魍魎の匣
魍魎の匣 | |
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ジャンル | ミステリー、伝奇 |
映画 | |
監督 | 原田眞人 |
制作 | フューチャープラネット 小椋事務所 |
封切日 | 2007年12月22日 |
上映時間 | 133分 |
漫画 | |
原作・原案など | 京極夏彦 |
作画 | 志水アキ |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | コミック怪 |
発表期間 | 2007年8月 - 2010年4月 |
巻数 | 全5巻 |
アニメ | |
原作 | 京極夏彦 |
監督 | 中村亮介 |
シリーズ構成 | 村井さだゆき |
キャラクターデザイン | 西田亜沙子 CLAMP(原案) |
音楽 | 村井秀清 |
アニメーション制作 | マッドハウス |
製作 | 「魍魎の匣」製作委員会 |
放送局 | 日本テレビ系 |
放送期間 | 2008年10月7日 - 12月30日 |
話数 | 全13話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『魍魎の匣』(もうりょうのはこ)は、京極夏彦の長編推理、伝奇小説。百鬼夜行シリーズの第2弾。第49回日本推理作家協会賞受賞作。2007年12月22日にこれを原作とする映画が公開された。さらに、2008年10月から12月までテレビアニメが放送された。
あらすじ
1952年(昭和27年)の8月15日。中央線での人身事故というありふれたシチュエーションを発端としてストーリーが進む。
暗い性格で友達もいなかった楠本頼子は、クラス一の秀才で美少女の柚木加菜子に突然「私たちは互いが互いの生まれ変わりなんだ」と声をかけられる。始めは戸惑う頼子だったが、互いに孤独だった2人は親交を深め、2人で最終電車に乗って湖を見に行こうと約束する。しかし加菜子は中央線武蔵小金井駅の高尾方面ホームから何者かに突き落とされ、列車に轢かれてしまう。
たまたま勤務帰りの刑事・木場修太郎がその列車に乗り合わせていた。木場は頼子と共に加菜子が運ばれた病院へ向かうが、そこへ女優・美波絹子こと加菜子の姉・柚木陽子と出会うことになる。「加菜子を救える可能性があるところを知っている」という姉の陽子の意志で、加菜子は謎の研究所に運ばれ、集中治療を受ける。
一方、小説家・関口巽は稀代の新人小説家・久保竣公と出会う。そして雑誌記者・鳥口守彦と稀譚社社員・中禅寺敦子と共に、武蔵野連続バラバラ殺人事件を追って道に迷い、とある「匣」のような建物と遭遇する。その建物こそ、加菜子が収容された研究所・美馬坂近代醫學研究所だった。
その後、厳戒態勢の中加菜子は謎の失踪を遂げ、脅迫文を陽子は受け取る。同じ頃、鳥口は「穢れ封じ御筥様」の調査を行っており、関口の紹介のもと、拝み屋・京極堂に相談を持ちかける。
バラバラ殺人と加菜子の誘拐、事件の裏に渦巻く「魍魎」とは何なのか。そして、京極堂の過去の秘密とは。
登場人物
声はテレビアニメ版での声優、演は実写映画版での役者。
シリーズの主要登場人物
- 中禅寺秋彦(ちゅうぜんじ あきひこ)
- 声 - 平田広明 / 演 - 堤真一
- 中野で古本屋「京極堂」を営む男。親しい者からは店の屋号に因んで「京極堂」と呼ばれる。家業は安倍晴明を祀る神社の宮司で陰陽師、副業は拝み屋。鳥口から相談を持ちかけられ、2つの事件に関わっていくことになる。美馬坂幸四郎と面識がある。
- 関口巽(せきぐち たつみ)
- 声 - 木内秀信 / 演 - 椎名桔平
- 小説家。中禅寺の学生時代からの友人。学生時代は鬱病に悩まされ、現在も完治には至っていない。鳥口に半ば強引に引き込まれる形で、事件に関わっていく。
- 榎木津礼二郎(えのきづ れいじろう)
- 声 - 森川智之 / 演 - 阿部寛
