- 2018年 総務企画局と検査局を廃止し、新たに総合政策局と企画市場局を新設。[4][5][6]
組織
幹部
- 内閣府特命担当大臣(金融担当)
- 内閣府副大臣(金融担当)
- 内閣府大臣政務官(金融担当)
- 金融庁長官
- 金融国際審議官
内部部局
- 総合政策局
- 総務課
- 国際室
- 秘書課
- 管理室
- 情報化統括室
- 総合政策課
- 資産形成支援室
- 金融サービス利用者相談室
- サイバーセキュリティ対策企画調整室
- リスク分析総括課
- 情報分析室
- リスク管理検査室
- 検査監理官
- 総務課
- 企画市場局
- 総務課
- フィンテック室
- 信用機構企画室
- 保険企画室
- 調査室
- 市場課
- 企業開示課
- 総務課
- 監督局
- 総務課
- 監督調査室
- 国際監督室
- 金融会社室
- 信用機構対応室
- 銀行第一課
- 銀行第二課
- 地域金融生産性向上支援室
- 協同組織金融室
- 保険課
- 損害保険・少額短期保険監督室
- 証券課
- 資産運用室
- 総務課
- 証券取引等監視委員会 - 市場の公平性・透明性の確保と投資者保護を使命とし、 証券会社等への検査やインサイダー取引・相場操縦などの不公正な取引、上場企業の粉飾決算など市場に対する投資家の信頼を損なう不適切な行為を監視する「市場の番人」の役割を担っている。金融商品取引法の解釈権を持っているとされている。
- 事務局
- 総務課
- 市場分析審査課
- 証券検査課
- 証券検査監理官
- 取引調査課
- 開示検査課
- 特別調査課
- 事務局
- 公認会計士・監査審査会
- 事務局
- 総務試験室
- 審査検査室
- 事務局
地方支分部局
金融監督庁(現・金融庁)は当時の大蔵省から分離して新たな中央省庁の一つとなったが、地方の出先機関(法律上の呼称は「地方支分部局」)である各地の財務局・財務事務所までは分離されず大蔵省の下に残ったため、法律上は金融庁に所属する地方支分部局は存在しない。財務局(理財部の一部業務等)、財務事務所に委任されている金融業務を行うにあたっては、金融庁の指揮監督を受けることとされており、実務上は金融庁の地方実働部隊は確保されている。
歴代大臣
- 参照: 金融再生委員会委員長
- 参照: 内閣府特命担当大臣(金融担当)
歴代長官
- 金融庁は、総理府時代は国家行政組織法に基づく外局、内閣府時代は内閣府設置法に基づく外局であり、根拠法が変わっているが、中央省庁再編では新たな辞令が出されない限り前身省庁から後継省庁に継続して在職することとなっており、当時の長官日野正晴も2001年1月5日に自然退任ではなく翌6日付けで退任している(外見上6日まで在任したことが当然の前提とされている)[1]ことから、この表ではその前後で代数をリセットせず通算して表示する。
- 退任日に付した(退)は依願退任、(改)は組織改廃に伴う退任。
代 | 氏名 | 在任期間 | 前職 |
---|---|---|---|
金融監督庁長官(総理府) | |||
- | 日野正晴 | 1998年6月22日 - 2000年6月30日(改) | 名古屋高等検察庁検事長(6月19日まで) |
金融庁長官(総理府) | |||
1 | 日野正晴 | 2000年7月1日 - 2001年1月6日(改) | 金融監督庁長官 |
金融庁長官(内閣府) | |||
2 | 森昭治 | 2001年1月6日 - 2002年7月12日(退) | 金融再生委員会事務局長 |
3 | 高木祥吉 | 2002年7月12日 - 2004年7月2日(退) | 金融庁監督局長、監督部長 |
4 | 五味廣文 | 2004年7月2日 - 2007年7月10日(退) | 金融庁監督局長、検査局長 |
5 | 佐藤隆文 | 2007年7月10日 - 2009年7月14日(退) | 金融庁監督局長、検査局長 |
6 | 三国谷勝範 | 2009年7月14日 - 2011年8月2日(退) | 金融庁監督局長、総務企画局長 |
7 | 畑中龍太郎 | 2011年8月2日 - 2014年7月4日(退) | 金融庁監督局長、検査局長 |
8 | 細溝清史 | 2014年7月4日 - 2015年7月7日 | 金融庁監督局長、検査局長 |
9 | 森信親 | 2015年7月7日 -2018年7月14日 | 金融庁監督局長、検査局長 |
10 | 遠藤俊英 | 2018年7月14日 - | 金融庁監督局長 |
脚注
- ↑ 金融庁「金融上の行政処分」
- ↑ 金融庁監督指針2016
- ↑ 金融庁「金融商品取引業者等の監督に係る事務処理上の留意点」
- ↑ 金融庁、新体制発足 フィンテックなどへの対応強化日経新聞、2018年7月20日閲覧。
- ↑ 検査局廃止で金融の先進技術化への対応強化 金融庁、新体制スタート産経新聞、2018年7月20日閲覧。
- ↑ 金融庁の組織再編について金融庁、2018年7月20日閲覧。