電脳コイル

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電脳コイル
ジャンル SFアニメ
アニメ:電脳コイル COIL A CIRCLE OF CHILDREN
原作 磯光雄
監督 磯光雄
脚本 磯光雄、宮村優子、荒木洋一
松澤洋介、深野正明、三上幸四郎
キャラクターデザイン 本田雄
アニメーション制作 マッドハウス
製作 電脳コイル製作委員会
放送局 NHK教育
放送期間 2007年5月12日 - 12月1日
話数 全26話
漫画:電脳コイル THE COMICS
原作・原案など 磯光雄
作画 久世みずき
出版社 小学館
掲載誌 ちゃお 8月号
レーベル ちゃおコミックス
発売日 2007年7月3日
巻数 全1巻
その他 別冊付録。単行本は
2007年10月31日発売
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメライトノベル漫画
ポータル アニメ文学漫画

電脳コイル』(でんのうコイル、COIL A CIRCLE OF CHILDREN)は、マッドハウス制作の日本のテレビアニメ作品、およびそれを原作とした宮村優子小説作品。もしくは、同作品に登場する現象の名称。2007年5月12日から12月1日まで、NHK教育テレビジョンにて毎週土曜日18時30分から放送された。全26話。

概要

「電脳」と呼ばれる技術が一般に普及している近未来、電脳世界の情報は「電脳メガネ」によって現実世界に重ねて表示され操作できるようになっている。「電脳」は日常生活に溶け込み、小学生が気軽に電脳犯罪を行うシーンが多数登場する。また小学生を含む多くの登場人物が過去のトラウマを行動原理としている。造語を含む作中用語の多くが終盤まで説明がない。

2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞[1]、第7回東京アニメアワードTVアニメ部門優秀賞、第39回星雲賞メディア部門、第29回日本SF大賞受賞作品。また同作の原作・脚本・監督により、磯光雄が第13回アニメーション神戸個人賞を受賞した。

あらすじ

202X年[2]。「電脳メガネ」と呼ばれる眼鏡型のウェアラブルコンピュータが全世界に普及して11年。「電脳」と呼ばれる技術を使ったペットや道具が存在し、インターネットも「電脳メガネ」を使って見る時代。

ヤサコこと小此木優子は、金沢市から大黒市に引っ越してきた。引っ越し早々に、ヤサコは謎の電脳生物イリーガルに遭遇する。電脳ペットのデンスケは、イリーガルからヤサコを守ろうとして古い空間に迷い込んでしまう。それを救ったのが「電脳探偵」を名乗るフミエだった。これをきっかけに、ヤサコは電脳探偵局に入会する。その夜、ヤサコは自分の幼い頃の絵日記に「4423」の文字と鍵穴のような絵を見つける。さらに、夢の中の鳥居が連なる階段で「僕は4423、君の兄だ」という声を聞く。翌日、ヤサコは転入した大黒市第三小学校でフミエと同じクラスになる。ところがその日の放課後、彼女らは市が導入している電脳空間のウイルス駆除ソフト「サッチー」に追われる。そしてそのどさくさのなか、デンスケが謎の少女に誘拐されかける。コイル電脳探偵局の主であるメガばあは、その少女の調査をフミエらに指示する。どのようにして少女を捜し出すか、思案にくれるふたりのまえに、もう1人の転校生として現れる少女。彼女こそが件の謎の少女、イサコこと天沢勇子だった。

イサコに対し、ヤサコは友達になろうと声をかけるが、イサコはこれを拒絶する。クラスメイトの悪童ダイチは、自らが立ち上げた組織、大黒黒客倶楽部にイサコを勧誘するも無視され、腹いせに罠を仕掛けるが、返り討ちにあう。イサコは黒客を完全に制圧し、自分の目的のために利用し始める。一方でヤサコは、フミエから生物部部長ハラケンを紹介される。ハラケンは、幼馴染のカンナを失った原因であるかもしれないイリーガルについて研究していた。ヤサコとフミエは、その研究を手伝うことにする。

やがて、イサコの捜し求めていたものが何であったのか明らかになったかのようにも見えた。

登場人物

※ 本名のふりがなは、作品自体の中で呼ばれていないものについては、発売されている関連書籍やDVD付属のブックレットに記されているもの、総集編の字幕から読めるもの、DVDに収録されている声優インタビューなどから確認できるものを記す。

