安倍川

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ファイル:Shizuoka 20120929 a.jpg
安倍川と静岡市街

安倍川(あべかわ)は、静岡県静岡市葵区および駿河区を流れる河川一級水系安倍川の本流である。清流としても有名で[1]、その伏流水は静岡市の水道水にも使われている。大河川でありながら本流・支流にひとつもダムが無い珍しい川である[2]

よく見聞きする表記として「安川」や「あべわ」があるが、これらは誤りである。

安倍川のたもとで売られている名物に「安倍川もち」があるが、地元以外では餅に黄な粉をまぶして食べる食べ方を単に「安倍川」と呼ぶことがある。

地理

静岡県と山梨県の境にある、大谷嶺・八紘嶺・安倍峠に源を発する。源流の大谷嶺(標高約2,000m)の斜面は「大谷崩れ(おおやくずれ)」とよばれ、長野県の稗田山崩れ、富山県の鳶山崩れとともに日本三大崩とされている。流域のすべてが静岡市内であり、下流部の藁科川と合流する付近では「舟山」という川中島が見られ、市街地の西側を流れて駿河湾に注ぐ。

糸魚川静岡構造線が近くを通っており、当河川付近に、東西で地質構造が大きく異なる境界もある。

歴史

  • 1335年 - 南北朝時代足利尊氏新田義貞が争った手越河原の戦いが起きる。
  • 江戸時代初頭 - 徳川家康によって天下普請として大規模な治水工事が行なわれ、現在の流れとなる。それ以前は、藁科川とは別の流れで複数の川筋となって駿河湾に注いでいたが、大規模な治水工事によって、藁科川と合流するようになった。現在の合流地点より下流は藁科川の川筋だったと言われている。特に薩摩藩によって安倍川左岸に築かれた堤防は薩摩土手とよばれ、現在でも一部残存している(新しい堤防がより内側に築かれたことにより、現在は、旧薩摩土手のほとんどは道路になり「さつま通り」と呼ばれている[3])。
  • 2008年 - 環境省から「平成の名水百選」に選定される[4]
  • 2017年6月 - 雨量が極端に少なく、上旬から、河道が途切れる「瀬切れ」が発生(狩野橋付近から安西橋付近まで)[5]

主な支流

ファイル:Abe River 20120929.jpg
上流方向を望む。手前は藁科川との合流地点。
安西橋、安倍川大橋、狩野橋、安倍川橋(高速道)/葵大橋(中央から奥へ順に)

主な橋梁

ファイル:Abekawa train bridge.jpg
東海道線(左)と新幹線(右)の橋梁間から葵タワーを望む

脚注

  1. 平成18年 全国1級河川の水質現況(国土交通省) (PDF)  (安倍川の水質結果は23ページに掲載)
  2. 長良川がダムの無い川として有名だが、長良川の支流には高さ100mを超える巨大な堰堤を持つ川浦ダムがある
  3. 静岡県道354号静岡環状線の一部区間
  4. 「平成の名水百選」 一覧表 (PDF)”. 「平成の名水百選」の発表及び認定書交付式の開催について. 環境省. p. 2 (2008年). . 2017閲覧.
  5. 安倍川に「瀬切れ」発生 空梅雨、生態系に影響懸念 静岡 (2017/6/16 08:15) - @S(静岡新聞社・静岡放送)、2017年6月閲覧

関連項目

外部リンク