- 「薔薇十字探偵社」を営む私立探偵。中禅寺と関口の旧制高等学校での1期先輩であり、木場の幼馴染。人の見た「光景」のみを、音・感情の介入なく「見る」ことができる。増岡から行方不明になった柚木加奈子の捜索を依頼され、京極堂を訪ねる。
- 中禅寺 敦子(ちゅうぜんじ あつこ)
- 声 - 桑島法子 / 演 - 田中麗奈
- 京極堂こと中禅寺秋彦の妹で、新聞社「稀譚舎」の社員記者。
- 木場修太郎(きば しゅうたろう)
- 声 - 関貴昭 / 演 - 宮迫博之
- 警視庁捜査一課所属の刑事。美波絹子のファンで、警察手帳にいつも写真を入れている。自身を「中身は無いが頑丈な箱」と揶揄している。武蔵小金井駅での事故に遭遇し、そのツテで、絹子こと柚木陽子と出会い、事件に深く関わっていく。
- 鳥口守彦(とりぐち もりひこ)
- 声 - 浪川大輔 / 演 - マギー
- 不定期発刊のカストリ雑誌「實録犯罪」の編集記者兼カメラマン。御筥様を調べていくうちに、バラバラ殺人事件の被害者達との接点を見つける。あくまで「惚け」の性格で通しているが、聡明で、抜け目無い部分もある。「うへえ」という奇妙な感嘆声を発する。
柚木加菜子と関係者
- 柚木加菜子(ゆずき かなこ)
- 声 - 戸松遥 / 演 - 寺島咲(幼少期:木村彩由実)
- 頼子のクラスメイトで友人。頼子以上の美少女で男のような喋り方をする。才色兼備だが、友達が少ないことで寂しい思いをしており、似た境遇の頼子と仲良くなる。陽子の実の娘だが、対外的には「歳の離れた妹」だとしている。世間には秘密で本人も知らないが、柴田財閥当主・柴田耀弘の曾孫(孫・柴田弘弥の私生児)だとされている。頼子と一緒に家出しようとしたが、武蔵小金井駅で事故にあって瀕死の重傷を負ってしまう。美馬坂近代医学研究所に入院したが、姿を消す。
- 柚木陽子(ゆずき ようこ)
- 声 - 久川綾 / 演 - 黒木瞳
- 加菜子の実の母親。周囲には「姉」と称している。過去に芸能活動を行っており、当時の芸名は実母の名を採った「美波絹子(みなみ きぬこ)」。実年齢は31歳だが、芸能界では6歳若くサバ読んでいた。榎木津に言わせれば「演技は大根だが無表情さがいい」とのこと。一人娘の加菜子を美馬坂近代医学研究所に転院させるよう手配した。
- 美馬坂幸四郎(みまさか こうしろう)
- 声 - 田中正彦 / 演 - 柄本明
- 登戸にある美馬坂近代医学研究所の所長。陽子の父親であり医師でもある。医師というより研究者に近い。戦前は帝国大学出身の免疫学の権威、天才外科医として名を馳せたが、不死の研究に没頭したため公の場から追いやられた。京極堂とも面識がある。
- 雨宮典匡(あめみや のりただ)
- 声 - 檜山修之 / 演 - 右近健一
- 柚木母娘を世話している青年。冴えない外見の茫洋とした人物。柴田財閥の手配により、14年間陽子と加菜子の監察を行ってきた。陽子が女優だった頃は彼女の付き人もしていた。須崎を撲殺し、加菜子の首を持って出奔。
- 楠本頼子(くすもと よりこ)
- 声 - 高橋美佳子 / 演 - 谷村美月
- 私立鷹羽女学院中等部に通う14歳の少女。器量は良いが不遇な家庭環境に育ち、暗い性格のため友達もできずにいたが、「自分たちは互いが互いの生まれ変わり」と言う加菜子と親しくするうちに変わっていく。加菜子には憧れに似た感情を抱いている。
- 加菜子殺人未遂事件後、しばらくしてから福本に「加菜子は黒い服の男に突き落とされた」と証言し、加菜子が入院している美馬坂近代医学研究所に見舞いに行き、誘拐事件に居合わせた。実は、加菜子を偶像崇拝しており、彼女が悩みも苦しみもする生身の人間だと理解できていなかったため、彼女が涙を流す姿を見て衝動的に駅のホームから突き落としてしまった加菜子殺害未遂の犯人であることが明らかになる。しかし、後に久保竣公により殺害され、バラバラ殺人の被害者に。
- 増岡則之(ますおか のりゆき)