主要人物

ヤサコ / 小此木優子(おこのぎ ゆうこ)
- 折笠富美子
コイル電脳探偵局 会員番号 八
主人公。2014年10月12日生まれ[3]。「ヤサコ」とは、「優」の訓読みをもとにしたあだ名である。金沢市から引っ越してきた女の子。大黒市立第三小学校に転入し、6年3組に在籍。生物部部員。メガばあにデンスケを助けてもらう代わりに、コイル電脳探偵局に入局させられる。優しくて、大人しめの性格。金沢市とは勝手が違う大黒市での生活にとまどいながら、イサコやフミエ、ハラケンたちとの出会いにより、不思議な出来事に向き合っていく。
イサコ / 天沢勇子(あまさわ ゆうこ)
声 - 桑島法子
もう一人の「ゆうこ」。2014年4月4日生まれ[3]。「イサコ」とは、優子との区別のためフミエに付けられたあだ名で「勇」の訓読みをもとにしているが、本人はこのあだ名で呼ばれることを嫌がる。ヤサコが転入した翌日に、同じクラスへ転入してきた女の子。同じく金沢市から引っ越してきたが、ヤサコとの面識はなかった。強気な性格で友だちを作ろうとしないなど、利己的で他者を寄せ付けない振る舞いをする一方、危機に陥る京子を助けたり、入院中の伯父を見舞うなど優しい一面も垣間見える。「暗号屋」であり、電脳メガネの隠し機能である「イマーゴ」を使える。大黒市にある「何か」を探し、様々な事件を引き起こす。
フミエ / 橋本文恵(はしもと ふみえ)
声 - 小島幸子
コイル電脳探偵局 会員番号 七
電脳ペットを探していた所でヤサコと出会う、背の低い女の子。生物部副部長。ヤサコにとって大黒市で初めての友だちであり、クラスメイト。主張の強い性格で、お節介なところがある。ダイチの嫌がらせの数々に対抗するうちにハッキング技術や違法な電脳ツールの扱いに長けていき、暗号屋であるイサコも認めるほどの電脳技能を持つに至った。かつてネズミ型の電脳ペットを消去され悲しい思いをしたために、サッチーに強い敵愾心を抱いており、それ以来、電脳生物に対して感情移入しないようにしている。そのために、オヤジを「ペット」ではなく「しもべ」とみなしている。苦手なものは怖い話と大きい生き物。実弟・アキラに対しては暴君の如く振る舞い、非常に恨まれている。
ハラケン / 原川研一(はらかわ けんいち)
声 - 朴璐美
コイル電脳探偵局 会員番号 五
少し無愛想な、背の高い男の子。大黒市立第三小学校6年1組に在籍。生物部部長。感情をあまり表に出さないため、普段は無表情でボーっとしているように見られている。フミエには「頼りない」と言われることがあるが、それについて気にしている様子はない。
空間管理室の客員顧問をしているオバちゃんのつてで、サッチーやキュウちゃんを1分間だけ電脳ペットとして制御することができる。交通事故で亡くなった「カンナ」とは幼馴染だった。彼女とケンカ別れしてしまったことに負い目を感じており、その事故の真相を探るため、カンナとの共同研究であった「イリーガルの観察」を1人で続けている。
メガばあ / 小此木早苗(おこのぎ さなえ)
声 - 鈴木れい子
コイル電脳探偵局 会員番号 零(ゼロ)
ヤサコの父方の祖母で、電脳駄菓子屋「メガシ屋」(メガネの駄菓子屋の略)店主。コイル電脳探偵局の創始者。ヤサコからは普段「おばば」と呼ばれ、そのがめつさから敬遠されていた。したたかで物事に動じないが、嫁姑の喧嘩になると感情を爆発させる。メタバグを組み合わせて、メタタグを作り出す特殊技能の持ち主。発売禁止になった強力なメタタグも所持しており、電脳ツールやメガネに関する知識が豊富。
4年前に倒れた影響で色々と記憶が飛んでいる。4年前に「電脳コイル」現象(後述)からオバちゃんを助けた際、それ以前の記憶の多くを失っている。その時の感情のもつれがまだ残っており、古い空間が増殖した異常事態にもオバちゃんにタダで手を貸そうとはしなかった。他の局員にも同じ手を使ったかは不明だが、ヤサコとヤサコの父に対しては弱みを握った上で、強制的に入局させている。物語の後半では失った記憶を取り戻し、かつてオバちゃんが「通路」を開けようとしていたことを思い出す。
オバちゃん / 原川玉子(はらかわ たまこ)
声 - 野田順子
コイル電脳探偵局 会員番号 弐
ハラケンの父方の叔母なので「オバちゃん」と呼ばれている、自称17歳。大黒市市役所空間管理室の客員顧問であり、「サッチー」の導入者でもある。過保護とも思えるほど、甥であるハラケンを溺愛している。移動時には黒のライダースーツを身にまとい、黒のビッグバイクを駆る。妥協のない性格で、必要であれば違法な行動も躊躇しない。
ダイチ / 沢口ダイチ(さわぐち ダイチ)
声 - 斉藤梨絵
大黒黒客のリーダーだった背の低い男子。ヤサコと同じクラス。生物部部員。ガキ大将気質で、気に入らない相手には電脳に限らずいじめを仕掛ける。しかし、いじめられている子を助けることもあり、仲間からはそれなりに慕われている。メタタグを使わず、通信販売経由で違法な電脳ツールとハッキングの知識を身につけているが、能力はフミエやイサコに劣る。後に大黒黒客をイサコに乗っ取られる。フミエの事が好きで、フミエに仕掛けたいたずらも、恋愛感情を素直に表せないためのものであった。
デンパ
声 - 梅田貴公美
大黒黒客のメンバーである男子。ハラケンと同じクラス。生物部部員。温厚で優しい性格で、コイル電脳探偵局への対抗意識はほとんどない。かつていじめにあったときに唯一助けてくれたダイチを慕っている。「誘電波体質」という電波の受信感度が高い体質のため、「デンパ」と呼ばれる。このため空間の不安定な電脳霧の中でも、体(電脳体)が壊れにくい。普通の人には聴こえないようなメタバグが発する音も聴くことができる。自転車にはうまく乗れないようで、小学六年生時点でも補助輪付きである。
ガチャギリ
声 - 山口眞弓
大黒黒客のメンバーである男子。ハラケンと同じクラス。生物部部員。常に帽子を目深に被っている。抜けているところもあるが、基本的にはクールな性格で、イサコに従うのも彼女の技術を入手するためと割り切っている。「イマーゴ」や「キラバグ」などの都市伝説についての知識も持ち合わせている。
ナメッチ / 滑川(なめかわ)[4]
声 - 沼田祐介
大黒黒客のメンバーである男子。ヤサコと同じクラス。生物部部員。メンバーの中では能力的に最も劣り、主体性も欠けている。強いものには卑屈で、ダイチやイサコに対しては同級生にもかかわらず敬語を使う。
アキラ / 橋本アキラ(はしもと アキラ)
声 - 小林由美子
大黒黒客のメンバーである男子。フミエの弟。生物部部員。4年生なのでメンバーからは「4年」と呼ばれている。姉のフミエからは傍若無人なる扱いをされており、そんな姉を非常に恨んでいる。年少ながら冷静で鋭い洞察力を見せる。気配りも良く、電脳技能は高い。自身の電脳ペット・ミゼットを巧みに使い、様々な映像を記録するのが日課。
小此木京子(おこのぎ きょうこ)
声 - 矢島晶子
ヤサコの妹。元気でいたずら好き。好奇心旺盛で、デンスケやダイチに対して過激な悪戯を仕掛けるなど、ヤサコたちを悩ませている。何を見ても指をさして「ウンチ」と言うのがマイブーム。最終回にて小学生になり、約半年しか使われなかった姉のランドセルを譲り受ける。

