富士フイルムホールディングス
富士フイルムホールディングス株式会社(ふじフイルムホールディングス、英語:FUJIFILM Holdings Corporation)は、富士フイルムと富士ゼロックスを傘下に持つ持株会社である。
本社は東京都港区赤坂9丁目の東京ミッドタウン、本店は同・西麻布2丁目(高樹町)の富士フイルム西麻布ビルに所在している。
概要
1934年(昭和9年)に写真フィルムの国産化を目指すため、大日本セルロイド社(現: ダイセル)の写真事業を分社して「富士写真フイルム株式会社」として設立。1962年(昭和37年)に英国のランク・ゼロックスと業務提携を結んで、複写機メーカー・富士ゼロックス株式会社を発足。2006年(平成18年)10月1日からは持株会社制に移行し、写真部門の事業を新たに設立した富士フイルム株式会社が継承、同時に現在の「富士フイルムホールディングス」に商号を変更して純粋持株会社となった。
持株会社制への移行の背景には2000年以降、主力事業の写真フィルムやカラー印画紙といった写真感光材料市場がデジタル化の進展によって急速に縮小していることから、写真にとどまらず、これまでの写真フィルム製造で培われてきた化学合成などの技術力を応用して、液晶ディスプレイの材料や、医療・医薬、機能性化粧品、サプリメントなどメディカル・ヘルスケア分野への進出など新規の事業展開を積極的に行いやすくするため。また、富士ゼロックスとの連結経営の強化を狙うためのもので、それにあわせて社名からも「写真」を抜くことにしたもの。結果、2011年3月期連結売上高に占めるカラーフィルムの売り上げは1%を占めるにとどまっている。この持ち株会社制移行時に本店登記も神奈川県南足柄市(神奈川工場足柄サイト)から東京都港区(富士フイルム西麻布ビル)へ移転された。
東京証券取引所に上場する化学セクタの企業の中で、時価総額は信越化学工業に次いで2位の規模を誇る。
三井グループに属し、二木会、三井業際研究所に加盟している。
主な国内グループ会社
- 富士フイルム株式会社(100%出資)
- 富士ゼロックス株式会社(75%出資)
- 富山化学工業株式会社(60%出資)
- 富士フイルムビジネスエキスパート株式会社(100%出資)
- 富士フイルムメディカル株式会社
沿革
- 1934年(昭和9年)1月 - 大日本セルロイド株式会社(現、株式会社ダイセル)の写真フィルム部の事業を分割して「富士写真フイルム株式会社」を設立。同年2月 - 足柄工場(現 富士フイルム神奈川工場足柄サイト)の操業開始。写真フィルム、印画紙、乾板など写真感光材料の製造が始まる。同年6月に東洋乾板と合併し、東洋乾板の事業所を雑司ヶ谷工場とする[1]。
- 1938年(昭和13年)6月 - 小田原工場(現 富士フイルム 神奈川工場小田原サイト)操業。
- 1949年(昭和24年)5月 - 東京・大阪・名古屋の各証券取引所に上場。
- 1962年(昭和37年)2月 - 富士ゼロックスを設立。
- 1963年(昭和38年)10月 - 富士宮工場操業。
- 1969年(昭和44年) - 東京・西麻布に18階建ての東京本社ビルを竣工。
- 1972年(昭和47年)12月 - 吉田南工場操業。
- 1980年(昭和55年)1月 - ロゴマーク変更。「FUJI」の文字を組み合わせたマークと、ローマ字の「FUJIFILM」の文字が使用された。
- 1984年(昭和59年) - 会社設立50周年(記念社史「冨士フイルム50年の歩み」を発行)。ロサンゼルスオリンピックの公式フィルムに認定。
- 1986年(昭和61年) - 最初のレンズ付きフィルムである「写ルンです」を発売。
- 2004年(平成16年)10月 - 関連会社のフジカラーイメージングサービスおよび富士フイルムアクシアが統合し、富士フイルムイメージング株式会社となる。
- 2006年(平成18年)10月1日 - 「富士フイルムホールディングス株式会社」に商号を変更し持株会社制に移行、旧富士写真フイルムの事業を引き継ぐ事業会社「富士フイルム株式会社」を新設し、富士フイルムホールディングスの傘下に富士フイルムと富士ゼロックスを置く体制となる。登記上の本店を発祥の地の神奈川県南足柄市(旧・足柄上郡南足柄町)から東京都港区に移転した。これを機にCIロゴマークが変更され、永年使われた「FUJI」の組み合わせマークは廃止。ローマ字「FUJIFILM」のマークをアレンジし、FUJIのIの部分を赤と黒の2色配列として、フィルム・写真事業以外の新分野に挑戦する姿勢を打ち出すものにした。
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)2月13日 - 富山化学工業・大正製薬との戦略的資本・業務提携を発表。TOBと第三者割当増資の引き受け、および、即座に上場を廃止する旨の文書を既存株主に送りTOBへの応募を迫る手法により、富山化学工業の3分の2以上の株式を集めて子会社化。最終的に大正製薬との共同出資会社とした。
- 2010年(平成22年)
- 4月1日 - シェアードサービス会社「富士フイルム知財情報リサーチ株式会社」を設立。
- 7月1日- フジノンを富士フイルム株式会社が吸収。同社光学デバイス事業部に改組となる。
- 2015年(平成27年)
- 2018年(平成30年)
脚注・出典
- ↑ “3.東洋乾板株式会社の設立”. . 2013閲覧.
- ↑ 富士フイルム、銀座二丁目の旧本社跡地に新たな都市型商業テナントビル「銀座Velvia(ベルビア)館」平成19年4月19日(木)オープン 個性的な全33店舗の出店が決定 - 三井不動産 2007年1月18日
- ↑ 2013年3月以降、ベルビア館の土地建物とも銀座プライムリテールファンド合同会社に所有権が移されている。【売買】銀座ベルビア館の底地を売却、富士フイルム - ケンプラッツ(日経BP社)2013年8月19日
- ↑ 4.0 4.1 “富士フイルムが米iPS企業買収 高品質の細胞生産”. 日本経済新聞. (2015年3月30日) . 2015年4月2日閲覧.
- ↑ 富士フイルムホールディングスによるゼロックスコーポレーション株式の50.1%取得 および 富士ゼロックスとゼロックスコーポレーションの経営統合 世界最大規模のドキュメントソリューションカンパニー 新「富士ゼロックス」として事業成長を加速,富士フイルムホールディングス,2018年1月31日