塩谷立
塩谷 立(しおのや りゅう、1950年2月18日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(9期)、自由民主党選挙対策委員長(第5代)。
文部科学大臣(第11代)、内閣官房副長官(福田康夫改造内閣)、自由民主党総務会長(第50代)、自由民主党党静岡県連会長、自民党たばこ議員連盟副会長等を歴任。
Contents
来歴・人物
静岡県立静岡高等学校卒業後、米国カリフォルニアのアンバサダーカレッジに留学。帰国後、慶應義塾大学法学部政治学科を卒業した[2]。1990年の第39回衆議院議員総選挙に旧静岡3区から自由民主党公認で出馬し、初当選。1993年の第40回衆議院議員総選挙でも再選されたが、小選挙区制導入後初めて実施された1996年の第41回衆議院議員総選挙では静岡8区で北脇保之(前浜松市長)に敗れ、落選。
1999年4月、北脇が浜松市長選挙に出馬するため衆議院議員を辞職し、それに伴う補欠選挙で鈴木康友(後に浜松市長に転身)を破り国政に復帰[2]。2000年の第42回衆議院議員総選挙では前回下した鈴木に敗れ再び落選するが、2003年の第43回衆議院議員総選挙で鈴木を僅差で当選[3]。2005年の第44回衆議院議員総選挙では鈴木に比例復活を許さず当選した[4]。
2008年8月に発足した福田改造内閣で内閣官房副長官に就任。同年9月、麻生内閣で文部科学大臣に就任した。2009年の第45回衆議院議員総選挙では、静岡8区で民主党新人の斉藤進に敗れたが、重複立候補していた比例東海ブロックで復活し、6選。同年9月、麻生内閣総辞職に伴い、文部科学大臣を退任した。
2009年9月より自民党静岡県連会長を務める[5]。
2011年9月30日、自由民主党総務会長に就任。2012年の第46回衆議院議員総選挙で7選。2014年の第47回衆議院議員総選挙で8選[2]。
2017年8月3日、自由民主党選挙対策委員長に就任[6]。2017年の第48回衆議院議員総選挙で9選。
政策
不祥事
公職選挙法違反疑惑
第44回衆議院議員総選挙において、文部科学副大臣という立場を利用して「塩谷文部科学副大臣講演会への動員へのお願い」というタイトルの文章を静岡県西部の複数の私立中学・高校へファックスし講演会に学校関係者を動員するなど、選挙活動に当たる行為を行い公職選挙法に違反したのではないかとの疑いが浮上した[10]。
違法献金問題
自動車の運行・管理の受託を行っている日本道路興運[11]から政治資金規正法により定められた上限750万円を超える、違法な献金を受け取っていたことが発覚した[12]。報道によれば、塩谷は2000年~2003年まで、同社から秘書給与の肩代わりなど計913万円を受け取っていた[12][13]。塩谷側は収支報告書を訂正する意向を示し[12]、『産経新聞』の取材に対して「誠に遺憾。本件が報道されて以降、同社から政治献金は受けていない」とコメントした[13]。
労働保険未加入
2009年1月、塩谷の資金管理団体「塩谷政治経済研究会」が、勤務するスタッフに対する労働保険に未加入のまま長期間放置していたことが発覚した[14]。労働保険の中でも労働者災害補償保険は、雇用者がいれば加入義務があると労働者災害補償保険法により定められており、未加入でスタッフを雇用するのは違法行為である。塩谷の事務所では「アルバイトは加入の必要がないと誤解していた」[14]と説明しており、「塩谷政治経済研究会」も今後は労働保険に加入する意向を示している[14]。なお、2004年12月頃の時点で、自民党本部は関係する各団体に対して社会保険や労働保険に適切に加入するよう指導していた、と指摘されている[15]。
補助金企業からの献金
国からの補助金交付決定後1年以内に静岡市の総合物流会社「鈴与」から、塩谷の政治団体が2012年度に計56万円の寄付を受けていたことが発覚した[16]。鈴与は環境省の「家庭・事業者向けエコリース促進事業費補助金」を申請し、同省所管の一般社団法人から2011年9月に約35万円、同12月に約33万円の補助金の交付決定を通知されており、国が補助金の交付を決定してから1年間、政党や政治資金団体への寄付を禁じた政治資金規正法に抵触する可能性がある、と指摘された[16]。事務所は「一般社団法人が交付決定した補助金であり、国が交付を決定した補助金には該当しないと理解している」とコメントしている[16]。
人物
- 2014年の第186回国会において、大臣、副大臣、政務官、補佐官、議長、副議長、委員長のいずれの要職にもついていなかったのみならず、質問、議員立法、質問主意書提出のいずれもなかったことが指摘された[17][18]。
所属団体・議員連盟
- 自民党たばこ議員連盟(副会長)[19][20]
- 親学推進議員連盟(副会長)[21]
- 日本会議国会議員懇談会[22]
- 神道政治連盟国会議員懇談会[22]
- みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[22]
- セルロースナノファイバー活用促進議員連盟(会長)
- TPP交渉における国益を守り抜く会
- 日韓議員連盟(常任幹事)
- 自民党国際人材議員連盟
- 再チャレンジ支援議員連盟
- 朝鮮通信使交流議員の会(幹事)
脚注
- ↑ コトバンク「塩谷立」(講談社『デジタル版 日本人名大辞典+Plus』より)
- ↑ 2.0 2.1 2.2 塩谷 立 自民党 オフィシャルサイト|プロフィール
- ↑ 衆議院議員小選挙区選挙開票調(8区)、静岡県選挙管理委員会
- ↑ 衆議院小選挙区選出議員選挙 開票結果(8区)、静岡県選挙管理委員会
- ↑ “自民が県連大会開催 新県連会長に塩谷衆院議員 静岡”. 産経新聞. (2009年10月12日)
- ↑ “【内閣改造】自民党四役、正式に決定 岸田氏は政策立案の要・政調会長に 第3次安倍第3次改造内閣、今夕発足”. 産経新聞. (2017年8月3日)
- ↑ 2014衆院選 毎日新聞候補者アンケート
- ↑ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
- ↑ 政策CPプロジェクト - 衆議院2005』アンケート
- ↑ 『中央ジャーナル』 2005年9月25日
- ↑ “公用車談合で10社に課徴金30億円 公取委”. iza!. 産経新聞. (2009年5月23日) . 2009閲覧.
- ↑ 12.0 12.1 12.2 “給与肩代わりの日本道路興運献金 細田長官ら訂正で違法に 規正法 限度額超える”. しんぶん赤旗. (2004年5月24日) . 2009閲覧.
- ↑ 13.0 13.1 “談合疑惑企業からの献金、小渕少子化相は返還へ”. 産経新聞. (2009年6月23日) . 2009閲覧.
- ↑ 14.0 14.1 14.2 “労働保険:5閣僚事務所が未加入 強制知らず秘書分など”. 毎日新聞. (2009年1月26日)
- ↑ “労働保険未加入:自民本部の指示を放置”. 毎日新聞. (2009年1月26日)
- ↑ 16.0 16.1 16.2 「元文科相も鈴与から献金 24年に56万円」、産経新聞、2015年3月3日
- ↑ 「国会議員三ツ星データブック」、186国会版 国会議員三ツ星データブック、特定非営利法人「万年野党」著。ISBN-13: 978-4905239239
- ↑ 「国会質問も議員立法も質問主意書もない『オールゼロ議員』、64人全氏名を公開、BLOGOS 2014年10月15日
- ↑ “「自民党たばこ議員連盟」役員(2017/3/7現在)及び役員へのタバコ販売&耕作者政治連盟からの6年間の献金額(万円)”. . 2018年4月11日閲覧.
- ↑ “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. . 2018年4月11日閲覧.
- ↑ 成澤宗男・週刊金曜日編 『日本会議と神社本庁』 金曜日、2016年
- ↑ 22.0 22.1 22.2 俵義文 『日本会議の全貌』 花伝社、2016年
関連項目
外部リンク
- 塩谷 立 自民党 オフィシャルサイト - 公式サイト
公職 | ||
---|---|---|
先代: 鈴木恒夫 |
文部科学大臣 第11代:2008年 - 2009年 |
次代: 川端達夫 |
先代: 大野松茂 |
内閣官房副長官 (政務担当・衆議院) 2008年 |
次代: 松本純 |
先代: 小野晋也 稲葉大和 |
文部科学副大臣 小島敏男と共同 2004年 - 2005年 |
次代: 河本三郎 馳浩 |
議会 | ||
先代: 西川公也 |
衆議院環太平洋パートナーシップ協定等 に関する特別委員長 2016年 |
次代: (廃止) |
先代: 林幹雄 |
衆議院国土交通委員長 2006年 - 2007年 |
次代: 竹本直一 |
党職 | ||
先代: 古屋圭司 |
自由民主党選挙対策委員長 第5代:2017年 - |
次代: 現職 |
先代: 小池百合子 |
自由民主党総務会長 第50代:2011年 - 2012年 |
次代: 細田博之 |
先代: 増子輝彦 |
自由民主党青年局長 第27代:1993年 - 1995年 |
次代: 古屋圭司 |
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