散打

提供: miniwiki
移動先:案内検索
さんだ
別名 散手(サンショウ/正式名称)
競技形式 リング、またはマットの上での1対1の試合形式
発生国 中華人民共和国の旗 中国
創始者 レオン・チウ
源流 中国武術、ボクシング、ムエタイ等
主要技術 パンチ、キック、投げ技
オリンピック競技 無し
公式サイト 国際武術連盟
 [ ][ ] 

散打(さんだ、Sanda)とは、中国武術においてスパーリング組手あるいは試合に類する行為。散手 (さんしょう、Sanshou) とも言われ、競技の正式名称でもある。技術交流のために開かれる大会も散打大会、散手大会などと呼ばれる。日本においても様々な流派が様々なルールで大会を開催している。

IOC承認競技団体である国際武術連盟の武術(ウーシュー、日本名武術太極拳)競技でも以前は表演競技の套路競技のみであったが、現在では散手(散打)競技も種目化しており、アジア武術選手権大会でも実施され、ワールドカップも開催している(詳細は武術太極拳)。

歴史

レオン・チウ勢力

「散打」の名で新しい格闘技を展開する動きもある。レオン・チウ (Leon Chiu) は詠春拳洪家拳少林拳などの経験を背景にこの格闘競技を創立した。

1997年頃からはプロ格闘技としてアメリカと中国で試合が開催されるようになる。

従来の中国武術は統一ルールでの競技化されていなかったため、タイムエタイ日本空手韓国テコンドーなどにどうしても遅れをとっていた。

他国の格闘競技のルールと中国武術の技法を検討して他流試合などを行い、試行錯誤を繰り返して従来の格闘技のルールの隙間を縫うように立ち技ながらも投げ主体(投げによるポイントはダウンと同程度)、蹴り技はサイドキックを多用、崩れたところにフック気味のパンチで抱きついて投げを打つというスタイルに落ち着いた。 この様な競技化を推進する事によって武術古来の技法用法を失うという側面もあり、本来武術の持つ目的を失いゲーム化する流れに批判的な意見も多い。

日本においてはシュートボクシングK-1との交流試合を行ったことで一般に知られるようになった。2004年7月には、張慶軍(ジャン・チンジュン)と言う散打の選手が、曙太郎とK-1ルールで試合を行い、当時18歳という若さながら、判定で勝利を収めている。また、張は2005年にWBCムエタイヘビー級初代インターナショナル王者の座に就いている。

そのほかにも、シュートボクシングのリングで中国人散打選手の鄭裕蒿(ジョン・イーゴ)が活躍するなど、徐々に散打の立ち技格闘技での地位が向上している。

散打の試合には大道塾極真館等の団体から日本選手も参戦しており、2007年11月に北京で行われた「第9回世界武術選手権大会」散打・67kg級において、笹沢一有(大道塾)がベスト8に入り、2008年北京五輪期間中に、五輪センター体育館にて開催される「北京武術大会」の散打部門に日本代表として出場することが決定している。

試合模様については、すぐにクリンチ状態になる散打選手に対し批判が多かったが、そもそも散打は組み付きと投げを基本とし、打撃がそれを補佐するという技術体系であるため、試合がこのような状態になるのは仕方のないことである。

試合形式

アマチュア

試合は、通常、擂台(レイタイ)と呼ばれる台の上で行われる。ただし、規模の大きな大会でなければ通常のマットの上で試合が行われる。擂台の大きさは8m四方の正方形で、高さは80cmである。擂台は木で組み、競技場の上を柔らかいマットで覆う。試合場の上には、外から90cmのところに10cmの太さの警告ラインが引かれる。また、転落した選手の安全性の確保の為、擂台の周囲2mに、厚さ30cmのマットを敷く。

試合自体は、2分3R(インターバル1分)で行われ、取ったラウンド数を上回るか、相手をKOに追い込めば勝ちとなる。大会は、ラウンドロビン形式(総当りリーグ戦)とトーナメント方式の2種類のどちらかで行われる。KOの成立には、試合を一方的な内容にジャッジが試合をとめる、試合中に合計3度、ラウンド中に2度ダウンを奪う、ラウンド中に2度対戦相手を擂台の外に落とすなどがある。対戦相手は、強打を浴びてダウンをしてから10秒以内に立ち上がれなければKO負けとなる。ラウンド終了時に、総合ポイントが同じ場合、警告が少ないほうが勝ちとなる。もし、警告数が同じであったなら、勧告数が少ないほうが勝ちとなる。それが同じなら、体重の軽いほうがそのラウンドをとる。試合は3Rなので、2Rとった時点で勝ちとなる。もし、対戦相手が怪我や病気で試合の続行が不可能となった場合、自動的に勝ちとなる。もし、対戦相手に反則をされて怪我をしたと偽り、それが試合後の医師によって判明した場合、反則を仕掛けたとされたほうが勝ちとなる。ラウンドロビン形式の大会で、試合が3Rで行われず、かつ両選手が同じ数だけラウンドをとった場合、引き分けとされる(総当たり戦の大会なら、必ずしも勝敗を決しなくてもいいから)。トーナメント形式の場合、必ず勝敗を付けなくてはならないから、警告数が少ないほうが勝ちとなる。もし、警告数が同じであったなら、勧告数が少ないほうが勝ちとなる。それが同じなら、延長戦を行って勝敗を決する。

