南栗橋車両管区
南栗橋車両管区(みなみくりはししゃりょうかんく)は、埼玉県久喜市北広島にある東武鉄道の車両基地および総合メンテナンスセンターである。敷地内に南栗橋工場があり、列車検査・月検査のほか、全般検査や重要部検査を行っている。日光線南栗橋駅の北側に位置する。
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概要
1986年(昭和61年)に南栗橋駅開設にともない構内に春日部検修区南栗橋派出所として留置線が設置された。沿革の項目で詳述するが、組織の移転・統合などの歴史をたどれば、春日部検修区を経てさらにはその前身である、電車運転開始の為に1924年(大正13年)に新設した西新井研修区にまで遡ることができる。
1994年(平成6年)より列車検査・車内清掃業務を開始するなど機能拡充が進められた。2003年(平成15年)には本線系の春日部・館林・新栃木の3検修区を統合して南栗橋検修区となり、春日部検修区が南栗橋検修区春日部支所に、館林・新栃木の各検修区が同出張所となった。 2004年(平成16年)には従来の西新井工場と杉戸工場を移転・統合した南栗橋工場が当区敷地内に開設され、同工場と川越工場を管理下に置く南栗橋車両管理区となる[1]。 2009年(平成21年)に南栗橋車両管区に名称変更、七光台検修区を同管区支所として再発足した[2]。
2005年(平成17年)からは年1回、秋に東武ファンフェスタが開催されている。
管理下の組織
本区
- 検修業務として列車検査・月検査を行っている。所属車両は、30000系、50050系、8000系8506F、1800系である。8000系8506Fは森林公園検修区所属車の検査等で同区への出入庫の際や東武ファンフェスタでの車両展示、本線・野田線系統と東上線系統間での車両の転属の際に秩父鉄道線内を走行するための牽引車両として使用される秩鉄ATS搭載車両。
南栗橋工場
- 全般検査や重要部検査を行っている。本線系統の全車両と、東上線系統の一部の車両(秩父鉄道秩父本線経由で回送)を担当している。工場業務は東武鉄道のグループ企業である東武インターテックが行っており検査票の表記は平成27年度分までが「栗車管」だったが平成28年度以降は「南栗工」に変更されている。なお、車両修繕は津覇車輌館林作業所で行われる。
- 本区と南栗橋工場構内には、以下の設備を有している[1]。
川越工場
春日部支所
- かつての春日部検修区であり、支所となってからも検修業務を行っている。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)北春日部駅に隣接し、敷地は春日部市と宮代町を跨ぎ姫宮駅の程近くまで及んでいる。所属車両は、100系、300系、8000系(亀戸線・大師線用ワンマン運転対応車および東武博物館所有の8111編成)、10000・10030・10080系、20000・20050・20070系である。
- 本所には、以下の設備を有している[1]。
- 月検査線:2本
- 列車検査線:3本
- 局修線:2本
- 洗浄線:3本
- 転削台:1台
七光台支所
- 本所には、以下の設備を有している[1]。
- 月検査線:2本
- 列車検査線:4本(列車検査庫はなし)
- 局修線:1本
- 洗浄線:2本
館林出張所
- かつての館林検修区であり、館林駅に隣接している。所属車両は、200・250系、8000系・800系・850系(ワンマン運転対応車)である。
- 本所には、以下の設備を有している[1]。
- 月検査線:2本(月検査はなし)
- 列車検査線:4本(列車検査庫はなし)
- 局修線:1本
- 洗浄線:2本
新栃木出張所
- かつての新栃木検修区であり、新栃木駅に隣接している。所属車両は、350系、6050系(野岩鉄道・会津鉄道保有車含む)、8000系(宇都宮線用ワンマン運転対応車)である。
- 本所には、以下の設備を有している[1]。
- 月検査線:2本(月検査はなし)
- 列車検査線:4本(列車検査庫はなし)
- 局修線:2本
- 洗浄線:2本
沿革
- 1924年(大正13年) - 西新井電車区発足。
- 1927年(昭和2年) - 西新井電車庫館林分庫発足
- 1929年(昭和4年) - 新栃木電車庫、野田電車庫(総武鉄道)発足。
- 1943年(昭和18年) - 館林電車区発足(館林分庫から独立、1946年(昭和21年)に現在地に移転)。
- 1944年(昭和19年) - 野田電車区(東武鉄道)発足。
- 1945年(昭和20年) - 杉戸工場発足。
- 1952年 (昭和27年) - 西新井電車区が竹ノ塚電車区へ移転(現・東京地下鉄千住検車区竹ノ塚分室)。
- 1955年(昭和30年) - 西新井第3工事区と浅草工場が合併し、西新井工場発足。
- 1963年(昭和38年) - 新栃木電車区発足(現在地に移転)。
- 1966年(昭和41年) - 竹ノ塚電車区が北春日部に移転し春日部電車区発足。
- 1968年(昭和43年) - 七光台電車区発足(現在地に移転)。
- 1971年(昭和46年) - 各電車区が電車乗務区と検修区に分離される。
- 1986年(昭和61年) - 春日部検修区南栗橋派出所を新設。
- 1988年(昭和63年) - 同派出所に留置線を増設(1991年(平成3年)まで)。
- 1994年(平成6年) - 同派出所にて列車検査開始。
- 2003年(平成15年) - 春日部・館林・新栃木の各検修区を統合し南栗橋検修区発足。従来の検修区は本区の支所・出張所となる。
- 2004年(平成16年) - 南栗橋工場が完成し、西新井工場と杉戸工場が統合・移転。南栗橋車両管理区発足。南栗橋工場と川越工場を管理下とする。
