ソウルミュージック
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ソウル(soul)あるいはソウル・ミュージック(soul music)は、音楽のジャンルの一つ。基本的にはリズム・アンド・ブルース(R&B)の一種であるといえる[1]。
概要
1950年代から1960年代の初期にかけて、アメリカにおいてアフリカ系アメリカ人のゴスペル[2]とブルース[3]から発展しできた音楽の体系である[4]。
R&Bなどの黒人由来の音楽が、ポピュラー・ミュージックとして広く認知され、広範囲にわたって発展・拡大した1960年代よりゴスペル色の濃厚な音楽を、ソウル・ミュージックと自然発生的に呼ばれるようになった[5]。
ソウル・ミュージックは、文化性や芸術性もあるが、基本的には大衆音楽であり、流行歌である[6]。
ゴスペル由来のコード進行、たたみかけるような覚えやすいリズム、コールアンドレスポンス、即興の多用などの特徴がある。
ソウルは、R&Bとの間で明瞭な境界線を引くのは難しく[7]、レコード店のジャンル区分やセールスチャートなど音楽のジャンル分けにおいても ソウル/R&B などのように同一のものとして扱われることが多い。
- 1980年代に使われたブラック・コンテンポラリーとの間では、ソウルがシャウトなどの激しい表現があるのに対し、ブラコンはシャウトはしない場合が多く、その点での線引きは可能だった。
- 1990年代ごろにはベテランの歌う曲をソウルとして、ブルースに近い意味合いとして分離した。一方で若手の歌うヒットの可能性のある歌ものをR&Bと呼ぶようになった[7]。
サブジャンル・派生ジャンル
アメリカ北部には、モータウンなどに代表される、白人層もターゲットにした洗練されたサウンドが60年代から存在した。一方、スタックスなどのアメリカ南部の、ディープでブルージーであったり、ファンキーなサウンドを「ディープ・ソウル」「サザン・ソウル」と呼ぶことがある。
- デトロイト(モータウン)・ソウル
- フィラデルフィア(フィリー)・ソウル
- シカゴ・ソウル
- ディープ・ソウル、サザン・ソウル
- ブルー・アイド・ソウル
- ディープ・ソウル
- スウィート・ソウル:日本独自の表現
- ドゥーワップ
- ゴーゴー
- ファンク
- ニュージャックスウィング
- ブラック・コンテンポラリー
- ファンキー・ソウル
- ジャズ・ソウル
- ブーガルー(ラテン・ソウル)
著名なソウル・アーティスト
- アース・ウィンド・アンド・ファイアー
- アーサー・コンリー
- アル・グリーン
- アル・ジョンソン
- アレクサンダー・オニール
- アレサ・フランクリン
- アン・セクストン
- アン・ピーブルス
- ウィルソン・ピケット
- エディ・フロイド
- エドウィン・スター
- オーティス・レディング
- カーティス・メイフィールド
- クール・アンド・ザ・ギャング
- グラディス・ナイト
- KC&ザ・サンシャイン・バンド (KC and the Sunshine Band)
- サム&デイヴ
- サム・クック
- ジェイムス・カー
- ジェイムス・ゴヴァン
- ジェームス・ブラウン
- ジャッキー・ウィルソン
- ジョー・テックス
- ジョニー・テイラー
- スタイリスティックス
- スティーヴィー・ワンダー
- スモーキー・ロビンソン
- スライ&ザ・ファミリー・ストーン
- スリー・ディグリーズ
- ソロモン・バーク
- ダニー・ハサウェイ
- テディ・ペンダーグラス
- ザ・テンプテーションズ
- バーケイズ
- パーシー・スレッジ
- バリー・ホワイト
- ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ
- ビリー・ポール
- ファット・バック
- フォー・トップス
- プリンス
- ボビー・ウーマック
- マーヴィン・ゲイ
- ミラクルズ
- メルヴィン・デイヴィス
- リー・ドーシー
- リトルアンソニー&インペリアルズ
- ルーサー・イングラム
- ルビー・ジョンソン
- レイ・チャールズ
日本の主なソウル・アーティスト
- 大橋純子
- ザ・キング・トーンズ
- オーサカ・モノレール
- シャネルズ(ラッツ&スター)
- 鈴木聖美
- 筒美京平
- 亀渕友香
- 深町純
- 左とん平 (とん平のヘイ・ユウ・ブルース)
- グッチ裕三
- バブルガム・ブラザーズ
- 久保田利伸
- RCサクセション
関連項目
- ブラックミュージック - アメリカの黒人の間で歌われ演奏され、形成された音楽[8]。
- ゴスペル
- ディープ・ソウル
- モータウン
- フィリー・ソウル
- スタックス・レコード
- ドゥーワップ
- アメリカ合衆国南部
- アメリカ合衆国の音楽
- ブラック・コンテンポラリー
- ブレイクビーツ
- アポロ・シアター - ソウル・ミュージックの、ブラック・エンターテインメントの殿堂[9]。
脚注
- ↑ 『男の隠れ家』 2011年1月号 p.26
- ↑ http://www.allmusic.com/subgenre/gospel-ma0000002622
- ↑ http://www.allmusic.com/genre/blues-ma0000002467
- ↑ 『男の隠れ家』 2011年1月号 p.64 - 67
- ↑ Stars of Soul and Rhythm & Blues.
- ↑ 『男の隠れ家』 2011年1月号 p.65冒頭
- ↑ 7.0 7.1 『男の隠れ家』 2011年1月号 p.67終り, pp.26-27
- ↑ 『男の隠れ家』 2011年1月号 pp.18-27
- ↑ 『男の隠れ家』 2011年1月号 pp.72-73
出典/参考文献
- 『魂の行方(ソウルのゆくえ)』:ピーター・バラカン、新潮社
- 『リズム&ブルースの死』:ネルソン・ジョージ、早川書房
- Lee Hildebrand, Stars of Soul and Rhythm & Blues, Watson-Guptill Publications, 1994, ISBN 0823076334 et al.
- 『男の隠れ家』 2011年1月号 ロック&ポップスを産んだ黒人音楽の世界 GOSPEL BLUES SOUL JAZZ 朝日新聞出版 グローバルプラネット pp.18 - 27, 64-75:出田圭
- Adams, Michael (2008). Review of Atlantic Records: The House That Ahmet Built, by Susan Steinberg. Notes 65, no. 1.
- Cummings, Tony (1975). The Sound of Philadelphia. London: Eyre Methuen.
- Escott, Colin. (1995). Liner notes for The Essential James Carr. Razor and Tie Records.
- Gillett, Charlie (1974). Making Tracks. New York: E. P. Dutton.
- Guralnick, Peter (1986). Sweet Soul Music. New York: Harper & Row.
- Hannusch, Jeff (1985). I Hear You Knockin': The Sound of New Orleans Rhythm and Blues. Ville Platte, LA: Swallow Publications. ISBN 0-9614245-0-8.
- Hoskyns, Barney (1987). Say it One More Time for the Broken Hearted. Glasgow: Fontana/Collins.
典拠レコード: