ゴジラ FINAL WARS
ゴジラ FINAL WARS | |
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GODZILLA FINAL WARS | |
監督 | 北村龍平 |
脚本 |
三村渉 桐山勲 |
製作 | 富山省吾 |
出演者 |
松岡昌宏 (TOKIO) 菊川怜 ドン・フライ 水野真紀 北村一輝 ケイン・コスギ 水野久美 佐原健二 船木誠勝 長澤まさみ 大塚ちひろ 泉谷しげる 伊武雅刀 國村隼 宝田明 |
音楽 |
キース・エマーソン 森野宣彦 矢野大介 |
撮影 |
古谷巧(本編) 大川藤雄(特撮) |
編集 | 掛須秀一 |
配給 | 東宝 |
公開 |
2004年12月4日 2005年8月31日 |
上映時間 | 125分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語・英語・中国語 |
製作費 | 20億円 |
興行収入 | 12億6000万円[1] |
前作 | ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS |
次作 | シン・ゴジラ |
『ゴジラ FINAL WARS』(ゴジラ ファイナル ウォーズ)は、2004年(平成16年)12月4日に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第28作である。
キャッチコピーは、「さらば、ゴジラ。」(告知用ポスター、本ポスター)「シリーズ50年の集大成 最高峰にして最終作」(告知用ポスター、本ポスター)「“闘い”に挑む男――」(松岡昌宏ver.ポスター)「“闘い”を導く女――」(菊川怜ver.ポスター)「“闘い”を司る男――」(ドン・フライver.ポスター)「“闘い”を仕掛ける男――」(北村一輝ver.ポスター)。
Contents
概要
第3期ゴジラシリーズ(ミレニアムシリーズ)の第6作で、ゴジラ生誕50周年作品であり、ゴジラシリーズの最終作と銘打たれた[注 1]。ゴジラ生誕50周年作品を作るに際し、2003年の早い時期から[2]著名な小説家、漫画家なども招いて3本ほどの具体的な企画が作られた[3]が、本当に新しいゴジラ映画、誰も知らないゴジラ映画は今現在の技術では作れないという結論に達し[2]、その結果として、今現在で確保できる限りの最高の条件を揃え、シリーズ集大成となる最高の「ゴジラ映画」を作り上げてゴジラシリーズを締めくくることとなった[4]。
本作の時代設定は近未来の「20XX年」とされ、怪獣たちと戦う地球防衛軍が存在する。
歴代の人気怪獣総出演というのが売りの1つで、ゴジラを含めて『怪獣総進撃』を超える合計15体の怪獣のほか、轟天号やX星人も登場し、東宝特撮を総括する集大成となった。ゴジラ映画では珍しい人間側のアクションシーンが多く取り入れられたうえ、怪獣のアクションシーンも従来のゆっくりとした動きではなく、「戦うゴジラを描く」というコンセプトのもとで軽量化された着ぐるみとワイヤーアクションやCGを駆使したアグレッシヴな動きで表現されるなど、新たな試みがなされた[5]。製作の富山省吾は、本作のテーマを「ゴジラ愛」「怪獣愛」というものになるだろうという旨の発言をしている[2]。
最終作と銘打った本作を製作するに際し、富山は本作を「これ以上の『ゴジラ』は作れない」という作品にするため[4]、「アメリカ映画に何のコンプレックスもない新しい世代のクリエイター」として怪獣映画は初となる北村龍平に監督を依頼した[5]。そのほか、寺田克也、韮沢靖、新川洋司、キース・エマーソン、カイル・クーパーなどの新メンバーが加わり、製作費20億円、製作日数100日、史上初の4班(本編班、特撮A班、特撮B班、海外班)体制での撮影など、歴代ゴジラ映画史上最大の規模で制作された。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』以来恒例となっていた劇場版『とっとこハム太郎』との併映ではなく単独作品として公開され、上映時間もシリーズ最長の125分となっている。
本作品では全編に渡って日本語と英語、さらには中国語などの多数の言語が入り混じっているため、字幕版と日本語吹き替え版の2バージョンが存在する。劇場公開時は吹き替え版が採用されていたが、一部の劇場では「ワールドプレミア・ヴァージョン」として字幕版の上映が行われていた(ソフト版では両方視聴可能)。
ゴジラシリーズ唯一のドルビーデジタル・サラウンドEX(6.1chサラウンド)作品でもある。
興行・評価
興行収入は12億6,000万円という結果となり、観客動員数も歴代ゴジラ28作品中ワースト3位の100万人にとどまり、目標としていた「シリーズ観客動員数1億人」を達成することはできなかった[注 2]。
2004年の文春きいちご賞第6位を記録した。
2005年12月30日には、登場怪獣の個体名表記が追加された特別編集版『怪獣キング決定戦! 地上最強シネマスペシャル』としてテレビ東京系で地上波初放映された。
2016年8月3日に『シン・ゴジラ』上映に関連し、『午後のロードショー』(テレビ東京)の「日米ゴジラ対決!」のファイナルとして2005年以来の放送となった。
国外
本作の公開直前に、ゴジラは日本のキャラクターとして初めてハリウッドの「ウォーク・オブ・フェイム」に殿堂入りを果たした[7]。
毎年恒例となっていた東京国際映画祭で特別招待作品としての上映はなかったものの(製作の富山省吾は、11月中旬が完成の目標であるため、出品に間に合わないだろうと発言している[2])、現地時間2004年11月29日の昼、ハリウッドのグローマンズ・チャイニーズ・シアターにおいてシリーズ初となるワールドプレミアが敢行された[8]。これは、チャイニーズ・シアターでの日本映画初のワールドプレミアでもあった[9]。
また、国外興行については以下の通り。
- 劇場公開
- 台湾:2005年6月
- 欧州・仏語圏:2005年8月
- 欧州・独語圏:2006年5月
- DVD発売
- 中国、インドネシア:2005年6月
- 米国:2005年12月
- オーストラリア:2006年3月
ストーリー
西暦20XX年。世界中で核実験や戦争が頻発した結果、眠っていた怪獣たちが目覚め、人類に牙を剥いた。これに対抗するため、国連は地球防衛軍を結成すると同時に、一般の人類より優れた能力を持つミュータントたちによる部隊「M機関」を組織した。人類の最大の敵こそ、1954年以降世界を恐怖に陥れた怪獣王・ゴジラであったが、南極で交戦した轟天号によってゴジラは氷塊の中へ封じ込められた。
それから20年後、地球防衛軍の最新鋭艦である新・轟天号は、ノルマンディー沖の海底にてマンダを撃退するが、艦の損傷は激しく、艦長のダグラス・ゴードン大佐はこの一件で本部より軍法会議に処せられてしまう。その後、M機関の隊員である尾崎真一は、国連から派遣された科学者・音無美雪の護衛として、北海道沖にて発見された怪獣のミイラの調査に向かう。
その頃、日本人初の国連事務総長である醍醐の乗った飛行機が消息を絶ち、それを契機として世界中に大量の怪獣が同時に出現した。苦戦する地球防衛軍の前で突如怪獣が消滅し、巨大なUFOが東京上空に出現する。中からは醍醐が姿を現し、X星人と名乗る宇宙人に救出されたと話した。X星人は地球に妖星ゴラスが迫っていると危機を呼びかけ、友好の証として怪獣を消滅させたのだという。これにより、世界はX星人との友好ムード一色となる。
しかし、X星人の友好的態度に疑問を持った尾崎と美雪は、幽閉中であったゴードン大佐を味方に引き入れ、美雪の姉・杏奈が司会を務めるテレビ番組において、友好の裏で地球の乗っ取りを進めるX星人の企みを看破する。焦りを見せたX星人の司令官を参謀が射殺して自らが新たな統制官となり、地球人を家畜呼ばわりして地球の武力制圧を宣言する。また、X星人によって消滅を偽装されていた怪獣たちが再び姿を現し、都市を蹂躙して地球防衛軍の空中戦艦をことごとく沈めていく。さらにミイラと化していた怪獣ガイガンまでもが復活し、地球は崩壊の危機を迎える。
