新生銀行
株式会社新生銀行(しんせいぎんこう、Shinsei Bank, Limited)は、東京都中央区に本店を置く普通銀行である。
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概要
1998年(平成10年)10月に、経営破綻し日本政府により一時国有化された日本長期信用銀行は、2000年(平成12年)3月、中央三井信託銀行グループ他との競争入札の末にアメリカの企業再生ファンド・リップルウッドや他国の銀行らから成る投資組合「ニューLTCBパートナーズ」(New LTCB Partners CV)に10億円で売却された。代表取締役(2004年(平成16年)6月の委員会等設置会社移行に伴い代表執行役)会長兼社長にエクソンモービルやシティバンクで日本代表を務めた八城政基が就任。同年6月に「新生銀行」に改称した。
新生銀行の取締役会には、スタンフォード大学のMichael Boskin博士、サンタンデール銀行会長のEmilio Botin、リップルウッドのTimothy C. Collins、新日鉄(新日本製鐵)(現・新日鐵住金)名誉会長の今井敬、日銀の可児滋、三菱商事の槙原稔、UBSペインウェーバーのDonald B. Marron、メロン・フィナンシャル会長兼社長のMartin G. McGuinn、ロックフェラーグループ元会長のDavid Rockefeller Jr.、他5名が席を占めた[1]。
ニューLTCBパートナーズとのパートナーシップは2006年(平成18年)11月に解消され、これにより2007年(平成19年)2月でRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)の最高経営責任者であるティモシー・C・コリンズは新生銀行の取締役を辞任した。
2010年(平成22年)6月、あおぞら銀行との合併破談や赤字決算、業務改善命令発動の見通しなどの要因が重なったことから、八城政基取締役会長代表執行役社長らの経営陣が退任を余儀なくされ、旧第一勧業銀行・いすゞ自動車出身の当麻茂樹を代表取締役社長として迎える体制となった[2]。2015年6月で当麻社長が体調不良を理由に相談役に退き、後任には同じくDKB出身の工藤英之常務執行役員が昇格。この人事に関しては、あおぞら銀行やりそなHDが公的資金完済の道筋をつけたにも関わらず、返済の方途を示せない新生銀に対し、金融庁からの圧力が強まり辞任に至ったとの見方も報道もされている[3][4]。
インターネットバンキングでの振込手数料の無料化やATMの365日24時間営業、窓口営業時間の延長、円建てと外貨建ての預金がワンセットになった預金通帳を発行しない総合口座「PowerFlex」の販売など、リテール業務の充実を図りつつ、投資銀行業務などを主軸に積極的な業務展開を行っている。
2014年(平成26年)9月10日、セブン銀行が新生銀行の35店舗内のATM全76台の運営業務を受託したと発表し[5][6]、2017年6月23日までに新生銀が自行で設置するATMは0台となった[7]。
2001年6月より開始した中核店舗で個別ブースを設けた資産運用コンサルティングサービスやコールセンター・インターネットバンキングでの金融商品提供など、リテール分野での付加サービス拡充を強化している[8]。
あおぞら銀行との経営統合交渉
2008年(平成20年)の世界金融危機により、海外投資で多額の損失が生じたこともあり、2009年(平成21年)4月25日、新生銀行とあおぞら銀行が将来の経営統合について交渉に入ったことが報道される[9]。同年6月25日に、2010年中に合併することで基本合意したと報じられた[10][11]。これにより総資産が約19兆円、国内第6位の銀行グループが誕生する見込みとなった。
しかし、新生側が2010年(平成22年)3月期の連結決算で最終赤字に陥ったことと、双方との経営方針をめぐっての対立が解消できなかったことを理由に、予定していた合併を2010年5月14日付けで解消することを正式に発表した[12][13][14]。
長銀破綻処理をめぐる批判
長銀破綻から新生銀行誕生に至る一連の処理への批判には、次の2点がある。
- 瑕疵担保条項の積極的行使
