えちごトキめき鉄道

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えちごトキめき鉄道旧本社

えちごトキめき鉄道株式会社(えちごトキめきてつどう)は、新潟県上越市に本社を置く第三セクター方式の鉄道事業者第三セクター鉄道)である。

概要

ファイル:Dead-section(itoigawa-kajiyashiki).JPG
日本海ひすいライン 糸魚川駅 - 梶屋敷駅間のデッドセクション。左手前側(富山方)が交流 20 kV 60 Hz 区間、右奥側(直江津方)が直流 1,500 V 区間となっている(2009年撮影、当時はJR西日本 北陸本線)

2015年平成27年)3月14日北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴い、並行在来線として西日本旅客鉄道(JR西日本)から経営分離される北陸本線市振駅 - 直江津駅間と、東日本旅客鉄道(JR東日本)から経営分離される信越本線妙高高原駅 - 直江津駅間の両区間において運営を担う鉄道事業者として、新潟県と妙高市、上越市、糸魚川市などの出資により2010年(平成22年)11月22日に「新潟県並行在来線株式会社(にいがたけんへいこうざいらいせん)」として設立された。

2011年(平成23年)12月に社名と路線名称の一般公募を実施し、応募総数2,215通の中から検討委員会等での審査を経て社名を「えちごトキめき鉄道」とする旨を決定し、2012年(平成24年)7月1日付で現在の社名に改称した[1]

社名の「えちごトキめき鉄道」は、新潟県の旧国名越後国」を冠して越後の玄関であることをアピールするとともに、心躍る様子を表す「ときめき」に、佐渡市で繁殖と放鳥が進められ、県の観光資源の一つでもあるトキをカタカナ表記で配したもので、明るい未来をイメージさせる社名として選定された。

前掲の北陸新幹線の延伸開業に際し、新規設立された3県の第三セクター法人[注 1]のうち、えちごトキめき鉄道は富山県あいの風とやま鉄道石川県IRいしかわ鉄道(共に2012年設立)に2年先立つ形で設立された。設立を早めた理由としては、県内の経営分離区間における隣県との相互直通運転区間が長野県と富山県の計3県に跨っている点や、整備新幹線制度のもとでJRグループ2社から並行在来線の運営を継承する初のケースとなり、指令システムの管理方法の調整などに加えて、全線が直流電化の信越本線に対し、北陸本線は交流電化区間と直流電化区間が混在するなど、2路線で性格が大幅に異なる点、北陸本線の新潟県内区間の輸送密度が経営分離区間の中でも特に低い点など、様々な課題が存在していることが背景にあった[2]

法人発足以降、新潟県と沿線自治体による「新潟県並行在来線開業準備協議会」と共同で資金計画など各種施策の検討を進め、また沿線地域では地域活性化セミナーや住民への説明会などを実施し、経営計画が策定された。

沿革

  • 1993年平成5年)8月23日 - 県が運輸省(現:国土交通省)に対し、北陸本線の魚津駅 - 糸魚川駅間については新幹線開業時にJR西日本から経営分離を行うことに同意する旨を回答[3]
  • 1998年(平成10年)1月14日 - 県が運輸省(現:国土交通省)に対し、信越本線の長野駅 - 脇野田駅(現:上越妙高駅[注 2]間については新幹線開業時にJR東日本から経営分離を行うことに同意する旨を回答[3]
  • 2001年(平成13年)4月18日 - 県が国土交通省に対し、北陸本線の富山駅 - 直江津駅間については新幹線開業時にJR西日本から経営分離を行うことに同意する旨を回答[3]
  • 2010年(平成22年)11月22日 - 新潟県並行在来線株式会社を設立。本店を新潟市中央区新光町の新潟県庁舎内に設置。
  • 2012年(平成24年)7月1日 - 商号をえちごトキめき鉄道株式会社に変更。
  • 2013年(平成25年)4月1日 - 本店を県庁舎内から上越市に変更、同市内の直江津駅北口付近に本社屋を開設[4]
  • 2014年(平成26年)
    • 2月28日 - 妙高高原(妙高市) - 直江津(上越市)間 37.7kmと直江津 - 市振(糸魚川市)間 59.3kmの合計97.0kmの第一種鉄道事業許可を取得。開業予定日を北陸新幹線 長野 - 金沢間開業日とした(その後2015年3月14日に決定)[5]
    • 10月27日 - 妙高はねうまライン 妙高高原 - 直江津間および日本海ひすいライン 市振 - 直江津間の上限運賃認可を、国土交通省北陸信越運輸局に申請[6][7][8][9][10][11]
    • 12月19日 - 10月27日に国土交通省北陸信越運輸局に対して行った上限運賃認可申請について認可される[12]。また、開業ダイヤも公開された[13]
  • 2015年(平成27年)3月14日 - 北陸新幹線開業に伴う北陸本線、信越本線の経営分離によりえちごトキめき鉄道開業。
    • 妙高はねうまラインの始発電車の一部が、架線凍結等の影響で区間運休となるトラブル[14]、開業初日及び翌日の運行で積み残しが生じるトラブル[15]が生じた。
  • 2016年(平成28年)4月23日 - 観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」運転開始。

路線

2015年(平成27年)3月14日、下記の2路線をJR西日本およびJR東日本から継承して開業した。

2路線とも営業上の境界駅を含めすべての駅をえちごトキめき鉄道が管理する。両路線の路線名の由来や、運転形態などの詳細・歴史については各路線の記事を参照のこと。いずれも2両編成以下での運転時に「1両目後ろ乗り・前降り」方式の車内収受式ワンマン運転が実施されている[注 3][16]

近接する他社線とは列車の乗り入れを実施し、定期列車での直通先はJR東日本・北越急行・あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道の4社に渡り、うちJR東日本・あいの風とやま鉄道の2社とは車両の相互乗り入れを実施している[注 4]

  • 日本海ひすいライン(市振駅 - 直江津駅間、営業キロ 59.3km)[注 5]
    転換以前はJR西日本北陸本線の一部であった区間。鉄道資産上の経営区間は富山県境から直江津駅までの延長60.3kmに及ぶ。全区間が電化されているものの、糸魚川駅 - 梶屋敷駅間のデッドセクションを境に電化方式が異なり、輸送密度が低いことから、自社車両による旅客列車は基本的に気動車1両編成で運転される[17][18][19]
  • 妙高はねうまライン(妙高高原駅 - 直江津駅間、営業キロ 37.7km)[注 6]
    転換以前はJR東日本信越本線の一部であった区間。鉄道資産上の経営区間は長野県境から直江津駅までの延長38.0kmに及ぶ。全線が直流電化されており、線内の旅客列車は基本的に電車で運転される[17]

運行管理・指令業務

2017年4月7日より、運行管理と指令業務をJRのシステムから独立させ、上越市内の指令所から自社で2路線を担当している[20]。開業からそれまでは2路線で運行管理は別に行われており、日本海ひすいラインはあいの風とやま鉄道に委託の上、あいの風とやま鉄道線とIRいしかわ鉄道と一括であいの風とやま鉄道社員がJR西日本金沢支社の金沢総合指令所から指令、妙高はねうまラインは新潟市にあるJR東日本新潟支社の総合指令室から、配置した自社社員が指令を行っていた[21][22][23]

トータルデザイン

えちごトキめき鉄道のトータルデザインは、川西康之が率いる株式会社イチバンセンが手掛けている[24]。車両のエクステリアや駅名標などのカラーリングは、妙高はねうまラインでは妙高山のフレッシュグリーンと山並みをイメージしたもの、日本海ひすいラインでは日本海のブルーと荒波をイメージしたものが、それぞれ施される。

