太田出版
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株式会社太田出版(おおたしゅっぱん)は、東京都新宿区にあるサブカルチャー系の出版社。
概要
1985年、お笑い系芸能事務所の太田プロダクションに所属していたビートたけしの本を出版する目的で、太田プロダクション出版部から有限会社太田出版として独立し、後に株式会社になる。サブカルチャー系の書籍や漫画を中心に出版しており、特に『QuickJapan』や『批評空間』は1990年代のサブカルチャーを代表する雑誌である。
また『完全自殺マニュアル』(1993年)、『自殺直前日記』(1996年)、『電波系』(1996年)、『バトル・ロワイアル』(1999年)、『永遠の0』(2006年)、『自殺サークル』(2008年)、『絶歌』(2015年)など、他社からは敬遠される題材を扱った先鋭的な作品にも精力的に媒体を提供して、世の中に輩出している。その結果、社会規模の論争が起こり、有害図書指定を受けるなど「問題作」となった書籍も存在する。
定期刊行物
Web雑誌
出版物一覧
※ 冊数が多いため、伸縮型のメニューとして掲載する。
太田出版 出版物リスト
- 『たけしの挑戦状攻略本(1)』(1987年)
- 『たけしの挑戦状攻略本(2)』(1987年)-攻略本(1)を再編集した改訂版[注釈 1]
- 『174,140円の教訓』(末井昭 1989年)
- 『監督たけし』(佐々木桂 1989年)
- 『気弱なギャンブラー』(蛭子能収 1990年)
- 『なんとかなるかも』(蛭子能収 1993年)
- 『東京サイテー生活-家賃月二万円以下の人々』(大泉実成 1993年)
- 『完全自殺マニュアル』(鶴見済 1993.7.05)[注釈 2]
- 『全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路』(松本修 1994年)
- 『無気力製造工場』(鶴見済 1994年)
- 『完全失踪マニュアル』(樫村政則 1994.10.19)
- 『ぼくたちの「完全自殺マニュアル」』(鶴見済 1994.2.18)
- 『夏の思い出』山本直樹 1994年
- 『人格改造マニュアル』(鶴見済 1996年)
- 『電波系』(根本敬+村崎百郎 1996年)[注釈 3]
- 『自殺直前日記』(山田花子 1996年)[注釈 4]
- 『怪談人間時計』(徳南晴一郎 1996年)
- 『消えたマンガ家』1巻-3巻(大泉実成、1996年-1997年)
- 『爆音に焦がれて 森且行の挑戦』(大泉実成 1997年)
- 『完本 地獄くん』ムロタニツネ象 1997年
- 『聖マッスル』原作:宮崎惇 劇画:ふくしま政美 1997.6.20
- 『孤客』(徳南晴一郎 1998年)
- 『檻のなかのダンス』(鶴見済 1998年)
- 『完全版 肉弾時代』宮谷一彦 1998.7.17
- 『バトル・ロワイアル』(高見広春 1999年4月21日)
- 『アストロ球団』復刻版(1999年 集英社から移籍出版)
- 『輝け!大東亜共栄圏』駕籠真太郎 1999.6.15
- 『フェミニズム セックスマシーン』砂 2000.2.23
- 『実録企画モノ』(卯月妙子 (2000/04)
- 『ラヴレター・フロム彼方』早見純 2000.8.17
- 『テレビばかり見てると馬鹿になる』山本直樹 2000.11.24
- 『方舟』しりあがり寿 2000.12.08
- 『駅前花嫁』(駕籠真太郎 2000.12.15)]
- 『新家族計画 Vol.1』(卯月妙子 2001年)
- 『と学会年鑑2001』(2001年1月 と学会)
- 『トンデモ超常現象56の真相』(2001年8月 と学会)
- 『トンデモ本の世界R』(2001年10月 と学会)
- 『と学会年鑑2002』(2002年2月 と学会)
- 『カリクラ―華倫変倶楽部 (上)』 (華倫変 2002年4月)
- 『カリクラ―華倫変倶楽部 (下)』 (華倫変 2002年5月)
- 『サディスト神様マゾヒスト仔羊』羽央 2002.8.22