その他の人物

小此木一郎(おこのぎ いちろう)
声 - 中尾みち雄
コイル電脳探偵局 会員番号 一
ヤサコの父。電脳メガネ関連企業「メガマス」の社員であり、大黒市市役所空間管理室に室長として出向している。サーチマトンの「サッチー」という愛称や、そのサッチーが発する言葉を考え出した当人である。
半年ほど前からメガマス社の依頼でメガマスの内部監査を行っており、旧コイルスの一派やその走狗として動いていた猫目の存在も把握していた。
コイルタグを造れるが、メガばあ製のモノと比べ再現度は低かったようである。
小此木静江(おこのぎ しずえ)
声 - 金月真美
ヤサコの母。姑のメガばあのメガシ屋を開店するなどの非常識な(ように見える)行動に頭を痛めている。普段は電脳メガネをかけていないため、デンスケのことなど、電脳についてはよく知らない。専業主婦。
アイコ
声 - 進藤尚美
ヤサコおよびフミエとクラスメイトで3人で行動することの多い、少し大人びた背の高い女の子。生物部部員。メガネは持っているがあまり興味がない。他人のことにかまけている場合ではないヤサコと、その手の話にはまるで鈍いフミエの恋愛動向を緩やかに後押しする。各話に登場しているが、作中で名前が呼ばれるのは第8話においてヤサコからと第21話においてフミエからの2回のみ。
カンナ / 葦原かんな(あしはら かんな)
声 - 相沢舞
ハラケンの幼馴染み。大黒市立第三小学校5年1組に在籍していた。ハラケンと共にイリーガルの研究をしていたが、一年前の夏休み、彼とケンカ別れした後に電脳ナビ車両による人身事故で死亡。生前はおっとりしていて無口だった。残された日記には彼に対する思いが綴られていた。
実はイマーゴを持っており通路が開いた際、電脳体が分離し電脳ナビが電脳体を避け生身の体を撥ねてしまったのがこの事件の真相。
マユミ
声 - うえだ星子
金沢市でのヤサコのクラスメートであり親友だった女の子[5]
マイコ先生
声 - 堂ノ脇恭子
ヤサコのクラスの担任である女性教諭。生物部顧問。未婚であり、そのことで生徒であるダイチらにからかわれる。怒るときは、言葉遣いが乱暴になる。酒にはウイスキーボンボンでも泥酔するほど弱く、しかも酒癖が悪い。夏休みの初めに「コイル電脳探偵局」と「大黒黒客倶楽部」のメンバーを仲直りさせるために合宿を実施したが、結局うまくいかなかった。
ウチクネ / 内久根[6]
声 - 西脇保
ハラケンのクラスの担任である男性教諭。マイコ先生に片想い中。マイコ先生と同じく酒に弱い。呼ばれてもいないのに生物部合宿に無理矢理参加した。
教頭
声 - 水野龍司
大黒市立第三小学校の教頭。男性。「柔道三段」の特技を持つ。生物部合宿に参加した。
ダイチチ
声 - 郷里大輔
ダイチの父。町内会長を務める。元卓球部の体育会系で熱血漢。柔道の黒帯でもある。生物部合宿に参加したが、合宿と聞いて勝手に卓球部の強化合宿と勘違いしていた。
カンナの母
声 - 湯屋敦子
警察から戻されたカンナのメガネの中に鍵のかかったデータの存在を知り、中に何か残されていないかハラケンに調査を依頼、彼にカンナのメガネを託した。
オジジ / 小此木宏文(おこのぎ ひろふみ)[7]
声 - 矢田耕司
メガばあの夫、故人。ヤサコにデンスケを与えた。大黒市立メガマス病院の医師で、電脳メガネの技術者でもあった。病院でもメガネが使えるようにした功績があり、自室には脳生理学に関する書籍が大量に残されていた。イサコ・イサコのおじ・猫目・オバちゃんから「小此木医師」や「小此木先生」、あるいは単に「先生」と呼ばれる。
ノブヒコ / 天沢信彦(あまさわ のぶひこ)
声 - 岸尾だいすけ
イサコの 。5年前にイサコとともに交通事故に遭った。意識不明のまま入院を続けていると思われていたが、実は、亡くなっている。
4423(ヨンヨンニイサン)
声 - 岸尾だいすけ
ヤサコが見る、鳥居が無数に連なっている階段の夢の中に現れ、警告らしきものを与えようとするが、いつも正確な内容は聞き取れないままヤサコの目が覚める。ヤサコの初恋の人。
猫目宗助(ねこめ そうすけ)
声 - 遊佐浩二
コイル電脳探偵局 会員番号参
カメラを持ち歩いている謎めいた青年。イサコを巻き込んで陰謀を企てていた。
彼らの父親は世界で初めてイマーゴを完成させ人間の集団無意識を電脳空間で実現した。
しかし、その功績をメガマス社に奪われた事で、父親は失踪、母親は入院生活を余儀なくされ、宗助の家庭は目茶苦茶にされてしまった。メガマス社への復讐と失踪した父親の名誉回復の為、メガマス内部の旧コイルス一派と結託し、過去にはタマコを、そしてイサコをも利用し暗躍していた。目的の為なら人命も厭わない過激なやり方に実の弟からも見限られ、最終話でイサコの病室を暗号式で襲うも、タケルによって阻止されてしまった。その後は消息は不明となっている。
タケル / 猫目タケル(ねこめ タケル)
声 - 日比愛子
猫目宗助の弟であり大黒市立第一小学校の6年生。駅向こうにおいて3人組に絡まれていたヤサコを助けた。兄の指示で大黒町での都市伝説の掲示板を管理していた。兄が企てていた陰謀に対して疑問を持ち、最終回において阻止する。

電脳ペット

デンスケ
声 - 麻生智久
ヤサコの犬型のペットマトン。人語は話せないが、性格は主人に忠実で、ヤサコや京子の危機の際には、自身を顧みず危地に飛び込んでゆく。最終回では、首輪についていた南京錠が、オジジの数珠についていたものと同じような鈴に変わっている。
外見的成長があるようで、ヤサコの元に来た時は子犬だった。
オヤジ
フミエのペットマトン。デフォルメされた人型。他のペットマトンより古い空間での耐久性が強い。臨機応変な行動をとれ、電脳ツールを扱うこともできる。
モジョ
イサコのペットマトン。茶色の小さい毛玉型で、目と細い毛状の手と1本のアンテナが付いている。全部で8匹おり、イサコは番号で呼び分ける。言葉を話せ、電脳ツールも使いこなす。ビーム攻撃ができ、発射時に目が赤く点滅する。別行動を取った仲間と「タコ」「イカ」という合言葉を用いて合流する場面があった(第3話)。イサコ自身が傷ついたモジョの手当てをする場面もある(22話)。
ミゼット
アキラのペットマトン。小さい猫型。知能は高く、言葉を話せ、諜報活動が得意。同種に会うと拳のような形の耳を開いてじゃんけんをする機能がある。非公式に流出したパッチによって盗撮などが可能になったため、発売禁止となった。
クロエ
カンナのペットマトン。白い小型犬の姿をしており、ハラケンからは「クロ」とも呼ばれていたが、イリーガル化してしまい、キュウちゃんに消去された。
モモコ
ミゼットと同型で色違いの猫型ペットマトン。アキラのミゼットがこのマトンに会うと、なぜか映像や音声の記録が消去されている[8]
ヘップバーン
猫型のペットマトン。第1話において主人公たちが接触するきっかけとなった。
マンタ
トメさんのペットマトン。ハムスター型。第7話の事件の発端となった。

