リズム・アンド・ブルース
テンプレート:Infobox Music genre リズム・アンド・ブルース(英: Rhythm and blues)[1]は、音楽のジャンルである。略称はR&B(アール・アンド・ビー)、またはRnB。
リズム、ビートに乗りながら、ブルース感のある歌を叫ぶように歌うのが特徴。のちのロックンロールなどのジャンルにも影響を与えた[2]。1940年代後半に、ブルース[3]、ゴスペル、ジャズといったブラック・ミュージックが発展する形で生まれた。
概要
戦前にすでに存在した黒人音楽と関係の深いジャンルには、ラグタイム、ブルース、ジャズ、スウィング、ジャイブなどがあった。R&Bは戦前には、まだジャンルとしては確立されていなかったが、ビルボード誌上では1943年ごろには、早くも記事の中にリズム&ブルースの記述が見られた。正式に音楽ジャンル名としてビルボードが使用したのは、1947年にビルボード誌のジェリー・ウェクスラーの提案によるものである[4]。ウェクスラーが、名付けるまでは、アフリカ系アメリカ人の音楽を「レイス・ミュージック」と呼び、ビルボード誌でも順位を「レイス・ミュージック・チャート」として発表していた。しかし1947年に、もうこういう名前で呼ぶ時代ではないだろう、という話題がビルボード誌編集部内で出た。後日ウェクスラーが「リズム・アンド・ブルースはどうか」と提案した事から、これが採用された。
ロックンロールは白人のカントリーと黒人のブルースの融合から、1954年か55年ごろに生まれたとされているが、R&Bの影響も大きかった。その後、リズム・アンド・ブルースは、60年代にはソウルミュージックとも呼ばれるようになる。当時、両ジャンルに明確な区別をつけるのは難しかった。
1960年代のアメリカでは公民権運動による黒人たちの地位向上と共に、彼等のアイデンティティを高揚し、アフリカンアメリカンとしてのルーツを誇示する傾向があらわれた。ソウル/R&Bは彼らの音楽であるだけでなく、もっと幅広い黒人生活全般を示すキーワードにもなった。
詳細
R&B界には、サム・クックやジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、オーティス・レディングらの大スターが誕生した。1960年代にリズム・アンド・ブルースはヨーロッパにも渡り、流行に敏感な若者たちの一部を虜にし、やがて彼らは自らリズム・アンド・ブルースを演奏するようになった。ヴァン・モリソンとゼムや、スティーヴ・ウィンウッドとスペンサー・デイヴィス・グループ、アニマルズらはR&Bを演奏し、レコードを発表した。フリートウッド・マックやジョン・メイオール、チキン・シャックらは、R&Bよりもブルースの影響が強かった。こうして、リズム・アンド・ブルースは米国から世界へと広がっていく。日本でも60年代には青山ミチ、キングトーンズ[5]、和田アキ子らが和製R&Bとして登場した。70年以降は、大橋純子、シャネルズ/ラッツ&スター、鈴木雅之、BORO、ジョー山中らが日本人のR&Bを継承していった。また青山ミチとジョー山中は、アフロアメリカンと日本人のハーフの歌手だった。
やがてリズム・アンド・ブルースはより洗練された方向に発展していき、1970年代にはストリングスを使用したフィリー・ソウルが登場する。1980年代以降はブラック・コンテンポラリー(ブラコン)と呼称された。1990からは、ソウルがブルース的位置づけで分離され、当時の若手のガイやジョディシィ、メアリー・J. ブライジなどがリズム・アンド・ブルース(R&B)と呼ばれるようになった。呼称は1960年代と同じであるものの、ヴォーカルやサウンドが洗練され、大きく変化してしまっている。 1950〜1970年代の黒人音楽を聴いてきた層にとっては、現在の「リズム・アンド・ブルース(R&B)」と呼ばれる音楽に違和感を覚える者も多い。
サブ・ジャンル
関連項目
脚注
- ↑ 英語の発音に忠実に発音すれば、リズム・アンド・ブルーズとなる
- ↑ 松村明『大辞林』三省堂
- ↑ http://www.allmusic.com/genre/blues-ma0000002467
- ↑ Sacks,Leo(Aug. 29, 1993). "The Soul of Jerry Wexler". New York Times. Retrieved on Jan. 11, 2007.
- ↑ http://www.billboard-japan.com/goods/detail/567266