- 声 - 三木眞一郎 / 演 - 大沢樹生
- 柴田財閥の顧問弁護士の1人。仕事上ある事について柚木家と交渉をしている。誘拐事件後、加菜子捜索の件を榎木津礼二郎に依頼する。高飛車なもの言いをするため傲慢で嫌味な性格のように見えるが、陽子や加菜子のことを本気で心配しており、薄情な人間ではない。雨宮のことを馬鹿にしている。
- 柴田耀弘(しばた ようこう)
- 演 - Chen Mao Lin
- 柴田財閥の創業者。唯一の直系である加菜子に全財産を譲ると遺言状に記し、加菜子の行方不明中に死去したことで、相続問題が勃発する。
- 須崎太郎(すざき たろう)
- 声 - 成田剣 / 演 - 矢柴俊博
- 幸四郎の助手。腰の曲がった小柄な老人。加菜子が失踪した後、小箱を持って何処かへ姿を消すが、その後焼却炉で撲殺死体で発見される。
- 甲田録介(こうだ ろくすけ)
- 声 - 鈴木琢磨
- 美馬坂近代医学研究所で働く技師。初老の男性。
御筥様関係者
信者は教主と共に霊力を秘めた筥を信仰し、穢れた金を教主に預ける。
- 寺田兵衛(てらだ ひょうえ)
- 声 - チョー / 演 - 大森博史
- 新興宗教「穢れ封じ御筥様」教主。お祓いにより落とした憑き物を箱の中に封じ込めることを生業としている。元は箱職人で、経営していた木工製作所を道場に改装している。「箱造り」にとりつかれていた時期があったが、霊能力を持つ祖母が福来友吉(実在した超心理学者)から受け取った匣の中にあった「魍魎」と書かれた紙を見てから、人が変わったといわれる。久保の実父。
- 二階堂寿美(にかいどう すみ)
- 声 - 渡辺明乃 / 演 - 池津祥子
- 「穢れ封じ御筥様」事務員。寺田のアシスタントも務める派手な女性。
- 吉村義助(よしむら ぎすけ)
- 声 - 中博史
- 御筥様の道場の隣家で、「五色湯」という風呂屋を営む男性。寺田とは幼馴染みだったが、御筥様を始めてからは口を利いていない。
- 楠本君枝(くすもと きみえ)
- 声 - 津田匠子
- 頼子の母で、雛人形の頭師。困窮した暮らしと頼子の反抗期に悩まされ、笹川の紹介で御筥様の信者となる。頼子からは「生まれながらにして死すべきである」と思われるほど忌み嫌われており、本人も心労と頼子のことで生気を失っている。過去に2度結婚しているが、現在は独身。
- 笹川(ささがわ)
- 声 - 小山力也
- 木目込み人形師。楠本家に何かと出入りしては頼子と君枝の面倒を見ているが、頼子からは激しく嫌われている。君枝の様子を見かねて御筥様を紹介した。
- 清野(きよの)
- 声 - 諸角憲一
- 信者の身内。その身内に信仰をやめさせるために、御筥様の信者の名簿を盗み出し自分が調べた事実を書き加えて「實禄犯罪」の鳥口に渡した。
警察関係者
- 青木文蔵(あおき ぶんぞう)
- 声 - 諏訪部順一 / 演 - 堀部圭亮
- 前作『姑獲鳥の夏』より登場。東京警視庁の刑事で、木場の部下。こけしのようだといわれる。特攻隊くずれで、優男だが度胸のある男。謹慎中の木場にバラバラ事件の情報を提供する。
- 里村紘市(さとむら こういち)
- 声 - 青山穣
- 前作『姑獲鳥の夏』(演 - 阿部能丸)より登場。解剖・監察医。普段は九段下で開業医を営んでいるが、死体と聞けば喜んですっ飛んでいく。性格は温厚で優しいが死体の解剖が飯より大好きの変わった医者。「日本一腕のいい監察医」を自称し、事実確かな実力をもっている。
- 石井寛爾(いしい かんじ)
- 声 - 宇垣秀成
- 神奈川県警の警部。眼鏡をかけた細身の男性。指揮官としての能力は低い。柚木加菜子誘拐事件を担当するが、管轄外である木場が勝手な行動をするので、何かと木場に突っ掛かる。加菜子が失踪した後は、責任を問われて降格させられた。
- 福本(ふくもと)
- 声 - うえだゆうじ
