パンクラチオン
Παγκράτιον | |
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別名 |
羅: Pancratium / パンクラティウム 英: Pankration / パンクレイション |
発生国 | 20px 古代ギリシア |
源流 | 古代ギリシア |
主要技術 | 打撃・組技 |
オリンピック競技 | 古代オリンピックにて有り |
公式サイト | 国際パンクラチオン連盟 |
パンクラチオン(Ελληνικά: Παγκράτιον、ラテン文字転写: Pankration、羅: Pancratium)は、古代ギリシャのスポーツ、格闘技、あるいはその近代版同名競技、格闘技である。ギリシャ語で「全力(あるいは全ての力)」を意味する。
Contents
パンクラチオンの歴史
古代
古代パンクラチオンは打撃技と組技(グラップリング)を組み合わせた古代ギリシアの格闘技で、試合の勝敗は相手がギブアップすることで決せられた。競技者は腕を上げることでギブアップしたことを示すことができたが、多くの場合ギブアップは一方の競技者の死亡を意味した。ルールは“目潰しと噛み付きの禁止”の2つのみで、指や骨を折る行為も許されていた。
この時期にはすでにスポーツ競技となっていたが、競技者達によって多彩な技が開発され、師範(サスカーロス)から弟子(パンクレイティスト)へと何世代にもわたって受け継がれていた[1]。また、呼吸法を身に着け、打撃力を増強するために東洋武術の型に似た「ピリクス」という稽古法が存在していた[1]。
紀元前648年に古代オリンピックに導入されてからは、若者も参加できる、より安全な競技となった。泥土か砂地にて勝敗を争い、日没までに勝者が決まらなかった場合には、互いに顔面を順番に殴り合う(避けてはならない)ことで決したと言われる。
現代
1999年、古代ギリシャゆかりの2004年のアテネオリンピックで公開競技として採用されることをめざし、ギリシアで「International Federation of Pankration Athlima(国際パンクラチオン連盟、国際パンクラチオン・アスリーマ連盟。略称IFPA)」が結成された。しかし、アテネオリンピックだけでなく、それ以降のオリンピックでも採用されないまま現在に至っている。(オリンピックの下部にあたる地域大会では正式種目となっている。)
現代では統一されたユニフォーム(道着)の着用が義務づけられた着衣総合格闘技で、ユニフォームは古代オリンピックで審判団が着用していた古代ギリシャの民族衣装エンディマをもとにしており、柔道国際戦のように片方が青色、もう片方が白色となっている。
日本の競技団体
日本パンクラチオン協会
2008年設立。会長はアジア競技大会日本代表などの実績がある空手家・中国武術家の北出雅人。北出は、2008年11月テヘランで開催されたワールド・マーシャル・アーツフェスティバルの席上、国際パンクラチオン連盟(略称IFPA)よりIFPA日本代表に指名され、日本パンクラチオン協会を設立した。国際パンクラチオン連盟(IFPA)が日本で下部組織として認可しているのは日本パンクラチオン協会のみで、同協会がオリンピックの下部大会に選手を送り出している。國際松濤館空手道連盟設立者の金澤弘和が特別顧問を務めている。日本パンクラチオン協会は、IFPAパンクラチオンとも呼ばれ、日本格闘競技連盟(JMAGA)の傘下団体でもある。
パンクレーションアスリーマ連盟
特定非営利活動法人日本パンクレーションアスリーマ連盟は、國際松濤館空手道連盟と、空道で知られる大道塾が協同して2000年設立した。金澤弘和が理事長に、東孝が副理事長となり、役員も同団体関係者(松原隆一郎など)で占められている。しかし、国際団体である国際パンクラチオン連盟に加盟できなかったため(代わりに日本パンクラチオン協会が加盟した)、まったく活動を行わないまま休眠状態となった。
脚注
参考文献
- クリス・クルデリ 『世界武道格闘技大百科』川成洋訳、東邦出版、2010年
参照
関連項目
- 古代ギリシアのボクシング
- 修斗 - 創設当初、パンクラチオンの復活を標榜し「パンクラツ」または「パンクラス」と名乗った)
- パンクラス
- マット・ヒューム - 近代パンクラチオン=パンクレイションの確立を標榜している。
- 拳闘暗黒伝セスタス
- バーチャファイターシリーズ - 登場人物の一人である「ジェフリー・マクワイルド」がパンクラチオンの使い手である。
外部リンク
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