車両・車両基地

以下いずれも、JR東日本から直江津駅構内の直江津運輸区の施設・設備等を譲り受けた直江津運転センターに配置している。また、JR西日本から糸魚川駅構内の糸魚川地域鉄道部糸魚川運転センターも譲り受けている。

ET127系電車
妙高はねうまラインで運用され、直通先の信越本線では間合い運用も含め、長岡駅 - 直江津駅間で運用される。開業時にJR東日本新潟支社が保有するE127系電車(0番台)2両編成10本を改修を受けた上で譲受した。
ET122形気動車
主に日本海ひすいライン、直通先のあいの風とやま鉄道線で運用され、妙高はねうまラインへの直通列車およびその関連運用にも使用される。JR西日本の協力を得て、同社のキハ122形気動車をベースに、開業時に一般車両6両と塗装・内装が異なるイベント兼用車両2両の計8両を新造した[25][26]
ET122形1000番台気動車
2016年(平成28年)4月23日に運行を開始した2両編成のリゾート車両。愛称は「えちごトキめきリゾート雪月花(せつげっか)」。
土曜・休日を中心に観光列車として主に妙高はねうまライン・日本海ひすいラインの妙高高原駅 - 糸魚川駅間で運転される。

共同使用駅

自社管轄駅
在来線部分のみを自社で管轄する駅

運賃・料金等

観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」(通常運行分)については、同社主催の旅行商品(団体臨時列車)としての運行であり、料金も別体系である[注 8]。詳細はえちごトキめきリゾート雪月花#運行を参照。

運賃

大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2015年3月14日現在。

キロ程 運賃(円) キロ程 運賃(円)
1 - 3 140 36 - 40 670
4 - 6 190 41 - 45 760
7 - 10 200 46 - 50 840
11 - 15 240 51 - 60 970
16 - 20 320 61 - 70 1,140
21 - 25 410 71 - 80 1,320
26 - 30 500 81 - 90 1,490
31 - 35 580 91 - 1,660

運賃は移管後5年間はJRと同水準とし、6年目以降は利用者の動向を踏まえて決定するとしている[27]

えちごトキめき鉄道から隣接する各社の管轄する路線に跨って乗車する場合は各社の運賃を併算するため、経営移管前よりも運賃が高くなる区間が生じたが、開業時から一部の区間で乗継割引運賃が設定されている[28]。この割引運賃の料率は、移管後5年間の激変緩和措置の一環として設定されたもので、6年目以降は利用者の動向を踏まえて料率や適用区間が設定される。

ファイル:ETR Seiriken Kippu.jpg
ET127系の車内の運賃箱に置かれた切符

料金

  • 特急料金(指定席・自由席同額) - 50km以下:210円、51km以上:410円[注 9]
  • 入場券 - 140円(小児70円)
  • 手回り品料金 - 280円
  • 払戻し手数料 - 220円

JR東日本の特急列車「しらゆき」が妙高はねうまラインへ乗り入れるため、特急料金が設定されている。なお、「しらゆき」の特急料金は上越新幹線・北陸新幹線との乗継割引の対象である[注 10]が、対象はJR線区間分のみで、乗車区間にえちごトキめき鉄道線が含まれる場合、えちごトキめき鉄道線部分の特急料金は割引対象とならない。

座席指定席・グリーン席に関する対応

えちごトキめき鉄道では座席指定料金グリーン料金を設定していない。

このため「しらゆき」やJR線に乗り入れる臨時列車の一部(「越乃Shu*kura」等)に設定された指定席に乗車する場合、えちごトキめき鉄道線区間に対する追加料金は不要(JR線区間部分のみ必要)である。但し、えちごトキめき鉄道線内各駅とJR線内各駅の相互間を発着駅とする指定席券(例:上越妙高駅 - 直江津駅)は発行されない。また、2017年(平成29年)3月4日まで運転された、日本海ひすいラインと信越本線の直通快速列車に連結されたグリーン自由席に乗車する場合、グリーン料金はJR線内乗車の場合のみ必要とされた[29]