- 武蔵小金井駅前派出所に勤務する巡査。大人しく気が小さいが、警察としてのしっかりした芯を持った人物。頼子の相談相手となり、誘拐事件の捜査に参加する。事件後、警察を辞めて歯ブラシの販売員になる。
- 美波絹子のファンだが、場の空気に反してミーハーな言動をとってしまう。
- 木下圀治(きのした くにはる)
- 声 - 石川和之
- 前作『姑獲鳥の夏』より登場。東京警視庁の刑事で、木場の部下。青木の同僚。
- 大島(おおしま)
- 東京警視庁の警部で、木場の上司。
出版関係者
- 久保 竣公(くぼ しゅんこう)
- 声 - 古谷徹 / 演 - 宮藤官九郎(少年期:下山葵)
- 稀譚舎が出版している『近代文藝』誌に寄稿している新進幻想小説家。新人賞を取った「蒐集者の庭」を発表している。現在、箱を愛する男が主人公の「匣の中の娘」を執筆中。指が何本か欠損しており、常に手袋をはめている。
- 小泉 珠代(こいずみ たまよ)
- 声 - 長沢美樹
- 稀譚舎の社員で関口の担当編集者。
- 山嵜 孝鷹(やまさき たかお)
- 演 - 小松和重
- 稀譚舎の社員で『近代文藝』の編集長。関口に彼の作品の単行本化の話を持ちかけた際、編集室を訪ねてきた久保を紹介した。
- 寺内(てらうち)
- 声 - 小柳基
- 稀譚舎の社員で、書籍部に所属する。
バラバラ殺人事件の被害者
- 浅野 晴子(あさの はるこ)
- 2番目の被害者とされる。飯能の小学校教諭の娘。品行方正な性格。
- 小沢 とし江(おざわ としえ)
- 3番目の被害者とされる。
- 柿崎 芳美(かきざき よしみ)
- 声 - 木村はるか
- 4番目の被害者とされる。15歳。川崎の写真館の娘だが、不良少女で美人局をやっていた(アニメ版では「アプレを気取って売春街に出入りしていた」という旨が説明されている)。警察に補導された時の指紋が残されており、身元が判明した。
その他の登場人物
- 川島 新造(かわしま しんぞう)
- 声 - 相沢正輝
- 木場修太郎や榎木津礼二郎の戦前からの友人で、飲み仲間。戦時中は甘粕正彦の腹心として働き、現在は「騎兵隊映画社」で映画製作をしている。映画製作に携わっているので、美波絹子について良く知っている。いつも復員服を着ている。
- 伊佐間 一成(いさま かずなり)
- 声 - 浜田賢二
- 中禅寺らの友人。「いさま屋」とあだ名される。釣りを趣味としており、全国を旅していることがある。
- 安和 寅吉(やすかず とらきち)
- 声 - 坂本千夏 / 演 - 荒川良々
- 前作『姑獲鳥の夏』より登場。通称「和寅」。薔薇十字探偵社に住み込みで勤める、榎木津の秘書。
- 中禅寺 千鶴子(ちゅうぜんじ ちづこ)
- 声 - 皆口裕子 / 演 - 清水美砂
- 前作『姑獲鳥の夏』より登場。京極堂の妻。
- 関口 雪絵(せきぐち ゆきえ)
- 声 - 本田貴子 / 演 - 篠原涼子
- 前作『姑獲鳥の夏』より登場。関口巽の妻。
用語
- 武蔵野連続バラバラ事件(むさしのれんぞくばらばらじけん)
- 武蔵野で立て続けに起こった四件のバラバラ殺人。遺体のうち首と手足は匣に入れられた状態で見つかった。
- 『匣の中の娘』(はこのなかのむすめ)
- 久保竣公が手掛ける新作。「匣に入れられた娘」の美しさに取りつかれた男を主人公とした幻想怪奇小説。
- 穢封じ御筥様(けがれふうじおんばこさま)
- 寺田兵衛が教祖を務める新興宗教。魍魎の類を筥の中に封じることで、穢が浄化されるという理念を持つ。
- 美馬坂近代醫學研究所(みまさかきんだいいがくけんきゅうじょ)
- 美馬坂幸四郎が院長を務める研究医院。病院というより何かの軍事施設に近く、その様相はまるで「匣」である。
書誌情報
- 新書判:1995年1月、講談社ノベルス、ISBN 4-06-181812-0
- 文庫判:1999年9月、講談社文庫、ISBN 4-06-264667-6
- 四六判(愛蔵版):2004年1月、講談社、ISBN 4-06-212254-5
