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食品(しょくひん、食べ物、独: Lebensmittel、羅: alimentum)は、人間が食事で摂取する物。[1]最初の食品は母乳。[1]地域や時代において広く用いられる食品として、ペミカンや缶詰が挙げられる。[1]
食品と同義であり明確な線引はないが、肉類や野菜類、果実類など主食品以外の食べ物品目、または調理前の食品を食料品(しょくりょうひん)とすることもある。
人間は生きるために、食品を食べて栄養素の摂取している。医療を目的としたものは薬とよび、食品と区別される事が多いが、薬とは定義されない健康食品と呼ばれるものもある。
生物は食品を味わうことは快楽になるので、嗜好品としての要素もある。
Contents
主要な食品
以下は日々の食事の材料として使われる代表的な食品である。
生鮮食品
原則として何等加工が加えられていない天然の食材・食品であり、採取されたときの状態で流通している。
動物性食品
植物性食品
真菌類性食品
加工食品
天然の食材に様々な加工を加えた食品である(単なる料理や惣菜は含まれないが、保存を目的として調理品に対し加工のプロセスを経たものも加工食品とみなされる)。古くからある食塩・砂糖などの調味料や豆腐・蒟蒻・寒天などもこれに含まれる。加工に微生物が積極的に関与するもの(大豆などを使用した味噌・醤油・納豆、穀類などを原料とした酢や酒・味醂など)は発酵食品といわれる。パンや乳製品、生菓子など日持ちのしない(消費期限の短い)加工食品を日配食品と呼ぶ場合もある。
嗜好食品等
加工食品の一つの形態。
調理、調味用材料
飲料
健康食品
- 健康食品(機能性食品)サプリメントを含む - 法的には食品と同じ区分。栄養素の補給や健康の維持増進が目的。
- 特別用途食品
- 病者用食品 - 腎臓病など特定の疾患に対応して、たんぱく質や塩分など特定の栄養素の強化あるいはカットをしたもの。
- 高齢者用食品
- 育児用粉ミルク
- 保健機能食品
加工材料
その他
食品の価値
食品は以下のような価値を有する[2]。
- 安全的価値 - 飲食物は摂取する者の健康に大きな影響を与えるため、最も重要となる[3]
- 栄養的価値 - さまざまな栄養素が含まれ、容易に消化、吸収されることが求められる[4]
- 経済的価値 - 日常食品として常用することの容易性に関わる[5]
- 実用的価値 - 保存・調理・貯蔵・運搬などの簡易性[6]
- 嗜好的価値 - 美感や美味感など。嗜好品だけでなく、すべての食品が嗜好性を有する[6]
飲食物は摂取する者の健康に大きな影響を与えることため、最も重要なの価値は安全的価値である。
医薬との関係
日本の食品衛生法第4条では、「この法律で食品とは、すべての飲食物をいう。ただし、医薬品医療機器等法(昭和35年.法律第145号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。」と規定されている[7]。食品安全基本法2条における「食品」の定義も同様である。日本では、食品は保健機能食品を除き病気治療などの効能をはっきりと標榜することはできない。しかし一方で、医薬と食品を峻別する考えとは異なる見解も存在する(薬膳・医食同源を参照)。
基礎食品群
日本では、栄養による食品の6群分類がしばしば使われる。
- 第1群=魚、肉、卵、大豆、大豆食品
- 主にたんぱく質の供給源。骨や筋肉などをつくるもの。
- 第2群=牛乳、乳製品、海藻、小魚類
- 主にカルシウムの供給源。骨や歯をつくり、体の各機能を調節するもの。
- 第3群=緑黄色野菜
- 主にカロチンの供給源。皮膚や粘膜を保護し、体の各機能を調節するもの。
- 第4群=淡色野菜、果物
- 主にビタミンCの供給源。体の各機能を調節するもの。
- 第5群=砂糖、穀類、芋類
- 主に炭水化物の供給源。エネルギー源となるもの。
- 第6群=油脂類、脂肪の多い食品
- 主に脂肪の供給源。エネルギー源となるもの。
食品に関する行政
日本では多くの食品が農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(通称JAS法)によって日本農林規格に従った表示が義務付けられている。1999年の改正によって、消費者向け飲食料品への品質表示(産地・原料など)が義務化された。 また、2009年10月の消費者庁発足により、所管省庁が消費者庁に一元化された。
食品衛生法
食品衛生法(しょくひんえいせいほう、昭和22年法律第233号)は、日本において飲食によって生ずる危害の発生を防止するための法律。所管は厚生労働省・消費者庁。食品と添加物と器具容器の規格・表示・検査などの原則を定める。食品表示に関しては食品衛生法でも基準が定められている。使用した添加物については表示をする事。
食品の保存
食品の保存とは、食品を腐敗・変敗させることなく保つことをいい[8]、以下のような目的がある[9]。
- 品質低下の防止
- 食品を生産地から遠隔地へ輸送し、供給の安定を図る
- 衛生上の危害を防止し、食生活の安全を確保する
- 食品の栄養価を保つ
食品の保存方法
食品をそのままの形で保存する方法
- 冷蔵 - 食品を凍結させず0℃から10℃で保存する方法である[9]。細菌の活動を完全に抑えることはできないため、短期間の保存に向いている[10]。