- 『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』 (華倫変 2002年9月)
- 『ポルノ青春狂走曲』やまだないと 2002.10.24
- 『新家族計画 Vol.2』(卯月妙子 2002年)
- 『大葬儀』(駕籠真太郎 2002年)
- 『と学会年鑑BLUE』(2003年5月 と学会)
- 『喜劇駅前虐殺』(駕籠真太郎 2003年)
- 『駅前浪漫奇行』(駕籠真太郎 2003年)
- 『赤い文化住宅の初子』松田洋子 2003.6.19
- 『春ノ虫虫』田村マリオ 2003.10.23
- 『封印作品の謎』(安藤健二 2004年)
- 『ゲームセンターCX』(2004.12.01)
- 『トンデモ本の世界S』(2004年6月 と学会)
- 『トンデモ本の世界T』(2004年6月 と学会)
- 『スエイ式人生相談』(末井昭 2004年)
- 『奇人画報』(駕籠真太郎 2004年)
- 『かすとろ式』(駕籠真太郎 2005年)
- 『ゆれつづける』松本次郎 2005年
- 『殻都市の夢』鬼頭莫宏 2005.11.21
- 『封印作品の謎2』安藤健二 2006年)
- 『永遠の0』(百田尚樹 2006年)
- 『リストランテ・パラディーゾ』オノ・ナツメ 2006.5.17
- 『ライチ☆光クラブ』(古屋兎丸 2006.6.21)
- 『ドヒー!おばけが僕をぺんぺん殴る!』(押切蓮介 2006年)
- 『ゲームセンターCX2』(2006年)
- 『虹ヶ原ホログラフ』浅野いにお 2006.7.25
- 『殺殺草紙 大江戸無残十三苦』駕籠真太郎 2006.7.26
- 『おばけのおやつ』(押切蓮介 2006.10.14)
- 『まんカス』漫☆画太郎 2006.10.27
- 『ゲームセンターCX3』(2007.1.31)
- 『封印歌謡大全』 (石橋春海 2007年)
- 『掃除当番』武富健治 2007.3.08
- 『革命家の午後』松本次郎 2007.7.18
- 『デメキング 完結版』いましろたかし 2007.7.19
- 『ヒロモト森一短編集』ヒロモト森一 2007.8.30
- 「ブラッドハーレーの馬車』沙村広明 2007.12.17
- 『昔の話』藤原薫 2008.3.21
- 『2週間のアバンチュール』中村明日美子 2008.4.23
- 『自殺サークル』(2008年 古屋兎丸)
- 『ケーキを買いに』河内遙 2009.5.14
- 『シンプルノットローファー』衿沢世衣子 2009.5.21
- 『逆光の頃 新装版』タナカカツキ 2009.7.30
- 『ピコピコ少年』(押切蓮介 2009.9.17)
- 『べっちんとまんだら』松本次郎 2009.11.26
- 『メカ硬派』田中圭一 2010.10.21
- 『バンさんと彦一』長尾謙一郎 2010.11.25
- 『神の子供』西岡兄妹 2010.11.30
- 『トゥー・エスプレッソ』高浜寛 2010.4.21
- 『寝ても醒めても』陽気婢 2011.2.17
- 『ミッドナイト・ウォーク』榎屋克優 2011.8.18
- 『はるかぜちゃんのしっぽ(ω』春名風花 2011.8.25
- 『ピコピコ少年TURBO』(押切蓮介 2011.11.29)
- 『ぼくらの☆ひかりクラブ 上(小学生編)』(古屋兎丸 2011年11月29日)
- 『プリコロ』魔夜峰央 2012.7.25
- 『ぼくらの☆ひかりクラブ 下(中学生編)』(古屋兎丸 2012年4月19日)
- 『ロールスロイスラジオ』小野塚カホリ 2002.11.15
- 『さきくさの咲く頃』ふみふみこ 2012.11.15
- 『輝け!大東亜共栄圏』(駕籠真太郎 2013年)
- 『殺殺草紙 大江戸無残十三苦』(駕籠真太郎 2013年)
- 『殺殺草紙 大江戸奇想天外』(駕籠真太郎 2013年)
- 『猫はやっぱり死んでいる』西川聖蘭 2013.3.20
- 『8月のソーダ水』コマツシンヤ 2013.5.16
- 『その男、甘党につき』えすとえむ 2013.7.25
- 『おとこのことおんなのこ』米代恭 2013.11.28
- 『バベルの図書館』つばな 2014.1.22
