東武桐生線

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停車場・施設・接続路線
KHSTa
浅草駅
LSTR
伊勢崎線
HST
館林駅
BS2+r
伊勢崎線
LSTR LSTR
BS2l
小泉線
BHF
0.0 TI-18 太田駅
STR+l ABZgr
STR2
伊勢崎線
STRc1 STR+4
BHF
3.4 TI-51 三枚橋駅
BHF
5.9 TI-52 治良門橋駅
BHF
9.7 TI-53 藪塚駅
BHF
12.9 TI-54 阿左美駅
BHF
14.6 TI-55 新桐生駅
STRq KRZo STRq
両毛線
STR2 STRc3
STR+4
わたらせ渓谷線
XBHF-L XBHF-R
16.9 TI-56 相老駅
STR+r STR STR
上毛電鉄上毛線
STR2 STR3u STR
STR+1u STR+4 STR
STRr HST STR
桐生球場前駅
ABZg+l ABZgr
20.3 TI-57 赤城駅

桐生線(きりゅうせん)は、群馬県太田市太田駅から同県みどり市赤城駅までを結ぶ東武鉄道鉄道路線である。駅ナンバリングの路線記号はTI

元々、太田軽便鉄道の路線であった太田 - 藪塚間を買収し、さらに太田軽便鉄道の未成線であった藪塚 - 相老間を新たに敷設して、1913年大正2年)3月に開業した。

路線データ

沿線概況

この項目では太田駅より赤城駅方面へ北上するように記述する。桐生線の普通列車は太田駅では一番南側のホームである5・6番ホームから発車する。太田駅の周りは中層ビルに囲まれていて、発車からしばらくはビル群や富士重工業の工場、国道407号などの広い道路が目につく。高架駅である太田駅を出発すると、すぐに伊勢崎線伊勢崎方面の線路を横断し、伊勢崎線と分かれる。線路は単線となり北へと進路を変えながら徐々に高架を降りていく。高架を降りきるとすぐ左に大きな病院があるが、この病院は、2012年に移転した富士重工業健康保険組合太田記念病院である。風景はすぐに都会的な雰囲気から、のどかな田園風景に変わる。列車はしばらくすると三枚橋駅に着く。

この先は左側(西側)が平地、右側(東側)が数百メートルの平地の先に山地(八王子丘陵)という景色になり、この景色が阿左美駅付近までしばらく続く。三枚橋駅を出た列車はしばらくすると緩い左カーブを過ぎ、右側遠くに北関東自動車道が見えてくると治良門橋駅に到着する。

治良門橋駅からしばらく線路右側沿いに川が流れ、田園風景とあわせたのどかな光景を見ることができる。徐々に右奥に見える北関東自動車道が迫ってくると桐生線はその下をくぐる。程なくして藪塚駅に到着する。藪塚駅は藪塚温泉三日月村などの観光地を抱え、特急「りょうもう」号も停車する。

薮塚駅を出ると線路は少しずつに右にカーブを描きながら、右側に延々と続いていた山も徐々に低くなり、山が無くなるあたりでみどり市(旧笠懸町域)市街地に入り阿左美駅に到着する。

阿左美駅を出るとすぐ左の群馬県道68号桐生伊勢崎線と併走する。線路南東方面の台地に沿いながら、桐生の町へと徐々に坂を下っていく。やがて国道50号の橋の下をくぐり、桐生市に入る。このあたりから左後方の高台に巨大な照明塔がいくつも立っているスタジアムのような物が見え始めるが、これが桐生競艇場である。桐生線は阿左美駅から相老駅まで、この競艇場(阿左美沼)の東側を迂回するように進んでいく。坂を下ると線路は再び北に進路をとり、新桐生駅に到着する。桐生線は桐生市民の東京への足となっており、特に「りょうもう」号はこの駅で大半の乗客が乗降してゆく。JRの桐生駅は同駅から2km以上離れており、徒歩で30分弱を要する。

新桐生駅を出ると桐生線は桐生市街の西端の高台を走り、右側に桐生市街が一望できる。列車はゆっくりと進みながら徐々に高台を下りつつ桐生の町を進むと、右側に多数の線路が見えてくる。ここには東日本旅客鉄道(JR東日本)高崎総合訓練センター両毛線下新田信号場わたらせ渓谷線下新田駅と3つの施設が隣接している。桐生線は両毛線の上を跨いでいくが、交差地点のどちらの路線にも駅は無い。さらに坂を下りてゆくと線路の盛土が無くなり、右側から非電化のわたらせ渓谷線の線路が近づいてくると相老駅に到着する。この駅はわたらせ渓谷線との乗換駅となっている。休日になるとわたらせ渓谷への観光客の乗り換えが目立つ。同線の従来のトロッコ列車トロッコわたらせ渓谷号」は2駅先の大間々駅が始発だが、2012年4月より新設されたトロッコ列車「トロッコわっしー号」は、相老駅から直接乗り換えることができる。

