宮若市
宮若市(みやわかし)は、福岡県の筑豊・宗像地方に位置する市である。
地理
福岡県の筑豊地方北部・直鞍地区西部に位置する。宗像市の南、北九州市と福岡市の中間に位置し、北九州都市圏と福岡都市圏に両属する。福岡市から北東へ約35km、北九州市小倉北区から南西へ約35kmの距離である。歴史的に古代から、宗像市との結びつきが強い都市である。また、北九州・福岡両都市圏の通勤通学圏内であり、旧宮田町地域は北九州都市圏の10%都市圏域にあり、旧若宮町地域は福岡都市圏5%圏域である。
市内にはトヨタ自動車九州や自動車関連企業の工場が数多く立地している。製造品出荷額(2014年度)は約7880億円で、北九州工業地帯でも有数の工業都市である。[1]そのため、2014年度(平成26年度)の財政力指数は0.56と筑豊地方の自治体では最も高くなっている。[2]
地名
- 旧宮田町
- 磯光
- 上大隈
- 長井鶴
- 宮田
- 鶴田(旧香井田村)
- 本城(旧香井田村)
- 竜徳(旧香井田村)
- 上有木(旧笠松村)
- 倉久(旧笠松村)
- 下有木(旧笠松村)
- 四郎丸(旧笠松村)
- 芹田(旧笠松村)
- 旧若宮町
- 金生
- 金丸
- 原田
- 福丸
- 水原
- 沼口(旧山口村)
- 山口(旧山口村)
- 稲光(旧中村)
- 黒丸(旧中村)
- 平(旧中村)
- 高野(旧中村)
- 竹原(旧中村)
- 宮永(旧中村)
- 犬鳴(旧吉川村)
- 乙野(旧吉川村)
- 小伏(旧吉川村)
- 三ヶ畑(旧吉川村)
- 下(旧吉川村)
- 縁山畑(旧吉川村)
- 湯原(旧吉川村)
- 脇田(旧吉川村)
隣接する自治体
歴史
古代
- 645年(大化元年) - 大化の改新によって、宗像神郡として宗像大社に寄進された。また、当時は宗像郡に属し、荒木郷(あらきのさと)が笠松地区、辛家郷(からやのさと)が若宮地区(水原)周辺であったとされる。
- 1221年(承久3年) - 周辺一帯が宗像大社の神領となり、「神田」と呼ばれるようになる。その後「神田」が「宮田」に転じたとされている。
近現代
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行にあたり、現在の市域にあたる以下の村が発足。
- 鞍手郡宮田村・香井田村・笠松村・若宮村・中村・山口村・吉川村・日吉村
- 1926年(大正15年)4月1日 - 宮田村が町制施行。宮田町となる。
- 1927年(昭和2年)4月1日 - 宮田町が香井田村を編入する。
- 1943年(昭和18年)2月11日 - 若宮村が町制施行。若宮町となる。
- 1951年(昭和26年)4月1日 - 中村・山口村・若宮町が対等合併し、新町制による若宮町が発足。
- 1955年(昭和30年)3月31日
- 宮田町が笠松村の一部を編入(笠松村弥ケ谷地区は若宮町となる)。
- 若宮町・吉川村・笠松村弥ケ谷地区が合併し若宮町となる。
- 1955年(昭和30年)7月1日 - 若宮町大字金生の一部が境界線変更により宮田町に編入される。
- 2006年(平成18年)2月11日 - 宮田町と若宮町が合併し市制施行。宮若市となる。
歴代市長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2006年2月11日 | 2006年3月19日 | 市長職務執行者 | ||
1 | 有吉哲信 | 2006年3月19日 | 2010年3月18日 | |
2 | 2010年3月19日 | 2014年3月18日 | ||
3 | 2014年3月19日 | |||
4 | 無投票 |
行政
市長
- 有吉哲信(4期目)
- 任期:2022年3月18日
市議会
