七ヶ浜町
七ヶ浜町(しちがはままち)は、宮城県中部の太平洋沿岸に位置する町である。町域は、日本三景・松島の南部を形成している。
Contents
概要
宮城県の中部に位置し、松島丘陵が仙台湾に半島状に海に突き出した形になっている七ヶ浜半島を町域としている。この半島は江戸時代、基部を横断するかたちで貞山運河が造られ、それによって島のような状態となっている。山として韮山、また湖沼には阿川沼がある。
七ヶ浜町は東北地方の市町村の中で最小の面積である。気候は比較的温暖で、寒暖の差が少ない。キャッチフレーズは、「うみ・ひと・まち 七ヶ浜」。
2010年国勢調査 において昼夜間人口比率が65.0%であり、日本の市区町村の中では最も低い値であった。
町名の由来
海沿いに7つの集落があったことから、「七ヶ浜」と名づけられた。
- 湊浜・松ヶ浜・菖蒲田浜・花渕浜・吉田浜・代ヶ崎浜・東宮浜
歴史
- 縄文時代、“日本最大の貝塚”である大木囲貝塚がつくられた。松島町と共に縄文時代における“日本の中心地”の一つであった。
- 奈良時代、陸奥国の国府・多賀城に隣接し、国府厨(こくふのくりや)が置かれた。豊富な海産物が多賀城に送られた。
- 1889年(明治22年)
- 1959年(昭和34年)1月1日 町制施行し、七ヶ浜町となる。
- 1980年9月 - 汐見台地区(七ヶ浜ニュータウン)分譲開始。
- 2011年(平成23年)3月11日 東北地方太平洋沖地震により被災
行政
町議会議員
平成27年9月11日現在
経済
産業
- 産業別就業人口(2000年)
- 第一次産業 525人
- 第二次産業 3,392人
- 第三次産業 6,386人
- 分類不能 24人
- 合計 10,327人
- 町の北東には東北電力仙台火力発電所があり、火力発電(コンバインドサイクル発電)を行っている。敷地内にメガソーラー発電設備が稼働中である。
郵便局
- 汐見台郵便局
- 菖蒲田郵便局
- 吉田浜郵便局
金融機関
姉妹都市・提携都市
地域
人口
七ヶ浜町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
七ヶ浜ニュータウン汐見台
1972年に七ヶ浜町が策定した長期基本構想ではニュータウン造成計画が主軸と据えられた。そして、町は造成にあたって民間企業との共同開発方式をとる決断に至り、文化振興や町づくりの面で前向きに取り組んでいた西武流通グループ傘下の西武都市開発(のちの西洋環境開発)がパートナー企業として選定された[1]。しかし、仙台圏における宅地供給は長期的には過剰とみられていたほか、開発地の市街化区域への編入も未定であり、さらに町が仙台市から遥か遠方に位置するとみなされていたことなどから開発の推進は難渋を極めた。
こうした事態を受け、西武都市開発は従来の宅地開発にはない新たな構想として、オランダの都市開発に採用されていたボンエルフを導入すること[2]、さらに歩行者専用の緑道を設けること、加えて開発地区をなだらかな南面傾斜として植栽し、区域全体を公園とするなどのプランを提示した。これによって、1977年7月には市街化区域への編入も決定した[3]。だがボンエルフ導入は既存の法体系と矛盾する為、翌年春には開発申請が止められた。しかしながら、西武都市開発担当者や当時の赤間今雄町長[注釈 1]が、宮城県や建設省に足繁く出向きボンエルフの必要性を説いたことが奏功し、1978年12月には開発許可が下り、1979年5月着工。1980年9月には第一期販売が開始され、即日完売した[3]。
この七ヶ浜ニュータウン汐見台のボンエルフ計画は、1983年4月には国際交通安全学会賞を受賞したほか、その後の国内のニュータウン計画でコミュニティ道路が採用される端緒となった[3]。
教育
中学校
小学校
- 七ヶ浜町立汐見小学校
- 七ヶ浜町立亦楽小学校
- 七ヶ浜町立松ヶ浜小学校
- 七ヶ浜中学校と亦楽小学校は、文部科学省が推進する「学力向上フロンティア」指定校(フロンティアスクール)である。
隣接している自治体・行政区
交通
鉄道
町内に鉄道はなく、隣接する多賀城市のJR東日本仙石線下馬駅または多賀城駅よりバスを利用する。
バス
道路
- 都道府県道
- 町内を走る県道:宮城県道58号塩釜七ヶ浜多賀城線
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 菖蒲田浜海水浴場(全国で3番目に開設された海水浴場)
- 多聞山(松島四大観の1つ。「偉観」)
- 高山外国人避暑地
- 大木囲貝塚(面積197,248m2にして日本最大規模の貝塚)
- 鼻節神社
- 総合スポーツセンター
- 七ヶ浜国際村
- 小浜港(ヨットハーバー)
七ヶ浜町出身の有名人
七ヶ浜町を舞台とした作品
- かんなぎ - 本作が2008年にアニメ化された際に登場する神社のモデルが鼻節神社であると同作のファンに見なされて、多くのファンが同地を訪れている。これを受けて地元の商工会は2009年夏に『アニメ「かんなぎ」による観光戦略事業実行委員会』を組織して観光キャンペーンを行った。詳細はかんなぎ アニメの舞台を参照。
東日本大震災
2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本太平洋沖地震では、津波により町の面積の約4分の1が浸水した[5][6]。
- Tsunami came to beach.JPG
津波により壊滅状態となった菖蒲田浜付近
- Containers ride on wave.JPG
菖蒲田浜の海岸には、約4km先の仙台港からのコンテナが漂着
- Fishing boat on the roof.JPG
津波により屋根の上に打ち揚げられた漁船
- Whose memories?.JPG
津波によって電柱に引っかかったアルバム
脚注
注釈
- ↑ 在任1971年4月 - 1991年4月。同町名誉町民。
出典
- ↑ 『セゾンの歴史 下巻 変革のダイナミズム』p.248
- ↑ “汐見台ニュータウン 宮城県宮城郡七ヶ浜町汐見台”. 一般財団法人 住宅生産振興財団 . 2015-8-20閲覧.
- ↑ 3.0 3.1 3.2 『セゾンの歴史 下巻 変革のダイナミズム』p.249
- ↑ 平成21年8月1日より七ヶ浜町民バス「ぐるりんこ」を運行します(七ヶ浜町)
- ↑ “知識と情報 50人が難逃れる”. 日本放送協会 (2011年3月19日). 2011年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2011閲覧.
- ↑ 津波浸水域宮城県阿川沼と周辺低地に残された津波堆積物
参考文献
- 由井常彦編 『セゾンの歴史 下巻 変革のダイナミズム』 リブロポート、1991年。 ISBN 4845706253
関連項目
外部リンク