金沢市企業局
金沢市企業局(かなざわしきぎょうきょく)は、石川県金沢市が経営する地方公営企業。地方公営企業法第2条で適用される事業のうち、水道事業(上水道)、工業用水道事業、ガス事業(都市ガス)、電気事業(発電)を、市の条例で地方公営企業法の全部を適用する下水道事業を行っている[1]。
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概要
金沢市企業局は、電気事業法で定める「卸供給事業者」として水力発電所を有しており、日本の都道府県以外の地方公共団体としては唯一市営の発電事業を行っている。また、発電された電力は全量北陸電力に売電されている。
2001年4月1日に下水道事業を統合し、現在は5事業を行う地方公営企業である。
沿革
- 1921年10月1日 - 民営の金沢電気瓦斯を買収し、金沢市電気局を設置。市営の電気・ガス事業が開始される。
- 1932年4月1日 - 金沢市電気局と水道局が統合し、金沢市電気水道局に改組。
- 1942年3月31日 - 配電統制令により金沢市電気水道局が解散。翌日から電気事業は北陸配電(現在の北陸電力)に移行、水道・ガス部門は金沢市瓦斯水道事業部に改組。
- 1950年9月1日 - 金沢市瓦斯水道局に改組。
- 1952年11月1日 - 金沢市ガス水道局に改組。
- 1962年12月7日 - 犀川水系総合開発計画に伴う市営電気事業の復元を行うため、ガス水道局庁舎跡地に建設される金沢市観光会館(現・金沢歌劇座)の建設費負担などを主旨とした北陸電力との協定書を締結[2]。
- 1963年1月11日 - 通商産業省より電気事業が許可される。
- 1967年1月1日 - 金沢市企業局に改組。
- 1980年7月19日 - 手取川ダムを取水源とする石川県営水道の供給を開始。
- 2000年8月22日 - 都市ガスの熱量を6Cから13Aへの変更に着手(2005年12月に完了)。
- 2001年4月1日 - 下水道部を企業局に統合。同日より地方公営企業法の全部適用事業となる。
主な事業所・施設
ガス事業
- 南部維持管理センター:金沢市高尾台二丁目30番地
- 港エネルギーセンター:金沢市湊三丁目6番地
- ショールーム(広岡・南部)
水道事業
工業用水道事業
- 金沢テクノパーク浄水場:金沢市北陽台3丁目31
電気事業
- 発電管理センター:金沢市三口新町三丁目11番18号
下水道事業
- 城北水質管理センター(金沢市浅野本町ホ131番地) - 金沢市中心部(犀川以北)
- 西部水質管理センター(金沢市東力町ハ272番地) - 金沢市西部(犀川以南)
- 臨海水質管理センター(金沢市湊三丁目5番地8) - 金沢市北部(国道8号以北)
関連団体
展開事業
ガス事業
ガス事業は1908年(明治41年)、金沢電気瓦斯が始めたのが起源で、1921年(大正10年)10月1日に金沢電気瓦斯を買収し、金沢市電気局として設立。供給戸数は73,897戸(2007年度)。
- 年間1日最大送出量180,095m3(2007年度の一般ガス)
- 年間販売量40,293,278m3(2007年度)
水道事業
水道事業は1930年(昭和5年)に通水を開始、2年後に末浄水場が完成し市内への供給を開始した。1980年(昭和55年)からは手取川ダムからの石川県営水道の受給を開始している。また、2009年7月より、末浄水場で緩速ろ過されたペットボトル入りの「金沢の水」を販売している。給水戸数は181,888戸(2004年度)。
工業用水道事業
工業用水道事業は1997年(平成9年)に金沢テクノパークへの給水を開始した。
電気事業
水力発電所は犀川と犀川水系の内川に5か所を有しており、年間需給電力量は125,715.39MWh(2004年度)。戦前の配電統制令で北陸配電に事業が吸収されるまでは、手取川流域でも発電事業を行っていた(代表的なものは白山市の福岡第一発電所)。
発電所名 | 水系 | 取水源・取水方式 | 最大出力 | 発電開始 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
上寺津発電所 | 犀川 | 犀川ダム(ダム水路式) | 16,200kW | 1966年1月29日 | 発電事業第1号の発電所。 |
新寺津発電所 | 犀川 | 犀川(水路式) | 430kW | 1981年12月28日 | 北陸電力の旧犀川発電所を再利用。 |
新辰巳発電所 | 犀川 | 犀川(水路式) | 6,000kW | 1971年3月30日 | |
新内川発電所 | 内川 | 内川ダム(ダム水路式) | 7,400kW | 1984年12月26日 | |
新内川第二発電所 | 内川 | 内川(水路式) | 3,000kW | 1988年12月23日 |
下水道事業
2001年4月1日より企業局が受け持ち、排水区域内人口は394,792人(2004年度)。なお、金沢市西南部・野々市市・白山市鶴来北部の下水は犀川左岸浄化センターで処理されている。
脚注
- ↑ 金沢市公営企業の設置等に関する条例
- ↑ 『北陸地方電気事業百年史』 - 北陸電力(1998年) 587ページ記載。