- 定数:17人
- 任期:2022年3月18日
消防
- 直方・鞍手広域市町村圏事務組合消防本部
- 宮田消防署
- 若宮出張所
警察
経済
産業
明治時代に石炭の採掘が始まり、旧宮田町にあった筑豊最大の炭鉱、貝島炭砿をはじめとする多くの炭鉱が開発され、炭鉱都市として発展した。しかし、昭和30年代から始まったエネルギー革命の影響を受け、1976年までにすべての炭鉱が閉山した。炭鉱閉山後は、九州自動車道若宮インター近くに工業団地を造成し、新たな産業誘致に取り組んでいる。1992年にはトヨタ自動車九州が生産を開始し、自動車関連企業の進出が続いている。
市内に事業所を置く企業
- トヨタ自動車九州(車両製造: トヨタ自動車子会社)
- トヨタ紡織九州(車両内装部品製造: トヨタ紡織子会社)
- 豊田合成福岡工場(内外装部品、機能部品、セーフティシステム製品)
- トヨテツ福岡(プレス・溶接部品製造: 豊田鉄工子会社)
- 小島プレス工業(2017年春に操業開始予定)[3]
- ジェイデバイス(旧東芝LSIパッケージソリューション福岡事業所)
- 筑豊観光(運送・旅行・サービス・小売・広告・飲食・不動産事業)
方言
旧若宮町は主に宗像弁に近い筑豊弁が使用され、旧宮田町では、北九州弁に近い筑豊弁が使用される。
基本的には「……ちゃ」「……(し)とうと?」などの筑豊弁が使用されるが、北九州市(北九州弁)や宗像市(宗像弁)などが近いため、ニュアンスやイントネーションが似ている言葉がある。
地域
人口
宮若市(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
教育
高等学校
中学校
- 宮若市立宮若東中学校
- 宮若市立宮若西中学校
小学校
- 宮若市立宮田小学校
- 宮若市立宮田北小学校
- 宮若市立宮田南小学校
- 宮若市立宮田東小学校
- 宮若市立宮若西小学校(旧笠松小、若宮小、山口小、若宮西小、吉川小)
交通
道路
高速道路
主要地方道
- 福岡県道9号室木下有木若宮線
- 福岡県道21号福岡直方線
- 福岡県道30号飯塚福間線
- 福岡県道55号宮田遠賀線
- 福岡県道74号宮田小竹線
- 福岡県道75号若宮玄海線
- 福岡県道87号岡垣宮田線
- 福岡県道92号宗像篠栗線
- 福岡県道98号中間宮田線
一般県道
- 福岡県道428号筑前宮田停車場線
- 福岡県道450号八木山若宮線
- 福岡県道461号南良津宮田線
- 福岡県道463号芹田石丸線
- 福岡県道471号八木山公園線
バス
高速バス
路線バス(JR・西鉄)
- JR九州バス(直方線) - おもに県道福岡直方線を通り直方市・宮若市・久山町・粕屋町・福岡市を結ぶ本線のほか、おもに県道飯塚福間線を通り福津市と宮若市・直方市を結ぶ路線、おもに県道飯塚福間線と宮田小竹線を通り飯塚市と宮若市を結ぶ路線がある。
- 西鉄バス - グループ会社の西鉄バス筑豊が運行。直方市と宮若市旧宮田町を結ぶ路線を運行する。宮若市の起終点はJR九州バス宮田駅と犬鳴川を挟んで対岸にある宮若市役所前バス停。直方 - 宮田間はJR九州バスが直線的に結ぶのに対して、西鉄バスは旧宮田町の南側の鶴田・磯光・上大隈地区を迂回しており、両者の棲み分けがなされている。ほかに、宮若市・鞍手町からの委託を受けて運行するコミュニティバスの路線もある。
- [10]:直方駅(直方市) - 筑鉄直方(直方市) - 直方市役所(直方市) - 磯光(宮若市) - 宮若市役所(宮若市)
コミュニティバス
- 宮若市乗合バス - 宮若市が主体となり運行するコミュニティバス。西鉄バス・JR九州バスの通らない地域を通る。旧宮田町・若宮町内を運行していたJR九州バスの撤退を受け、代替路線として開設した路線が主である。誠心物流、西鉄バス筑豊、筑豊観光バス、松川タクシー・MGタクシー(乗合タクシー)に委託。
