習合
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習合(しゅうごう)とはさまざまな宗教の神々や教義などの一部が混同ないしは同一視される現象のこと。シンクレティズム、(英:Syncretism)の一種。
概説
主に、地元に定着している宗教信仰と新しく来た宗教が接触した場合に、類似する要素がいくつかあったりした時に起こる。片方が一方を完全に飲み込んだり、名前を併記したりと様々な形の習合が見られる。伝来した地で影響を受けて変容が生じた一派が異端とされる場合もあるし、発祥地のインドでは廃れてしまった仏教のようにその逆もありうる。正統か異端かは相対的で、誰もが正統と主張したい心理がある一方、「異端」には対抗者へのレッテル貼りというニュアンスを伴う。主に支持基盤・数で勝る方が正統と認められやすい。(カトリックとプロテスタントのように拮抗するときは分裂することもある)キリスト教や仏教など世界的な宗教は現地に受け入れられるために習合という現象を経験し、結果的に信者数を増やすことに成功した例が多い。
習合の例
- キリスト教行事と考えられているクリスマスは12月25日(グレゴリオ暦)でキリストの誕生日だからという俗説があるが、聖書にはそれを特定する記述はない。ヨーロッパに伝来したとき、各地の冬至祭に合わせたのが由来と考えられている。
- 錬金術の神話的伝承においては知恵の神と伝えられたエジプト神話のトート、ギリシア神話のヘルメス、ローマ神話のメルクリウス(マーキュリー)という別の神格が同一視されて「ヘルメス・トリスメギストス(三重に偉大なヘルメス)」という神が生まれた。
- エジプト神話においては、片方が一方を飲み込んだ代表的なものとしてはともに知恵の神であったトトとヘジュウルがあげられる。元々トキの姿であったトトとヒヒの姿であったヘジュウルが知恵の神という共通点から習合したことによって、知恵の神トトの姿にヒヒの姿が加わった。名前を併記するものの代表例としては共に創造神であるラーとアトゥムのラー・アトゥムがあげられる。