ゴードンは尾崎らを引き連れ、地球防衛軍の地下ドックにある新・轟天号に乗り込む。南極の氷塊からX星人も予想していなかったゴジラを復活させようという賭けは、下手をすれば自分たちに牙を剥きかねない危険なものであったが、新・轟天号は発進した。かくして、最終作戦「オペレーション・ファイナルウォーズ」が発動される。
一方、少年の健太は富士山麓で友好的な子供怪獣ミニラと出会い、ともにゴジラのもとへ向かう。
登場怪獣
- ゴジラ
- モンスターX→カイザーギドラ - 本作唯一の新怪獣。隕石の妖星ゴラスとなって地球に飛来。モンスターXがダメージを受けるとカイザーギドラに変身する。
- マンダ - ゴジラとの交戦はなく新・轟天号に撃破される。
- ジラ - ハリウッド映画『GODZILLA』(1998年)に登場したエメリッヒ版ゴジラをオマージュしたキャラクター。エメリッヒ版ゴジラとは同一個体ではない。
- ガイガン
- ラドン
- アンギラス
- キングシーサー
- カマキラス
- クモンガ
- ミニラ
- エビラ
- モスラ - 本作唯一の人類に味方する怪獣。
- ヘドラ
これ以外にも、オープニングではバラン、ゲゾラ、バラゴン、ガイラ、チタノザウルス、メガギラスがライブフィルムで登場している。
登場人物
- 尾崎 真一
- 本作の主人公。特殊能力を持つ地球防衛軍M機関のミュータント兵の1人。階級は少尉。兵士としては非常に優秀だが、優しさを捨て切れないある意味甘い性格でもある。しかし、「優しさがなくて一体何を守れる」という強い信念を秘めている。新・轟天号では兵器管制を担当。美雪曰く「筋肉バカかつ軽薄」。ゴードンたちと共に新・轟天号に乗って、X星人に戦いを挑む。
- 実はミュータントの中でもほんのわずかな確率(数百万単位の確率)で誕生する最強の存在「カイザー」で、X星人統制官によって覚醒し、ゴードンたちに襲い掛かってしまうが、美雪によって自我を取り戻し、完全に覚醒したカイザーの力で統制官を倒し、カイザーギドラに苦戦するゴジラにエネルギーを分け与える。
- なお、劇中で一度も「ゴジラ」の名を口にしていない。
- 音無 美雪
- 国連から派遣された分子生物学者。とても科学者とは思えないモデルのような服装をしており、自身の護衛に付いた尾崎から「高学歴かつモデル気取り」と評されるものの、X星人との戦いの中で深く信頼しあっていく。北海道沖で発見されたガイガンのミイラから、ミュータント同様の未知の塩基「M塩基」を発見する。やがて彼女の研究は、人類とX星人の驚愕の関係を暴くことになる。
- 戦闘には長けていないが、尾崎たちと共に新・轟天号へ搭乗し、X星人と戦う行動的な女性である。
- ダグラス・ゴードン
- 地球防衛軍戦艦「新・轟天号」艦長。階級は大佐。終始一貫して英語で会話する。豪快で破天荒な性格だが、部下からの信頼は厚い。日本刀を愛用し、地球人を遥かに上回る身体能力でX星人をも凌駕する、驚異的な肉体を誇る。物語冒頭の南極での死闘時には新兵として轟天号に乗り込んでおり、ミサイルで雪崩を発生させてゴジラを生き埋めにする。対マンダ戦では新・轟天号を沈没寸前に追い込みながらもマンダを撃破するが、こうした無茶な行動により軍法会議に掛けられた挙句、上官を殴って懲罰房行きになる。皮肉にもこれが原因でX星人に気付かれず、入れ替わられずに済む。彼の場合は部下から信頼が厚いため、外側から施錠されることはない[10][注 3]。尾崎の依頼でX星人の本性を暴き、地球総攻撃を開始したX星人と怪獣達に対処すべく、「地球最強の兵器≒ゴジラ」を蘇らせることを決意する。
- 音無 杏奈
- 美雪の姉で日東テレビのキャスター。宇宙連合を唱える醍醐の態度に疑問を抱き、彼の血液を手掛かりとして、ゴードン達と共に醍醐の正体がX星人であることを突き止める。愛犬の名前は「キャンディ」。
- X星人参謀(後に統制官)
- X星人司令官に仕える参謀。好戦的で残忍で、自身が差し向けた怪獣たちがゴジラに次々と倒されるのを見て大人げなく憤慨する幼児性も持ち、地球人のことを家畜と見なす。実は尾崎同様、ミュータント最強の存在「カイザー」の1人で、驚異的な戦闘能力のほか、手をかざすことでミュータントを操ったり、尾崎のカイザーの力を覚醒させる光線を放つなどの特殊能力を持ち、更に日本語だけでなく英語も流暢に話せる。
- 司令官の穏健路線には反対しており、陰謀が露呈した際にはクーデターを決行。司令官を射殺して統制官となり、ガイガンを蘇らせて世界中に怪獣達を投下し、無数の小型戦闘機を放って地球総攻撃を開始する。しかし南極で復活したゴジラの活躍により怪獣達が全滅し宇宙からモンスターXを呼び寄せた後、マザーシップ内で尾崎と死闘を繰り広げた末に敗れるが、マザーシップを自爆させ自害。
- 風間 勝範
- 尾崎と同じく地球防衛軍M機関のミュータント兵の1人。階級は少尉。何故か日本語と英語を使い分けて話す。字幕版では自分はベジタリアン、吹き替え版ではエビは苦手だと倒したエビラに向かって告げるユーモアがある一面も持つ。新・轟天号では操舵手を務める。戦うことを自分の使命だと思い込み敵を倒すことを優先するその考えは、人を守ることを第一に考える尾崎とは時に反発する。統制官に操られたが、尾崎に解放されて新・轟天号に乗せられる。
- 最終決戦では尾崎への借りを返すべく、ドッグファイターでX星人のマザーシップ内部のバリア発生装置へ捨て身の特攻を行い死亡するが、防御バリアを消滅させることに成功する。
- 波川 玲子
- 地球防衛軍の司令官。世界中に出現した怪獣との戦闘の指揮を執る。醍醐や国木田と同様、X星人に捕らえられていたが最後はゴードン達と共に新・轟天号で脱出する。
- 役名は、演じる水野が『怪獣大戦争』で演じたX星人の女性「波川」に由来。
- 神宮寺 八郎
- 防衛博物館の主任の古代生物学者。北海道で発見されたガイガンの謎を美雪と共に究明し、妖星ゴラスがX星人の作り出した立体映像であることを暴く。
- 役名は、かつて田中友幸が用いたペンネームに由来[11]。
- 熊坂
- 地球防衛軍M機関でミュータント兵の訓練指導をする教官。自身はミュータントではないが、ほぼ互角の身体能力を持つ。尾崎たちをかばい、統制官に操られたミュータント部隊と戦う。戦いには勝つが、致命傷を負って倒れ、発進する轟天号を見届けながら高らかに笑い続けている。その後は生死不明[注 4]。
- 小美人
- インファント島に住むモスラの小美人[注 5]。ガイガンのミイラを調査する尾崎達の前に姿を現し、1万2000年前のガイガン襲来を教え、X星人の血を受け継ぐ尾崎にインファント島のお守りを渡す。
- 国木田
- 地球防衛軍高官。階級は少将。醍醐や波川と同様、X星人に捕らえられるが、ゴードンたちと共に母船からの脱出を試みる。
- 田口 健太
- 左門の孫。富士山中で左門に猟銃を向けられたミニラを助け、左門と共に東京へ向かう。ミニラの名付け親でもある。ラストシーンでは、ミニラと対になる形で重要な役割を演じることになる。
- 田口 左門
- 富士山麓で猟師として暮らす老人。世界中で怪獣たちが暴れ回っている間、山中で偶然ミニラと遭遇。孫の健太と共に、ミニラを連れてゴジラの後を追い、東京へ向かう。
- X星人司令官
- X星人の全権代表。表向きには地球人類に妖星ゴラスの接近の危機を警告し、怪獣達を消滅させて友好的宇宙人として欺きながら、その裏側では穏健路線のやり方で地球制圧を進めるが参謀はこれに反発していた。その後テレビに出演した際尾崎たちによって放送中に陰謀が露呈してしまい、弁解しようとした直後参謀によって射殺される。
- 小室
- 地球防衛軍高官で、新・轟天号の副艦長。階級は少佐。冷静沈着な人物で、ゴードンのサポートを行う。
- 醍醐 直太郎
- 日本人初の国連事務総長。事務総長専用機で移動中、ラドンに襲われてX星人の母船へ幽閉される。その間に偽者が宇宙連合を唱え、友好目的と人類を欺きながら周りの人間をX星人に入れ替えていく。最終決戦では何とか脱出しゴードン達に協力し新・轟天号に搭乗する。昔は「百発百中」と言われた男らしいが、これは演じる宝田の主演作の一つ『100発100中』に由来。愛犬の名前は「クリント」で、杏奈との対談でも話題にするほど気さくな愛犬家でもある。
登場兵器
地球防衛軍
空中戦艦
- 新・轟天号、旧・轟天号
- "「轟天号#ゴジラ FINAL WARS」"
- エクレール