- 旧長銀の売却契約の中に、瑕疵担保条項(新生銀行が引き継いだ債権が、3年以内に2割以上下落したら、国に買取請求を行う)があった。新生銀行にとり、有効期限内に不良債権を一掃し、かつこれにより貸倒引当金戻入益を計上できるメリットがあったため、積極的にこれを行使した。この結果、ライフ、そごう、第一ホテル、エルカクエイなど、長銀をメインバンクにしていた企業が破綻に追い込まれ[† 1][† 2]、社会的非難を浴びることにもなった。
- これと関連し、長銀の破綻処理で金融再生委員会のアドバイザリーに指名されたゴールドマンサックスに対して、『瑕疵担保条項の危険性を忠告する義務があった』と与野党から批判が集まった。このほか同社は、日債銀売却に際しても、買手側のソフトバンクサイドのアドバイザリーに就いていた他、長銀子会社の日本リース売却の仲介や日本ランディックの資産買取などに関与しており、利益相反の観点から批判があがった。2000年(平成12年)7月、国会は金融庁・金融再生委員会幹部職員、八代・新生銀行社長(当時)と共に、ゴールドマン・サックス担当者も参考人招致をしたが同社はこれを拒否している。
- 東証再上場
- 2004年(平成16年)2月20日、投資組合側は、新生銀行を東証一部に再上場させ約2300億円の売却益を手に入れた。出資金を含めた諸費用は約1210億円で、1000億円以上の純益を稼いだ。
- これに対し、国民負担が巨額(旧長銀に投入した公的資金は約7兆9000億円、そのうち債務超過の補填分約3兆6000億円は損失が確定。さらに、前述の瑕疵担保条項の行使で、預金保険機構を通じ国が買い取った債権も将来的には損失が予想され、最終的な国民負担額は4 - 5兆円に達することが予想される)の上、その売却益に課税できない(投資組合は本拠地が海外にあるため、日本政府はその売却益に課税できない)ことが報道され、前回以上の批判が沸き起こった。そもそも約8兆円もの公的資金を投入し特別扱いで救う価値があったのかと自民党、民主党の一部議員からも疑問や批判が出された。特に民主党衆議院議員の仙谷由人は瑕疵担保条項に強い疑問を投げかけた。
- もっとも批判に対して、以下のような反論もある。
- 旧長銀売却に際し日本政府は、投資組合側が要求した資産査定に対し、資産査定の時間的問題と債権が相当劣化していたのを見せないために拒否しており、瑕疵担保条項はその代償である。
- 瑕疵担保条項の行使は、企業価値の最大化の目的に対してはむしろ妥当であり、またこのことが、旧長銀の債権が相当劣化していたことの証左でもある。
- 巨額の投資純益に関しては、当時旧長銀買収で競合した中央三井信託銀行グループが、投資組合を上回る条件を提示できなかったことを考慮しても、投資組合側が相当なリスクを踏まえた結果である。
- 仮に日本政府が課税措置をとった場合、投資組合の本拠地国でも当然課税措置が生じるため、当該企業にとっては二重課税の問題が生じる。海外に本拠地を置く企業に課税できないのは本件に限ったことではなく、国際取引課税では二重課税が生じないような取決めがある。
沿革
- 2000年(平成12年)6月5日 - 日本長期信用銀行から新生銀行へ商号変更。
- 2001年(平成13年)6月5日 - 各支店を個人顧客の取引拠点「新生フィナンシャルセンター」へ改装し、アカウント型の新型口座「PowerFlex(パワーフレックス)」取り扱い開始。
- 2003年(平成15年) - 帝人から帝人クレジットを買収(後に新生セールスファイナンスへ改称し、アプラスフィナンシャルへ譲渡)
- 2004年(平成16年)1月 - 子会社に含めていたノンバンクのエクイオン(1996年(平成8年)倒産)を新生プロパティファイナンスへ改称。同年中に旧長銀融資先のノンバンクを同社に吸収合併させる。
- 2004年(平成16年)
- 2006年(平成18年)11月 - 支配株主であったニューLTCBパートナーズの母体であるRHJインターナショナルとのパートナーシップを解消。
- 2007年(平成19年)6月29日、収益実績が目標を大きく下回ったため、金融庁が「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」と銀行法に基づく業務改善命令。
- 2008年(平成20年) - GEキャピタルからGEコンシューマー・ファイナンス株式会社とその子会社群(ジーシー等)を買収し、翌年新生フィナンシャルへ改称。