- 冷凍 - マイナス20℃からマイナス25℃の温度で急速に凍結させた後、マイナス15℃以下で保存する方法[11]。長期の保存に向いているが、細菌を死滅させるわけではないため、解凍後の取り扱いに注意する必要がある[11]。また、凍結により食品の組織に変化が起こり、鮮度が失われるという短所がある[11]。
- 包装 - 包装により食品を外界から遮断することで、異物の混入や空気の流入を防ぐ[11]。様々な形態があり、包装用の素材の開発も進んでいる[12]。
- 乾燥法 - 天日、熱風、電気、凍結(フリーズドライ)によって細菌の増殖や酵素の作用に必要な水分を減少させる[9]。乾燥の程度は、概ね約15%以下である[9]。
- 地下貯蔵 - 食品を土中や、コンクリートの穴に入れる方法[9]。さつまいもなどの保存に用いられる[9]。
- 加熱殺菌法 - 加熱により腐敗・変敗の原因となる微生物を死滅させ、酵素を破壊する[11]。具体的な方法としては蒸煮や焙煮のほか、液体瓶詰食品に用いられる低温殺菌法、缶詰食品に用いられる高温殺菌法がある[11]。加熱殺菌した食品は、開封後腐敗しやすい点に注意する必要がある[11]。
- 保存料の添加 - 保存料を使用して細菌の死滅や増殖阻止を実現し、酵素の働きを阻害する方法[11]。添加することのできる保存料の量は法律で定められている[11]。
食品を加工して保存する方法
- 塩蔵法 - 食品に食塩を添加する方法[13]。食品を塩度の高い状態に置くと浸透圧によって脱水が起こり、細菌の増殖を阻止する[13]。塩漬けの漬物が典型で、魚介類の保存にも用いられる[13]。
- 砂糖漬け - 濃度50%以上の砂糖液に漬け、脱水作用によって細菌の増殖を抑える[13]。例としてジャム、ゼリー、羊羹、加糖練乳など[13]。
- 酢漬け - 酢がもつ殺菌作用や、水素イオン濃度を変化させる性質を利用して細菌の増殖を抑える方法[13]。
- 醤油漬け、味噌漬け - 食塩の脱水作用を利用し、調味と同時に保存性を高める[14]。
- 調味 - 調味加工の過程における加熱や脱水によって、保存性が高められる場合がある[15]。例として佃煮など[15]。
- 瓶詰・缶詰 - 調味加工した食品を瓶や缶に入れ、密封・脱気・加熱殺菌する[15]。
- 塩乾法 - 食塩の添加と乾燥によって、調味とともに保存を図る方法[15]。塩分が多く水分が少ないほど長期保存に向く[15]。魚介類の干物が例として挙げられる[15]。
- 燻煙法 - 塩漬けにした肉類や魚類を、木材を不完全燃焼させて発生させた煙の中に置き、脱水により殺菌する方法[15]。煙の成分を食品が吸収し、特有の香気や風味がつく[15]。
- 細菌・酵母・カビなどを利用する方法 - 有用な細菌・酵母・カビを増殖させることで、他の細菌の増殖を抑える方法[15]。食品の成分が変化し、風味が増す[15]。例として、納豆、酒、味噌、醤油、チーズなど[16]。
食品の貯蔵
食品を貯蔵するには、古くから蔵や地中・氷雪に埋設された容器などに蓄えたほか、近代以降はパントリー、冷蔵庫、冷凍庫などが利用される。
脚注
注釈
出典
- ↑ 1.0 1.1 1.2 広辞苑第5版
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 29-31.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, p. 29.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 29-30.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, p. 30.
- ↑ 6.0 6.1 食品保健研究会(編) 1989, p. 31.
- ↑ e-Gov 電子政府の総合窓口 法令データ提供システム: 食品衛生法 (昭和二十二年十二月二十四日法律第二百三十三号) 最終改正:平成二一年六月五日法律第四九号
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 91-92.
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 食品保健研究会(編) 1989, p. 92.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 92-93.
- ↑ 11.0 11.1 11.2 11.3 11.4 11.5 11.6 11.7 11.8 食品保健研究会(編) 1989, p. 93.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 93-94.
- ↑ 13.0 13.1 13.2 13.3 13.4 13.5 食品保健研究会(編) 1989, p. 94.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 94-95.
- ↑ 15.0 15.1 15.2 15.3 15.4 15.5 15.6 15.7 15.8 15.9 食品保健研究会(編) 1989, p. 95.
- ↑ 食品保健研究会(編) 1989, pp. 95-96.
参考文献
関連項目