東日本旅客鉄道長野支社
東日本旅客鉄道長野支社(ひがしにほんりょかくてつどう・ながのししゃ)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)の支社の一つ。旧国鉄長野鉄道管理局の流れを汲んでいる。
長野県内の多くのJR線と、県外に跨ぐ小海線全線を管轄している。
Contents
支社所在地
沿革
- 1942年(昭和17年)9月11日 - 新潟鉄道局長野運輸事務所および長野保線事務所を統合し新潟鉄道局長野管理部発足。
- 1950年(昭和25年)8月1日 - 長野鉄道管理局発足。
- 1987年(昭和62年)
- 3月1日 - 中央本線洗馬駅以西を名古屋鉄道管理局(→ JR東海・東海鉄道事業本部)、大糸線中土駅以北を金沢鉄道管理局(→ JR西日本金沢支社)に移管。
- 4月1日 - 国鉄分割民営化。東日本旅客鉄道長野支社に改称。
- 1988年(昭和63年)12月1日 - 小海線に美里駅を新設。
- 1997年(平成9年)10月1日 - 北陸新幹線 高崎駅 - 長野駅間(旧通称:長野新幹線)開業。これに伴い信越本線 軽井沢駅 - 篠ノ井駅間をしなの鉄道株式会社に移管。そのほか、軽井沢駅が新幹線の駅として高崎支社から移管され、小海線に新幹線接続駅として佐久平駅を設置。信越本線に今井駅を新設。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 篠ノ井線に平田駅を新設。
- 2010年(平成22年)4月1日 - 飯山線 足滝駅 - 越後川口駅間を新潟支社に移管。
- 2015年(平成27年)3月14日 - 北陸新幹線 長野駅 - 金沢駅間延伸開業。これに伴い信越本線 長野駅 - 妙高高原駅間をしなの鉄道株式会社に移管。篠ノ井駅 - 長野駅間はJRのまま存続。
管轄路線
長野県内のJR線のうち、中央本線塩尻駅以東、及び大糸線南小谷駅以南の路線並びに県外に跨ぐ小海線を管轄している。2017年9月30日時点で、合計348.5kmの在来線、136.5kmの新幹線、115の駅(豊野駅ならびにヤナバスキー場前駅を含む)を管轄している[1]。
- 長野県内の中央本線塩尻駅以西と飯田線は、東海旅客鉄道東海鉄道事業本部の管轄。
- 長野県内の大糸線非電化区間は、西日本旅客鉄道金沢支社の管轄。
- 路線
※支社境界はいずれも閉塞区間上にあるため、境界線の内側の停車場(駅・信号場など)を記載している。
路線名 | 区間 | 駅数 | 備考 |
---|---|---|---|
北陸新幹線 | 軽井沢駅 - 上越妙高駅 | [* 1]2(5) | 駅運転・営業業務は軽井沢駅 - 飯山駅間の5駅のみ管轄 上越妙高駅は線路設備管理のみ[2] |
中央本線 | 信濃境駅[3] - 塩尻駅[4] | 10 | 旅客案内上は「中央東線」と呼称する場合あり |
岡谷駅 - 辰野駅 - 塩尻駅(辰野支線) | [* 2]4 | ||
篠ノ井線 | 塩尻駅 - 篠ノ井駅(全線) | [* 3]13 | |
大糸線 | 松本駅 - 南小谷駅 | [* 4]33 | |
信越本線 | 篠ノ井駅 - 長野駅 | 5 | |
飯山線 | 豊野駅[5] - 森宮野原駅[6] | 18 | |
小海線 | 甲斐小泉駅[7] - 小諸駅[5] | 30 |
- 駅数についての注釈
- 旧管理路線
- 飯山線(森宮野原駅 - 越後川口駅、但し越後川口駅付近は新潟支社の管轄)
- 2010年3月31日までの管理区間。4月1日より新潟支社の管轄下となった。
- 北陸新幹線が長野新幹線として部分開業する以前の管理区間。現在長野支社の管轄である軽井沢駅(但し新幹線のみ)も、当時は高崎支社の管轄下であった。現在はしなの鉄道が管理。
