宮城県美術館
宮城県美術館(みやぎけんびじゅつかん)は、仙台市都心部の西、広瀬川右岸の文教地区にある宮城県立の美術館である。敷地内は、本館の常設展・特別展会場および別館の佐藤忠良記念館(さとうちゅうりょうきねんかん)展示室が有料であるが、その他の本館・別館内や中庭・庭園は公共空間であり、無料で入ることができる。
設計は、本館が前川國男建築設計事務所、佐藤忠良記念館が大宇根建築設計事務所。建設省の公共建築百選に選ばれている。BCS賞も受賞。
概要
地元である宮城県および東北地方に縁の深い、明治維新以降の絵画・版画・彫刻・工芸作品を中心にコレクションしており、さらにカンディンスキーやクレーらの作品も収蔵している。ほか、具体美術協会の作品45点、随筆『気まぐれ美術館』で知られる画廊主・随筆家洲之内徹の洲之内コレクション、長岡現代美術館を運営していた旧大光相互銀行(現大光銀行)の大光コレクションも有名。また、佐藤忠良の作品を展示する別館が、本館西隣に開館している。
これらの作品を展示する常設展および年に数回の特別展が企画されるほか、併設されている県民ギャラリーにおける一般市民の展示発表も活発である。また、館内の創作室や設備を開放して随時創作指導等を行なっており、ただ鑑賞するだけではない幅広い芸術活動を支援している。これは、開館時に掲げた理念の「見るだけでなく新しい自分を発見する美術館」[1]を踏襲したものである。
年間総観覧者数は、都道府県立美術館基本調査票によると、2002年度が19.9万人、2003年度が17.1万人、2004年度が17.4万人となっており、全国の都道府県立美術館56館中9位か10位の集客力となっている[2][3]。観覧者以外の利用客も含めた近年の年間入館者数は約25万人[4]。
沿革
当館の地は、江戸時代には仙台藩の仙台城二の丸であった。戦前には、大日本帝国陸軍第2師団隷下の野砲兵第2連隊の軍用倉庫が置かれた。GHQ占領期にはGHQの仙台キャンプとして使用された。
- 1981年11月3日:本館が開館。
- 1983年:第24回BCS賞受賞。
- 1990年6月1日:別館の「佐藤忠良記念館」が開館、「アリスの庭」設置。
- 1998年:公共建築百選に選出。
- 2007年11月26日~2008年10月6日:開館25周年を機に、国際レベルの美術品保存と省エネを両立した空調設備に更新するため休館。
- 2008年10月7日:改修工事が完了。仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに合わせてリニューアルオープン。
施設
利用情報
- 開館時間 - 9:30~17:00
- 休館日(以下以外にも臨時休館あり)
- 観覧料(団体割引・障害者割引などあり)
施設構成
- 本館
- 2階
- 展示室(3-4)
- 1階
- 本館エントランスホール(コンサートなども開催)
- 展示室(1-2)
- 創作室
- 造形遊戯室
- 講堂
- 図書室
- 映像室
- レストラン「カフェモーツァルト フィガロ」
- ミュージアムショップ
- 地下1階
- 県民ギャラリー(1-2)
- 佐藤忠良記念館
- 1階
- 展示室(5-9)
- コーヒーショップ「カフェモーツァルト パパゲーノ」
- 地下1階
- アートホール
- 庭園
- 前庭
- 中庭(コンサートなど開催)
- 北庭
- アリスの庭
恒例のイベント
- ジャズ イン ミュージアム
- 定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台のタイアップステージ。中庭で開催。
- クラシック イン ミュージアム
アクセス
- バス:東日本旅客鉄道(JR東日本)仙台駅バスのりばより「二高・宮城県美術館前」バス停下車
- 無料駐車場:普通車用100台分、大型バス用5台分、身体障害者用5台分
- 無料駐輪場
- 仙台市地下鉄東西線・国際センター駅および川内駅が当館に近接している。
- 東北自動車道
周辺
- 仙台市博物館
- 仙台国際センター
- 青葉山公園
- 西公園
- 広瀬川
- 仙台城
- 東北大学川内キャンパス
- 宮城県仙台第二高等学校
- 青葉山観光駐車場(普通車200台駐車可。200円/時間)
- 川内庭球場
- 仲の瀬緑地運動広場
- 仙台西道路(敷地地下を川内トンネルが通る)
脚注
- ↑ (9) 宮城県美術館開館(河北新報「ニュースの記憶~仙台圏・あのころ」)
- ↑ 第1回新潟県立美術館外部評価検討委員会 資料(新潟県)
- ↑ 提言:評価と経営の確立に向けて(静岡県立美術館評価委員会)
- ↑ 宮城県美術館(宮城県観光データブック)
関連項目
外部リンク