連絡運輸

自社で発売するえちごトキめき鉄道各駅からの連絡運輸区間は以下の通りとなっており、線区・駅によって範囲が異なっている[30][31]

凡例

  • ○…自社窓口・券売機で取り扱い可能
    • 但し、無人駅設置の券売機では、連絡運輸範囲内かつ設置駅から到着駅までの累計営業キロが合計100km以内の乗車券のみを取り扱っている。
  • △…自社線を通過しないが接続駅のみ窓口・券売機で発券可能。注も参照。
  • ×…取り扱いなし。
発着駅 JR東日本 北越急行 JR西日本 しなの鉄道 あいの風
とやま鉄道
直江津駅接続 糸魚川駅接続 妙高高原駅接続 市振駅接続
信越本線 信越本線

ほくほく線
経由

信越本線
経由
大糸線 北しなの線 あいの風
とやま鉄道線
上越線 ほくほく線
黒井駅から
新潟駅まで
の各駅[注 11]
塩沢駅から
越後湯沢駅
までの
各駅[注 12]
各駅 姫川駅から
南小谷駅
までの各駅
各駅 越中宮崎駅から
富山駅まで
の各駅[注 13]
下記以外の妙高はねうまライン各駅 ×
下記以外の日本海ひすいライン各駅 ×
妙高高原駅[注 14] [32] ×
直江津駅[注 15]
糸魚川駅[注 16] ×
市振駅[注 17] × ×

JR側のみで設定する連絡運輸・通過連絡運輸

えちごトキめき鉄道では申し込みができないが、上記の連絡運輸区間のほか、以下の条件に当てはまる場合、直江津駅みどりの窓口・指定席券売機を含むJR側でえちごトキめき鉄道線発着・経由の乗車券を申し込むことができる[33]

乗降駅のどちらかがJRの駅の場合

上記の区間と重複しない区間のみ示す。

JR側発着駅 接続駅 トキてつ側発着駅
上越線越後湯沢駅 - 越後滝谷駅間各駅
飯山線十日町駅
直江津駅 全駅
東京都区内および大宮駅 - 金沢駅間の

上越新幹線・北陸新幹線停車駅
(上越妙高駅除く)

上越妙高駅 妙高はねうまライン
各駅(上越妙高駅除く)
乗降駅がともにJRの駅の場合
発着駅 経由 発着駅
JR全駅 妙高はねうまライン(上越妙高駅 - 直江津駅) JR全駅
日本海ひすいライン(糸魚川駅 - 直江津駅)
篠ノ井線・信越本線
松本駅 - 安茂里駅間各駅
しなの鉄道北しなの線
(長野駅 - 妙高高原駅)
妙高はねうまライン
(妙高高原駅 - 直江津駅)
信越本線
黒井駅 - 新潟駅間各駅

途中下車

営業キロが100km以上の区間の乗車券についてはJRと同様に後戻りしない限り何度でも途中下車が可能である。開業以来自社線内のみで営業キロが100kmを越える区間は存在しないが、他社線との連絡乗車券についても他社線の営業キロと合算し100km以上(例:直江津駅 - (あいの風)富山駅間)であれば途中下車は可能である。有効期間についてはJRと同様である。但し、自社線内各駅と大都市近郊区間(新潟近郊区間)に含まれる連絡運輸範囲各駅相互間の連絡乗車券(例:糸魚川駅 - 新潟駅)については有効期間が1日となり途中下車も不可となる。

ICカード

現在、直江津駅以東のJR東日本管内の主要駅は同社の「Suica」の新潟エリアとして、あいの風とやま鉄道では市振駅を除く全線全駅[注 18]がJR西日本の「ICOCA」の石川・富山エリアとして[34]、それぞれIC乗車カードのサービスを実施しているが、えちごトキめき鉄道では開業時点でのICカードのシステム導入は見送られ、2エリア間の通過利用もできない。