違法電脳体駆除ソフト

キュウちゃん
大黒市の管理するセキュリティプログラムが、「電脳メガネ」により視覚化された際にバレーボール大の球体に見えることから、子供たちの間でこの名称が定着している。複数機が宙を浮遊しながら市内を巡回し、後述する「サッチー」の探査範囲を拡げるほか、自らもビームを放ち、小規模なバグを初期化したり、データの破損を修復する。正面はマークを模したようなデザインになっている。
サッチー
正式名称「サーチマトン」。大黒市の空間管理室が導入した強力な違法電脳体駆除ソフト[9]。視覚化された姿は、赤く丸みを帯びた形で巨大(高さ2.5から3メートル)、顔は日本の郵政省のマスコットキャラクター(〠)に似ている。腹部(にあたる部分)に前述の「キュウちゃん」を4機[10]収納することができる。大黒市内に複数機が配備されており、「ボクサッチー、ヨロシクネ」と音声を発しながら滑るように移動する[11]。収納したキュウちゃんから駆除対象に向けてビームを放ち、命中した電脳物質のデータを初期化する。あまり高度な識別機能を持っておらず、わずかにバグを持っている電脳ペットや、メガシ屋で売っているような「ちょっとお茶目な電脳ツール」も駆除対象と認識して攻撃する。そのため、大黒市の子供たちには恐れられている。自らを壁から壁へ「郵」の字の文様の陣を通し転送でき、距離を無視して駆除対象に近づくことができる。郵政局の管轄なので、管理外ドメイン[12]である、民家(ホームドメイン)や学校(文部局の管轄)、病院、公園の敷地内、神社などの鳥居のある敷地(文化局の管轄)には許可なく進入や認識ができないようになっている。子供たちはそれを利用し、大黒市に点在する神社を隠れみのとしている。標的を感知できる範囲は半径20メートル程度だが、キュウちゃんによって探査範囲を広げている。「ポチ」「タマ」「ミケ」「チビ」「コロ」の5機が登場する。
2.0(ニーテンゼロ)
サッチーよりも高レベルのフォーマットを実行できる違法電脳体駆除ソフト。メガマス及び電脳局の管轄。普段は稼動しておらず、メガマスの判断、もしくは行政側からの依頼があった時のみ出動する。視覚化された姿は黒いキューブ状で、サッチーよりも小型。出現時には「法」の字の文様の陣が形成される。特別な許可を受け、神社や民家へも進入することができる。性能はサッチーを大きく上回る。物理結界を持っており、ほとんどの攻撃を防ぐことができる。サッチーと同様に母機と子機がいるが、通常時には子機単体で行動する。緊急時には6機が合体したり、親機と合体して行動する[13]

