古屋圭司
古屋 圭司(ふるや けいじ、1952年11月1日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(10期)、衆議院議院運営委員長。
国家公安委員会委員長、内閣府特命担当大臣(防災)、拉致問題担当大臣、国土強靭化担当大臣(第2次安倍内閣)、経済産業副大臣(第1次小泉内閣)、衆議院文部科学委員長・商工委員長、自由民主党選挙対策委員長(第4代)等を歴任。
旧姓は松本。伯父は自治大臣を務めた元自民党衆議院議員の古屋亨。
Contents
来歴
生い立ち
東京都出身(本籍地は岐阜県恵那市大井町で、選出選挙区の岐阜5区に含まれる)。出生時の姓は松本であったが、母方の伯父にあたる古屋亨の養子になったため、以後古屋姓を名乗る。
中学生の頃、アメリカに3年間ホームステイしていた[1]。1970年に成蹊高等学校へ編入学し、1972年3月に同高等学校卒業[2]。
1976年3月に成蹊大学経済学部経済学科卒業後、同年4月に大正海上火災保険(現:三井住友海上火災保険)へ入社。1984年に退社し、安倍晋太郎(当時外務大臣)の秘書に転じる。同年、養父である古屋亨の秘書を務める[3]。
政治家として
1990年、養父の後継者として第39回衆議院議員総選挙に自民党公認で旧岐阜2区から出馬し、初当選。当選後、安倍派に入会。
1996年の第41回衆議院議員総選挙で小選挙区比例代表並立制導入に伴い岐阜5区から出馬し、再選。
1998年の自由民主党総裁選挙で同じ三塚派から立候補した小泉純一郎ではなく、亀井静香、平沼赳夫らと共に梶山静六を支援。総裁選後に亀井らと三塚派を離脱して亀井グループを結成。
2001年、第1次小泉内閣で経済産業副大臣に任命された[3]。
2005年の郵政国会で郵政民営化法案に反対票を投じる。派閥領袖の亀井は自民党を離党して国民新党を結党したが、古屋は新党には参加せず岐阜5区から無所属で出馬し6選。なお、古屋は当時自民党岐阜県連会長を務めていたが、党公認を得られず無所属で出馬するのに際し、会長を辞任した(後任は金子一義)。選挙での自民党圧勝を受け、総選挙後の特別国会に再提出された郵政民営化法案には一転して賛成票を投じたが、離党勧告を受けたため自民党を離党する。
2006年11月、自民党に復党届及び誓約書を提出し、12月に党紀委員会で復党が認められたため、自民党に復党(郵政造反組復党問題)。
2007年5月、価値観外交を推進する議員の会の会長に就任し、麻生太郎が提唱する価値観外交への支持を表明。同年9月の自由民主党総裁選挙で麻生に投票したが、麻生は福田康夫に敗れた。同年10月、伊吹派に再入会。
2008年自由民主党総裁選挙で麻生の推薦人に名を連ねる[4]。
2009年の第45回衆議院議員総選挙は民主党の阿知波吉信に敗れたが、重複立候補していた比例東海ブロックで復活し、7選。同年、自由民主党中央政治大学院の学院長に就任[3]。
2010年1月、のぞみに参加。なおのぞみへの参加に伴い、所属していた伊吹派を休会。2011年、自民党・民主党所属議員を中心とする超党派の議員連盟「憲法96条改正を目指す議員連盟」の結成に参加した[5]。
2012年9月の自由民主党総裁選挙で安倍晋三を支援し、推薦人にも名を連ねた[6]。同年12月の第46回衆議院議員総選挙で前回敗れた民主党の阿知波に比例復活すら許さないほどの大差をつけて破り、8選。選挙後に発足した第2次安倍内閣で国家公安委員会委員長兼内閣府特命担当大臣(防災)および拉致問題・国土強靭化を担当する国務大臣に任命され、初入閣した[7]。
2014年9月の内閣改造により国務大臣を退任。同年12月の第47回衆議院議員総選挙で9選。
2016年8月、自由民主党選挙対策委員長に就任[8]。
2017年10月の第48回衆議院議員総選挙で10選。選挙後、衆議院議院運営委員長に就任[9]。
政策・主張
- 2011年8月10日、衆議院文部科学委員会で沖縄県八重山地区の教科書選定協議会に対する沖縄県教育委員会の不当介入(八重山教科書問題)を国会で初めて取り上げて追及した[10]。質疑の中で古屋は、文部科学省初等中等教育局長(当時)で政府参考人の山中伸一に対し、県教委による協議会メンバーに教職員の追加を要請したことを「一部メディアの猛烈な反対運動を受けた県教育委員会の、採択権者である市町村教育委員に対する不当な介入」と主張。「市町村の教育委員会の主体性を著しく損ねた」として、文科省の北朝鮮調査を要求した[11]。
