下伊那郡

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ファイル:Nagano ShimoIna-gun.png
長野県下伊那郡の範囲(1.松川町 2.高森町 3.阿南町 4.阿智村 5.平谷村 6.根羽村 7.下條村 8.売木村 9.天龍村 10.泰阜村 11.喬木村 12.豊丘村 13.大鹿村 薄緑:後に他郡から編入した区域)

下伊那郡(しもいなぐん)は、長野県

人口58,654人、面積1,270.25km²、人口密度46.2人/km²。(2018年4月1日、推計人口

以下の3町10村を含む。構成町村数13は全国最多。

郡域

1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記3町10村に飯田市を加え、松川町の一部(上片桐)を除いた区域にあたる。

歴史

郡発足までの沿革

知行 村数 村名
幕府領 幕府領(飯島代官所) 30村 名子村、浪合村、月瀬村、○根羽村、平谷村、●上中関村、長沼松島村、福島村(現・天龍村)、坂部村、備中原村、吉岡村、菅野村、仁王関村、和合村、帯川村、日吉村、売木村、上村、●木沢村、●和田村、八重河内村、●満島村、鶯巣村、林村、富田村、○向関村、向方村、大鹿倉村、小野川村、●昼神村
幕府領(千村平右衛門預地 5村 大河原村、鹿塩村、清内路村、○加々須村、○南山村
旗本領 13村 ●立石村、小松原村、大久保村、○梅田村、○鴨目村、合原村、河内村、北又村、粒良脇村、大島村(第1次)、恩沢村、栗矢村、大平村
旗本領(伊那衆 9村 ●阿島村、田村村、河野村、●南原村、山吹村、北駒場村、北駒場村新田、上平村、竜口村
幕府領(千村平右衛門預地)・旗本領 1村 ○小川村
藩領 陸奥白河藩 47村 柏原村山分、●法全寺村、安戸村、唐笠村、金野村、雲毋村、田力村、荻坪村、米峰村、芋平村、○野池村、大屋敷村、尾林村、大郡村、●宮沢村、石林村、怒田村、左京村、毛呂窪村、平島田村、鍬不取村、平野村、田野口村、柿野村、明島村、門島村、打沢村、黒見村、高町村、米川村、稲伏戸村、万場村、部奈村、峠分[2]、福与村、長峰柄山分[3]、中山分[4]、尾科村、○今田村、下村、●○中関村、出原村、吉田村、上市田村、●大島山村、●○下市田村、大野分[5]
美濃高須藩 40村 ○上新井村、古町村、供野村、伊久間村、●柏原村、○知久平村、●久米村、竹佐村、下川路村、下瀬村、阿知原村、親田村、入野村、●鎮西野村、下新井村、雲雀沢村、●粟野村、新木田村、川田村、神子野谷村、中谷御供村、大森平石村、大平大那木村、●深見村、千木村、小野村、平久大窪村、和知野村、●浅野村、鷲巣村、門原村、小中尾村、田上吉田村、井戸村、早稲田村、●新野村、古城村、柿野沢村[6]、福島村(現・豊丘村)[7]、壬生沢村[7]
信濃飯田藩 23村 ○上黒田村、●○座光寺村、○下黒田村、●○飯沼村、○別府村、南条村(第1次)、●○上飯田村、山村、柿木島村、○名古熊村、一色村、北方村、○大瀬木村、上殿岡村、○下殿岡村、●島田村、毛賀村、駄科村、長野原村、桐林村、○時又村、●上川路村、三日市場村
高須藩・飯田藩 1村 ●中村
白河藩・飯田藩 1村 牛牧村
幕府領・藩領 幕府領(飯島代官所)・白河藩 1村 ●駒場村
幕府領(飯島代官所)・高須藩 1村 山田河内村
旗本領(伊那衆)・高須藩 3村 虎岩村、○伊豆木村、●山本村
その他 寺社除地 1町 飯田城下[8]