用語

大黒市(だいこくし)
金沢市からそう遠くない日本海側の眼鏡が有名な都市。古い神社がたくさんある古都であると同時に、最新の電脳設備を備える特別行政区。市内には普通の動物と一緒に「電脳ペット」がいるなど、現実と電脳が交錯する少し不思議な街。電脳に関する奇妙な事件が多発しており、オカルトじみたさまざまな都市伝説が流行している。
駅向こう
ヤサコたちが住む地域から見て、大黒駅の向こう側の地域の通称。田畑が点在するのどかな風景が広がっている。
空間管理室
市内の電脳空間を管理する、大黒市市役所内の一部署。ヤサコの父やオバちゃんが勤務する。キュウちゃん、サッチー、2.0の管轄部署。
コイル電脳探偵局
メガばあをリーダーとして結成されている探偵局。行方不明の電脳ペットの捜索などの依頼を受け、電脳関係のトラブルを解決する。大黒黒客倶楽部とは対立関係にある。
大黒黒客倶楽部(だいこくヘイクークラブ)
大黒市立第三小学校の男子で構成されている。略称は「黒客(ヘイクー)」、あるいは「大黒黒客」(「黒客」とは中国語で「ハッカー」の意味)。通販電脳駄菓子屋から電脳グッズを仕入れて様々ないたずらをする。「クラブ」といっても、元々は生物部内の一派である。
大黒市立第三小学校・生物部
ハラケン(部長)、フミエ(副部長)、アイコ、ヤサコだけでなく、イサコを除く旧黒客のメンバーも所属している。顧問であるマイコ先生の言葉によれば、その実態は「ほとんど電脳生物部」であるらしい。
メガマス
電脳メガネ関連の企業。本社は金沢市所在。ヤサコの父、オバちゃん、猫目が所属している。
コイルス
最初のメガネ会社。正式名称「コイルコイルス」で、「コイルス」は通称。約5年前に倒産し、その技術はメガマスに引き継がれた。
電脳メガネ
眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ一体型ウェラブルコンピューター。作中ではしばしば「メガネ」と呼ばれる。これを装着してログインすると電脳物質を視認することができる。つまり現実世界と電脳世界が交じり合った拡張現実を体験することができる。電脳を使ったペットや道具、電話、インターネットを使いこなせる。補助器具にリストバンドがあり、つけると操作精度が上がるが、なくても支障はない。電脳ペットやバグは「電脳メガネ」を通してしか見ることができない。壊れると、修復ダウンロードにお年玉換算で2年分(49,720円)かかる。
イサコのようなレンズ一枚型(サングラス)や、ヤサコのようなレンズ二枚型(一般的な眼鏡)などのタイプがある。なお、主要人物の大半はレンズ一枚型を使っている。
電脳物質
電脳メガネをかけることで初めて視認することができるもの全般の総称。「電脳ペット」や「電脳ツール」などが含まれる。電脳メガネをかけるだけで、電脳物質の像を見ることができるようになり、発する音も聞けるようになる。バグやプログラムも視覚化して認識される。電脳ツールや電脳ペットに触れることもできるようになるが、肉体的な感覚はない。装着者の肉体も電脳物質として認識されるよう設定されており、例えば、メガネビームが命中すると肉体が欠損したように見える。電脳物質によって現実と仮想の境目が曖昧になり、「ミチコさん」や「あっちの世界」など、現実世界と電脳世界の境目が、認識レベルを超えて本当に曖昧になる。
空間
おもに電脳空間を指す語。電脳物質はこの電脳空間の中に存在している。交通機関や信号機等が電脳空間を利用した完全自動制御となっており、電脳空間は電脳メガネをかけていない者の日常生活にも強く関わっているユビキタス社会となっている。古い空間はキュウちゃんやサッチーが削除しているが、大黒市では何らかの原因で古い空間が拡散(増殖)している。また不安定な空間からは、電脳霧(後述)が発生する。
メタバグ
普通のバグはペットマトンや電脳空間を壊したりするが、ごくまれに宝石の原石に似た、役に立つ機能を持ったバグがあり、それらを「メタバグ」と称する。大黒市の特産品。空間の歪(ひずみ)に現れやすい。「サッチー」が片っ端から消去しているため希少価値が上がっている。キラバグが「死んで」できたものと言われる。そのままでは利用することができず、複数のメタバグを精製して「メタタグ」にしなければ役に立たない。この工程を完全に行えるのは登場人物ではメガばあだけである。ネット上の非合法ショップでの通貨単位は「メタ」(1メタ=1円)、爆発性のメタバグは買い取り対象外。
メガシ屋
メガばあの経営する電脳駄菓子屋。一見普通の駄菓子屋だが、駄菓子の他に子供たち向けの「電脳ツール」も取り扱っていて、メタバグの買い取りも行う。これらのツールは、大黒市空間管理室の規則では違法にあたるアイテムであるため、持っているだけでキュウちゃんやサッチーに狙われる。店舗はメガばあの自宅が改築され、裏手はそのまま新築の小此木家につながっている。仏間がメガばあの電脳工房を兼ねており、ここで作られたさまざまなメタタグやツールは店頭に置かれるものもある。店頭での買い物で口にされる売価「1万円」は、単純に1円(=1メタ)の意味。
電脳ツール
電脳空間内で使用できる便利なアイテム。大黒市の子供たちは「メガシ屋」や通販電脳駄菓子屋で購入している。
黒バグスプレー
このスプレーを物体に吹き付けると、その部分の画像データが欠損し、黒い穴が開いたような状態(通称「黒バグ」)になる。穴は廃棄された電脳空間へ通じている。サッチーやキュウちゃんはまず開けられた穴を修復しようとするため、わずかな時間足止めすることができる。
電脳釣りざお
廃棄された空間へ迷い込んだデンスケを救出するため、フミエが使用した電脳ツールの1つ。釣り糸に「オヤジ」を付けて捜索させた。釣り糸を使って交信もできる。
レンガ壁(レンガかべ)
キュウちゃんやサッチーのビームから一時的に身を守る防御壁。耐久性は低い。
鉄壁(てつかべ)
レンガ壁よりも耐久性が高い防護壁。しかし、キュウちゃんの攻撃を受けると現実のと同様に赤熱して融解する。
直進くん
電脳ミサイルポッドの一種。四角い多連装ミサイル発射機として表示される。
メタタグ
コイル電脳探偵局側の基本ツール。電脳ツールの一種で、メタバグを原料として作られる。お札(ふだ)を模しており、表面には暗号式(後述)のような文様が描かれている。実際に暗号式を使っているイサコはこれを「古流」と呼んでいる。対象に貼り付けたり、投げつけたりして使用する。暗号式と互換性がある。オバちゃんもメタタグを作れるが、能力はメガばあに劣る。
「メタタグ」は札ごとに図柄や効果が違う。他の電脳ツールは通販でも扱っているが、メタタグはメガシ屋だけでしか販売されていない。
メガビー
メガネビーム。電脳メガネを使って電脳物質を欠損させるビームを発射する。子供たちが武器として使用するツールで、メガばあも使う。サッチーやキュウちゃんに直接攻撃して一時的に足止めすることもできる。
電脳青信号
信号機に貼ると、灯火を強制的に青信号へ変える。自動車の挙動を制御する「電脳ナビ」システムにも影響するため、赤信号に変えられた側の自動車は自動で停車する[14]
コイルタグ
電脳コイル現象(後述)によって、現実の体と電脳の体が離れた際に、それを元に戻すメタタグ。現実の体と電脳体が3メートル以内にいないと使えない。メガネビームや電脳虫下し等のメタタグとは違い、黒い色をしている。原料のメタバグはもうないらしく、メガばあも1枚しか持っていない。
電脳霧(でんのうぎり)
電脳空間に発生する霧。単に「霧」とも呼ばれる。空間が不安定な場所に出る画像の損失で、酷くなると空間に黒い穴が開く。これが発生しているような場所では、電脳ペットは消失の危険性もある。主に古い空間に発生するが、家の中でも昔建てられた家で新しいドメインに移行していない所では発生することがある。
電脳コイル
ある条件がそろうと、電脳の体と現実の体が分離してしまう現象の名称。電脳の体が分離すると現実の体は意識を失い、メガネ越しには真っ黒に表示される。発生する原因は不明とされている。
電脳医療
イマーゴ機能(後述)が人間の意識を送受信できることを応用し、意識を医療用に設置した電脳空間に導いたり、逆にイマーゴを通じて意識を操作したりして、患者の「心」を治療する医療方法。
大黒市の都市伝説
大黒市では電脳関係の奇妙な事件が頻発している。これは子供たちの間で都市伝説として伝わっている
イリーガル
ペットマトンに感染する新種のコンピュータウイルスで、巨大化した黒い違法電脳体。大黒市内の電脳空間にもしばしば現れるが、その存在は公にはされていない。おもに古い空間の中に住み着き、それ以外では電脳ペットの中でしか存在を保つことが難しい。ペットに感染すると、徐々に身体を蝕まれていく。メタバグを好んで食べる。
キラバグ
通常の30倍は値がつくといわれる特殊なメタバグだが、都市伝説上に存在するのみで詳しいことは分かっていない。
ミチコさん
呼び出すと願いを叶える、呼び出した子供はアッチに連れて行かれるといった噂がある。地域によって様々な怪奇話がある。
はざま交差点
作中の都市伝説に登場する交差点。路上の一角に4つのマンホールが固まって配置されており、マンホールの蓋に「金沢市はざま」と刻印されている。マユミは、金沢市の古い空間でこのはざま交差点を見つけた[15]
イマーゴ
電脳メガネの隠し機能といわれる謎の機能。頭で考えただけで電脳メガネを操作することができるといわれている。
ヌル
最古のイリーガルといわれている、謎の電脳生命体。ヌルキャリアが野生化したものであるとオバちゃんは推測している。アッチには無数に存在する。「通路」が暴走すると「通路」を通ってアッチから大量に出現し、ヌルが触れた者の電脳体は電脳コイル現象を起こし、ヌルはアッチへ連れて行ってしまう。古い空間の暴走と共に人間を襲うようになった。
ヌルキャリア
正式名称「ヌル・キャリアー」。もともとコイルス社が「古い空間」を調査・探査する目的で作成し使用していたが、人間の意識を古い空間に送ることが出来るため、古い空間への乗り物として利用するようになった。しかし、コイルス社倒産後もそのままにされたために野生化する。
暗号屋
「電脳空間の魔法使い」といわれるハッカーのこと。非合法なことも行うという。イサコも暗号屋の1人。
暗号式
暗号屋が使う電脳空間への干渉方法。作中ではしばしば「暗号」と呼ばれる。地面や壁に電脳チョークで暗号式を書くことで、電脳空間や電脳物質に対して干渉を行うことができる。特定の空間を管理外ドメインに偽装することもでき、サッチーやキュウちゃんから隠れることが可能。持ち運びも可能な様子。用途によって強度が違うが、壊れた場合、暴発する(制御不能の状態になる)こともある。
大黒市ではイサコが描いた暗号式の痕跡がさまざまな場所に残されていて、暗号式の意味を知らない子供たちから都市伝説として扱われていた。
暗号炉
イマーゴの力を持つものが使える、イマーゴと直結し思考から直接暗号を取り出すことができる構造体。人間の電脳体に埋め込んで使用する。暗号を暗号炉に吸収することで、その能力を連続して使うことができるようになるが、肉体や神経を傷つけるなどの危険な副作用もある。
ココイル
作中の子供たちの間で人気のテレビアニメ『それいけ!! 惑星ココイル』の登場キャラクター。ヤサコの部屋はココイルの人形、ポスター、時計、クッションなどで埋め尽くされている。オバちゃんの鞄にもストラップがついている[16]

スタッフ

  • 原作・監督 - 磯光雄
  • 監督補 - 安川勝、高橋知也
  • アニメーションキャラクターデザイン - 本田雄
  • 総作画監督 - 井上俊之、本田雄、板津匡覧(第18話 - 第26話)
  • 美術監督 - 合六弘(小倉工房)
  • 色彩設計 - 中内照美
  • 撮影監督 - 大庭直之(レアトリック / 第1話 - 第15話)、泉津井陽一(第16話 - 第26話)
  • 編集 - 定松剛(キュー・テック
  • 音楽 - 斉藤恒芳
  • 音響監督 - 百瀬慶一
  • 音響効果 - 高野寿夫、佐藤秀国
  • 音響制作 - Mediarte
  • 協力プロデューサー
  • アニメーションプロデューサー - 丸山正雄、吉本聡(マッドハウス
  • プロデューサー - 三ツ木早苗(徳間書店)、渡辺繁(バンダイビジュアル)、松本寿子(NHKエンタープライズ)
  • アニメーション制作 - マッドハウス
  • 製作 - 電脳コイル製作委員会(徳間書店、バンダイビジュアル、NHKエンタープライズ)