- 北陸新幹線金沢延伸までの管理区間。現在はしなの鉄道が管理。
- 大糸線(南小谷駅 - 北小谷駅)
- 国鉄長野鉄道管理局の管理区間。1987年の民営化後は西日本旅客鉄道金沢支社の管轄となった。
- 中央本線(坂下駅 - 塩尻駅、但し坂下駅付近は名古屋鉄道管理局の管轄)
- 国鉄長野鉄道管理局の管理区間。1987年の民営化後は東海旅客鉄道東海鉄道事業本部の管轄となった(塩尻駅構内は長野支社の管轄)。
車両基地
- 長野新幹線車両センター(長ナシ)
- 長野総合車両センター(長ナノ)
- 松本車両センター(長モト)
- 小海線営業所(長コミ)
乗務員区所
運転士・車掌
- 松本運輸区
- 上諏訪支区
- 運転士のみ配置。2013年3月廃止。
- 旧中込運輸区。小海線車両基地であり、小海線の運輸を担当する運転士・車掌が所属する。
営業所
- 2012年4月廃止
設備関係区所
保線技術センター
- 長野新幹線保線技術センター
- 長野保線技術センター
- 松本保線技術センター
- 上諏訪保線技術センター
その他の区所
- 小海線営業所
- 長野土木技術センター
- 松本派出
- 長野電力技術センター
- 長野信号通信技術センター
- 長野建築技術センター
- 長野機械技術センター
びゅうプラザ
- びゅうプラザ長野駅(平日 10:00~19:00、土休日 10:00~17:30)
- びゅうプラザ松本駅(平日 10:00~19:00、土休日 10:00~17:30)
- びゅうプラザ上田駅(平日 10:00~19:00、土休日 10:00~17:30)
- びゅうプラザ上諏訪駅(平日 10:00~18:00、土休日 10:00~17:30)
- びゅうプラザ中込駅(平日・土曜 10:00~18:00、日曜・祝日休業)
すべての駅で海外旅行取り扱い可。ただし、びゅうプラザ中込駅ではえきねっと受け取り不可、回数券等をクレジットカードで購入不可。
管内自動改札化
各駅の運用開始日
註:括弧内は2004年の一日平均乗車人数(JR東日本発表)と通路数である。
- 導入済・稼働中の駅
- 2005年3月16日 - 信越本線 長野駅(22,148人/5通路→2007年3月下旬から6通路)
- 2005年3月18日 - 信越本線・篠ノ井線 篠ノ井駅(10,077人/4通路)
- 2005年3月23日 - 中央本線 上諏訪駅(4,632人/4通路)
- 2005年3月25日 - 中央本線 茅野駅(3,843人/3通路)
- 2005年12月10日 - 中央本線 下諏訪駅(2,117人/3通路)
- 2005年12月12日 - 中央本線 岡谷駅(3,592人/3通路)
- 2005年12月17日 - 篠ノ井線 村井駅(2,098人/2通路)
- 2005年12月19日 - 中央本線・篠ノ井線 塩尻駅(3,758人/3通路)
- 2006年3月25日 - 大糸線 信濃大町駅(1,353人/3通路)
- 2006年3月27日 - 大糸線 豊科駅(1,180人/3通路)
- 2006年5月20日 - 篠ノ井線・大糸線 松本駅(15,923人/6通路)
- 上諏訪駅、塩尻駅では、自動改札導入に伴って有人通路の窓口を設置するための工事が行われた。
- 村井駅では改札口の拡張工事が行われた。下諏訪駅では、多客時に有人対応がしやすいよう、空きスペースの柵は開閉可能なものが設置された。
- 篠ノ井線松本駅(2004年一日平均乗車人数:15,923人、長野県内2位)は、東西自由通路新設の工事のために設置が見送られていたが、2006年5月20日、自由通路の供用開始によって新改札口へ改札が移ることに伴い、自動改札機が設置された。
