阿波銀行
株式会社阿波銀行(あわぎんこう、The Awa Bank, Ltd.)は、徳島県徳島市に本店を置く地方銀行。通称「あわぎん(阿波銀)」。
概要
明治時代に開業した、"阿波商業銀行"が前身。徳島県の指定金融機関である。
旧三菱銀行の親密地銀であり、三菱UFJフィナンシャル・グループとの関係が深い。
近年は、東京都北区王子に営業拠点を設置したほか、2013年8月には横浜にも法人営業部を設置した(2015年7月に支店化)上[1]、関西での融資の開拓にも力を入れるなど、徳島県外での営業強化が顕著である[2]。だが、中四国の地方銀行で唯一広島県に店舗を構えていない。
2016年10月5日、徳島市東新町商店街に所在する阿波銀新町ビルを取り壊し、建物を新築した上で本店から本店営業部を移転する方針を発表した。新ビルには公共スペース等も設け、2019年10月のオープンを予定している。なお営業部移転後の本店は本社機能に特化するとしている[3][4]。
背景
阿波銀行の前身となる久次米銀行は、藍商の久次米兵次郎が創設したもので全国6番目の私立銀行であった。当時三井銀行に次いで全国2番目の資本金を誇ったが、やがて経営に行き詰り、合名会社(旧)阿波銀行に経営を受け継ぐことになるが、ここでも藍商である西野謙四郎、美馬儀一郎たちよって再建され、現在では徳島経済界の主軸銀行となっている。
ここに阿波銀おける、永代取引という伝統的な営業方針を垣間見ることが出来る。これは目先の短期的な利益を求めるのではなく、取引先を大事にし幾代にもわたり息の長い取引を継続していくという方針に則っているとされる。
沿革
- 1896年(明治29年)6月19日 破綻した久次米銀行の関西部の経営を受け継いだ整理会社である、合名会社(旧)阿波銀行が母体となり、株式会社阿波商業銀行として設立。同時に大阪支店開設。
- 1898年(明治31年)10月 - 貯蓄銀行条例に準拠して貯蓄部兼営を開始。
- 1921年(大正10年)12月 - 貯蓄部を分離し、阿波貯蓄銀行として創業。
- 1927年(昭和2年)3月 - (旧)本店新築落成。
- 1928年(昭和3年)5月 - 徳島銀行の営業権譲受。
- 1934年(昭和9年)4月 - 二木銀行を買収合併。
- 1943年(昭和18年)8月 - 阿波貯蓄銀行を吸収合併。
- 1944年(昭和19年)1月 - 預金1億円突破。
- 1951年(昭和26年)7月 - 資本金1億円に増資。
- 1960年(昭和35年)12月 - 外国為替業務取扱開始。
- 1964年(昭和39年)10月1日 - 株式会社阿波銀行に商号変更。
- 1965年(昭和40年)9月 - 東京支店開設。
- 1966年(昭和41年)
- 7月 - 本店新築落成。
- 10月 - 資本金10億円に増資。
- 1968年(昭和43年)3月 - 預金1,000億円突破。
- 1973年(昭和48年)
- 1974年(昭和49年)2月 - 東京・大阪両証券取引所第1部上場。
- 1975年(昭和50年)2月 - オンラインスタート。
- 1976年(昭和51年)9月 - 財団法人阿波銀福祉基金設立。
- 1977年(昭和52年)3月 - 総預金5,000億円突破。
- 1981年(昭和56年)
- 3月 - 研修所落成。
- 4月 - 海外コルレス業務開始。
- 1983年(昭和58年)4月 - 公共債の窓口販売業務取扱開始。
- 1984年(昭和59年)
- 7月 - ファームバンキング開始。
- 9月 - 総預金1兆円突破。
- 1985年(昭和60年)
- 3月 - 財団法人徳島経済研究所設立。
- 6月 - 公共債ディーリング業務開始。
- 8月 - 海外コルレス包括承認取得。
- 1986年(昭和61年)4月 - 資本金83億円に増資。
- 1988年(昭和63年)
- 1月 - 第1回無担保転換社債発行。
- 6月 - 担保附社債信託業務の営業免許取得。
- 7月 - 徳島市指定金融機関となる。
- 1989年(平成元年)10月 - 資本金152億円に増資。
- 1990年(平成2年)10月 - サンデーバンキング開始。
- 1993年(平成5年)3月 - 新事務センター「鴨島センター」竣工。
- 1994年(平成6年)1月 - 信託業務取扱開始。
- 1995年(平成7年)
- 1月 - 新総合オンラインシステム稼動。
- 1月 - 財団法人阿波銀行学術・文化振興財団設立。
- 1996年(平成8年)
- 2月 - CD・ATMの祝日稼動開始。
- 6月 - 創業100周年。
- 1997年(平成9年)
- 2月 - 阿波銀新町ビル竣工。
- 4月 - 資本金234億円に増資。
- 1998年(平成10年)
- 3月 - 県内店舗網200店達成。
- 5月 - 総預金2兆円突破。
- 12月 - 証券投資信託窓口販売業務取扱開始。
- 12月 - ニューヨーク事務所閉鎖(1988年に開設したが、閉鎖時、年間来所者30人程度であった)。
- 2000年(平成12年)11月 - 第1回無担保普通社債発行。
- 2001年(平成13年)
- 4月 - 住宅ローン利用者向け長期火災保険の取扱開始。