- 分冊文庫判:2005年6月、講談社文庫、[上] ISBN 4-06-275111-9、[中] ISBN 4-06-275112-7、[下] ISBN 4-06-275113-5
映画
魍魎の匣 | |
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The Shadow Spirit | |
監督 | 原田眞人 |
脚本 | 原田眞人 |
原作 | 京極夏彦 |
製作 |
小椋悟 柴田一成 井上潔 |
出演者 |
堤真一 椎名桔平 阿部寛 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳 |
音楽 | 村松崇継 |
主題歌 | 東京事変「金魚の箱」 |
撮影 | 柳島克己 |
編集 | 須永弘志 |
配給 | ショウゲート |
公開 | 2007年12月22日 |
上映時間 | 133分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
前作 | 姑獲鳥の夏 |
前作『姑獲鳥の夏』の日本ヘラルド映画に代わり、ショウゲートの配給により2007年12月22日公開された。製作プロダクションはフューチャープラネットと小椋事務所。監督を始め、多くのスタッフが前作から変更となっている。一方、主要キャストはほぼ前作を踏襲しているが関口巽役は前作で演じた永瀬正敏が腎尿路結石のため降板し、椎名桔平が登板した。
2005年に撮影が開始され、2007年5月に完成した。内容は小説版の主要エピソードを組込みながらも、大胆な改変が行われている。昭和27年の東京を再現するため、中国上海でロケが行われた。ノベルス版に写真が掲載されていた美馬坂医学研究所の箱のような建物もセットで再現している。
2008年、谷村美月が本作と『檸檬のころ』、『茶々 天涯の貴妃』において第3回おおさかシネマフェスティバル助演女優賞を受賞した。同年6月25日、DVD発売。
キャスト
- 京極堂(中禅寺秋彦) - 堤真一
- 関口巽 - 椎名桔平
- 榎木津礼二郎 - 阿部寛
- 安和寅吉(和寅) - 荒川良々
- 中禅寺敦子 - 田中麗奈
- 中禅寺千鶴子 - 清水美砂
- 関口雪絵 - 篠原涼子
- 妹尾 - 田村泰二郎
- 根路銘半次郎 - 原田遊人
- 神子上マチ子 - 秋本つばさ
- 美女丸梅若 - 吉沢季代
- 今出川所長 - 笹野高史
スタッフ
- 監督・脚本 - 原田眞人
- プロデューサー - 小椋悟、柴田一成、井上潔
- 撮影 - 柳島克己
- 照明 - 高屋斎
- 美術 - 池谷仙克
- 音楽 - 村松崇継
- 助監督 - 谷口正行
- 装飾 - 大坂和美
- 録音 - 矢野正人
- VFXスーパーバイザー - 古河信明
- 編集 - 須永弘志
- 効果 - 柴崎憲治
- 殺陣 - 中瀬博文
- 衣装デザイン - 宮本まさ江
- ヘアメイク - 小沼みどり
主題歌
- 東京事変「金魚の箱」(EMIミュージック・ジャパン、2007年9月26日発売のアルバム『娯楽(バラエティ)』収録)
- 作詞・作曲:伊澤一葉、編曲:東京事変
- なお、京極作品の表紙を手がけたイラストレーター・ブックデザイナーの辰巳四郎は東京事変のボーカル・椎名林檎の叔父である。
サウンドトラック
- オリジナル・サウンドトラック「魍魎の匣」
- 村松崇継、ジェネオンエンタテインメント、2007年12月7日発売。
「魍魎の匣」製作委員会
- エムシーエフ・プランニング2
- ジェネオンエンタテインメント
- ショウゲート
- 朝日放送
- バンダイネットワークス
- 小椋事務所
漫画
志水アキにより漫画化。「コミック怪」で連載されていた。角川書店刊。
書誌情報
- 2007年12月17日発行 ISBN 978-4-04-854156-5
- 2008年8月18日発行 ISBN 978-4-04-854218-0
- 2009年7月17日発行 ISBN 978-4-04-854340-8
- 2010年1月23日発行 ISBN 978-4-04-854425-2
- 2010年7月24日発行 ISBN 978-4-04-854505-1
テレビアニメ
2008年10月7日から12月30日まで日本テレビ系にて放送された。
- 榎木津の従僕・和寅が少年になっているなど、多少の設定の変更がある。
- 第1、2、4、7、8、9話冒頭に久保竣公の小説「匣の中の娘」(遺作とされる)が朗読され、そのシーンが再現された。作中で関口が同作品を読んだ印象をもとにしており、主人公に擬えられているのは久保ではなく関口であり、作中の謎の男が久保、「匣の中の娘」は中禅寺敦子[注釈 1]となっている。第9話では主人公が関口から久保に入れ替わり、同作品が久保の「私小説」である暗示がされた。
- なお第3話冒頭は病床の柚木加菜子の独白、第5話、第12話冒頭では関口の代表作「目眩」(最後に登場する「黒衣の男」を京極夏彦が演じている)、第6話冒頭は幽霊の目撃談に関する中禅寺敦子の「取材メモ」、第10話は久保の受賞作「蒐集者の庭」、第11話では柚木陽子の母に宛てた手紙形式の独白が演出されている。
- また、第5話では原作で言及された千里眼事件の御船千鶴子、長尾郁子のエピソード、第11話では『邪魅の雫』で取り上げられた帝銀事件と関連性が疑われた731部隊、登戸研究所の解説がそれぞれ関口のモノローグとして語られ、特別編では敦子が荒川放水路バラバラ殺人事件を取材し、犯人の動機について兄の京極堂に意見を聞いており、最終話と特別編では1953年(昭和28年)2月のテレビ放送開始が盛り込まれている。
声の出演
- 京極堂(中禅寺秋彦) - 平田広明
- 榎木津礼二郎 - 森川智之
- 関口巽 - 木内秀信
- 和寅 - 坂本千夏
- 中禅寺敦子 - 桑島法子
- 中禅寺千鶴子 - 皆口裕子
- 関口雪絵 - 本田貴子
- 黒衣の男 - 京極夏彦
スタッフ(アニメ)
- 監督 - 中村亮介
- シリーズ構成 - 村井さだゆき
- キャラクター原案 - CLAMP
- キャラクターデザイン - 西田亜沙子
- プロップデザイン - 木村雅広
- 色彩設定 - 大野春恵
- 美術監督 - 金子英俊
- 撮影監督 - 五十嵐慎一
- CGディレクター - 菅友彦
- 編集 - 寺内聡
- 音楽 - 村井秀清
- 音響監督 - 本田保則
- プロデューサー - 中谷敏夫、田村学
- アニメーションプロデューサー - 高橋亮平
- アニメーション制作 - マッドハウス
- 製作著作 - 「魍魎の匣」製作委員会(日本テレビ、D.N.ドリームパートナーズ、バップ、マッドハウス)
主題歌(アニメ)
- オープニングテーマ「Lost in Blue」(VAP)
- 作詞・作曲 - RUKA / 歌 - ナイトメア
- エンディングテーマ「NAKED LOVE」(VAP)
- 作詞 - YOMI / 作曲 - 咲人 / 歌 - ナイトメア
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
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第一話 | 天人五衰の事 | 村井さだゆき | 中村亮介 | 西澤千恵(レイアウト・原画) 濱田邦彦(レイアウト) |
西田亜沙子 | |
第二話 | 狸惑わしの事 | 鶴岡耕次郎 中村亮介 |
鶴田寛 | 南伸一郎 | 細居美恵子 兼森義則 | |
第三話 | 羽化登仙の事 | 高橋亨 | 神谷智大 | 濱田邦彦 | ||
第四話 | 火車の事 | 浜崎博嗣 | 又野弘道 | 小山知洋 | 西田亜沙子 | |
第五話 | 千里眼の事 | 藤岡美暢 | 小島正幸 | migmi | 北尾勝 | |