特別企画乗車券

自社で独自に発売するきっぷ

下記の特別企画乗車券を、線内の有人駅で発売している。通年販売しているもののみ記載。

トキめきホリデーフリーパス
自社線内全線を週末・休日などの連続2日間利用できる。1日用の設定はないが、利用可能日が1日のみの場合でも同額で発売される。発売価格はおとな1,000円(こども半額)。特急列車については別途自由席特急券を購入することで自由席に乗車可能であるが、指定席券の必要な車両・列車や「えちごトキめきリゾート雪月花」 には乗車不可[注 8]。本券のみ2017年4月1日より、上記の発売個所のほか、あいの風とやま鉄道泊駅でも取り扱う[35]
ひすいきっぷ・はねうまきっぷ
前者は糸魚川 - 直江津間、後者は妙高高原 - 新井間の割引乗車券で、それぞれ片道用・往復用の2種類がある。発売価格はひすいきっぷが片道450円・往復900円、はねうまきっぷが片道280円・往復560円(いずれもこども半額)。後述のJR東日本の回数乗車券「しらゆきWきっぷ」と同時購入または提示した場合に限り発売する。ひすいきっぷは日本海ひすいライン内、はねうまきっぷは妙高はねうまライン内の、いずれも直江津駅を除く有人駅で取り扱う。
みょうこうレールきっぷ
後述のJR東日本の訪日外国人向け企画乗車券「JR EAST PASS」でエリア外となる妙高高原 - 新井間の割引片道乗車券。発売価格は200円(こども半額)で、妙高高原、新井、上越妙高の各駅の窓口で「JR EAST PASS」を提示した場合に限り発売する。

他社が企画し自社でも取り扱うきっぷ

以下の4種類はJR東日本の企画した特別企画乗車券であり、えちごトキめき鉄道が在来線を管轄する駅では、直江津駅では窓口もしくは指定席券売機、春日山駅、高田駅、新井駅、妙高高原駅はマルス端末(MR51型)、糸魚川駅自社窓口はJR東日本ビジネスえきねっとを通じて発券される。ただし、糸魚川駅では※印を記した2種類のみ発売となり、発券時間が窓口営業時間のうち、8時30分 - 19時30分の間に制限される[36]

なお、上越妙高駅は自社窓口ではこれらの企画乗車券を扱わないが、JR東日本みどりの窓口で取り扱う。

えちごツーデーパス
えちごトキめき鉄道線のほか、JR東日本新潟支社管内全線[注 19]と北越急行全線を、週末・休日などの連続2日間利用できる。開業以前から現在の妙高はねうまライン区間がフリーエリアに含まれていたが、移管前はエリアに含まれていなかった日本海ひすいライン全線を新たにフリーエリアに加えている[37]
しらゆきWきっぷ※
特急「しらゆき」の自由席が利用できる2枚綴りの回数券である。えちごトキめき鉄道線内関係では直江津駅・新井駅 - 長岡駅・新潟駅間の4区間で設定がある[37]
週末パス
移管以前から利用可能であったしなの鉄道北しなの線全線、妙高はねうまライン全線で引き続き利用できる[38]
三連休東日本・函館パス(←三連休乗車券
経営移管後は、妙高はねうまラインの新井駅 - 直江津駅間に限り利用できる[38]
しらゆき・北陸往復きっぷ
妙高はねうまラインの上越妙高駅 - 直江津駅間に限り利用できる。

このほか、しなの鉄道との境界であり同社が管轄する妙高高原駅ではしなの鉄道北しなの線の企画乗車券「北しなの線フリーきっぷ」「北しなの線シルバーパス」を2015年12月1日から、直江津駅では同駅に乗り入れる北越急行の企画乗車券「土休日のほくほく2日フリーパス」を2017年4月1日から取り扱っている[39]が、これらはえちごトキめき鉄道の区間では使用できない。