- 歴史事実委員会名義での意見広告の賛同者に名を連ねており、第二次世界大戦中の慰安婦強制連行については否定する立場である[12]。
- 永住外国人への地方選挙権付与に反対[13]。
- 人権擁護法案に反対[14]。
- 日本のTPP参加には反対の立場を取る[15]。
- 日本の核武装について、今後の国際情勢によっては検討すべきとしている[15]。
- 国家公安委員会委員長時代の2013年6月4日に行われた閣議後会見で、交通違反の取り締まりを論じる中で、「歩行者が出てくる危険性がない場所で、制限速度の20キロ超過を取り締まるのは疑問」「取り締まりのための取り締まりになっている傾向がある」という趣旨の発言をした[16][17]。
- 選択的夫婦別姓制度導入に反対[18][19][20]。
- 第2次安倍内閣の改造により拉致問題担当大臣を退任後も、拉致問題に関する超党派の議員連盟に所属し、2018年6月22日には会長として安倍晋三首相に全ての拉致被害者の即時一括帰国に向けた取り組みの申入書を手渡した[21]。
政治献金
- 入学手続き前に受験生から二十四億円以上もの寄付金を集めていたことが問題となっている帝京大学(東京都板橋区)グループと総長らから、1995年から2000年にかけて、100万円の献金を受けていた、としんぶん赤旗に報道された[22]。
- 朝日新聞は、古屋が代表を務める団体が2016年7月に開いたパーティーでの、パーティー券購入者を記したとみられるノートを入手したとして、収支報告書に収入を546万円過少に記載した疑いを指摘したが古屋は2018年7月18日、国会内で取材に応じ「過少申告はなかった」とする調査結果を公表し、改めて報道を否定した[23]。
所属団体・議員連盟
- 価値観外交を推進する議員の会(会長)
- 公共放送のあり方について考える議員の会(会長)
- 北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟(幹事長→会長[21])
- 創生「日本」(会長代理)
- 真の人権擁護を考える懇談会(座長)
- 日本会議国会議員懇談会(会長)[24]
- 天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟(副実行委員長)
- 日本の前途と歴史教育を考える議員の会(副幹事長)
- 平和を願い真の国益を考え靖国神社参拝を支持する若手国会議員の会
- のぞみ
- 神道政治連盟国会議員懇談会
- マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟(会長)
- TPP交渉における国益を守り抜く会
- 日本キューバ友好議員連盟(会長)[25]
- モータースポーツ振興議員連盟(会長)
著作
単著
- 『そうだったのか!!「国土強靱化」』 PHP研究所、2014年5月。ISBN 978-4-56-9818825。
共著
- 中西輝政監修・安倍晋三・衛藤晟一・亀井郁夫・下村博文・中川昭一・平沼赳夫・古屋圭司・松原仁・椛島有三・山谷えり子・笠浩史 『サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道――英国教育調査報告』 英国教育調査団編、PHP研究所、2005年4月。ISBN 978-4-56-9641355。
- 『危ない!人権擁護法案』 人権擁護法案を考える市民の会編、展転社、2006年4月。ISBN 978-4-88-6562821。
- 『教育激変』 教育基本法改正促進委員会・起草委員会編、明成社、2006年4月。ISBN 978-4-94-4219421。
- 平沼赳夫・正しい日本を創る会 『日本の正道』 PHP研究所、2007年6月。ISBN 978-4-56-9692913。
- 山本寛斎・政策集団「のぞみ」 『上を向こう、日本』 PHP研究所、2010年3月。ISBN 978-4-56-9777542。
親族
- 高祖父
- 曽祖父
- 祖父
- 養父
- 伯父
脚注
- ↑ 政治家インタビュー・古屋圭司先生 成蹊大学学生会議所
- ↑ 古屋圭司プロフィール オフィシャルブログ・古屋圭司通信
- ↑ 3.0 3.1 3.2 プロフィール公式サイト
- ↑ “総裁選5候補の推薦人名簿”. 東京新聞. (2008年9月10日) . 2015閲覧.