- 2010年(平成22年)
- 5月14日 - あおぞら銀行との統合交渉打ち切りを発表。
- 6月 - 八城政基取締役会長代表執行役社長らが退任。委員会設置会社形態を同時に廃止し、当麻茂樹が代表取締役社長に就任。
- 12月 - 新生銀行保有のアプラスフィナンシャル株式を新生フィナンシャルへ譲渡。
- 2011年(平成23年)
- 1月 - 本店を東京都千代田区内幸町から中央区日本橋室町へ移転。
- 3月 - 海外募集による普通株式690百万株を新規発行。
- 10月1日 - 新生フィナンシャルの消費者金融「レイク」の商標と営業部門を譲り受け、新生銀行カードローン レイクとして取扱開始。
- 12月‐データセンターを、東京から大阪へ移転し、バックアップセンターを福岡に設けることを発表。
- 2013年(平成25年)
- 4月27日 - リッチョーワイドの新規売出を、同日の営業終了時を以って停止。
- 2015年(平成27年)
- 2016年(平成28年)
- 8月1日 - 総合口座及び債券総合口座の規定を「PowerFlex(パワーフレックス)」の規定に変更(併せて、PowerFlexへの正式な切替に関する経過措置が設けられる)。これにともない、同年11月末を以て、通帳取引(記帳や繰越を含む)を停止。
- 12月1日 - 昭和リースを完全子会社化。
- 2017年(平成29年)
- 4月1日 - 新生銀行グループを統括する「仮想グループ本社」を設立[16]。
関連会社
- 主な国内子会社
- 昭和リース りそなホールディングスより買収したリース会社
- 新生信託銀行 ホールセール系信託銀行
- 新生証券 ホールセール系証券会社
- 新生インベストメント・マネジメント 資産運用部門
- 新生プリンシパル・インベストメンツ
- 新生企業投資 ベンチャー投資・バイアウト投資を行う投資部門
- 新生インベストメント&ファイナンス 投資部門
- 新生債権回収&コンサルティング コンサルタント業務を兼営する債権管理回収会社
- 新生プロパティファイナンス 不動産を担保に融資を行う抵当証券業者
- アプラス アプラスフィナンシャルのクレジットカード・信販事業を承継
- 全日信販 アプラス傘下のクレジットカード、個人ローン事業者
- 新生フィナンシャル 旧GEコンシューマーファイナンス。新生銀行カードローン レイクを展開する消費者金融・カードローン事業者
- 新生パーソナルローン 旧シンキ 2016年商号変更。新生フィナンシャル傘下の消費者・事業者金融業者
- 主な海外子会社
- 新生インターナショナル ロンドンに設立された証券部門
- Nippon Wealth Limlted. 香港に設立された投資部門
基幹システムについて
2001年に構築した基幹システムは、当時「異例」と評された[17]。
メインフレームと専用線で基幹システムを構成するのが当たり前という時代において、勘定系ホストにWindows 2000 Server搭載のIAサーバ、業務システムソフトウェアにインド製[† 3]の総合銀行業務パッケージソフトウェア「FLEXCUBE」、各店舗とホスト間をIPネットワークで接続するというものであった。これらの「異例」によって短期間・安価な費用でのシステム構築ができたと当時のシステム企画部部長は語っている。
当時としては画期的な振込手数料やATM手数料の無料化、インターネットバンキングサービスの24時間365日無停止提供などリテール業務拡大施策の原資を、当基幹システム構築費用の圧縮により生み出したとの主旨の発言を当時の社長がしている。
一方で、二重出金 などの重大なシステムトラブルも発生しており[18][19][20][21][22]、 2013年3月時点では「多いときには毎日のようにシステム障害が起こっている」との報道[23]もある。
商品について
総合口座「PowerFlex」
個人向け基幹商品である「PowerFlex」は、円建預金・外貨建預金・インターネットバンキングサービス「新生パワーダイレクト」の3つがセットになった総合口座である。
特に、円建預金と外貨建預金のセット化は日本法人の銀行としては初めての試みである。従来、外貨建預金は総合口座とは別個に開設しなければならず、資金移動も米ドルなど主要通貨を除いて店頭に赴く必要があった。
また、インターネットバンキングがセットになっているため「新生パワーダイレクト」が口座開設当初より利用できる。従来、インターネットバンキングサービスも総合口座とは別個に申し込む必要があった(メールオーダーでの新規開設など一部のケースを除く)。このパワーダイレクトを用いて円建預金と外貨建預金間の資金移動が即座に行えるのも特長といえる。もちろん円建普通預金では給与振込や公共料金引落も他行同様に利用できる。
2009年(平成21年)5月1日現在、新生パワーダイレクトを用いた振込手数料は、自行宛は一律無料であり、他行宛は1件300円の手数料が、規定回数分のキャッシュバックを振込の都度受けられる。これは「新生ステップアッププログラム」の優遇サービスの1つである。同プログラムは、口座ごとに、前月の平均残高によって3つのステージに分類されるもので、それぞれに優遇枠が決定される。
- 新生プラチナ: 預入総資産の月間平均残高が2,000万円以上か、所定の金融商品(外貨預金や仕組預金、内外の投資信託、保険商品と金融商品仲介)の前月末残高(一部は前月末残高)が300万円以上、もしくは住宅ローン利用の場合が該当する。この場合、当月の10回分までが対象となる。
- 新生ゴールド: 預入総資産の前月平均残高が200万円以上か、所定の金融商品の前月平均残高30万円以上、または円普通預金・パワー預金の月間平均残高合計が100万円以上、あるいはカードローンの借り入れ月間平均残高が100万円以上の場合に、当月5回分が対象となる。
- 新生スタンダード: 上記の条件を満たさない場合に該当し、当月の1回分だけキャッシュバックされる。
なお、自行宛の振込手数料一律無料は営業開始当初から現在まで続くが、他行宛についても2004年(平成16年)8月31日までは何度でも無料であった。預金総額に対して振込件数が異常に多い、例えば株のデイトレードやインターネットオークションなどで多用する顧客が増加し、サービス維持に支障をきたしたことから、2004年(平成16年)9月1日に、他行宛は1件300円、但し月間5回(前月末の残高が1,000万円以上の場合は月間30回)のキャッシュバックと変更され、2007年(平成19年)10月31日に現在のように再度変更された。
国内の各種提携ATMからの入出金については、PowerFlex開始より手数料が一切無料となっている(MICS経由の場合も新生銀行側が手数料を負担)。ただし、2018年10月7日より「新生スタンダード」ステージの口座に対して一律108円の出金手数料を徴収することになった[24]。なお利用可能なATMについては公式情報を参照。
キャッシュカードの新規発行には通常1 - 2週間を要するが、店頭において口座を開設した場合に限りPowerFlexではキャッシュカードを即時発行している[† 4]。これも日本法人の銀行としては初のサービスである。なお、店頭申込以外(メールオーダー扱)は全て本店に口座が開設され、キャッシュカードは郵送される。
カードのデザインは当初、ロゴを模したものであったが、現在は32色のカードからキャッシュカードを選ぶことができる[† 5]。これはグッドデザイン賞を受賞した。
また、カードの偽造や変造による預金者の損害については、条件付で300万円までの補償制度がある。
本人確認手段として、届出印に替えて外国銀行では主流となっているサインを登録することが可能である[† 6]。
海外において、PLUSマークがあるCD及びATMで現地通貨を引き出すことができる。国際キャッシュカードの申し込みなど特段の手続を必要とせず標準のキャッシュカードで可能。しかも、ATM利用手数料も基本的に無料。引き出した現地通貨は、VISAインターナショナルが定めた為替レートに4%が加算され即時に日本円に換算後、円普通預金から引落とされる。このサービスは、クレジットカードでは普及しているが日本法人の銀行のキャッシュカードでは珍しい。なお、2016年以降に口座開設を行い、海外での引出を行う場合は、個人番号の届け出が必要になっている(従前からの利用者以外で、届け出のない場合は、投資信託などの預金以外の取引及び海外での引き出しは不可となる)。
ただし、以下のとおりシステム設計の面で柔軟性を欠く部分がある。
- 「・(中黒)」を名義登録できない。
- 日本国籍ではミドルネームが受け付けられない。
また、新生パワーダイレクトにおいては以下の様な不便さもある。
- ログイン画面がフルサイズで表示される。
- カナ入力は全て半角カタカナを使用しなければならない(ただしソフトウェアキーボードが用意されている)。
- 右クリックが使用できない(ただし「Ctrl」+「C」などのキーボードショートカットは使用可能)。
- 振込先口座のネームバック機能が無い。
なお、電話連絡は、原則新生パワーコール(0120-456-007。口座未開設の顧客の場合は、0120-456-860)で行うこととなり、法人顧客専用の電話番号を除き、フィナンシャルセンターごとの番号は公開されていない。また、新生パワーコール(利用者向けのみ)は、米国から掛ける場合は専用のトールフリー番号が別途用意されている(+1-866-SHINSEI = +1-866-744-6734)。それ以外の国から掛ける場合は、東京03から始まる番号を、コレクトコールにてかけてもよいことになっている。
旧来の口座利用者についても、2016年8月よりPowerFlexの規定が原則適用(債券総合口座利用者は、別途同口座の規定が引き続き適用されるが、PowerFlex切替を前提としたものに変更される)されることになり、取引はPowerFlex利用者同様、ステートメント発行によるものとなり、窓口での正式な切替手続を完了した後は、一般のPowerFlex利用者と同じ扱いとなる(インターネットの取引やパワーコールの利用も可能となる。また、キャッシュカードは、従来のものから海外での利用も可能となる、PowerFlex利用者向けのものへの切り替えの措置をとる)。また、同年11月末を以て、正式な切り替えを行っていない顧客に対する通帳の記帳及び繰越を含む発行手続きは終了される。
仕組預金
新生銀行の金融商品の大きな特徴としては、デリバティブを組み込んで高い利息を実現した「仕組預金」が多いことがある。現在では残高が1兆円を越えており、同行の預金のおよそ3分の1を占める。
この仕組預金は、一見すると定期預金的な商品として売り出されている。しかし、中途解約は原則できず、行えたとしても大きく元本割れ(1~5割程度)する可能性があり、この点が通常の定期預金とは大きく異なる。
なお、中途解約して元本割れした者が商品の危険性について銀行側が十分な説明をしなかったとの苦情を金融庁に寄せており、同庁ではこれを受け、顧客に不利な情報についても、広告で目立つように掲載することを全国銀行公正取引協議会へ指示した。また、顧客への説明義務を強化するために、銀行法の改正も検討している。これらを受け、同行でも中途解約時の元本割れリスクについて広告などで詳しく説明するようになった。以下は、その一覧。
- 日本力円預金
- パワーステップアップ預金 - 基本的には3年の運用であるが、銀行側の判断で最大10年まで運用期間が延長される場合があり、期間が延長された場合、1年ごとに定めた幅で適用金利を引き上げる
- パワード・ワン(現在は募集停止) - 基本的に5年間の運用であるが、銀行側の判断で運用期間が8年に延長される場合がある
- ニュー パワード・ワン - 基本的に3年間の運用であるが、同様に5年間に延長される場合がある
- パワード・ワン プラス(現在は募集停止) - 基本的に5年間の運用であるが、同様に10年間に延長される場合がある
- パワーリンク225(現在は募集停止)
- パワー10(現在は募集停止)
店舗
2011年(平成23年)10月1日付けでコンシューマーファイナンス本部レイク事業部を設置し新生銀行カードローン レイクの取扱開始に伴い、新生フィナンシャルが保有する「レイク」店舗(自動契約コーナー)を譲り受け、新生銀行本店を母店とするレイク出張所(無人の自動契約コーナー)が加わったことで店舗数が大幅に増加することになった。店舗に設置されているATMは、セブン銀行のものに切り替えられ、自前のATMはすべて撤去された。
旧本社ビル(内幸町)
新生銀行本店ビルも参照
1993年(平成5年)、日本長期信用銀行(当時)は日比谷公園至近の東京・内幸町に本店ビルを完成、側面がアルファベットのTの字に似た外観を持ち、無機質なビルが多い周囲の中では特段に目立つランドマーク的な存在となっていた。ビルは地上22階、地下5階建てで、延べ床面積は約6万平米であった[25]。
新生銀行は設立当初これをそのまま引き継いで本店としたが、長銀時代には総ガラス張りで豪華さを際だたせていた玄関ホールにはインブランチストアとして、スターバックスコーヒーの店舗やYahoo! Cafeが設置されていた。また、ビルの一部フロアは賃貸され、日本原子力研究開発機構東京事務所などが入居していた[† 7]。
2008年(平成20年)3月、銀行関連会社の有限会社ドルフィン・ジャパン・インベストメントの所有となっていたビルの信託受益権はモルガン・スタンレー系不動産ファンド傘下の特定目的会社「藤沢ホールディング」に売却され、新生銀行は3年以内に退去することが決定した[26]。この取引は当時の不動産ミニバブルを象徴するものといわれ、取引額は1,180億円であった[25]。
その後、あおぞら銀行との合併が破談となったことなどもあり、内幸町の本店フィナンシャルセンターは2010年(平成22年)12月30日の15時を以って閉鎖され、中央区日本橋室町二丁目のYUITO(日本橋室町野村ビルのうち、商業施設部分を指す名称)8Fへ本店フィナンシャルセンターを移設した上で、2011年(平成23年)1月4日より営業開始した[27]。本部機構は、予定通り日本橋室町野村ビルの上層フロアの事務所エリアにおかれ、YUITOのB1Fには、相談専用拠点として日本橋室町コンサルティングスポットが別途設置された(2012年7月12日付で営業を終了し、住宅ローンセンターとしてリニューアル[28])。
新生銀行の退去後、ビルはほぼ空室のままとなっていたが、2012年(平成24年)7月には不動産ファンド運営会社ケネディクスがモルガンスタンレー系ファンドから約510億円で取得[25]。同年12月6日、解体の上で地上20階建ての新しいビル(現・日比谷パークフロント)が建設される事になった[29]。建設から20年足らずに解体となった。
ギャラリー
- Shinsei-Bank head office.jpg
旧本店ビル
- Shinsei Bank (entrance of the head office).jpg
旧本店ビルエントランス
- 梅田プラチナセンター.jpg
梅田プラチナセンター
脚注
注釈
- ↑ 複数行もしくは融資団全体で協調融資を実施しているところでは経営への影響性は低いが、興銀・日債銀・広島銀の4行で協調融資を行っていた当時のそごうの場合、興銀からの出向者・水島廣雄社長(当時)によるワンマン経営による急速な拡大路線を敷いていたことなどが大きな要因となった。
- ↑ 第一證券は身売りと合併を繰り返して、現在の三菱UFJ証券ホールディングス及び三菱UFJモルガン・スタンレー証券となる。
- ↑ 1991年にシティグループのソフトウェア部門を分社化した、インド・i-flex solutions 社製。現:Oracle Financial Services Software。
- ↑ ただし、健康保険証など顔写真が確認できない身分証明書で口座開設を申込んだ場合は後日郵送となる。
- ↑ 各本支店窓口に32色のキャッシュカードの色見本(カード現物)がある。
- ↑ 日本人にはサインの文化がなく筆跡が安定しないことを考慮し、姓と名の間に氏名とは無関係な単語を記入して(=事実上のパスフレーズであり、セキュリティが向上する)登録することも可能となっている。
- ↑ ビル閉鎖後、近接の富国生命本社ビルへ移転。
出典
- ↑ Christine A. Mallin, Handbook on Corporate Governance in Financial Institutions, Edward Elgar Publishing, 2016, p. 156.
- ↑ 47NEWS 新生銀、赤字1401億円 不良債権拡大、社長交代へ 『共同通信』2010年5月10日
- ↑ “新生銀「脱公的資金」へ背水 成長戦略づくり急務”. 日本経済新聞. (2015年3月26日) . 2015-5-26閲覧.
- ↑ “新生銀、曲折の社長交代劇「第一勧銀組」の処遇に焦点”. 週刊ダイヤモンド編集部. ダイヤモンドオンライン. (2015年4月8日) . 2015-5-26閲覧.
- ↑ “新生銀行のATMコーナーへセブン銀行ATMを設置 (PDF)”. セブン銀行 (2014年9月10日). . 2014閲覧.
- ↑ 「新生銀にセブン銀ATM 大手初、海外カードに対応」 『日本経済新聞電子版』2014年9月10日
- ↑ “新生銀、自前のATMゼロに セブン銀に委託”. 日本経済新聞. (2017年6月22日) . 2017-6-24閲覧.
- ↑ 新生銀行の資産運用アドバイス業務 農林中金総合研究所 2007年3月
- ↑ 新生銀とあおぞら銀、経営統合へ 国内第6位に - J-CASTニュース 2009/4/27
- ↑ 新生銀・あおぞら銀、10年合併で基本合意 比率「1対1」軸に 日本経済新聞,2009年6月25日
- ↑ 新生銀行 あおぞら銀行合併へ - NHKニュース 2009年6月25日
- ↑ 新生銀行:あおぞら銀行との合併解消、正式発表 - 毎日jp 2010年5月14日
- ↑ 新生‐あおぞら銀行 経営統合が破談 - J-CASTニュース 2010/5/14
- ↑ 合併契約の解消を決議 新生、あおぞら銀行 - 47NEWS 2010/05/14
- ↑ “労働基準監督署からの是正勧告への対応について” (プレスリリース), 新生銀行, (2015年1月29日) . 2015-5-26閲覧.
- ↑ “新生銀が「仮想本社」 グループの間接部門集約”. 日本経済新聞. (2017年3月22日) . 2017-6-24閲覧.
- ↑ ITレポート(ユーザー事例)【事例】銀行基幹業務に異例のWindows採用 パッケージをフル活用し低コストで開発 新生銀行 ITPro 2013/11/30 21:45(JST)閲覧
- ↑ 新生銀でシステム障害、ATM取引など一時利用できず - 日本経済新聞 2010/12/4 19:39
- ↑ 新生銀でシステム障害 - 産経ニュース 2011.4.25
- ↑ 新生銀でシステム障害 ATMなど一時停止 - asahi.com 2011年4月25日
- ↑ 2012年1月10日に発生したシステム障害の原因および対応策について
- ↑ 新生銀行でシステム障害 振り込み3万5千件処理できず - asahi.com 2012年1月10日
- ↑ inside Enterprise 第841回 新生銀が新システムを構築へ「連日、障害発生」から決別 週刊ダイヤモンド編集部,ダイヤモンド・オンライン,2013/11/30 23:00(JST)閲覧
- ↑ 新生ステップアッププログラムの一部サービス改定のお知らせ(新生銀行、2018年5月2日)
- ↑ 25.0 25.1 25.2 不動産ファンドのケネディクス・旧長銀本店ビルを取得・510億円、特定目的会社で 『日本経済新聞』 2012年7月5日 企業1面
- ↑ 当行本店不動産の譲渡ならびに平成20年3月期(第8期)業績見通し修正に関するお知らせ (PDF) - 新生銀行ニュースリリース 2008年3月13日
- ↑ 新本店営業開始のお知らせ (PDF) - 新生銀行 2011年1月4日
- ↑ 「日本橋室町コンサルティングスポット」の「本店住宅ローンセンター」への変更について - 新生銀行 2012年6月27日
- ↑ 千代田区内幸町所在オフィスビルの取得および建替事業について (PDF) - 東急不動産ニュースリリース 2012年12月6日
参考文献
- 江上剛 『異端王道』 東洋経済新報社 ISBN 4-492-04222-9
- 伯野卓彦 『レクイエム 「日本型金融哲学に殉じた銀行マンたち』 NHK出版 ISBN 978-4-14-081159-7
- 高杉良 『ザ・外資』 光文社 ISBN 4-334-92354-2
関連項目
- 新生銀行カードローン レイク
- 新生フィナンシャル(連結対象子会社)
- シンキ(連結対象子会社)
- アプラスフィナンシャル(連結対象子会社)
- 全日信販(連結対象子会社)