上伊那郡

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長野県上伊那郡の範囲(1.辰野町 2.箕輪町 3.飯島町 4.南箕輪村 5.中川村 6.宮田村 薄黄:後に他郡に編入された区域)

上伊那郡(かみいなぐん)は、長野県

人口82,254人、面積514.61km²、人口密度160人/km²。(2018年4月1日、推計人口

以下の3町3村を含む。

郡域

1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記3町3村に伊那市駒ヶ根市および下伊那郡松川町の一部(上片桐)を加えた区域にあたる。現在でも「上伊那地域(地区)」と総称される場合、伊那市、駒ヶ根市を含むこともある。

歴史

郡発足までの沿革

知行 村数 村名
幕府領 幕府領(松本藩預地[2] 23村 ●木下村、北小河内村、沢村、八乙女村、下古田村、上古田村、●富田村、吹上村、●大出村、上戸村、寄合新田、大萱村、中曽根新田村、大泉新田村、与地村、中条村、●羽広村、中原新田村、田畑村、●三日町村、長岡村、神子柴村、大泉村
幕府領(飯島代官所) 1町
4村
石曽根村、飯島町[3]、●○片桐村[4]、●本郷村、●赤須村
幕府領(千村平右衛門預地) 4村 ●小野村、●中坪村、●野口村、●八手村
幕府領(飯島代官所・松本藩預地) 1村 福島村
旗本領 4村 ●南小河内村、福与村、久保村、●下寺村
幕府領(飯島代官所)・旗本領 2村 ●大草村、松島村
幕府領(松本藩預地)・旗本領 2村 南殿村、北殿村
幕府領(千村平右衛門預地)・旗本領 1村 ●上穂村
藩領 信濃高遠藩 1町
84村
高遠城下[5]、●板町村、●的場村、弥勒村、野笹村、板山村、●中村、中条村、黒沢村、四日市場村、栗田村、●台村、北原村、荒町村、水上村、御堂垣外村、●片倉村、●山田村、●小原村、勝間村、●非持村、●溝口村、●黒河内村、市野瀬村、浦村、●山室村、●荊口村、芝平村、●鉾持村、●芦沢村、●笠原村、大島村、川手村、青島村、東伊那部村、上新田村、下新田村、狐島村、上牧村、野底村、●御園村、●山寺村、西伊那部村、末広村、●樋口村、●赤羽村、沢底村、●平出村、●辰野村、雨沢村、上横川村[6]、下横川村[6]、上島村、●今村、宮所村、宮木村、新町村、北大出村、●羽場村、○貝沼村、○福地村、火山村、○塩田村、○大久保村、○栗林村、○伊那村(第1次)、○本曽倉村、○高見村、○菅沼村、吉瀬村、中曽倉村、中山村、大曽倉村、○新山村、○田原村、●殿島村、○小出村、○表木村、下牧村、諏訪形村、中越村、○宮田村、渡戸村[7]、沢渡村[8]、永見山村[9]
幕府領・藩領 幕府領(飯島代官所)・陸奥白河藩 1村 田切村

郡発足以降の沿革

  • 明治12年(1879年1月4日 - 郡区町村編制法の長野県での施行により、伊那郡のうち2町26村の区域に行政区画としての上伊那郡が発足。郡役所を伊那村(第2次)に設置。
  • 明治13年(1880年8月25日 - 朝日村が分割して樋口村・平出村・沢底村・赤羽村となる。(2町29村)
  • 明治14年(1881年)(2町45村)
    • 4月15日 - 飯島村の一部が分立して本郷村・田切村となる。
    • 7月27日 - 河合村が分割して勝間村・上山田村・下山田村・小原村・非持村・芝平村・荊口村・山室村となる。
    • 8月10日 - 東箕輪村の一部が分立して三日市村・福与村となる。
    • 8月17日 - 片桐村の一部が分立して上片桐村・七久保村となる。
    • 沢岡村の一部が分立して福島村となる。
    • 南向村が分割して大草村・四徳村・葛島村となる。
  • 明治15年(1882年)(2町48村)
    • 10月5日 - 三里村が分割して上島村・横川村・辰野村となる。
    • 赤穂村の一部が分立して下平村となる。
  • 明治16年(1883年2月16日(2町55村)
    • 長谷村が分割して黒河内村・溝口村・市野瀬村・浦村・中尾村・杉島村となる。
    • 沢岡村の一部が分立して中坪村・野口村となる。

