ランドマーク
ランドマーク(英: landmark)は、目印となる地理学上の特徴物を指す。元来の意味としては、探検家などが、一定の地域を移動中に、またそこに戻ってくるための目印である。
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概説
陸標、灯台、鉄塔のような土地における方向感覚の目印になる建物、国、地域を象徴するシンボル的なモニュメント、建物、空間を意味する。また、広い地域の中で目印となる特徴的な自然物、建物や事象も含まれる。ニューヨークの自由の女神、パリのエッフェル塔などは都市、国家を象徴するランドマークで木、山、高層ビル等は町や都市のランドマークである。都市計画や都市論の分野で1970 - 1980年代頃からよく使われるようになった。
ケヴィン・リンチ『都市のイメージ』[1]では都市のイメージを構成する要素として、ランドマーク(Landmarks 目印)、パス(Paths 道)、ノード(Nodes 結節点)、エッジ(Edges 縁)、ディストリクト(Districts 地域)の5つを挙げたが、特に「ランドマーク」の存在が重視された。モニュメント(記念碑)、特徴のある建物・構造物など容易にそれと気づくことの出来るようなものという意味で用いられている。
このようなランドマークは、方向を見定める場合の手軽な道案内としての役割、その都市のイメージを決定付けるものである。どこまでも同じようなビルの続く街では人間は方向感覚を失ってしまうものであり、その都市の印象が残らない。ランドマークはその都市の顔となり、住民に親しまれるとともに、来訪者に強い印象を与える。
また、小さな教会・寺院・モスク・神社や火の見櫓、取水塔、煙突といった建造物も集落や狭い地域のランドマークになり得る。カーナビゲーション用の地図、携帯電話による道案内用の地図などの電子地図において、著名な建物などを特に「ランドマーク」として扱い、地図画面上に実物を模したアイコンを表示したり、その建物に関する詳細情報を案内することがある。
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どこからでも見えるテレビ塔は都市のランドマークとなりやすい
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灯台は地上の目印にもなりうる
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地域的な特徴物はランドマークとなりうる(ハリウッドサイン)
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火の見櫓は小さな集落のランドマークとなる
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事象もランドマークとなりうる(大文字焼き)
有名なランドマーク
アジア
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- Tiananmen.JPG
- Taj Mahal, Agra, India edit3.jpg
- 平壌の凱旋門、チュチェ思想塔、万寿台大記念碑
- ソウルのNソウルタワー(南山タワー)、崇礼門(南大門)、63ビル
- 北京の天安門
- 上海の東方明珠電視塔
- 広州の広州塔
- 香港のビクトリア・ハーバー(中国銀行タワー、国際金融中心)
- マカオの聖ポール天主堂跡、マカオタワー
- 台北の台北101、中正紀念堂
- クアラルンプールのペトロナスツインタワー
- シンガポールのグッドウッドパーク・ホテル
- デリーのジャーマー・マスジッド
- アグラのタージ・マハル
- エルサレムの岩のドーム(オマル・モスク)
- ドバイのブルジュ・アル・アラブ、ブルジュ・ハリファ
- イスタンブールのスルタンアフメト・モスク(ブルーモスク)
- 富士山 - 第二次世界大戦当時、米軍機はこれを目印に飛行した。[2]
- 札幌市の時計台、さっぽろテレビ塔
- 函館市の函館山
- 新潟市の萬代橋
- 東京都区部の東京タワー、東京都庁舎、東京スカイツリー
- 横浜市の横浜ランドマークタワー
- 名古屋市の名古屋テレビ塔、JRセントラルタワーズ
- 京都市の東寺五重塔、法観寺八坂塔、京都タワー
- 奈良市の東大寺大仏殿、南大門、興福寺五重塔
- 大阪市の通天閣
- 神戸市の神戸ポートタワー、六甲連山 - 神戸では方角に利用されるほど溶け込んでいる[3]
- 広島市の原爆ドーム
- 福岡市の福岡タワー
- 那覇市の首里城
ヨーロッパ
- Eiffel Tower from north Avenue de New York, Aug 2010.jpg
- Clock Tower - Palace of Westminster, London - September 2006-2.jpg
- Colosseum in Rome, Italy - April 2007.jpg
- Sagrada Familia 02.jpg
- The Parthenon in Athens.jpg
- パリのエッフェル塔、ノートルダム寺院、オペラ座、エトワール凱旋門
- ロンドンの国会議事堂(ビッグベン)、バッキンガム宮殿、タワーブリッジ
- リバプールのロイヤルライヴァービル
- ローマのスペイン階段、トレビの泉、コロッセオ
- ピサのピサの斜塔
- バチカンのサン・ピエトロ広場等 - 国を取り囲むイタリアローマ市にとってもランドマークと言える。
- バルセロナのサグラダ・ファミリア
- ベルリンのブランデンブルク門、ベルリンテレビ塔
- モスクワのクレムリン、聖ワシリイ大聖堂、オスタンキノ・テレビ塔
- アテネのパルテノン神殿
アフリカ
- Koutoubia Mosque (7346175052).jpg
- All Gizah Pyramids.jpg
北アメリカ
- Statue of Liberty frontal 2.jpg
- Washington D.C. - Washington Monument 0010.jpg
- トロントのCNタワー
- ニューヨークのエンパイアステートビルディング、自由の女神像
- ワシントンD.C.のキャピトルヒル(議会議事堂)、ホワイトハウス(大統領官邸)
- アトランタのストーンマウンテン
- セントルイスのゲートウェイ・アーチ
- サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ
- メキシコ市のソカロ広場
南アメリカ
- Cristo Redentor - Rio de Janeiro, Brasil.jpg
- リオデジャネイロのコルコバードのキリスト像
- ブエノスアイレスの7月9日大通りのオベリスク
オセアニア
- SydneyOperaHouse.jpg
ランドマークを扱った主な作品
脚注
- ↑ 丹下健三・富田玲子訳、初版1968年(新装版:岩波書店、2007年。原著:Kevin Lynch, The image of the city. MIT Press, Cambridge MA, 1960)
- ↑ 戦争の記憶をたどる(3)戦争に利用された富士山
- ↑ もっと、六甲山 ―神戸のランドマーク、『六甲山』の魅力を紹介!!―