政商
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政商(せいしょう)とは、政府・政治家(政治)や官僚(行政)との癒着(官民癒着)により、優位に事業を進めた事業家、同企業グループのこと。江戸時代には、御用商人(ごようしょうにん)と呼ばれた。戦前日本の財閥はその代表例である。
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概要
明治時代には、西洋諸国に対抗し、産業、資本主義育成により国家の近代化を推進した政府の殖産興業政策を事業に結びつけた政治家、事業家、企業(特殊会社を含む)である。狭義では戦前に登場したこのタイプの事業家を意味する場合がある。
昭和時代(戦後)には語意は若干変化し、政治家から何らかの合法非合法・脱法的な利権を受ける企業及び経営者を揶揄する言葉にもなった。
有名な政商(財閥を除く)
※は過度経済力集中排除法の指定を受けた企業グループ
明治 - 大正 - 戦前昭和時代
- グラバー商会 ― トーマス・ブレーク・グラバー[注釈 1]
- 第一国立銀行(渋沢財閥、現:みずほ銀行) ※ ― 渋沢栄一
- 関西貿易社 ― 五代友厚
- 起立工商会社(茶商社) ― 松尾儀助
- 日窒コンツェルン(現・チッソ) ※ ― 野口遵
- 番町会 ― 郷誠之助・永野護・河合良成・小林中
- 南満州鉄道 ― 後藤新平
戦後昭和時代
- 竹中工務店 ― 竹中錬一
- 読売グループ(現・読売新聞グループ本社) ― 正力松太郎・渡邉恒雄
- 東急グループ ― 五島慶太
- 西武グループ(現:西武HD+旧セゾングループ残部) ― 堤康次郎・堤義明
- 熊谷組 ― 熊谷太三郎
- 北海道炭礦汽船 ― 萩原吉太郎(三井観光開発・札幌テレビ)
- 国際興業 ― 小佐野賢治
- 伊藤忠商事 ― 瀬島龍三
- ジャパンライン(現:商船三井) ― 児玉誉士夫
- 福島交通 ― 小針暦二
- 佐川急便 ― 佐川清・渡辺広康
- ウシオ電機 ― 牛尾治朗
- 水谷建設 ― 水谷功
- 山田洋行 ― 宮崎元伸
- 徳洲会 ― 徳田虎雄
- 金星自動車グループ(廃業、元札幌トヨペット・北海道テレビ創業者) ― 岩澤靖
- イオン(旧:ジャスコ、元呉服屋の岡田屋が母体) ― 岡田卓也・岡田元也
- 劇団四季 ― 浅利慶太
- リクルート ― 江副浩正
- 日美 ― 大谷貴義
- 四国新聞社・西日本放送 ― 平井卓志
- テレビ山梨・FM-FUJI ― 金丸信
平成時代
- 泉井石油商会(廃業) ― 泉井純一
- オリックス ― 宮内義彦[1]
- キヤノン ― 御手洗富士夫
- ザ・アール ― 奥谷禮子
- ソフトバンク ― 孫正義
- 武田薬品工業 ― 長谷川閑史
- トヨタ ― 奥田碩
- パソナ ― 南部靖之(創業者)・竹中平蔵(会長)
- 楽天 ― 三木谷浩史
- ワタミ ― 渡邉美樹(創業者)
- 東海旅客鉄道 ― 葛西敬之
- セガサミーホールディングス ― 里見治(会長)
- ハンナン(倒産) ― 浅田満
- 大淀建設 ― 許永中
- ユニバーサルエンターテインメント ― 岡田和生(会長)
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『日本政商史』(坂本藤良著、中央経済社、1984年)
関連項目
外部リンク
en:Political_entrepreneur#Businessperson_as_a_political_entrepreneur