- 地球防衛軍の空中戦艦。パリでカマキラスと戦闘する。X星人による総攻撃の中、カマキラスとの再戦にて機体に取り付かれ敗北、撃墜される[注 6]。艦長は寡黙な白人女性だが、乗組員の多数は日本人である。
- 全長:100メートル
- 全高:30メートル
- 重量:9,000トン
- 武装
- メーサー大鉄球
- MA-PM020 20式対怪獣プロトンミサイル
- 小型プラズマメーサービーム砲
- 火龍(かりゅう)
- 地球防衛軍の空中戦艦。上海でアンギラスと対決する。X星人による総攻撃の中、再戦でアンギラスの暴龍怪球烈弾によって撃墜される。李翔(リー・シャン)大佐を艦長とするが、乗組員の多数は日本人である。
- 全長:120メートル
- 全高:30メートル
- 重量:7,500トン
- 武装
- 龍剣高電子砲(ブレードメーサー)
- MA-PM020 20式対怪獣プロトンミサイル
- 小型プラズマメーサービーム砲
- ランブリング
- 地球防衛軍の空中戦艦。ニューヨークでラドンと対決する。X星人による総攻撃の中、ラドンとの再戦で後方から奇襲を受け、撃墜される。
- 全長:100メートル
- 全高:30メートル
- 重量:7,500トン
- 武装
- マグナムメーサーキャノン
- MA-PM020 20式対怪獣プロトンミサイル
- 小型プラズマメーサービーム砲
その他
- ドッグファイター
- 地球防衛軍の戦闘機で、空中戦艦新・轟天号の艦載機。劇中ではミュータント隊員の風間勝範が使用。その操縦テクニックでX星人の母艦のバリアを内部から破るのに成功したが、その代償として機体が破損し、バリア発生装置に特攻する形で機体は失われている。なお、デザイン画では火龍にも艦載機発進ギミックが存在した[12]。
- 全長:15メートル
- 重量:30トン
- 武装:エネルギー弾
- EDF戦車
- 地球防衛軍の主力戦車。冒頭では、南極でのゴジラ迎撃でメーサー車と共に陸上部隊として出動するが、映像で映っているのはメーサー車共々ゴジラにより破壊された残骸だけである。本編では東海コンビナートを襲撃したエビラに砲撃を加えたが、こちらもエビラにより甚大な被害を与えられ壊滅している。外見はルクレールやチョールヌイ・オリョールに類似している。
- 90式メーサー殺獣光線車
- 地球防衛軍のメーサー車。南極におけるゴジラ迎撃にEDF戦車と共に参加したが、劇中には破壊された残骸のみが登場している。『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に登場した特生自衛隊の車両との関連性は不明。
- メーサーライフル[13]
- M機関のミュータント兵が、対怪獣戦で使用する重火器。銃身は、射撃の際にガトリング銃のように回転し、無数の光弾を発射する。一見、今までのメーサー兵器と比べると小さくて頼りなく見えるが、その威力は一点に集中すれば、エビラの殻をも吹き飛ばすほどである。
- 作中では尾崎と風間が使用し、集中砲火でエビラのハサミや目を粉砕する。
X星人
- X星人マザーシップ[14]
-
- 直径:1000メートル
- 重量:不明
- X星人が乗ってきた母艦で、巨大な球形をしている。下部に3機の中型艦が連結しており、最上部と最下部には戦闘機発進用のハッチがある。
- 武装の有無は不明だが、全体に強力なバリアが張り巡らされているため外からの攻撃は困難。
- 最後は統制官の自爆という形で破壊される。
- 大爪形態UFO[14]
-
- 全長:700メートル
- 最大高:350メートル
- 重量:不明
- 武装:テレポートフレアー[14]
- 母艦の下部に連結している爪のような形状の中型艦。α、β、γと全部で3機存在し、作戦行動時には母艦から分離して移動する。
- 劇中では下部から転送光線を放ち、操っている怪獣の移送および回収を行う。
- X星人小型戦闘艇[14]
-
- 全長:15メートル
- 全高:7メートル
- 重量:不明
- 武装:ゲルデックス・レィザァ[14]
- X星人が操る小型の戦闘機で、これも爪のような形をしている。母艦内に大量に搭載されており、戦闘時には母艦の上部と下部にあるハッチから発進する。下部にレーザー機銃を装備し、これで標的を攻撃する。
- 劇中では操った怪獣達と共に世界の主要都市を次々と破壊し、さらに母艦に突撃してきた新・轟天号にも攻撃を加えた。
設定
- 地球防衛軍
- "「東宝特撮映画の怪獣対策組織#地球防衛軍」"
- M機関
- "「東宝特撮映画の怪獣対策組織#M機関」"
- インファント島のお守り
- 小美人から尾崎に託された掌大の十字架。のちに美雪は尾崎からこれを預かり、彼が統制官に洗脳されゴードンたちに襲い掛かってしまった際に尾崎の首筋に突きたて、尾崎を救う。
- M塩基
- X星にありふれているといわれるX星人やガイガン、そしてミュータントが保有している特殊塩基。遥か昔に地球に来訪したX星人が地球人と交配したことによって、地球人を大きく上回る身体能力を持つミュータントが誕生したといわれている。この塩基はテレパシー能力に強く作用する性質があるため、X星人はM塩基が埋め込まれた他の生物を思うがままに操ることが可能となっている。ただし、ゴジラにはM塩基を注入してもG細胞が破壊するため操ることはできない。
キャスト
- 尾崎真一:松岡昌宏(TOKIO)
- 音無美雪:菊川怜
- ダグラス・ゴードン大佐:ドン・フライ(吹き替え:玄田哲章)
- 音無杏奈:水野真紀
- X星人参謀/統制官:北村一輝
- 風間勝範:ケイン・コスギ
- 波川玲子:水野久美
- 神宮寺八郎:佐原健二
- 熊坂教官:船木誠勝
- 小美人:長澤まさみ、大塚ちひろ
- 国木田少将:四方堂亘
- 田口健太:須賀健太
- 田口左門:泉谷しげる
- X星人司令官:伊武雅刀
- 小室少佐:國村隼
- 醍醐直太郎:宝田明
- ナレーション:山寺宏一
ゲスト出演者
- 初代轟天号艦長:中尾彬
- 初代轟天号副艦長:上田耕一
- 国連事務総長秘書官:橋爪淳
- 火龍艦長李翔大佐:高杉亘
- エクレール副艦長:榊英雄
- TVレポーター:羽鳥慎一(日本テレビアナウンサー)
- X(小橋賢児):小橋賢児
- テレビ討論会パネラー:マイケル富岡、大槻義彦、韮澤潤一郎、篠原ともえ、角田信朗、松尾貴史、木村大作
- 神父姿の男:佐野史郎
- 東京の恋人たち:谷原章介、さとう珠緒
- X星人:魚谷佳苗、坂口拓、北岡久貴、上地雄輔 他
- グレン[注 7]:レイ・セフォー(吹き替え:仮屋昌伸)
- ニック[注 8]:ゲーリー・グッドリッジ(吹き替え:三宅健太)
- 懲罰房棟の警備兵:田中要次[注 9]
- ラジオDJ:北村龍平
スーツアクター
- ゴジラ:喜多川務(JAE)
- ラドン、ミニラ:神尾直子(JAE)
- アンギラス、エビラ、カイザーギドラ:小倉敏博(JAE)
- キングシーサー、モンスターX、カイザーギドラ:中川素州(JAE)
- ガイガン、ヘドラ:吉田和宏
スタッフ
- 監督:北村龍平
- 特殊技術:浅田英一
- 音楽:キース・エマーソン、森野宣彦、矢野大介
- ゴジラテーマ曲:伊福部昭
- 挿入曲:「WE'RE ALL TO BLAME」 Sum 41 (ユニバーサル ミュージック)
- タイトルデザイン:カイル・クーパー
- 製作:富山省吾
- 脚本:三村渉、桐山勲
- プロデューサー:山中和成
- アソシエイトプロデューサー: 鈴木律子
- デザイン:新川洋司、寺田克也、韮沢靖、西川伸司
- アクションコーディネーター:竹田道弘
- アクションアシスタント:カラサワイサオ
- アクション協力:坂口拓
- スーツアクションアドバイザー:喜多川務
- 海外演出:高津隆一
- 特撮別班演出:加藤晃
- 製作進行:今西健太
ソフト化
- DVD
- 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に単品販売に先行して収録。
- 作品単品では2種類が2005年7月29日に同時発売。
- スタンダード・エディション(DVD1枚組)
- スペシャル・エディション(DVD3枚組)
- 2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念版」として期間限定の廉価版が発売。
