国際空港
国際空港(こくさいくうこう、英: international airport)は、国際航空路線に対する設備が整っている空港で、通常の空港設備以外にCIQ(税関、出入国管理、検疫)に関する設備が必要となる。
ただし、国際航空路線が就航している(CIQ設備がある)空港すべてが「○○国際空港」という名称であるわけではない。例えば、ロンドン・ヒースロー空港の正式名称は、London Heathrow Airportであり、空港名に国際(International)の文字は含まれていない。日本国の一般的に国際空港と呼ばれる東名阪各地の空港は、地名に空港の略称を付与して区別される場合が多く、首都圏では成田国際空港(略称:東京/成田)及び東京国際空港(略称:東京/羽田)、中京圏では中部国際空港(略称:名古屋/中部)、関西圏では関西国際空港(略称:大阪/関空)などと地図に表記されている。
日本ではもともと「○○国際空港」と称する空港は空港整備法(空港法の旧称)において定義する「第一種空港」に指定されていた。しかし、1980年代頃から第一種空港以外の空港での国際航空路線の就航が相次いだ。そのため、国際航空路線が就航している空港のすべてに国際空港の名称が使用されているわけではない状況となっている。
日本における国際空港
日本では、かつての空港整備法において「第一種空港」に指定された空港(東京国際空港(羽田)・成田国際空港(成田)・大阪国際空港(伊丹)・関西国際空港(関空)・中部国際空港(セントレア))を国際空港としてきた。いずれも正式名称の中に「国際空港」の名が入っている。このうち羽田と伊丹はかつては国際線路線が多く就航されていたが、国内線および国際線の需要の逼迫により、羽田発着便は成田開港時に大半の路線が成田に移った(ただし近年では羽田空港の再拡張により、羽田発着の国際線が増加している)。また、伊丹発着便は関空開港により完全に関空発着に切り替わった。ただ、東京・大阪へのアクセスの利便性から、要人が乗る飛行機の発着はもっぱら羽田や伊丹が使用されている。
以上の理由から、現在名実ともに国際空港といえるのは、成田空港・羽田空港・中部空港・関西空港の4つであり、この4つの空港だけで毎年5千万人以上もの国際線の乗客が乗降している。
現在の空港法(2008年6月18日空港整備法から改称)では、第4条で「国際航空輸送網又は国内航空輸送網の拠点となる空港」として、成田国際空港・東京国際空港・中部国際空港・関西国際空港・大阪国際空港の5つが指定されている(大阪国際空港は空港法改称時点では外されていたが、関西国際空港との一元管理化により追記された)。
なお、仙台空港、佐賀空港は愛称および運営会社名が「仙台国際空港」、「九州佐賀国際空港」ではあるものの、空港法における国際空港ではない。
空港名 | 所在地 | 種別 |
---|---|---|
成田国際空港(成田空港) | 千葉県成田市・山武郡芝山町・香取郡多古町 | 会社管理空港 |
東京国際空港(羽田空港) | 東京都大田区 | 国管理空港 |
中部国際空港(中部空港・セントレア) | 愛知県常滑市 | 会社管理空港 |
関西国際空港(関西空港・関空) | 大阪府泉佐野市・泉南郡田尻町・泉南市 | 会社管理空港 |
大阪国際空港(伊丹空港) | 兵庫県伊丹市・大阪府豊中市・池田市 | 会社管理空港 |