- ↑ 「憲法96条改正を目指す議員連盟」いよいよ設立!オフィシャルブログ・古屋圭司通信
- ↑ 自民党総裁選推薦人の一覧 日本経済新聞 2012年9月14日 2015年1月10日閲覧。
- ↑ “古屋さん初入閣 拉致問題解決へ決意新た”. 中日新聞 (中日新聞社). (2012年12月27日) . 2012閲覧.
- ↑ 自民国対委員長に竹下氏 古屋氏は選対委員長日本経済新聞 2016年8月2日
- ↑ “大島衆院議長と赤松副議長選出”. 日本経済新聞. (2017年11月2日) . 2017閲覧.
- ↑ 仲新城誠 『国境の島の「反日」教科書キャンペーン』 産経新聞出版、2013年3月、初版。ISBN 978-4-8191-1204-8。
- ↑ 衆議院文部科学委員会 17号 (2011年8月10日). “国会会議録検索システム”. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2013閲覧.
- ↑ 「日本軍「慰安婦」 強制を否定 安倍首相が賛同 米紙に意見広告 4閣僚も 国内外の批判は必至 昨年11月」、しんぶん赤旗、2013年1月6日
- ↑ 自身のブログ
- ↑ 自身のブログ
- ↑ 15.0 15.1 “2012衆院選 岐阜5区 古屋圭司”. 毎日jp (毎日新聞社) . 2012閲覧.
- ↑ 「交通取締り全体の見直しをする」古屋国家公安委員長 | レスポンス
- ↑ 「いまの交通取締はちょっと・・・」国家公安委員長の「苦言」 弁護士はどう見る? - 弁護士ドットコム
- ↑ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
- ↑ 自身のブログ
- ↑ FNNニュース、2015年2月19日
- ↑ 21.0 21.1 拉致議連、被害者の即時一括帰国を申し入れ 首相に朝日新聞デジタル 2018年6月22日
- ↑ 「自民議員らに4759万円」しんぶん赤旗 2002年8月23日
- ↑ 政治資金報告書 自民の古屋氏「過少申告なかった」 毎日新聞 2018年7月18日 2018年7月18日閲覧。
- ↑ 日本会議と連携、改憲推進に意欲 超党派議員ら懇談会朝日新聞デジタル 2017年11月28日
- ↑ “キューバナンバー2と会談 日本から訪問の議員ら”. 産経ニュース. (2014年10月5日) . 2014閲覧.
関連項目
外部リンク
公職 | ||
---|---|---|
先代: 小平忠正 |
国家公安委員会委員長 第88代:2012年 - 2014年 |
次代: 山谷えり子 |
先代: 下地幹郎 |
特命担当大臣(防災) 第23代:2012年 - 2014年 |
次代: 山谷えり子 |
先代: 中山成彬 松田岩夫 |
経済産業副大臣 松田岩夫→大島慶久と共同 2001年 - 2002年 |
次代: 高市早苗 西川太一郎 |
議会 | ||
先代: 佐藤勉 |
衆議院議院運営委員長 第80代:2017年 - |
次代: 現職 |
先代: 河村建夫 |
衆議院文部科学委員長 2002年 - 2003年 |
次代: 池坊保子 |
先代: 中山成彬 |
衆議院商工委員長 2000年 |
次代: 廃止 |
党職 | ||
先代: 茂木敏充 |
自由民主党選挙対策委員長 第5代:2016年 - 2017年 |
次代: 塩谷立 |
先代: 塩谷立 中島洋次郎 |
自由民主党青年局長 第28代:1995年 第30代:1996年 |
次代: 中島洋次郎 安倍晋三 |
その他の役職 | ||
先代: 平沼赳夫 |
日本会議国会議員懇談会会長 第4代:2017年 - |
次代: 現職 |