- 4月 - 香港駐在員事務所(1994年12月開設)廃止、海外拠点は全廃となる。
- 2002年(平成14年)
- 2004年(平成16年)
- 1月 - じゅうだん会共同版システム稼動。
- 12月 - 証券仲介業務開始。
- 2008年(平成20年)11月 - 同行と、百十四銀行・伊予銀行・四国銀行とのATM相互出金無料提携を開始。
- 2014年(平成26年)
- 7月 - 連結子会社である阿波銀コンサルティングを設立。
- 12月25日 - じゅうだん会組成行と災害時の相互支援協定を締結[5]。
- 2015年(平成27年)7月27日 - 横浜支店開設(横浜法人事業部を格上げ)
- 2016年(平成28年)11月11日 - 百十四銀行、四国銀行、伊予銀行と共に地方創生の推進に向けた包括提携「四国アライアンス」を締結[6]。
関連会社
連結子会社
- 阿波銀ビジネスサービス株式会社
- 阿波銀コンサルティング株式会社
- 阿波銀保証株式会社
- 阿波銀カード株式会社
- 阿波銀リース株式会社
店舗展開
店舗統合の際、口座店のみを残すブランチインブランチの手法をとったケースがある。括弧内は統合先の店舗。
- 徳島駅前支店(本店営業部)
- 新聞放送会館出張所(本店営業部、2012年8月6日から。ATMコーナーは残存)[7]
- かちどき橋支店(両国橋支店、2009年1月26日から。ATMコーナーは残存)[8]
- 大津支店(鳴門支店、2010年1月25日から)[9]
- 矢三支店(田宮支店、2011年10月17日から。ATMコーナーは残存)[10]
- 見能林支店(阿南支店、2011年10月24日から。ATMコーナーは残存)[11]
- 古庄支店(羽ノ浦支店、2012年1月23日から。ATMコーナーは残存)[12]
情報処理システム
2004年1月5日、基幹系システムを八十二銀行のシステムをベースとするじゅうだん会共同版システムに移行した[13][14]。
2014年4月1日、徳島県内外の全店舗にiPad Airを導入した。書類を電子化した上で、顧客の負担軽減化を図り、併せて商品提案力を強化したいとしている[15]。
ATM提携
コンビニATM提携は、2007年9月18日からイーネットとローソンATMとのサービスが開始された[16]。また、2013年2月22日にはセブン銀行との提携も開始されている[17]。
キャラクター
かつてCMキャラクターとして徳島出身の板東英二を起用していた。現在はイメージキャラクターに、RODAN(地元育ちの4コマ漫画家・佃公彦が生みの親)が採用されている。またあわぎんスマートネクスト(カードローン)のCMキャラクターに乃木坂46が起用された。
関連項目
脚注
- ↑ “横浜支店の開設について ~横浜出張所を支店へ昇格!関東エリアの営業体制を一層強化します~” (プレスリリース), 阿波銀行, (2015年5月26日) . 2016閲覧.
- ↑ “地銀、域外大都市での融資増やす 地元中小の資金需要弱く”. 日本経済新聞. (2013年12月2日) . 2016閲覧.
- ↑ “阿波銀、本店営業部を移転 19年予定 公共スペースを設置”. 日本経済新聞. (2016年10月6日) . 2016閲覧.
- ↑ “阿波銀 営業部を本店から移転 東新町に新ビル 19年10月に /徳島”. 毎日新聞. (2016年10月10日) . 2016閲覧.
- ↑ “地銀7行、災害時の相互支援協定締結を発表”. 日本経済新聞. (2014年12月25日) . 2014閲覧.
- ↑ “四国4地銀、地方創生で包括提携発表”. 日本経済新聞. (2016年11月11日) . 2016閲覧.
- ↑ 新聞放送会館出張所の窓口移転について~窓口統合による店舗機能の強化を実施します~
- ↑ かちどき橋支店窓口を両国橋支店に移転~店頭窓口統合による店舗機能の強化を実施~
- ↑ 大津支店の鳴門支店内への移転について~店舗移転により、店舗機能の強化を実施~
- ↑ 矢三支店・見能林支店の窓口移転 および相談プラザ北島の廃止について ~窓口統合による店舗機能の強化を実施します~
- ↑ 矢三支店・見能林支店の窓口移転 および相談プラザ北島の廃止について ~窓口統合による店舗機能の強化を実施します~
- ↑ 古庄支店の窓口移転について
- ↑ “「じゅうだん会共同版システム」 阿波銀行で稼働開始”. じゅうだん会行 日本アイ・ビー・エム株式会社. (2004年1月5日) . 2014閲覧.
- ↑ “地銀 システム共同化の真実 [機能強化]中小は大手並み武装”. 日経コンピュータ. (2008年12月2日) . 2014閲覧.
- ↑ “阿波銀、全92店にタブレット350台導入 顧客への提案強化”. 日本経済新聞. (2014年4月1日) . 2014閲覧.
- ↑ “阿波銀行とイーネットが提携!ますます便利に!”. 株式会社イーネット. (2007年4月23日) . 2014閲覧.
- ↑ “阿波銀行とATM利用提携開始 (PDF)”. セブン銀行 (2013年2月15日). . 2014閲覧.