- 2005年(平成17年)- 南栗橋工場でISO 14001認証を取得。
- 2009年(平成21年)- 南栗橋車両管区発足、七光台検修区を同管区七光台支所とする。
東武ファンフェスタ
本線・野田線系のイベントとして、2005年から毎年秋に行われ、開催日には南栗橋駅との間で東武バスセントラルにより無料送迎バスが運行される。開催時間は10時から15時30分まで。
主な内容
- 飲食・物販コーナー
- 鉄道車両撮影会
- 撮影会の時間は11時30分から14時まで。各回の展示車両は下記参照。
- 車両(自動車)展示コーナー
- 保守用作業車やバス、消防車などが展示される。
- 休憩用車両
- 通勤系車両が用いられ、自由に出入りできる。会場入口近くと奥に1編成ずつ用意される。奥の1編成は子ども制服着用・撮影会場を兼ねている。
- 工場見学
- 臨時列車運行
- 第1回から第4回までは開催日に南栗橋駅着の臨時列車が運行された。第2回以外は事前申込制で乗車駅は出発駅のみに限られた。詳細は下記参照。
開催データ
- 第1回
- 2005年10月2日開催。当初は3月26日に開催予定であったが、東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切死傷事故により延期となったものである。撮影会展示車両は200系、300系、350系、1800系2本(原形車・通勤改造車)の5本。臨時列車は 浅草駅発の200系、新栃木駅発の300系、館林駅発で東武動物公園駅から日光線へ折り返す1800系の3本であった。
- 第2回
- 第3回
- 2007年11月25日開催。撮影会展示車両は200系、1800系、10000系、20050系、30000系、50050系、東急5000系(2代)の7本。臨時列車には100系が使用され、品川駅発で栗橋駅の連絡線を経て新栃木駅から折り返す経路で運行された。
- 第4回
- 第5回
- 第6回
- 第7回
- 第8回
- 2012年12月2日開催。撮影会展示車両は8000系8111編成(リバイバルカラー車・原形前面)、8000系(野田線所属修繕車)、100系、200系、1800系、10000系、30000系の7本。臨時列車は8111編成リバイバルカラー車デビューを記念し、船橋駅発春日部経由南栗橋車両管区行きの経路で運行され、「船橋 - 南栗橋」の前頭行先標も掲示された。花上と史絵.、さらに鉄道アイドル・伊藤桃のトークショーが開催された。この回の撮影時間は10時45分から11時までがツアー参加者限定、11時から14時30分までが一般来場者と分けられ、さらに15分毎の入替制がとられた。この年の鉄道コレクション先行発売は2000系2両セット。内容はモハ2100+2200だったが、モハ2300+モハ2400を再現するための交換用屋根パーツが付属していた。
- 第9回
- 2013年12月1日開催。撮影会展示車両は8000系8111編成(リバイバルカラー車・原形前面)、60000系、6050系、300系、1800系、100系、200系の7本。臨時列車は野田線新型車両60000系を北千住駅発野田線経由で、岩槻駅を折り返し、南栗橋車両管区行きの経路で運行された。この回の撮影時間は2012年と同様、10時45分から11時までがツアー参加者限定、11時から14時30分までが一般来場者と分けられ、さらに15分毎の入替制がとられた。
- 第10回
- 2014年12月7日開催。撮影会展示車両は60000系、1800系、200系、100系、10000系(10030系11267編成)、6050系、8000系8111編成(リバイバルカラー車・原形前面)の7本。臨時列車は2013年と同様、野田線新型車両60000系を館林駅発佐野線・伊勢崎線経由し、渡瀬北留置線・東武動物公園駅で日光線を折り返して、南栗橋車両管区行きの経路で運行された。この回の撮影時間は10時45分から11時までがツアー参加者限定、11時から14時00分までが一般来場者と分けられ、さらに15分毎の入替制がとられた。
- 第11回
- 2015年12月6日開催。撮影会展示車両は8000系8198編成(フライング東上リバイバルカラー車)、8000系8111編成(ツートンリバイバルカラー車・原形前面)、60000系、350系、1800系、200系、100系106編成(日光詣スペーシア)の7本。臨時列車は8000系のフライング東上リバイバルカラー車とツートンリバイバルカラー車・原形前面を繋げた10両編成で、北千住駅発伊勢崎線久喜駅で折り返して、南栗橋車両管区行きの経路で運行された。この回の撮影時間は2014年と同様、10時45分から11時までがツアー参加者限定、11時から14時00分までが一般来場者と分けられ、さらに15分毎の入替制がとられた。
- 第12回
- 2016年12月4日開催。撮影会展示車両は、JR253系、8000系8111編成(セイジクリームリバイバルカラー車・原型前面)、350系、6050系、1800系、200系、100系の7本。JRの電車が当イベントで展示されたのはこれが初めてのことである。この年から会場入口が変更されている。
- 第13回
- 2017年11月19日開催。8年ぶりの11月開催となった。撮影会展示車両は70000系、60000系、8000系8111編成(セイジクリームリバイバルカラー車・原型前面)、1800系、200系、100系(日光詣スペーシア)、500系の7本。
SL見学広場
SL復活運転プロジェクトの一貫として、南栗橋車両管区内にSL検修庫と同時に新設された。SLが構内試運転を行う日には自由に見学ができる。同敷地内の東端にあり、隣接する道路側に入り口がある。見学者用の駐車場は無い。
脚注
参考文献
- 特集 東武鉄道 「鉄道ピクトリアル」臨時増刊号 No.799(2008年1月号)
関連項目