第六話 | 筥の事 | 村井さだゆき | 浅香守生 | 鶴岡耕次郎 | 細居美恵子 | |
第七話 | もうりょうの事 | 藤岡美暢 | 浜崎博嗣 | 又野弘道 | 小山知洋 | 細居美恵子 |
第八話 | 言霊の事 | 村井さだゆき | 小島正幸 | 加瀬充子 | 斎藤和也、窪敏 | 西田亜沙子 細居美恵子 |
第九話 | 娘人形の事 | 藤岡美暢 | 中川聡 | 濱田邦彦 | 西田亜沙子 | |
第十話 | 鬼の事 | 村井さだゆき | 林秀夫 | 李炫姃、青木美穂 | 細居美恵子 西田亜沙子 | |
第十一話 | 魔窟の事 | 藤岡美暢 | 浅香守生 | 又野弘道 | 小山知洋 | 西田亜沙子 |
第十二話 | 脳髄の事 | 村井さだゆき | 鶴岡耕次郎 | 西澤千恵 | 細居美恵子 | |
第十三話 | 魍魎の匣、あるいは人の事 | 中村亮介 | いしづかあつこ 中村亮介 |
北尾勝、濱田邦彦 西田亜沙子 |
西田亜沙子 |
特別編
- 魍魎の匣「中禅寺敦子の事件簿 箱の幽霊の事」
- 2009年5月22日発売のBD-BOX収録の映像特典。約16分。中禅寺敦子を主人公に彼女の視点から武蔵野バラバラ事件を考察する。
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
関東広域圏 | 日本テレビ | 2008年10月7日 - 12月30日 | 火曜 25:29 - 25:59 | 日本テレビ系列 | 制作局 |
東京都 | TOKYO MX | 2009年1月8日 - 3月26日 | 木曜 23:00 - 23:30 | 独立UHF局 | 初週のみ2話連続放送 |
長野県 | テレビ信州 | 2009年1月31日 - 4月25日 | 土曜 25:20 - 25:50 | 日本テレビ系列 | |
全国放送 | 日テレプラス | 2009年2月6日 - 5月1日 | 金曜 23:30 - 24:00 | CSチャンネル | リピート放送あり |
AT-X | 2012年1月6日 - 3月30日 | 金曜 8:00 - 8:30 |
日本テレビ(日テレ) 火曜25:29枠 | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
魍魎の匣
|
脚注
注釈
- ↑ これは、関口自信が『若い女性』を敦子以外知らないためである。
出典
関連項目
外部リンク
公式サイト
- 株式会社小椋事務所
- 日テレ 公式サイト
- TOKYO MX 公式サイト
- 魍魎の匣 テレビドガッチ特集サイト - ウェイバックマシン(2009年3月15日アーカイブ分)
映画報道・DB
- “阿部寛はみた!黒木瞳の知られざる“ママ”の一面披露”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2007年12月12日). オリジナルの2007年12月14日時点によるアーカイブ。
- “堤真一、阿部寛、椎名桔平ら豪華キャストの「魍魎の匣」”. asahi.com (朝日新聞社). (2007年12月21日)
- “堤真一:阿部寛、椎名桔平“43歳トリオ”が黒木瞳を絶賛 映画「魍魎の匣」試写”. 毎日jp (毎日新聞社). (2007年12月11日). オリジナルの2007年12月12日時点によるアーカイブ。
- “「また同じメンバーでやりたい」 「魍魎の匣」榎木津探偵役 阿部寛さん”. 毎日jp (毎日新聞社). (2007年12月25日). オリジナルの2008年1月9日時点によるアーカイブ。
- 魍魎の匣 - allcinema
- 魍魎の匣 - KINENOTE
- The Shadow Spirit - AllMovie(英語)
- | sub | s=0000000949831 | -7 }}/ The Shadow Spirit - インターネット・ムービー・データベース(英語)