郡発足以降の沿革

  • 明治12年(1879年
    • 1月4日 - 郡区町村編制法の長野県での施行により、伊那郡のうち1町31村の区域に行政区画としての下伊那郡が発足。郡役所を飯田町に設置。 
    • 2月13日 - 米川村が分割して清内路村・久米村・竹佐村・山本村となる。(1町34村)
  • 明治14年(1881年)(1町68村)
    • 4月14日 - 遠山村の一部が分立して上村となる。
    • 7月25日 - 信夫村が分割して下川路村・駄科村・長野原村・桐林村・時又村・上川路村となる。
    • 8月2日 - 市田村が分割して出原村・吉田村・下市田村・大島山村・上市田村・牛牧村となる。
    • 8月12日
      • 阿知村が分割して駒場村・春日村・智里村となる。
      • 三綱村が分割して立石村・下瀬村・伊豆木村となる。
      • 松尾村の一部が分立して毛賀村となる。
      • 伊賀良村が分割して北方村・大瀬木村・上殿岡村・下殿岡村・三日市場村・中村となる。
    • 9月2日
      • 上郷村が分割して黒田村・座光寺村・飯沼村・別府村となる。
      • 旦開村の一部が分立して和合村・売木村となる。
    • 9月9日
      • 里見村が分割して元大島村・大島村(第2次)・山吹村となる。
      • 久堅村が分割して上久堅村・下久堅村となる。
      • 大下条村が分割して東条村・西条村・南条村(第2次)・北条村となる。
    • 11月9日 - 生田村の一部が分立して河野村となる。
    • 鼎村の一部が分立して稲井村となる。
  • 明治15年(1882年
    • 2月16日 - 遠山村が分割して木沢村・和田村・八重河内村となる。(1町70村)
    • 4月15日 - 大鹿村が分割して大河原村・鹿塩村となる。(1町71村)
    • 9月7日 - 和田村の一部が分立して南和田村となる。(1町72村)
  • 明治16年(1883年
    • 2月14日 - 竹佐村の一部が分立して箱川村となる。(1町73村)
    • 11月10日 - 神原村の一部が分立して長島村となる。(1町74村)
  • 明治17年(1884年
    • 2月9日 - 平波村が分割して浪合村・平谷村となる。(1町75村)
    • 5月19日 - 上久堅村の一部が分立して虎岩村となる。(1町76村)

町村制以降の沿革

ファイル:Nagano ShimoIna-gun 1889.png
1.飯田町 2.大島村 3.山吹村 4.市田村 5.座光寺村 6.上郷村 7.上飯田村 8.鼎村 9.松尾村 10.竜丘村 11.下川路村 12.伊賀良村 13.山本村 14.三穂村 15.清内路村 16.会地村 17.伍和村 18.智里村 19.波合村 20.根羽村 21.下條村 22.富草村 23.大下条村 24.豊村 25.旦開村 26.神原村 27.平岡村 28.泰阜村 29.千代村 30.竜江村 31.下久堅村 32.上久堅村 33.喬木村 34.神稲村 35.河野村 36.生田村 37.大鹿村 38.上村 39.木沢村 40.和田村 41.八重河内村 42.南和田村(紫:飯田市 桃:松川町 橙:高森町 赤:阿南町 黄:阿智村 下緑:天龍村 上緑:豊丘村 青:合併なし 水色:分立して現存する町村 61.平谷村 62.売木村)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(1町41村)
    • 飯田町 ← 飯田町、上飯田村[野底・新町・浜井場・下大雄寺・水の手・愛宕坂・箕瀬・大王路](現・飯田市)
    • 大島村 ← 大島村(第2次)、元大島村(現・松川町)
    • 山吹村(単独村制。現・高森町)
    • 市田村 ← 上市田村、下市田村、吉田村、牛牧村、出原村、大島山村(現・高森町)
    • 座光寺村(単独村制。現・飯田市)
    • 上郷村 ← 飯沼村、別府村、黒田村(現・飯田市)
    • 上飯田村(飯田町となった区域を除き単独村制。現・飯田市)
    • 鼎村 ← 鼎村、稲井村(現・飯田市)
    • 松尾村 ← 松尾村、毛賀村(現・飯田市)
    • 竜丘村 ← 駄科村、桐林村、時又村、長野原村、上川路村(現・飯田市)
    • 下川路村(単独村制。現・飯田市)
    • 伊賀良村 ← 大瀬木村、北方村、上殿岡村、下殿岡村、三日市場村、中村(現・飯田市)
    • 山本村 ← 山本村、竹佐村、久米村、箱川村(現・飯田市)
    • 三穂村 ← 伊豆木村、下瀬村、立石村(現・飯田市)
    • 清内路村(単独村制。現・阿智村)
    • 会地村 ← 駒場村、春日村(現・阿智村)
    • 伍和村智里村(それぞれ単独村制。現・阿智村)
    • 波合村 ← 波合村(現・阿智村)、平谷村(現・平谷村)
    • 根羽村(単独村制。現存
    • 下條村 ← 睦沢村、陽皐村(現存
    • 富草村(単独村制。現・阿南町)
    • 大下条村 ← 東条村、西条村、南条村(第2次)、北条村(現・阿南町)
    • 豊村 ← 売木村(現・売木村)、和合村(現・阿南町)
    • 旦開村(単独村制。現・阿南町)
    • 神原村(単独村制。現・天龍村)
    • 平岡村 ← 平岡村、長島村(現・天龍村)
    • 泰阜村(単独村制。現存
    • 千代村 ← 千代村、千栄村(現・飯田市)
    • 竜江村(単独村制。現・飯田市)
    • 下久堅村 ← 下久堅村、虎岩村(現・飯田市)
    • 上久堅村(単独村制)(現・飯田市)
    • 喬木村(単独村制。現存
    • 神稲村河野村(それぞれ単独村制。現・豊丘村)
    • 生田村(単独村制。現・松川町)
    • 大鹿村 ← 大河原村、鹿塩村(現存
    • 上村木沢村和田村八重河内村南和田村(それぞれ単独村制。現・飯田市)
  • 明治24年(1891年)4月1日 - 郡制を施行。
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正15年(1926年7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和2年(1927年)4月1日 - 下川路村が改称して川路村となる。
  • 昭和4年(1929年)4月1日 - 上飯田村の一部(新田・野底・小島井・字浜井場・字下大雄寺・水手坂・愛宕坂・箕瀬町・大雄寺)が飯田町に編入。 上飯田村の残部が町制施行して上飯田町となる。(2町40村)
  • 昭和9年(1934年)4月1日 - 波合村が分割され、一部(浪合)に浪合村、残部(平谷)に平谷村が発足。(2町41村)
  • 昭和12年(1937年)4月1日 - 飯田町・上飯田町が合併して飯田市が発足し、郡より離脱。(41村)
  • 昭和23年(1948年7月1日 - 豊村が分割され、一部(売木)に売木村、残部(和合)に和合村が発足。(42村)
  • 昭和29年(1954年)4月1日 - 鼎村が町制施行して鼎町となる。(1町41村)
  • 昭和30年(1955年)4月1日(1町38村)
    • 和田村・八重河内村・南和田村が合併して遠山村が発足。
    • 神稲村・河野村が合併して豊丘村が発足。
  • 昭和31年(1956年9月30日(2町27村)
    • 大島村が上伊那郡上片桐村と合併して松川町が発足。
    • 座光寺村・松尾村・竜丘村・三穂村・伊賀良村・山本村・下久堅村が飯田市と合併し、改めて飯田市が発足、郡より離脱。
    • 会地村・智里村・伍和村が合併して阿智村が発足。
    • 平岡村・神原村が合併して天龍村が発足。
  • 昭和32年(1957年)7月1日(4町22村)
    • 山吹村・市田村が合併して高森町が発足。
    • 大下条村・和合村・旦開村が合併して阿南町が発足。
  • 昭和34年(1959年
    • 4月1日(4町20村)
      • 阿南町・富草村が合併し、改めて阿南町が発足。
      • 生田村が松川町に編入。
    • 8月1日 - 高森町の一部(山吹の一部)が松川町に編入。
  • 昭和35年(1960年)4月1日 - 遠山村・木沢村が合併して南信濃村が発足。(4町19村)
  • 昭和36年(1961年3月31日 - 川路村が飯田市に編入。(4町18村)
  • 昭和39年(1964年)3月31日 - 千代村・竜江村・上久堅村が飯田市に編入。(4町15村)
  • 昭和40年(1970年)4月1日 - 上郷村が町制施行して上郷町となる。(5町14村)
  • 昭和59年(1984年12月1日 - 鼎町が飯田市に編入。(4町14村)
  • 平成5年(1993年)7月1日 - 上郷町が飯田市に編入。(3町14村)
  • 平成17年(2005年10月1日 - 上村・南信濃村が飯田市に編入。(3町12村)
  • 平成18年(2006年1月1日 - 浪合村が阿智村に編入。(3町11村)
  • 平成21年(2009年3月31日 - 清内路村が阿智村に編入。(3町10村)

