アメリカ合衆国

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United States of America

正式名称 アメリカ合衆国
面積 952万6468km2(内水 22万3798km2と五大湖 15万5273km2を含み,沿岸部水域 11万1849km2と領海 19万3148km2を除く)
人口 3億1649万8000(2013推計)
首都 ワシントン・コロンビア特別区

北アメリカ大陸の中央部を占める 48州および 1特別区と,アラスカ州およびハワイ州の 2州とからなる連邦共和国。元首は任期 4年の大統領(3選禁止)。議会は上院と下院の 2院からなる。中緯度に広大な面積を占め,自然環境は多様である。西部には,ロッキー山脈,シエラネバダ山脈,カスケード山脈,海岸山脈などが並行して南北に連なる。これらの間にコロンビア高原やグレートベースンなどがあり,高原を横切ってコロンビア川とコロラド川の二大水系が西流して太平洋に注ぐ。内陸は主としてミシシッピ川の水系に属する大平野で,その北部のカナダ国境に五大湖がある。東部には,アパラチア山脈がセントローレンス川からアラバマ州にかけて連なり,大西洋岸とメキシコ湾岸には,広く海岸平野が発達する。気候はほぼ西経100°の経線を境として,東半部の湿潤気候とそれ以西の乾燥気候とに大きく分けることができる。また,東半部のなかでもニューイングランドと五大湖付近は,冷涼な海洋性気候,中央部は夏季温暖な大陸性気候,そして南部は亜熱帯気候を示す。西部はグレートプレーンズのステップ気候,グレートベースン周辺は砂漠気候,太平洋岸は温暖な海洋性気候および温帯冬雨気候などを示す。

かつてはアメリカの各地で,先住民のアメリカインディアンが民族集団単位に生活を営んでいたが,15~16世紀頃から海岸部にスペイン人をはじめヨーロッパ人が入植。17世紀になって,東北部にイギリス人やフランス人が移住して 18世紀中頃までに十三植民地を建設した。1776年のアメリカ独立宣言,1861~65年の南北戦争などを経て,東部から西部へと開拓が進められた。第1次世界大戦後,特に織物や農業機械工業の発達が著しく,それは大規模な機械化農業の発達に結びつくものであった。その結果,肥沃で広大な内陸平野には,コムギ地帯やトウモロコシ地帯,綿花地帯などの大農業地帯が形成された。

また,中部および西部諸州の石油や,アパラチア山系の石炭,ミネソタ州の鉄鉱石など,鉱物資源にも恵まれて,各地に工業が発達した。第2次世界大戦後は,メキシコ湾岸や太平洋岸にも石油化学,航空機,電子などの近代工業が立地した。工業化に伴って都市化も進み,ニューヨークシカゴロサンゼルスなどの大都市が形成され,特にニューヨークを中心とした地域は,総人口 1800万をこえる巨大都市(メガロポリス)圏となるにいたった。このような豊かな経済力を背景にして,通貨のドルは国際通貨となり,多くの国々と同盟を結び,国際政治のうえでも指導的な役割を果たしてきた。国民総生産や国民所得で,世界の首位を占め,多くの国民は豊かな「アメリカ的生活様式」を営む。住民は非ヒスパニック系白人 63.7%,ヒスパニック系 16.3%,非ヒスパニック系黒人 12.6%,ほかにアジア系,アメリカインディアンなど(2010)。主要言語は英語であるが,ヒスパニックの多くはスペイン語を話す。宗教はプロテスタント,カトリックのほか,ユダヤ教イスラム教など。(アメリカ合衆国史