- 2016年6月15日、<東宝DVD名作セレクション>版発売。
- Blu-ray Discは2009年9月18日発売。
- 2014年6月18日には廉価版が発売。
その他
- 本作のガイガンのガレージキットでは、ガイガンが「太古以来のモスラの宿敵」という設定に基づいてベースに複数の原始モスラ幼虫が造形されたものが存在する。
- オープニング・クレジットは歴代ゴジラの映像で構成されているが『ゴジラ対メカゴジラ』の偽ゴジラのシーンも使われている。
- 劇中では佐藤勝の過去の作品の曲も使用されているが、エンドクレジットに名前は載っていない。
- 本作のCDサウンドトラックにはキース・エマーソンがアレンジした「ゴジラのテーマ」「怪獣大戦争マーチ」(後半がL作戦マーチ)が収録されている。
- オープニングの東宝ロゴマークは『キングコング対ゴジラ』の物を使用している[15]。
- ゴジラ単体のイラストポスターは酒井ゆうじの雛形がモデルとなった。
- キングシーサーが沖縄襲撃の際、現地住民が「どうされたんじゃシーサー様!?」と発するシーンがあったが、本編ではカットされた。
- 当初登場怪獣にはメカゴジラ、キングギドラ(モンスターXがカイザーギドラに変身するのではなく、キングギドラそのもの)、ゴロザウルスが含まれていた。
- 劇中でX星人の登場により行われたテレビ討論会に、現実でも普段『ビートたけしのTVタックル年末SP』などで宇宙人を始めとした超常現象の存在について激論を交わしている、早稲田大学教授大槻義彦とたま出版の韮澤潤一郎が出演している(また、同じ討論番組に出演している松尾貴史はJapan Skepticsの会員であるため、大槻が「あなたは超常現象否定派だったはずだ」と言っている)。大槻はX星人の存在を否定していたが、現実にX星人を目の当たりにしている以上どうも分が悪く、他の(X星人肯定派の)ゲスト達に討論で打ち負かされている。この場面に関し、北村龍平はDVDのオーディオコメンタリで「(韮沢と大槻が)洒落の分かる人で良かった」と述べている。実際には、大槻義彦が否定的な見解を持っているのはあくまでエイリアンクラフトで、宇宙人の存在自体は科学者なら当たり前に支持する、と考えており、作中のテレビ討論は実際に大槻が主張しているものとは多少異なる。また、大槻の作中での主張はX星人の態度が怪しいというものだった。
- 長年ゴジラ映画の海上・ラストシーン等に使われてきた東宝大プールは老朽化によって、本作の撮影をもって取り壊しが決定し、エンドロールのゴジラとミニラが海に帰っていく場面を最後に幕を下ろした。よって本作が東宝大プールでの撮影が行われた最後の映画作品となった[5]。
- 上述のように本作を最後にゴジラシリーズはいったん終了することとなったが、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』でプロデューサーを務めた山中和成と脚本家の横谷昌宏により、本作の次のゴジラ映画のプロットも提出されていた。未制作に終わったそのプロットの内容は、横谷によれば「ゴジラしか出てこない、原点に帰ったゴジラ対人間の物語」というものであったという[16]。
脚注
注釈
- ↑ 公開当時の東宝上層部からは、未来永劫ゴジラを作らないということではなく「現状の路線(ミレニアムシリーズ)はこれで最後」という趣旨の発言がなされている。2014年にはアメリカ制作作品の『GODZILLA ゴジラ』が公開され、2016年7月には本作から約12年ぶりとなる日本制作作品の『シン・ゴジラ』が公開された。
- ↑ シリーズ観客動員数1億人は、2016年の『シン・ゴジラ』公開4日目で達成した[6]。
- ↑ 脚本には彼の独房が出入り自由であることを知らない尾崎が警備兵から鍵を奪うシーンが存在したが、本編ではカットされた。このシーンはエンドロールで観ることができる。
- ↑ DVDのコメンタリでは気絶しているだけとされ、「続編を作るんだったらまた出す」と北村龍平が冗談交じりに語っている。
- ↑ 演じている俳優は同じだが、前作の小美人とは別人。
- ↑ 描写はないが、2014年発売の『オール東宝怪獣大図鑑 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝) 』や『ゴジラ完全解読 (別冊宝島 2207) 』にて詳細が載せられている。
- ↑ 役名は『怪獣大戦争』の登場人物に由来[15]。
- ↑ 役名は『怪獣大戦争』でグレンを演じたニック・アダムスに由来[15]。
- ↑ エンディングロールのみに登場。
出典
- ↑ “2005年(平成17年)興収10億円以上番組 (PDF)”. 日本映画製作者連盟. . 2016閲覧.
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 “映画トピックス ついに50年の歴史に終止符が! 「ゴジラ FINAL WARS」製作報告会見”. 東宝 (2004年3月2日). . 2014閲覧.
- ↑ “映画トピックス 今年は人気3大怪獣が大暴れ! 「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」製作報告会見”. 東宝 (2003年8月4日). . 2014閲覧.
- ↑ 4.0 4.1 “映画トピックス さらば、ゴジラ!「ゴジラ FINAL WARS」製作報告会見”. 東宝 (2004年5月25日). . 2014閲覧.
- ↑ 5.0 5.1 5.2 東宝特撮映画大全集 2012, p. 284-287.
- ↑ “国産ゴジラシリーズ、累計動員1億人突破!庵野秀明『シン・ゴジラ』で達成”. シネマトゥデイ. (2016年8月3日) . 2016閲覧.
- ↑ “映画トピックス ゴジラがハリウッドスターの仲間入り!”. 東宝 (2004年10月20日). . 2014閲覧.
- ↑ “映画トピックス ゴジラがハリウッド・スターに!”. 東宝 (2004年11月30日). . 2014閲覧.
- ↑ “映画トピックス ゴジラが外国人記者クラブ名誉会員に!!”. 東宝 (2004年12月8日). . 2014閲覧.
- ↑ 間宮尚彦 2005, p. 71.
- ↑ “映画トピックス 「ゴジラ FINAL WARS」公開記念オールナイト”. 東宝 (2004年7月31日). . 2014閲覧.
- ↑ 間宮尚彦 2005, p. 82.
- ↑ 間宮尚彦 2005, p. 32.
- ↑ 14.0 14.1 14.2 14.3 14.4 間宮尚彦 2005, p. 31.
- ↑ 15.0 15.1 15.2 パンフレット「PRODUCTION NOTES」よリ。
- ↑ 木村学 『ゴジラ×3式機龍〈メカゴジラ〉コンプリーション』 ホビージャパン、2016-12-21。ISBN 978-4-7986-1353-6。
参考文献
- 間宮尚彦 『ゴジラ ファイナルウォーズ超全集』 小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2005-1-20。ISBN 4091014984。
- 『東宝特撮映画大全集』 ヴィレッジブックス、2012。ISBN 9784864910132。
外部リンク
- テンプレート:Jmdb title
- SF MOVIE DataBank:ゴジラ FINAL WARS
- ゴジラ FINAL WARS - allcinema
- ゴジラ FINAL WARS - KINENOTE
- テンプレート:Japanese-cinema-db
- ゴジラ FINAL WARS - Movie Walker
- ゴジラ FINAL WARS - 映画.com
- ゴジラ FINAL WARS ワールドプレミア・ヴァージョン - 映画.com
- GODZILLA FINAL WARS - AllMovie(英語)
- | sub | s=0000000399102 | -7 }}/ GODZILLA FINAL WARS - インターネット・ムービー・データベース(英語)
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