変遷表

行政

  • 歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 船越重舒 明治12年(1879年)1月4日
2 渡辺猶人 明治15年(1882年)6月
3 金井清志 明治16年(1883年)11月
4 伊谷脩 明治19年(1886年)8月
5 平野侯次郎 明治23年(1890年)10月
6 筧朴郎 明治30年(1897年)12月
7 斎藤曹輔 明治32年(1899年)5月
8 大塚広 明治34年(1901年)7月
9 紀浦次郎 明治36年(1903年)4月
10 浜音之助 明治37年(1904年)12月
11 河村備衛 明治40年(1907年)4月
12 小西吉太郎 明治44年(1911年)9月
13 石川斧太郎 大正3年(1914年)3月
14 鈴沢卯吉 大正5年(1916年)11月
15 臼田松太郎 大正10年(1921年)3月 大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

  1. 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
  2. 記載は「部奈村山分・峠分」。
  3. 記載は「福与村山分・長峰分・柄山分」。
  4. 記載は「福与村山分・中山分」。
  5. 「旧高旧領取調帳」には記載なし。駒場村のうち。
  6. 「旧高旧領取調帳」には記載なし。知久平村のうち。
  7. 7.0 7.1 「旧高旧領取調帳」には記載なし。供野村のうち。
  8. 桜町、伝馬町、江戸町、仲ノ町、馬場町、北主税町、主税町、追手町、常盤町、松尾町、番匠町、池田町、田町、大横町、本町、知久町、扇町、荒町、梅南小路、殿町の総称。記載は飯田町。本項では便宜的に1町に数える。

参考文献

関連項目

先代:
伊那郡
行政区の変遷
1879年 -
次代:
(現存)