- 長野駅は、設置当初は5通路だったが、2007年3月に1通路増設された。
ICカード利用
- 2014年4月1日 - 松本、塩尻、岡谷、下諏訪、上諏訪、茅野、富士見及び野辺山、清里の9駅でSuicaが導入された[8]。
- 2017年4月1日 - 松本 - 信濃境間の全駅(辰野駅経由は除く)でSuicaのサービスが開始。同時に松本、塩尻、岡谷、下諏訪、上諏訪、茅野、富士見の各駅でタッチ&ゴーによる乗車に加えて、Suica及びSuica定期券の発売や払いもどし、再発行サービス等、全てのSuica サービスが開始[9]。
駅ナンバリング
乗車人員ベスト20(2017年度)
順位 | 駅名 | 一日平均 乗車人員 |
順位 | 駅名 | 一日平均 乗車人員 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 長野駅 | 20,638人 | 11 | 広丘駅 | 2,693人 |
2 | 松本駅 | 16,597人 | 12 | 下諏訪駅 | 2,056人 |
3 | 篠ノ井駅 | 9,636人 | 13 | 今井駅 | 1,920人 |
4 | 上諏訪駅 | 4,367人 | 14 | 村井駅 | 1,783人 |
5 | 塩尻駅 | 4,215人 | 15 | 小諸駅 | 1,781人 |
6 | 軽井沢駅 | 3,772人 | 16 | 南松本駅 | 1,630人 |
7 | 茅野駅 | 3,753人 | 17 | 川中島駅 | 1,559人 |
8 | 岡谷駅 | 3,227人 | 18 | 平田駅 | 1,527人 |
9 | 佐久平駅 | 3,042人 | 19 | 信濃大町駅 | 1,283人 |
10 | 上田駅 | 2,839人 | 20 | 岩村田駅 | 1,261人 |
- 「しなの鉄道」乗車分を含まず。
関連会社
ステーションビル「MIDORI」
長野駅・松本駅の駅ビル「MIDORI」、茅野駅のMont8を管理、運営している。 1977年に設立された松本ステーションビル株式会社および長野ステーションビル株式会社を前身とする。2003年に統合され、現在の株式会社ステーションビルMIDORIとなっている。詳細はステーションビルMIDORIを参照。
- 松本駅ビルは、1978年の松本駅舎改築に伴って、CERVIN(セルヴァン)松本を開業、1992年にMIDORI松本に名称変更した。
- 長野駅ビルは、1985年にMIDORI長野を開業した。
- 茅野駅Mont8は、1986年の茅野駅舎改築に伴って開業した。
- その他、塩尻駅において飲食店を営業している。
しなのエンタープライズ
日本国有鉄道共済組合物資部の流れをくむ企業。各駅での土産物店や飲食店の営業、駅業務の受託、人材派遣、食品スーパーの運営を行う。旧ジェイアール東日本コンビニエンスの展開したコンビニ「JC」のフランチャイジーでもあり、現在もJR東日本グループで唯一、食品スーパー「生鮮市場JC」で「JC」の名称とロゴを使用している。のちに株式会社ステーションビルMIDORIに合併された。
JR長野鉄道サービス
長野支社管内の駅ビルや車両基地での清掃・整備を行なっているほか、一部外部業務も受託している。2012年10月1日「長野鉄道車輌整備」より社名変更された。
オリジナル駅名標
写真入り駅名標
長野支社支社では2006年にその駅周辺の名所の写真が使われた駅名標が登場した[10]。現時点で以下の駅での設置が確認されているが、改修工事や移転などで撤去された駅も少なくない。 ※内容が/で区切られている駅は、同じ駅に2つ以上のデザインが存在する事を表す。
- 十日町駅 - 十日町雪まつり[11]