自社で発売しないが利用できるきっぷ

JR各社の企画乗車券については、下記のとおりの扱いとなっており、券種によって利用できる区間の設定が異なっている。なお、以下に記載のない企画乗車券(青春18きっぷ等)はえちごトキめき鉄道線内で使用できない。

JR東日本発行

JR EAST PASS(長野・新潟エリア)
訪日外国人向け乗車券。妙高はねうまラインの新井駅 - 直江津駅間に限り利用できる[40]
北信州ツーデーパス
北陸新幹線延伸に合わせ「信州北回廊パス」を内容改定の上名称変更したもの。妙高はねうまラインの妙高高原駅 - 上越妙高駅間のほか、北信エリアを中心としたJR東日本線、長野電鉄全線、しなの鉄道各線の一部区間などを、週末・休日などの連続2日間利用できる。長野駅 - 上越妙高駅間では新幹線・平行在来線の両ルートを利用することができる[41][注 20]

JR西日本発行

北陸おでかけパス・北陸周遊乗車券
北陸おでかけパスは経営移管以前から現在の日本海ひすいライン区間は谷浜駅 - 直江津駅間を除いてフリーエリアとなっており、2015年度はJR時代と同様の区間で発売され[42]、2016年4月2日利用分より谷浜駅 - 直江津駅間もフリーエリアに追加された[43]。ただし、沿線では糸魚川駅アルプス口のJR西日本みどりの窓口のみでの取り扱いとなっており、直江津駅を含む自社での取り扱いは行わない。
また北陸新幹線のJR東日本管内各駅からJR西日本管内各駅までの間を「モバイルSuica特急券」もしくは「えきねっとトクだ値」を利用した場合、もしくはJR西日本管内各地から往復の行路でJR線を利用する北陸方面への旅行商品を購入した場合に限り、いずれもオプションとして発売され、前掲の北陸おでかけパスと同一エリアを曜日に関わらず連続2日間利用できる「北陸周遊乗車券」についても同様の扱いとなる[44][45][注 21]
鉄道の日記念 JR西日本一日乗り放題きっぷ
えちごトキめき鉄道線については日本海ひすいラインの市振駅 - 糸魚川駅間に限り利用できる[46]
新潟自由席往復きっぷ
前述のしらゆき・北陸往復きっぷのJR西日本版に相当し、妙高はねうまラインの上越妙高駅 - 直江津駅間に限り利用できる[47]
おとなび首都圏往復フリーきっぷ
首都圏のフリーエリアへ北陸新幹線を用いて往復となるきっぷであるが、入善駅発着のものについては、入善駅から糸魚川駅まであいの風とやま鉄道線・えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインを経由して糸魚川駅から北陸新幹線に乗車する形となる[48]

今後の予定

えちごトキめき鉄道と新潟県、沿線3市では、両路線の駅間が長い市街地区間について新駅設置の検討を進めており、日本海ひすいラインの青海駅 - 糸魚川駅間、糸魚川駅 - 梶屋敷駅間、妙高はねうまラインの二本木駅 - 新井駅間、新井駅 - 北新井駅間、高田駅 - 春日山駅間、春日山駅 - 直江津駅間の計6箇所の候補地について整備方法などを検討している[49]