町村制以降の沿革

ファイル:Nagano KamiIna-gun 1889.png
1.伊那村 2.高遠町 3.小野村 4.川島村 5.伊那富村 6.中箕輪村 7.西箕輪村 8.南箕輪村 9.西春近村 10.宮田村 11.赤穂村 12.飯島村 13.七久保村 14.上片桐村 15.片桐村 16.南向村 17.中沢村 18.東伊那村 19.東春近村 20.富県村 21.河南村 22.美和村 23.伊那里村 24.三義村 25.藤沢村 26.長藤村 27.美篶村 28.手良村 29.箕輪村 30.東箕輪村 31.朝日村(紫:伊那市 桃:駒ヶ根市 赤:辰野町 橙:箕輪町 黄:飯島町 緑:中川村 水色:下伊那郡松川町 青:区域が発足時と同じ町村および合併を経ていない町村)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(1町30村)
    • 伊那村(第3次) ← 伊那部村、伊那村(第2次)、福島村(現・伊那市)
    • 高遠町 ← 西高遠町、東高遠町(現・伊那市)
    • 小野村(単独村制。現・辰野町)
    • 川島村 ← 上島村、横川村(現・辰野町)
    • 伊那富村 ← 伊那富村、辰野村(現・辰野町)
    • 中箕輪村(単独村制。現・箕輪町)
    • 西箕輪村(単独村制。現・伊那市)
    • 南箕輪村(単独村制。現存
    • 西春近村(単独村制。現・伊那市)
    • 宮田村(第1次)(単独村制。現・宮田村)
    • 赤穂村 ← 赤穂村、下平村(現・駒ヶ根市)
    • 飯島村 ← 飯島村、田切村、本郷村(現・飯島町)
    • 七久保村(単独村制。現・飯島町)
    • 上片桐村(単独村制。現・下伊那郡松川町)
    • 片桐村(単独村制。現・中川村)
    • 南向村 ← 大草村、葛島村、四徳村(現・中川村)
    • 中沢村東伊那村(それぞれ単独村制。現・駒ヶ根市)
    • 東春近村富県村(それぞれ単独村制。現・伊那市)
    • 河南村 ← 勝間村、上山田村、下山田村、小原村(現・伊那市)
    • 美和村 ← 黒河内村、溝口村、非持村(現・伊那市)
    • 伊那里村 ← 中尾村、市野瀬村、杉島村、浦村(現・伊那市)
    • 三義村 ← 芝平村、荊口村、山室村(現・伊那市)
    • 藤沢村長藤村美篶村(それぞれ単独村制。現・伊那市)
    • 手良村 ← 沢岡村、中坪村、野口村(現・伊那市)
    • 箕輪村 ← 福与村、三日町村(現・箕輪町)
    • 東箕輪村(単独村制。現・箕輪町)
    • 朝日村 ← 樋口村、平出村、沢底村、赤羽村(現・辰野町)
  • 明治24年(1891年)4月1日 - 郡制を施行。
  • 明治30年(1897年10月15日 - 伊那村が町制施行して伊那町となる。(2町29村)
  • 明治31年(1898年6月17日 - 東伊那村が伊那村(第4次)に改称。
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和15年(1940年4月17日 - 赤穂村が町制施行して赤穂町となる。(3町28村)
  • 昭和22年(1947年1月1日 - 伊那富村が町制施行・改称して辰野町となる。(4町27村)
  • 昭和23年(1948年11月3日 - 中箕輪村が町制施行して中箕輪町となる。(5町26村)
  • 昭和24年(1949年)4月1日 - 南向村の一部(日曽利)が飯島村に編入。
  • 昭和28年(1953年2月1日 - 七久保村の一部(字三林・字袴ヶ腰・字烏帽子ヶ丘の各一部)が上片桐村に編入。
  • 昭和29年(1954年
    • 1月1日(7町24村)
      • 飯島村が町制施行して飯島町となる。
      • 宮田村(第1次)が町制施行して宮田町となる。
    • 4月1日 - 伊那町・富県村・美篶村・手良村・東春近村・西箕輪村が合併して伊那市が発足し、郡より離脱。(6町19村)
    • 7月1日 - 赤穂町・宮田町・中沢村・伊那村が合併して駒ヶ根市が発足し、郡より離脱。(4町17村)
  • 昭和30年(1955年
    • 1月1日 - 中箕輪町・箕輪村・東箕輪村が合併して箕輪町が発足。(4町15村)
    • 4月1日 - 辰野町・朝日村が合併し、改めて辰野町が発足。(4町14村)
  • 昭和31年(1956年9月30日(4町10村)
    • 川島村が辰野町に編入。
    • 高遠町・長藤村・三義村が合併し、改めて高遠町が発足。
    • 飯島町・七久保村が合併し、改めて飯島町が発足。
    • 駒ヶ根市の一部(宮田)が分立して宮田村(第2次)が発足。
    • 上片桐村が下伊那郡大島村と合併して下伊那郡松川町が発足し、郡より離脱。
  • 昭和33年(1958年
    • 4月1日 - 藤沢村が高遠町に編入。(4町9村)
    • 8月1日 - 南向村・片桐村が合併して中川村が発足。(4町8村)
  • 昭和34年(1959年)4月1日 - 伊那里村・美和村が合併して長谷村が発足。(4町7村)
  • 昭和36年(1961年3月31日 - 小野村が辰野町に編入。(4町6村)
  • 昭和39年(1964年)4月1日 - 河南村が高遠町に編入。(4町5村)
  • 昭和40年(1965年)4月1日 - 西春近村が伊那市に編入。(4町4村)
  • 平成18年(2006年)3月31日 - 高遠町・長谷村が伊那市と合併し、改めて伊那市が発足、郡より離脱。(3町3村)

変遷表

行政

  • 歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 伊谷脩 明治12年(1879年)1月4日
2 金井清志 明治19年(1886年)8月
3 丸山英一郎 明治25年(1892年)8月
4 田辺信成 明治26年(1893年)7月
5 金井清志 明治30年(1897年)9月
6 山田兼長 明治32年(1899年)5月
7 丸山伴作 明治32年(1899年)10月
8 平林斧吉 明治35年(1902年)6月
9 宮沢宗三郎 明治41年(1908年)12月
10 黒川光徳 明治42年(1909年)11月
11 鈴木庄之助 明治43年(1910年)12月
12 安藤兎毛喜 大正2年(1913年)12月
13 長井喜太夫 大正3年(1914年)9月
14 横尾惣三郎 大正5年(1916年)10月
15 乾長昭 大正7年(1918年)7月
16 堀江忠也 大正8年(1919年)3月
17 杉原定寿 大正13年(1924年)7月 大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

  1. 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
  2. 塩尻代官所を承継
  3. 記載は「石曽根村ノ内・飯島町」。
  4. 片桐七ヶ村(葛島村・田島村・前沢村・小平村・七久保村・上片桐村・片桐町)の総称。
  5. 田中町、花畑町、元厩脇町、馬場町、横町、久保川町、下夕町、板町、新屋敷町、宮下町、荒町、大屋敷町、北村町、若宮町、殿坂町、郭内町、高砂町、本町、袋町、中町、新町、梅町、横町、霜町、清水町、鉾持町の総称。「旧高旧領取調帳」には記載なし。本項では便宜的に1町に数える。
  6. 6.0 6.1 ●横川村1村として記載。
  7. 「旧高旧領取調帳」には記載なし。
  8. 「旧高旧領取調帳」には記載なし。殿島村のうち。
  9. 「旧高旧領取調帳」には記載なし。菅沼村のうち。
  10. 田中町、花畑町、元厩脇町、馬場町、横町、久保川町、下夕町、板町、新屋敷町、宮下町、荒町、大屋敷町、北村町、若宮町、殿坂町、郭内町。
  11. 高砂町、本町、袋町、中町、新町、梅町、横町、霜町、清水町、鉾持町。

参考文献

「長野県公式」に記載されているが「旧高旧領」に記載されていない村は枝郷とみなし、本項では割愛した。

関連文献

  • 唐沢貞治郎 『上伊那郡史』 上伊那郡教育会、1921年。NDLJP:965702

関連項目

先代:
伊那郡
行政区の変遷
1879年 -
次代:
(現存)