相老駅を出るとわたらせ渓谷線と別れ、左に少しずつカーブを描きながら、右から上毛電気鉄道上毛線が近づいてくる。するとすぐ桐生球場前駅があるが、桐生線にはホームがないため通過する。ここから先は上毛線と併走し複線のような見た目となる。しばらく直線が続いてから左にカーブを描くが、この付近でふたたびみどり市(旧大間々町域)に入る。カーブを曲がるとすぐに列車の速度が落ちていき、まもなく終点、赤城駅に到着する。

赤城駅は2面4線のホームを持ち、そのうち桐生線ホームは車止めのある3番・4番ホームとなっている。構内踏切を渡ると上毛線中央前橋駅方面への線路が続いており、わずかな期間だが桐生線からの直通運転も行われていた。赤城駅はみどり市の旧大間々町の市街地の中にあり、駅の横に国道122号へと続く県道が走っている。同駅から北側は旧大間々町の商店街となっており、そこを徒歩10分ほど歩けばわたらせ渓谷線の大間々駅がある。

運行形態

特急と普通列車が運行されている。

特急りょうもう
赤城駅 - 伊勢崎線浅草駅間を運行する。全車指定席の有料特急。1999年に急行から特急へ変更したが、基本的に運転・料金形態は変わっていない。ほぼ1時間に1本の運行となっている。
普通列車
ワンマン運転の2両編成で、一部をのぞき小泉線東小泉駅まで直通運転する。朝夕を除くと1時間に1本の運行となっている。

使用車両

現在の車両

  • 8000系南栗橋車両管区館林出張所所属・ワンマン列車2両編成) - 5000・5050系を使用していた頃は、代走として使用されていたこともある。
  • 200系・250系(南栗橋車両管区館林出張所所属・特急りょうもう号)

過去の車両

歴史

桐生線のもとになった薮塚石材軌道は石材採掘販売をしていた薮塚石材[1]を改組したもので社長は葉住利蔵であった。太田-薮塚間に軌道を敷設し人力で石材の運搬をしていたが呑竜様の開山忌などには参詣客の輸送もしていた。やがて一般旅客及び貨物の輸送をするため軽便鉄道敷設を出願し1911年7月免許状が下付されると10月に太田軽便鉄道に改称、さらに蒸気機関車に変更するべく翌年に東武鉄道専務を社長に迎え東武鉄道出資により改築工事をはじめ、やがて東武鉄道に鉄道部門を譲渡することになった。

年表

駅一覧

駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線 所在地
TI-18 太田駅 - 0.0 東武鉄道:TI 小泉線東小泉方面直通運転)TI 伊勢崎線 太田市
TI-51 三枚橋駅 3.4 3.4  
TI-52 治良門橋駅 2.5 5.9  
TI-53 藪塚駅 3.8 9.7  
TI-54 阿左美駅 3.2 12.9   みどり市
TI-55 新桐生駅 1.7 14.6   桐生市
TI-56 相老駅 2.3 16.9 わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線
TI-57 赤城駅 3.4 20.3 上毛電気鉄道上毛線
わたらせ渓谷鐵道:わたらせ渓谷線(大間々駅
みどり市

留置線のある駅

PASMO導入

  • 桐生線では、2007年3月18日からSuicaとの相互利用が可能なICカードPASMO」が導入されているが、太田駅を除く桐生線の駅には自動改札機を設置していないため、簡易ICカード改札機を設置して対応している。
  • 赤城駅では、上毛電鉄との乗り換えに時間がない場合、上毛線ホーム上の簡易ICカード改札機にて入出場可能。ただし、上毛線ではPASMOは導入されていないので、東武線から上毛線に乗った場合はほとんどの駅で降車する際に車内にて現金での精算が必要である。

今後の計画

  • 太田 - 三枚橋間に近接する太田記念病院の利用者が増加を続けており、太田市は2015年5月19日の定例会見で、同病院の北側に新駅を設置するよう東武鉄道に要望したことを発表した[9]

脚注

  1. 『日本全国諸会社役員録. 明治42年』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  2. 2.0 2.1 『東武鉄道六十五年史』710頁
  3. 『日本全国諸会社役員録. 明治43年』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1911年7月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1912年2月5日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. 『東武鉄道六十五年史』711頁
  7. 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1913年3月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. 「地方鉄道運輸開始」『官報』1932年3月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. 群馬)太田市が東武に新駅要望 病院利用者増で - 朝日新聞デジタル

参考文献

  • 『太田市史』通史 近現代、1994年、388-390頁
  • 『東武鉄道六十五年史』、1964年、710-711頁

関連項目

外部リンク