主題歌

オープニングテーマ

「プリズム」
作詞・作曲・歌 - 池田綾子ソニー・ミュージックレコーズ) / 編曲 - TATOO

エンディングテーマ

「空の欠片(そらのかけら)」
作詞・作曲・歌 - 池田綾子(ソニー・ミュージックレコーズ) / 編曲 - TATOO

歌詞については、オープニングでは表示されるが、エンディングでは表示されない。但し字幕放送では歌詞が表示される。

両曲とも、テレビ版(TV EDIT)は「電脳コイル サントラ音楽集(徳間ジャパンコミュニケーションズ、TKCA-73185)」に収録されている。主題歌シングル(ソニー・ミュージックレコーズ、通常盤:SRCL-6629、初回生産限定盤:SRCL-6626〜7)に収録されているロングバージョンは、両曲とも2 - 3番が付加されているだけでなく、1番の歌詞や編曲もテレビ版とはアレンジが少々異なっている。最終回(第26話)では、そのロングバージョンの「空の欠片」が使用されたが、ボーカルトラックは1番のみでカットされ、そこからラストシーンまでは、同じく主題歌シングルに収録されている伴奏のみの「backtracks」という演出だった。

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督 放送日
1 メガネの子供たち 磯光雄 磯光雄 安川勝 本田雄 2007年
5月12日
2 コイル電脳探偵局 村田和也 5月19日
3 優子と勇子 横山彰利 伊東伸高 5月26日
4 大黒市黒客クラブ 笹木信作 安川勝 板津匡覧 6月2日
5 メタバグ争奪バスツアー 横山彰利 池添隆博 押山清高 6月9日
6 赤いオートマトン 大塚雅彦
松林唯人
木村延景 秦綾子 6月16日
7 出動!! コイル探偵局 磯光雄
宮村優子
笹木信作 野上和男 尾崎和孝 6月23日
8 夏祭り、そして果たし合い 磯光雄 増井壮一 岩崎太郎 新井浩一 6月30日
9 あっちのミチコさん 笹木信作 野上和男 井上鋭 7月7日
10 カンナの日記 平松禎史 向田隆 7月14日
11 沈没! 大黒市 横山彰利 野上和男
高橋知也
井上俊之 7月21日
12 ダイチ、発毛ス 磯光雄 木村延景 秦綾子 7月28日
13 最後の首長竜 村田和也 野村和也 押山清高 8月4日
14 いきものの記録 安川勝 高橋知也 井上俊之 9月1日
15 駅向こうの少年 磯光雄
荒木洋一
松澤洋介
野村和也 安川勝 板津匡覧 9月8日
16 イサコの病室 磯光雄
松澤洋介
深野正明
池添隆博 青柳宏宜 井上俊之
吉川真一
9月15日
17 最後の夏休み 磯光雄
荒木洋一
福田道生
磯光雄
野村和也 井上俊之 9月22日
18 異界への扉 笹木信作 野上和男 秦綾子 9月29日
19 黒い訪問者 磯光雄
松澤洋介
鶴岡耕次郎
磯光雄
木村延景 本間晃
押山清高
秦綾子
10月6日
20 カンナとヤサコ 笹木信作 野上和男
安川勝
板津匡覧 10月13日
21 黒いオートマトン 磯光雄
荒木洋一
笹嶋啓一
野村和也
笹嶋啓一 井上俊之
吉川真一
10月20日
22 最後のコイル 磯光雄
三上幸四郎
村田和也
野村和也
木村延景 押山清高 10月27日
23 かなえられた願い 野村和也 青柳宏宜 本間嘉一
秦綾子
青山浩行
11月10日
24 メガネを捨てる子供たち 磯光雄
松澤洋介
高橋知也 本間晃
押山清高
11月17日
25 金沢市はざま交差点 野村和也 板津匡覧 11月24日
26 ヤサコとイサコ 磯光雄 安川勝
木村延景
井上俊之 12月1日

特集番組

『まだ間に合う! 電脳コイル』
2007年5月18日 19時18分 - 19時43分 (JST)
第1話の再放送。
『電脳コイル アンコール』
2007年6月16日 15時 - 17時
第1話から第5話までの一挙再放送。
『電脳コイル自由研究』
2007年8月25日 18時30分 - 18時55分 NHKエンタープライズ制作
第13話までを振り返り、キャラクターや作中用語などを解説。イサコ役声優である桑島法子とフミエ役声優である小島幸子の2人が司会を務めた。
『電脳コイル総復習』
2007年11月3日 18時30分 - 18時55分 NHKエンタープライズ制作
第1話から第22話までをダイジェストで振り返る総集編。オープニングアニメーション(前半部分のみ放送)はノンクレジットおよび歌詞表示なしだった。
『電脳コイル スペシャル』
2008年1月1日 17時00分 - 18時30分 NHKエンタープライズ制作
全話を90分のダイジェストで振り返る総集編。

画質・画面サイズ

地上デジタルテレビジョン放送
通常は、1125i、16:9ワイド映像のHD放送(高精細度テレビジョン放送)で放送されている。
ただし、2007年6月に放送された1話から5話までの再放送番組「電脳コイル アンコール」ではサブチャンネルであるNHK教育3で別番組が放送されていたため、525i、16:9ワイド放送のSD放送(標準精細度テレビジョン放送)で放送された。
地上アナログテレビジョン放送
アナログ放送では上下に細い黒帯を挿入して、ビスタサイズ(規格上ワイド映像)放送しているが、地上デジタルテレビジョン放送で視聴する場合に比べて、わずかではあるが左右が切れる。
DVD
アナログ放送と比較し、わずかではあるが上下が切れている。

小説

小説『電脳コイル』は、アニメ版の脚本も担当した宮村優子が磯光雄の原作をもとに独自の解釈を加え、小説として書き下ろした作品。宮村優子初の長編小説。アニメ版とはストーリーや設定に異なっている点が多い。第1巻の発売はアニメ版の放送開始よりも先であり、アニメ版では省略された企画段階での原設定なども数多く見られる。