- 宮若無料ぐるぐるバス - 誠心物流による運行。旧宮田町域の住宅地や商店を循環する。無料。平日のみ運行。
- 鞍手町コミュニティバス「すまいるバス」 - 鞍手町が運行するコミュニティバス。みやわか線が宮若市と鞍手町中心部を結ぶ。西鉄バス筑豊に委託。
- みやわか線:宮田(宮若市) - 宮田病院前(宮若市) - 室木(鞍手町) - くらじの郷(鞍手町) - 鞍手車庫(鞍手町) - 中山(鞍手町) - 鞍手駅(鞍手町)
鉄道
山陽新幹線が通っているが、市内に駅はない。市内に他の鉄道路線は通っていないため、鉄道が通るが駅のない市となっている。市内からバスでアクセス可能な鉄道駅は直方駅・福間駅・新飯塚駅・博多駅・筑豊直方駅。地域によってはほかに赤間駅や小竹駅・勝野駅が近い。
現在の市域には1938年まで鞍手軌道が、1989年12月まで宮田線があった。
名所・観光スポット・祭り
史跡
- 竹原古墳:国指定文化財(史跡)。装飾古墳として有名。
- 石炭記念館:旧校舎を活かした記念館で貝島炭坑の歴史を紹介。
- 犬鳴御別館:市指定文化財。福岡藩が有事に備え藩主を匿うために作った城。
- 笠木城跡︰笠置山(標高425m)にあった中世の山城跡。
- 百合野山荘(旧貝島六太郎邸):非公開
寺社
- 若宮八幡宮:旧若宮町の名の由来になった神社。「三十六歌仙絵」でも有名。
- 霊験寺(釘抜ぎ地蔵尊):718年に行基が開基したと伝えられる寺。
- 清水寺:奈良時代に行基が建立したと伝えられる寺。標高300mに位置し、若宮盆地を見渡せる。
- 羅漢岩窟(十六羅漢):岸壁中腹に十六体の羅漢石仏が安置されている。
- 東禅寺:1505年創建。梵鐘は県文化財指定。
- 光明寺:1537年創建。黒田孝高の正室櫛橋光の姉妙寿尼の墓所がある。
- 瑞石寺:曹洞宗の寺院。福岡藩主の黒田家ともゆかりがある。
- 普光王寺:日陽山(標高170m)に位置する寺院。
- 木造如来坐像:平安時代後期の作で県文化財指定。
温泉・自然
- 脇田温泉:奈良時代から続く歴史がある温泉。六軒の温泉どころがある。
- 所田温泉:宮若市社会福祉センター。
- 西山(鮎坂山):標高644.6mの山。
- 権現山(新立山):標高325.7mの山。
- 磯辺山:標高286mの山。
- 犬鳴ダム親水公園:犬鳴ダム近くにある親水公園。
- いこいの里 千石:千石峡に整備されたキャンプ場。
- 馬口キャンプ場:西山の麓にあるキャンプ場。
- 有木公園:1万2000株以上のヤマツツジを植栽。
農産物直売所
- 宮若文化村 河童福祉の里:地元の農産物や特産品を販売する直売所。
- ドリームホープ若宮:地元の農産物や特産品を販売する直売所。
特産品
祭り
- 12月~1月:日本一の大門松祭
- 6月:宮若ほたる祭
- 7月:宮若市納涼花火大会
- 10月:若宮八幡宮放生会大祭大名行列(偶数年)
※詳しくは宮若市観光協会ホームページを参照されたい。
出身有名人
- リリー・フランキー(イラストレーター・作家)(旧・宮田町出身)
- 井上誠吾(脚本家)(旧・宮田町出身)
- 前田俊彦(旧・延永村長)(旧・宮田町出身)
- KENZO(ダンサー・DA PUMPメンバー)(旧・宮田町出身)
- 神谷大輔(俳優)(旧・若宮町出身)
- 高山倫明(言語学者)(旧・宮田町出身)
- 武内伸(ラーメン評論家・日本ラーメン協会元副理事長)
- 開月勘太郎(元大相撲力士)(旧・若宮町出身)
- 尾崎里紗(日本テレビアナウンサー)
- 榎本史郎(ラジオDJ・タレント)(舞台脚本・演出家)(旧・宮田町出身)
脚注
外部リンク