- 『ミミクリ』ai7n 2014年 2014.9.18
- 『誰も懲りない』中村珍 2014.2.18
- 『冗談だよ、バカだな 岸虎次郎作品集』岸虎次郎 2014
- 『この世界には有機人形がいる』蜈蚣Melibe 2014
- 『超動力蒙古大襲来』(駕籠真太郎 2014.5.16)
- 『こいのことば』緑のルーペ 2014
- 『春風のスネグラチカ』沙村広明 2014.7.10
- 『高校生のブルース』劔樹人 2014.7.17
- 『きのこ人間の結婚』村山慶 2014.11.29
- 『ピコピコ少年SUPER』(押切蓮介 2015年)
- 『パンティストッキングのような空の下 うめざわしゅん作品集成』うめざわしゅん 2015年
- 『絶歌』(元少年A 2015年)[注釈 5]
- 『青春と憂鬱とゾンビーー古泉智浩ゾンビ物語集』古泉智浩 2015
- 『ニンフ』今日マチ子 2015.4.09
- 『どうにかなる日々 新装版 みどり』志村貴子 2015.4.14
- 『敗戦悲劇』のぞゑのぶひさ 2015.8.04
- 『誰でもないところからの眺め』いがらしみきお 2015.9.11
- 『世界の終わりのいずこねこ』西島大介 2015.3.07
- 『本が好き子さん』なるあすく 2015.11.04
- 『完全版 江豆町――ブリトビラロマンS』小田扉 2016.3.01
- 『おふろどうぞ』渡辺ペコ 2016.3.09
- 『十代の性典 山田参助青春傑作選』山田参助2016.4.19
- 『Marieの奏でる音楽』古屋兎丸 2016.4.19
- 『イキガミ様』TAGRO 2016.5.23
- 『輝け!大東亜共栄圏 完全版』駕籠真太郎 2016.7.07
- 『寝台鳩舎』鳩山郁子 2016.11.16
- 『クリームソーダシティ 完全版』長尾謙一郎 2017年
- 『真説★世界史大全』駕籠真太郎 2017.3.15
- 『エロマンガ表現史』稀見理都 2017.11.01
- 『鉄工所にも花が咲く』野村宗弘 2017.12.06
- 『センネン画報 +10 years』今日マチ子 2018.6.15
- 『それはただの先輩のチンコ』阿部洋一 2018.7.18
注釈
- ↑ 関係者インタビューによると、当時本作の攻略本を制作した太田出版には、「攻略本を読んでも解けない」との苦情電話が、問い合わせのものと合わせて一日400件も殺到したという。対応に追われ辟易した当時の編集者は、「担当者は死にました」と虚偽の回答をしていたそうである。1冊目がほとんど攻略本として役に立たなかったことから「攻略本の攻略本」として2冊目が出版された。この本の後書きで、たけしが「これで解けないからといって、間違っても傘と消火器を持って太田出版に殴りこまないように」と書いている。
- ↑ 10代から20代の支持を受けてブームを巻き起こし、100万部以上を売上げるミリオンセラーとなったが内容をめぐり賛否両論が起こり、都道府県では青少年保護育成条例で有害図書指定を受けた(本書が主たる原因とされる自殺事例は確認されていない)。しかし、記載内容は読者に自殺を促す項目も扇動する項目も、それを阻止する項目もなく、極めて客観的に書かれており、むしろ海外の新聞、雑誌では批判的な論調は少なく、アメリカの文芸誌『ハーパーズ』は「日本のジェネレーションXのための最後の出口」というタイトルで本書の抄録を掲載するなど、新しい時代の人生観として捉えられた側面が大きい。
- ↑ 特殊漫画家の根本敬と鬼畜系ライターの村崎百郎によるアウトサイダーの人々を研究した書籍。その後も村崎は虚実交えた「電波系」の寄稿を行った末、そのような表現にひきつけられた読者により2010年に殺害された。
- ↑ 夭逝の特殊漫画家山田花子が残した20冊以上に及ぶ日記、膨大なメモの多くを再編集した書籍となっており、彼女がどのような葛藤の末、飛び降り自殺をするに至ったかを知ることが出来る。
- ↑ 1997年に発生した神戸連続児童殺傷事件の加害者男性による手記。幻冬舎の没企画を拾いあげる形で太田出版より出版されたが、世間の非難が殺到し、社会問題にまで発展した。
関連項目
外部リンク
典拠レコード: