エアバスA318
エアバスA318
Airbus A318
エアバスA318(Airbus A318)は、エアバスA320ファミリーの短胴型旅客機で、エアバス社の機体の中ではもっとも胴体が短い。日本を含むアジアの航空会社では運航されていない。
概要
エアバス社では100席クラスの旅客機として、1997年5月15日に、全くの新設計機であるAE31X[1]を中国やシンガポールの企業と共同開発することを発表した。A320ファミリーとシステムを共通化し、それより一回り小さい2+3の横5列座席配置となる胴体を持つ機材で[2]、95人乗りのAE316と最大125人乗りのAE317が開発される予定であった。しかし、新規開発による経済的リスクの大きさから計画は中止され、代わりに1998年9月に発表されたのが、エアバス社単独開発となるこの機材である。1999年4月30日にローンチされ、2002年1月15日に初飛行。2003年7月22日にフロンティア航空へ初めて引き渡された。
A319の胴体をさらに2.39m(5フレーム)短縮し、短胴化によるモーメント・アームの減少を補うため、垂直尾翼を79㎝高くして安定させている。エンジンは他のA320ファミリーと同じCFMインターナショナル社製CFM56に加え、同ファミリーの他型式では使用されていないプラット・アンド・ホイットニー社製PW6000エンジンから選択できる[3]。貨物室はLD-3-46/46Wのコンテナ使用はやめてバラ積みのみ対応となるが、胴体径がA320と同じためオプションでスライディングカーペット(床面をパネル状にして取り扱いを容易にする方法)を選択可能。
エンブラエル社のEジェット、ボンバルディア社のCRJやCシリーズなどのリージョナルジェットと競合しているため、苦戦を強いられている。そのため、他のA320ファミリーと違って、新エンジンへの換装を含むneo化(英語版)は行われない。 なお、同クラスのライバル機であるボーイング737-600は、2012年に生産・販売を終了した[4]。
エアバス社が開発した旅客機では最も小さいサイズであることから、ベビーバス(Baby Bus)という愛称がある[5]。
派生モデル
2006年3月に5.5度の進入角度で着陸させることで騒音の低減ができるスティープ(急角度)進入型が認定され、2009年9月1日にブリティッシュ・エアウェイズへ初めて引き渡された。他に座席を16席前後にし、大西洋横断も可能な航続距離を持つA318エリート(ビジネスジェット仕様)が2005年に発表されている。
機体仕様
A318-100 | ||||
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操縦士 | 2名 | |||
乗客数 | 132名 (1-クラス, 最大) 117名 (1-クラス, 通常) 107名 (2-クラス, 通常) | |||
貨物積載量 | テンプレート:Convert/m3 | |||
全長 | 31.44 m (テンプレート:Convert/ftin) | |||
翼幅 | 34.10 m (テンプレート:Convert/ftin) | |||
翼面積 | テンプレート:Convert/m2 | |||
後退角 | 25° | |||
尾翼高 | 12.51 m (テンプレート:Convert/ftin) | |||
客室幅 | 3.70 m (テンプレート:Convert/ftin) | |||
胴体幅 | 3.95 m (テンプレート:Convert/ftin) | |||
非積載運用重量 | 39,500 kg (87,000 lb) | |||
最大燃料比搭載時重量 (MZFW) | 54,500 kg (120,000 lb) | |||
最大離陸重量 (MTOW) | テンプレート:Convert/t | |||
巡航速度 | マッハ 0.78 (高度11,000 m/36,000 ftで828 km/h/511 mph) | |||
最大速度 | マッハ 0.82 (高度11,000 m/36,000 ftで871 km/h/537 mph) | |||
最大積載時最大航続距離 | テンプレート:Convert/nmi | |||
最大離陸重量での離陸速度 (海面高度, ISA) | 1,828 m (5,997 ft) | |||
最大燃料積載量 | テンプレート:Convert/L | |||
巡航高度 | 12,000 m (39,000 ft) | |||
エンジン (×2) | プラット・アンド・ホイットニー PW6000 シリーズ または CFMインターナショナル CFM56-5 シリーズ | |||
推力 (×2) | テンプレート:Convert/kN |
出典: エアバス,[6][7] Airliners.net[8]
エンジン
機種 | 年 | エンジン |
---|---|---|
A318-111 | 2003 | CFM56-5B8/P |
A318-112 | 2003 | CFM56-5B9/P |
A318-121 | 2007 | PW6122A |
A318-122 | 2007 | PW6124A |
運用航空会社
私用と官公庁関連は含まず、2014年2月28日現在。:
国 | 航空会社 | A318 |
---|---|---|
フランス | エールフランス | 18 |
コロンビア | アビアンカ航空 | 10 |
ブラジル | アビアンカ・ブラジル | 15 |
イギリス | ブリティッシュ・エアウェイズ | 2 |
アメリカ | フロンティア航空 | 1 |
ルーマニア | タロム航空 | 4 |
顧客名非公表 | 1 | |
合計 | 7 | 51 |
受注と納入
受注 | 納入 | |||||||||||||||
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機種 | 合計 | 受注残 | 合計 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | ||||
A318 | 79 | 0 | 79 | 2 | 2 | 6 | 13 | 17 | 8 | 9 | 10 | 9 |
2014年2月末時点でのデータに基づく、2014年3月30日更新[9]
脚注
- ↑ “AE”は“エイジアン・エクスプレス”の略。
- ↑ ボンバルディアCシリーズやスホーイ・スーパージェット100で、この座席配置が取られている。
- ↑ A320・A321・A319は、CFM56とIAE V2500から選択。
- ↑ “ボーイング、787を7%値上げ 737-600は販売完了”. Aviation Wire (2012年8月8日). . 2014-3-30閲覧.
- ↑ What it’s like to travel on an all-business-class flight - Australian Business Traveller May 2, 2018
- ↑ “Dimentions&Keydata A318”. Airbus. . 2014-3-30閲覧.
- ↑ “Airbus Aircraft Characteristics”. Airbus (2011年6月). . 7 June 2011閲覧.
- ↑ “The Airbus A318”. Airliners.net. . 1 March 2011閲覧.
- ↑ “Airbus orders and deliveries February 2014 (Microsoft Excel)”. Airbus (2014年2月28日). . 2014-3-30閲覧.
参考文献
- (1999) Airbus. Osceola, Wisconsin: MBI Publishing. ISBN 0-7603-0677-X.
関連項目
外部リンク
cs:Airbus A320#A318 de:Airbus-A320-Familie#A318 fr:Airbus A320#A318 sk:Airbus A320#A318 sv:Airbus A320-familjen#A318 zh:空中客车A320#A318