  • 第1巻 2007年4月19日発売 ISBN 978-4-19-850743-5
  • 第2巻 2007年7月20日発売 ISBN 978-4-19-850752-7
  • 第3巻 2007年10月18日発売 ISBN 978-4-19-850760-2
  • 第4巻 2008年1月24日発売 ISBN 978-4-19-850768-8
  • 第5巻 2008年4月15日発売 ISBN 978-4-19-850780-0
  • 第6巻 2008年7月18日発売 ISBN 978-4-19-850793-0
  • 第7巻 2008年12月2日発売 ISBN 978-4-19-850805-0
  • 第8巻 2009年5月2日発売 ISBN 978-4-19-850822-7
  • 第9巻 2009年9月18日発売 ISBN 978-4-19-850835-7
  • 第10巻 2009年12月23日発売 ISBN 978-4-19-850849-4
  • 第11巻 2010年4月1日発売 ISBN 978-4-19-850857-9
  • 第12巻 2010年8月2日発売 ISBN 978-4-19-850864-7
  • 第13巻 2010年11月20日発売 ISBN 978-4-19-850874-6

※上記の発売日は公式サイトの発表に準じる。実際の発売日は地域によって多少異なる。

アニメ版との相違

基本設定の相違

電脳メガネ
有効期間が6年(7歳から13歳の誕生日まで)とされ、期限が切れると使えなくなる。年齢制限により老人のメガばあや5歳の京子は使用できないことになっている。期間中に完全に壊れた場合はそれで終わりとなる。電脳メガネの最初の試作型(マイナスモデル)には欠陥があり、その被験者4人の内で「戻ってきた」のはタマコ1人だけだった。物語が進むにつれ、その後に発売されたモデルでも事件があったことが明らかになる。

人物設定の相違

ヤサコ
西陽海市から転校してきている。ヤサコというあだ名はアニメ版とは異なりフミエに名付けられている。電脳力をつけようと努力しており、その目的はどこかに行ってしまったタラちゃん(後述)を助けるため。タラちゃんが家族ごと姿を消したことで自分を責めている。
イサコ
大黒市に隣接した弁天市から転校してきている。「ドライジンジャー」という粒状の物を、首にかけた銀色のピルケースに入れている。母親と離れて生活している点はアニメ版と同じだが、叔父夫婦とは別に主治医が身元引受人となっている。
フミエ
携帯用扇風機を持ち歩いている(アニメ版でも初期設定には存在していた)。メガビー程度のメタタグならフミエも作れる。ヤサコの無断行動を「裏切り」と叱りつける場面もある。父親の職業はタクシーの運転手。
メガばあ
ヤサコの母方の祖母である(アニメ版では父方の祖母)。小説版の設定上、電脳メガネは13歳の誕生日までしか使えないが、メガばあは自作の「電脳メガネもどき」を着用し、電脳物質をバイナリ情報で見ることができる。
タマコ(オバちゃん)
コイル電脳探偵局の会員番号は四(アニメ版では弐)。小説版の設定上、電脳メガネを使用できる年齢ではないが、違法空間の摘発用に開発された特別仕様の「管理メガネ」を持っている。勤労学生である点はアニメ版と同じだが、小説版では19歳でウェブカレッジの受講生である。今も試作品型メガネを持っていて、残る試作品型メガネの回収を自らの使命としている。
ノブヒコ
本名「梶 信彦」小説版では存命しており、メガマス社で仮想空間の整備、開発をしている会社員。19歳。苗字は違えどイサコの実兄で、彼女をウラで操っていた「声」の正体。いまだ解明されていない「あっちの世界」の中にあるコイル・ドメインへのアクセスを試みているが、電脳メガネを使えないため妹であるイサコにメガネのノウハウを教え、ドメインに潜入させようとしている。普段は優しいが物事、人に対して執着があり、目的のためなら手段を選ばず、唯一の家族であるイサコの命も顧みない冷たい人物。試作品メガネを体験した4人のうちの一人。
猫目
電脳メガネの年齢が過ぎた現在でも能力が使える能力型のメガネ流民。アニメ版とは違いイサコとは接点がなく、代わりにタマコとともに7年前の事故の真相を究明する。現在はメガネ狩りに遭わないようにムジカとともに住む場所を転々としている。父親はタマコらに試験型メガネを与えたコイルス社当時の部長。
ハラケン
ダイチとは昔からの知り合い。イサコには当初から関心を示している。
ダイチ
本名は「沢口大地」(アニメ版では「沢口ダイチ」)。
ナメッチ
料理が得意で合宿では活躍する。物語が進むにつれ、しっかりした面を見せるようになる。
ガチャギリ
転校した経験があり、転校生としての苦労を知っている。口数は少ないが、鋭く油断のならない一面を持つ。
デンパ
基本的には嘘をつかない性格だが、先に約束した秘密を守るためには嘘をつく場合もある。
アキラ
物語が進むにつれ、ガチャギリを兄のように慕うようになる。
京子
小説版の設定上、5歳の京子ではメガネの使用を許される年齢ではないため、着用しているのは素通しのただのガラスである。しかし、電脳メガネ着用者と同じように電脳物質を扱うことができる。
幸乃
アニメ版におけるアイコであるが、名前が異なっている[17]。あだ名は「ゆきりん」。小説版ではヤサコが大黒市に来たときに見つけた電脳ペット「ヘップバーン」の飼い主であり、その捜索をフミエに依頼した。
ヤサコの父
小説版では室長の部下の技術長である。技術的なことがわからない室長と比較して、高い技術力を持っていながら空間管理室のムードメーカーであるところがタマコから好感を持たれている。タマコの規則違反に対しても理解を示す。
マイコ先生
カンナが事故に遭った年にはカンナとハラケンの担任だった。メガネを使用していた弟がいた。
カンナ
コイル電脳探偵局の会員番号は六(アニメ版では言及されていない)。事故の原因は電脳能力が未熟だったイサコに引き起こされたものだった。
タラちゃん
本名「田村未来」(タムラ ミキ)。小説版にのみ登場する。ヤサコの前の学校での友だち。
イイジマさん
本名「飯島聡子」(イイジマ サトコ)小説版にのみ登場する。ヤサコとは別のクラスでクラス委員をしている小学6年生。電脳メガネに依存している子供たちを快く思っておらず、彼らにメガネのない世界は無力だと証明しようとイサコを巻き込み壮大な計画を実行させる。
ムジカ
小説版にのみ登場する。タマコが東陽山で出会った無口な少年。16歳。依存型のメガネ流民だが、依然は「メガネを狩る」側の人間だったが猫目と意気投合し、以後は彼と行動を共にしている。名前は本名ではなく猫目から付けられたあだ名。意味はイタリア語で「音楽」。
由史 (ヨシフミ)
小説版にのみ登場する。試作品メガネを体験した4人のうちの一人。本編では名前のみで一切登場しない。
マリリンマリーン
小説版にのみ登場する。毎週日曜朝10時より放送の大人気バラエティ番組『おねがい! マリリンマリーン!!』の登場人物。

その他の相違

電脳ペット
合法の存在だが、本来は屋外では飼えない。屋外で飼うとサッチーに狙われる。
西陽海(いるひめ)市
引っ越してくる前にヤサコが住んでいた町。大黒市から北に電車で数時間かかる海沿いにある町。
弁天市
引っ越してくる前にイサコが住んでいた町。大黒市の西側の隣であり、その市境付近にバスの墓場がある。
大黒小学校電脳生物部
アニメ版では「ほとんど電脳生物部」だが、小説版では明確に電脳生物部。また、アニメ版とは各小学校の名称が異なる。
電脳オフダ
アニメ版でのメタタグに相当する(小説版でも時々メタタグと表記される)。
暗号つかい
アニメ版での暗号屋に相当する。
はざま交差点
大黒市の町外れにある(アニメ版では金沢市)。カンナが亡くなった場所であり、イサコがヘップバーンを囮にイリーガルを誘き出す罠を仕掛けた場所でもある。