脚注

注釈

  1. この際並行在来線として経営分離された区間の自治体は4県に跨っているが、このうち長野県では1997年(平成9年)10月1日から既に並行在来線を運営しているしなの鉄道が延伸開業時の分離区間も北しなの線として併せて運営を継承した。
  2. 新幹線開業に先立ち、2014年10月19日に在来線駅の移設が実施され、新幹線開業日より駅名を「上越妙高駅」に改称した。
  3. 日本海ひすいラインではトンネルでの安全対策から当面の間2両編成については車掌乗務で運転する。
  4. 北越急行は北越急行の車両が片乗り入れ、IRいしかわ鉄道はあいの風とやま鉄道の車両がえちごトキめき鉄道線からIRいしかわ鉄道線まで直通運行する列車があるのみ。詳細は各路線の項目も参照。
  5. JR西日本の営業キロによるもの。
  6. JR東日本の営業キロによるもの。2014年10月19日に脇野田駅付近の新線切り替えを実施し路線延長が延伸したが、移管前後とも改キロは実施されなかった。
  7. 新幹線駅は東日本旅客鉄道の管轄駅
  8. 8.0 8.1 なお、この列車の乗車証明書でえちごトキめき鉄道の全線が利用可能である。
  9. なお開業以来、定期列車としてえちごトキめき鉄道線内を51km以上運行する特急列車は設定されていない。
  10. 上越妙高駅で北陸新幹線と「しらゆき」を乗り継いで直江津駅以遠の各停車駅との間を乗車する場合、および長岡駅で上越新幹線と「しらゆき」を乗り継ぐ場合に適用。
  11. 定期券は長岡駅まで
  12. 定期券は発券不可
  13. あいの風とやま鉄道線の富山駅以西およびIRいしかわ鉄道線と日本海ひすいライン、あいの風とやま鉄道線と妙高はねうまラインの間に定期の直通列車の設定があるが、連絡運輸は実施していない。
  14. 妙高高原駅からは飯山線方面や篠ノ井線方面などしなの鉄道北しなの線に対して設定された連絡運輸区間が別途存在するが、えちごトキめき鉄道が管轄する同駅では、えちごトキめき鉄道がしなの鉄道と結んでいる連絡運輸の範囲内のみでの発券となるため、同駅で発券できるしなの鉄道線の普通乗車券は妙高高原駅と北しなの線内各駅相互間のみとなる。なお、しなの鉄道管轄駅で発券できる乗車券については、しなの鉄道#乗車券発売範囲(連絡運輸・通過連絡運輸・乗継割引)も参照。
  15. 直江津駅は同駅発着を含むJR線全線の取り扱いあり。
  16. 糸魚川駅JR西日本みどりの窓口では大糸線全線を含むJR線全線を取り扱い。
  17. 市振駅は無人駅であり券売機の設置もないため、同駅できっぷの発券は行われず、同駅から乗車した場合、車内あるいは下車駅で清算となる。このほか同駅からはあいの風とやま鉄道側で設定する発売範囲があり、あいの風とやま鉄道管轄の有人駅窓口で発券可能。あいの風とやま鉄道#乗車券発売範囲・連絡運輸を参照。
  18. 境界駅となっている市振駅はICカードはあいの風とやま鉄道のICカード利用エリアに含まれていない。
  19. ただし、山形県内に所在する米坂線小国駅を含む。北陸新幹線は除く。
  20. ただし「北信州ツーデーパス」で新幹線を利用する場合は、特急券が別途必要となる。
  21. 「北陸おでかけパス」「北陸周遊乗車券」とも、北陸新幹線はフリーエリアの対象外となっており、利用できない。

出典

  1. “並行在来線の会社名・路線名の候補が決定しました” (PDF). 新潟県並行在来線. オリジナル2012年6月22日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140319192514/http://www.echigo-tokimeki.co.jp/PDF/name/name.pdf . 2015閲覧. 
  2. 新潟県並行在来線の運行の課題と方向性 (PDF)”. 新潟県並行在来線株式会社. 2013年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧. ※沿線住民との対話集会 資料1 2011年。
  3. 3.0 3.1 3.2 並行在来線の概要 - 新潟県。2015年1月19日閲覧。
  4. 直江津 - 妙高高原 運行増 新潟の並行在来線運行 - 信毎Web(信濃毎日新聞)”. 2013年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。. 2015閲覧. 2013年1月23日付。
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関連項目

外部リンク