- 津南駅 - 信濃川の河岸段丘[12]
- 森宮野原駅 - 小松原湿原/苗場山
- 戸狩野沢温泉駅 - カヤノ平高原
- 飯山駅 - 阿弥陀堂/菜の花公園[13]
- 替佐駅 - 高野辰之記念館
- 黒姫駅 - 黒姫高原のコスモス[14]
- 長野駅 - 善光寺
- 聖高原駅 - 聖高原遠景[15]
- 明科駅 - 安曇野市の遠景とあやめ公園
- 松本駅 - 松本城[16]
- 南松本駅 - 松本市街遠景
- 塩尻駅 - ナイアガラぶどう
- 豊科駅 - 犀川白鳥湖
- 穂高駅 - 道祖神/碌山美術館
- 信濃松川駅 - 安曇野の田園地帯[17]
- 信濃大町駅 - 北アルプスの山々
- 神城駅 - 五竜岳/白馬五竜スキー場
- 白馬駅 - 北アルプスの麓の景観
- 白馬大池駅 - 栂池高原
- 南小谷駅 - 雨飾山の荒菅沢
- 岡谷駅 - 諏訪湖の遠景
- 下諏訪駅 - 諏訪大社
- 上諏訪駅 -諏訪湖とカリンの木
- 茅野駅 - 蓼科山
- 富士見駅 - 富士見高原と富士山[18]
- 小野駅 - しだれ栗森林公園
- 信濃川島駅 - 横川渓谷
- 辰野駅 - 松尾峡とゲンジボタル
- 甲斐小泉駅 - 三分一湧水
- 甲斐大泉駅 - 八ヶ岳
- 清里駅 - ジャージー牛と清泉寮[19]
- 野辺山駅 - 野辺山天文台/レタス畑
- 信濃川上駅 - 信濃川源流/畑と川上犬
- 小海駅 - 松原湖
- 臼田駅 - 龍岡城
- 龍岡城駅 -龍岡城[20]
- 中込駅 - 旧中込学校
- 岩村田駅 - 佐久市子ども未来館
HIGH RAIL駅名標
2017年には、HIGH RAIL 1375の運行開始に合わせ、全ての有人駅(同列車の停車しない甲斐小泉駅、羽黒下駅を含む)にオリジナルデザインの駅名標が設置された。
脚注
- ↑ 第31期 中間報告書 - 主要な事業内容 (PDF) - 東日本旅客鉄道 2018年7月2日閲覧。
- ↑ 上越妙高駅の駅運転・営業業務は新潟支社の管轄
- ↑ 小淵沢駅との間の、山梨県と長野県の県境の若干東側(東京基点172キロポスト付近)に八王子支社との境界がある。
- ↑ 塩尻駅以西の「中央西線」区間を管轄するJR東海の東海鉄道事業本部との境界は中央西線第一場内信号機であるが、営業上は塩尻駅を境界としている。
- ↑ 5.0 5.1 豊野駅と小諸駅の構内はしなの鉄道の管轄であるが、共同使用駅の扱いとしてJR長野支社管内の駅としても計上される。
- ↑ 足滝駅との間の、長野県と新潟県の県境付近に新潟支社との境界がある。
- ↑ 小淵沢駅との間の、県道11号線との交差付近(小淵沢起点1.0km地点)に八王子支社との境界がある。
- ↑ 8駅で「Suica」導入 来年4月から
- ↑ Suica をご利用いただける駅が増えます (PDF) - 2016年12月2日 JR東日本
- ↑ 長野県鉄道全駅 増補改訂版
- ↑ 新潟支社に移管された際に撤去。
- ↑ 新潟支社に移管後も引き続き設置。
- ↑ 新駅舎の供用開始に伴い撤去。
- ↑ しなの鉄道に移管後も引き続き設置。
- ↑ ホーム嵩上げに伴い撤去。
- ↑ 奇数ホームと偶数ホームでデザインが異なる(0・7番線には未設置)。
- ↑ 待合室改修に伴い撤去。
- ↑ ホーム嵩上げに伴い撤去。
- ↑ リニューアル時に撤去。
- ↑ 駅改修に伴い撤去。
関連項目
- 田中要次 - 俳優・元JR東海社員(保線)。国鉄時代の1982年から1987年3月まで当時の長野鉄道管理局として、当支社管内にも配属されていた。
- 管轄エリアが隣接するJR他社の組織
- 東海旅客鉄道東海鉄道事業本部 - 辰野駅・塩尻駅を挟んで隣接。
- 西日本旅客鉄道金沢支社 - 南小谷駅を挟んで隣接。