漫画

小学館漫画雑誌ちゃお』2007年8月号に、別冊付録という形で漫画化された。作画は久世みずきが担当。久世みずきによる独自の解釈を含んだオリジナルストーリーとなっている。続編が加筆されたものがちゃおコミックスで単行本化され、2007年10月31日に発売された(ISBN 978-4-09-131265-5)。アニメ版よりもダイチやヤサコの恋愛描写は強く見られる。アニメ版を基本にしているが、電脳体だけでなく現実の体をテレポーテーションできる「リンクス」など、アニメで用いられることのなかった、アニメの初期設定から引用した[18]設定もしばしば登場する。

ブラウザゲーム

電脳コイル 放課後探偵局
2012年1月25日にゲームチューでサービスを提供した株式会社ゲームオンによるPC用ブラウザゲーム[19]
2013年7月12日をもってサービスを終了した。

モバイルアプリ

電脳コイル(iPhoneアプリ)
アニメ本編の各ストリーミングパックに加えて、自分の声でキャラクターのセリフを録音できる「アニレコ」、特典待ち受け画像を収録したアプリ。
pin@clip-ピナクリ(iPhoneアプリ)
電脳コイルとコラボした「渋谷メタバグ探検ツアー」が2009年12月26日から2010年1月24日まで実施された。「メタバグpin」を集めるためにアプリ起動させて街を歩くAR機能を使ったイベント。

ブログパーツ

  • デンスケをモチーフにしたブログパーツが、サントリーC.C.レモン」のページで2007年12月20日まで提供されていた。

携帯サイト

携帯公式サイト「電脳コイルモバイル」が、株式会社アールアールジェイより配信されている。アクセス方法は以下のとおり。

  • i-mode - iMenu⇒メニューリスト⇒待受画面/iアプリ待受⇒アニメーション / マンガ⇒電脳コイルモバイル
  • EZweb - EZトップメニュー⇒カテゴリで探す⇒待受・画像・キャラクター⇒アニメ・コミック⇒電脳コイルモバイル
  • Yahoo! ケータイ - Yahoo! ケータイ⇒メニューリスト⇒壁紙・待受⇒アニメ・マンガ⇒電脳コイルモバイル

関連項目

参考資料

書籍

  • 『電脳コイル キャラクターブック』小学館、ISBN 978-4-09-280061-8
  • 『電脳コイル アクセスガイドBOOK』徳間書店、ISBN 978-4-19-720251-5
  • 『ロマンアルバム 電脳コイル』徳間書店、ISBN 978-4-19-720253-9
  • 『電脳コイル ビジュアルコレクション』徳間書店、ISBN 978-4-19-720256-0
  • 『電脳コイル 企画書』徳間書店、ISBN 978-4-19-862613-6

絵コンテ集

  • DVD初回限定版(全9巻)の各巻に絵コンテ集が付属している。
    • バンダイビジュアル、BCBA-3028〜3036

脚注

  1. 優秀賞 - 電脳コイル | 受賞作品 | アニメーション部門 | 第11回 2007年 | 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品
  2. 実際には、作中の背景画の中に「2026年」の文字が何度も登場するので、具体的な時代設定は2026年であるとわかる。
  3. 3.0 3.1 本放送第8話での生年月日の描写には「2015年」とあり、放送中に発売された関連書籍にもそう記されていた。しかし、それでは年齢の計算が合わず、発売されたDVDでは「2014年」にリテイクされ、放送完結後に発売された関連書籍の中でも2014年と記されている。
  4. 第4話で「ナメカワ」と呼ばれている。また第12話の絵コンテに描かれた欠番カットでは、自宅の表札に「滑川」と書かれている。
  5. 本放送の第24話と第25話とで背負っているランドセルが異なっているが、第24話でのランドセルが第3話以前のヤサコのランドセルと同一であり、それが、設定資料によれば金沢での学校での制服の一部であることから、第24話でのランドセルのほうが正しい。第25話でのランドセルは、発売されたDVDではリテイクされている。
  6. 「内久根」は、作中のカンナの日記に書かれていた名。これがウチクネの漢字表記である可能性が高いが、作中に具体的な関連の描写は無い。
  7. 「小此木宏文」は、作中の電子文書中に書かれていた名。作中に具体的な関連の描写は無いが、これがオジジの本名であると絵コンテ中に記されている。
  8. 作中で名称が呼ばれたことは一度も無く、放送中に発売された関連書籍の中では「名称不明のペットマトン」と記されていた。のちに発売されたDVD付属の絵コンテ集によって初めて名称が明らかになり、放送完結後に発売された関連書籍やDVD等には「モモコ」と明記されている。
  9. 書籍等には「違法電脳体駆除ソフト」と記されているものが多いが、その呼称が作中で呼ばれたことは無く、単に「ウイルス駆除ソフト」と呼ばれている。
  10. サーチマトンを数える単位は、絵コンテ・関連書籍の中でも「機」「基」「体」等さまざまであり、統一されていない。
  11. この音声や「サッチー」という愛称はすべてヤサコの父、一郎が考えたもの。
  12. 「ドメイン」について作中で説明されていないものの、特定の権限を持つもののみアクセス可能な電脳空間といえる。
  13. 絵コンテ中では「フォーマットマトン」・「フォッチー」・「キューブ」とも記されている。他に、雑誌・書籍等では「新型サッチー」・「新型ウイルス駆除ソフト」・「新型サーチマトン」・「新型サッチー2.0」・「フォーマットマトン2.0」等とも記されている。作中でも第22話にてヤサコが「新型サッチー」と呼ぶ場面がある。また第23話の字幕放送では「キューブ」と呼ばれている。
  14. このメタタグの名称は、DVD第1巻限定版に封入されているブックレットにのみ記載されている。
  15. アニメ版のオープニングとエンディングにも描かれている。
  16. 名称はヤサコの部屋に貼られたポスターから読めるのみで、セリフ中では一度も呼ばれないが、各話に何度も登場している。
  17. 名前が変更された理由は、公式サイト上に著者自身が記している。
  18. 久世みずきのブログ 2007年7月7日 9:28:18(2008年5月23日閲覧)
  19. 人気アニメ「電脳コイル」のブラウザゲーム『電脳コイル 放課後探偵局』本日より正式サービス開始!|MMO総合研究所(2011年1月25日閲覧)

外部リンク

NHK教育テレビ 土曜18:30枠
前番組 番組名 次番組
ツバサ・クロニクル 第2シリーズ

(再放送)
※18:25 - 18:50
電脳コイル

(再放送)

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