プロ

試合は、通常、擂台(レイタイ)と呼ばれる台の上か、ボクシングのリングの上で行われる。試合自体は、3分5R(インターバル1分)で行われ、取ったラウンド数を上回るか、相手をKOに追い込めば勝ちとなる。打撃や投げ技は認められているが、相手にくっついてから5秒以上進展がない場合は、レフェリーが両者を引き離す。擂台やマットの上で試合をする場合、対戦相手を試合場の外に突き出したり、落としたりする選手には警告されたり減点が課せられたりする。最悪、失格負けを宣告される可能性がある。

選手の服装

アマチュア

散打では、選手はトランクス、ランニングシャツ、アマチュアボクシングの試合用のヘッドギア、ボディプロテクター、レガースグローブを着用する。また、安全の為、マウスピースバンテージファウルカップも着用する。ただし、大会によっては、必ずしもレガースを付けない場合もある。これらは中国に本部を置く国際武術連盟の定めた規則である[1]。よって、団体によって差異がある。例えば、国際キックボクシング連盟(IKF)の規則によれば、ボディプロテクターは着用しないことになっている[2]

プロ

プロの散打では、選手はトランクスとグローブのみを着用する。ただし、アマチュア同様にマウスピース、バンテージ、ファウルカップを着用する[3]

階級

アマチュア

国際武術連盟(IWUF) 国際キックボクシング連盟(IKF)
男女共に全11階級[1]
階級名称 体重
(キログラム/kg)
90kg超級 >90kg
90kg級 >85kg - ≦90kg
85kg級 >80kg - ≦85kg
80kg級 >75kg - ≦80kg
75kg級 >70kg - ≦75kg
70kg級 >65kg - ≦70kg
65kg級 >60kg - ≦65kg
60kg級 >56kg - ≦60kg
56kg級 >56kg - ≦56kg
52kg級 >48kg - ≦52kg
48kg以下級 ≦48kg
男女共に全17階級。
階級名称 体重
(キログラム/kg)
体重
(ポンド/lbs)
スーパーヘビー級 97.8kg超 215.1lbs超
ヘビー級 88.7 - 97.7kg 195.1 - 215lbs
クルーザー級 84.6 - 88.6kg 186.1 - 195lbs
ライトクルーザー級 81.4 - 84.5kg 179.1 - 186lbs
ライトヘビー級 78.2 - 81.3kg 172.1 - 179lbs
スーパーミドル級 75 - 78.1kg 165.1 - 172lbs
ミドル級 72.2 - 75kg 159.1 - 165lbs
ライトミドル級 69.6 - 72.2kg 153.1 - 159lbs
スーパーウェルター級 66.9 - 69.5kg 147.1 - 153lbs
ウェルター級 64.6 - 66.8kg 142.1 - 147lbs
ライトウェルター級 62.2 - 64.5kg 137.1 - 142lbs
スーパーライト級 60.1 - 62.2kg 132.1 - 137lbs
ライト級 57.77 - 60kg 127.1 - 132lbs
フェザー級 55.50 - 57.72kg 122.1 - 127lbs
バンタム級 53.22 - 55.45kg 117.1 - 122lbs
フライ級 50.95 - 53.18kg 112.1 - 117lbs
アトム級 50.9kg以下 112lbs以下

左側の表の見方についであるが、70kg級の場合、体重が65kgより上(65kgは含まない)で、70kg以下(70kgを含む)という意味である。

プロ

国際キックボクシング連盟(IKF)が定めるプロ散打の階級。男女共に17階級。

階級名称 体重
(キログラム/kg)
体重
(ポンド/lbs)
スーパーヘビー級 97.8kg超 215.1lbs超
ヘビー級 88.7 - 97.7kg 195.1 - 215lbs
クルーザー級 84.6 - 88.6kg 186.1 - 195lbs
ライトクルーザー級 81.4 - 84.5kg 179.1 - 186lbs
ライトヘビー級 78.2 - 81.3kg 172.1 - 179lbs
スーパーミドル級 75 - 78.1kg 165.1 - 172lbs
ミドル級 72.2 - 75kg 159.1 - 165lbs
ライトミドル級 69.6 - 72.2kg 153.1 - 159lbs
スーパーウェルター級 66.9 - 69.5kg 147.1 - 153lbs
ウェルター級 64.6 - 66.8kg 142.1 - 147lbs
ライトウェルター級 62.2 - 64.5kg 137.1 - 142lbs
スーパーライト級 60.1 - 62.2kg 132.1 - 137lbs
ライト級 57.77 - 60kg 127.1 - 132lbs
フェザー級 55.50 - 57.72kg 122.1 - 127lbs
バンタム級 53.22 - 55.45kg 117.1 - 122lbs
フライ級 50.95 - 53.18kg 112.1 - 117lbs
アトム級 50.9kg以下 112lbs以下

反則

IWUF

  • 頭突き
  • 肘打ち(顔面及び首部に対して)
  • 膝蹴り
  • 関節技
  • 相手を逆さまに持ち上げて落とす行為
  • 倒れた相手への攻撃

IKF

  • 頭突き
  • 肘打ち(顔面及び首部に対して)
  • 膝蹴り(ただし、試合によっては許可される場合もある)
  • 関節技
  • 噛み付き
  • オープンブロー
  • 金的
  • 膝への攻撃
  • 背骨への攻撃
  • 後頭部への攻撃
  • 関節マニピュレーションを巻き込みながら投げること

出典

  1. 1.0 1.1 IWUF Rules of Sanshou (2005 Edition,English)”. IWUF. 2007年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2007閲覧.
  2. San Shou Rules
  3. San Shou Rules

関連記事

外部リンク