和田岬駅
和田岬駅(わだみさきえき)は、兵庫県神戸市兵庫区にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・神戸市営地下鉄(地下鉄)の駅である。かつては神戸市電の電停も設置されていた。
Contents
乗り入れ路線
JR西日本の山陽本線支線(通称:和田岬線)と、地下鉄の海岸線が乗り入れている。和田岬線は当駅が終点である。海岸線の駅には駅番号としてK06が付与されているほか、駅名版下広告として「三菱神戸病院前」が併記されている。
JR和田岬線は、朝晩の通勤旅客向けに特化した路線という性格から、列車は日中の運転はなく、平日は17往復、土曜日は12往復、休日は朝夕各1往復のみの計2往復が運転されている(2018年3月ダイヤ改正現在、JR西日本の京阪神地域で土曜ダイヤがあるのは和田岬線のみである)。 そのため、市営地下鉄では和田岬駅でのJR乗り換えの案内はしていない。
IC乗車券は、両社・局の駅ともICOCAおよびPiTaPaが利用可能。JRはICOCAエリア、地下鉄はPiTaPaエリアである。JRの駅には改札がない(後述)ため、これらのカードの取扱は兵庫駅の中間改札で行われる。
歴史
- 1890年(明治23年)7月8日 - 山陽鉄道の和田崎町駅として開業する[1]。当時は貨物営業のみの貨物駅であった。
- 1895年(明治28年) - 和田岬駅に改称する。
- 1906年(明治39年)12月1日 - 山陽鉄道の国有化により、国有鉄道の駅となる。
- 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称が制定され、山陽本線の所属となる。
- 1911年(明治44年)11月1日 - 旅客営業を開始する。
- 1924年(大正13年)8月5日 - 神戸市電和田線が駅前に乗り入れる。
- 1945年(昭和20年)2月 - 駅舎を移転する。
- 1971年(昭和46年)3月14日 - 神戸市電が廃止される。
- 1980年(昭和55年)10月1日 - 貨物の取り扱いを廃止する。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
- 1999年(平成11年)2月26日 - 無人化される(Jスルー導入に伴い兵庫駅構内に出改札設備を新設)。
- 2001年(平成13年)
- 2003年(平成15年)11月1日 - JR西日本でICカード「ICOCA」の利用が可能となる。
- 2009年(平成21年)7月27日 - JR西日本の駅舎を解体する。
- 2011年(平成23年)4月 - 地下鉄の駅で、この年度より2年間を期限とした駅名標下広告として「三菱神戸病院前」が掲出される[2](以後、2014年度まで掲出を更新している[3])。
駅構造
JR西日本
現在は神戸駅管理の無人駅だが、国鉄時代からJR化後にかけての自動改札機が設置されるまでの期間は駅員が配置されており、有人改札口や出札窓口があったが、現在は駅内には改札や券売機などはなく、兵庫駅の和田岬線ホームに設置された自動改札機(中間改札)と自動券売機がその役割を代替している。
改札がない構造も相まって、ホームの中ほどには敷地外(一般道路)に直接接続する出入口が設けられている。
線路は構内に車止めが設置され、来た列車が折り返すだけの構造であるが、和田岬線の貨物営業が廃止された1980年までは三菱重工業神戸造船所への専用線が続いていた。また、神戸市電が走っていた頃はこの専用線を跨ぐため、路面電車としては比較的珍しい鉄軌道同士の立体交差があった。
かつて、1943年完成の木造平屋建て駅舎があったが[4]、2009年7月27日に駅舎と付属建物が撤去され、駅舎の跡地には、コンビニエンスストアが同年12月22日に開業した。
和田岬線沿線では兵庫運河を活かした街づくりが始まっており、これに関連して和田岬線の存廃が取り沙汰されている(和田岬線#存廃問題参照)。
- Wadamisaki Station.JPG
駅入口
- WASDAMISAKI103.JPG
構内
- Wadamisaki sta.jpg
旧和田岬駅舎(解体済)
(2007年3月28日)
神戸市営地下鉄
島式ホーム1面2線を有する地下駅。改札口が地下1階、ホームが地下2階にある。
のりば
番線 | 路線 | 行先 |
---|---|---|
1 | 15px海岸線 | 三宮・花時計前方面 |
2 | 新長田方面 |
- 神戸市営地下鉄 和田岬駅01.JPG
駅舎(2007年11月19日)
- 神戸市営地下鉄 和田岬駅02.jpg
駅舎(2007年11月19日)
- Platfome at Wadamisaki Station(Subway).JPG
1番線ホーム(2008年12月26日)
利用状況
駅周辺は三菱重工業・三菱電機(およびその関連企業)の工場が広がる工場街であり、当駅の利用者も工場への通勤者が多数を占める。
- 西日本旅客鉄道 - 2016年度の1日平均乗車人員は4,823人である[5]。
- 神戸市交通局 - 2016年度の1日平均乗車人員は10,447人である[6]。海岸線の駅では最も乗車人員が多い。
- 2000年度の計画時では、2005年度の予測乗車人員は15,358人であった[7]。しかし、2015年現在でも乗車人員は計画時の7割程度に留まっている。
各年度の1日平均乗車人員は下表のとおりである。
年度 | JR西日本 | 神戸市交通局 |
---|---|---|
1998年(平成10年) | 8,211 | 未 開 業 |
1999年(平成11年) | 7,907 | |
2000年(平成12年) | 7,683 | |
2001年(平成13年) | 6,734 | 7,205 |
2002年(平成14年) | 6,016 | 6,318 |
2003年(平成15年) | 5,396 | 7,153 |
2004年(平成16年) | 5,011 | 7,104 |
2005年(平成17年) | 4,794 | 7,039 |
2006年(平成18年) | 4,624 | 7,343 |
2007年(平成19年) | 4,806 | 7,614 |
2008年(平成20年) | 5,110 | 8,365 |
2009年(平成21年) | 5,298 | 9,662 |
2010年(平成22年) | 5,396 | 9,991 |
2011年(平成23年) | 5,518 | 9,960 |
2012年(平成24年) | 5,373 | 9,951 |
2013年(平成25年) | 5,158 | 9,595 |
2014年(平成26年) | 4,864 | 9,782 |
2015年(平成27年) | 4,830 | 10,042 |
2016年(平成28年) | 4,823 | 10,447 |
駅周辺
- 兵庫津の道
- 和田岬砲台
- 三菱重工業神戸造船所
- 三菱電機神戸製作所、電力システム製作所
- 三菱神戸病院
- 厚生労働省 神戸検疫所
- 兵庫県立兵庫工業高等学校
- 兵庫県立神戸工業高等学校
- 御崎公園球技場(ノエビアスタジアム神戸) - ただし、同スタジアムをホームスタジアムとするヴィッセル神戸はJR和田岬駅からのアクセスを推奨していない[8]。
- 和田神社
- 三石神社
路線バス
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- ■和田岬線(山陽本線支線)
- 兵庫駅 - 和田岬駅
脚注
- ↑ 「鉄道運輸開業免許状下付」『官報』1890年7月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 平成23・24年度 市営地下鉄「駅名板下広告」の広告主の決定 - 神戸市(2011年3月25日付、2013年6月23日閲覧)
- ↑ 平成25・26年度 市営地下鉄「駅名板下広告」公募結果 (PDF) - 神戸市(2013年3月22日付、同年6月23日閲覧)
- ↑ “さらば戦中派 JR和田岬駅の木造駅舎解体”. 神戸新聞. (2009年9月4日). オリジナルの2010年8月2日時点によるアーカイブ。 . 2015閲覧.
- ↑ 兵庫県統計書
- ↑ 神戸市:神戸市交通局 事業概要
- ↑ 地下鉄海岸線事後評価 (PDF) - 神戸市、2007年3月
- ↑ “スタジアム/観戦 ノエビアスタジアム神戸”. クリムゾンフットボールクラブ(ヴィッセル神戸). . 2015閲覧.
関連項目
外部リンク
- 和田岬駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- 和田岬駅 駅構内図 - 神戸市交通局