JR東日本リテールネット
株式会社JR東日本リテールネット(ジェイアールひがしにほんリテールネット)は、東京都新宿区西新宿に本社を置く東日本旅客鉄道(JR東日本)の完全子会社(連結子会社)。
Contents
概要
おもにJR東日本管内の駅などにある駅売店「KIOSK」(キオスク)、コンビニエンスストア「NewDays」(ニューデイズ)、改札内商業施設「ecute」(エキュート)、専門店(みやげ店などの物販店舗)の運営を行っている。また第三セクター鉄道のうち、旧JR東日本管内の青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道、えちごトキめき鉄道の主要駅でも駅構内売店の運営を行っている。
1987年に「東日本キヨスク株式会社」として設立され、東日本管内のKIOSKを中心に営業を行なっていた。
しかし、近年の駅構内ビジネスの環境変化により、1988年度は95%だった駅売店の売上シェアは、1998年度には67%、2005年度には37%と低下の一途をたどり、2006年度決算ではコンビニ35%を下回る34%となった。
これにより社名とそぐわなくなったため、2007年7月1日をもって「株式会社JR東日本リテールネット」に社名変更した[1]。
また社名変更と共に、KIOSKの読みをJRグループ共通の「キヨスク」から「キオスク」と改めた。JRの他社グループが追随する予定はない[2]。
JR東日本グループとして、交通系ICカードSuicaの利用エリア内でSuica電子マネーを積極的に導入している。特に2010年後半はJR東日本本体と共同で、KIOSK・NewDaysにて、Suicaポイントの倍増や「Suica割」のキャンペーンを数回実施している。
沿革
- 1987年(昭和62年)
- 1997年(平成9年) 10月 - キヨスクを「ミニコンビ」に改装出店した店舗を飯田橋駅に開店。コンビニエンス事業へ進出。
- 2001年(平成13年) 10月1日 - ジェイアール東日本コンビニエンス(店舗名は「JC」)およびジェイアール東日本商事のコンビニエンス部門・当社のコンビニエンス部門「ミニコンビ」を事業統合。新しい店舗名は「NEWDAYS」・「NEWDAYS MINI」となる。
- 2006年(平成18年)
- 7月11日 - 鉄道弘済会保有分の発行済み株式(9%)をJR東日本が取得したことにより、JR東日本の完全子会社となる。
- 8月1日 - 本社所在地を東京都新宿区に移転。
- 10月 - 飲料自販機事業をJR東日本ウォータービジネスに移管。
- 2007年(平成19年) 7月1日 - 「株式会社JR東日本リテールネット(JR East Retail Net Co.,Ltd.)」に社名変更。社名変更と共に、KIOSKの読みを、JRグループ共通の「キヨスク」から「キオスク」と改める。
- 2008年(平成20年) 4月 - 東京・横浜・新宿・立川・大宮・千葉支店を本社直轄化。
- 2009年(平成21年) 4月 - JR東日本支社別子会社の再編に伴い、子会社で運営していた店舗を移管。
- 2010年(平成22年)
- 8月 - 社内開発プロジェクトを統合しデベロッパー営業部を設置。駅構内開発事業に参入。
- 10月 - NEWDAYS営業部とKIOSK営業部を統合し、コンビニエンス営業部を設置。
- 2013年(平成25年) 10月 - JR東日本との連携と店舗支援強化のため、首都圏に東京・新宿・上野・横浜・八王子・大宮・千葉の各支店を再設置。
- 2014年(平成26年) 4月 - JR東日本の事業再編計画により東北・新潟エリアの土産物店等31店舗の営業を別会社に分割。
- 2018年(平成30年)4月 - JR東日本グループ再編により、株式会社JR東日本ステーションリテイリングを合併すると同時に、株式会社JR東日本ウォータービジネスを完全子会社化[4]。
主な事業
- コンビニエンス事業(主にJR東日本駅構内)
- デベロッパー事業(駅構内開発事業)
- エキュート大宮・品川・品川サウス・立川・日暮里・東京・上野
- マーチエキュート神田万世橋
- 京葉ストリート(東京駅)
- 専門店事業(上記コンビニエンス事業に含まれない業態の総称)
関連会社
- JR東日本ウォータービジネス(本社:東京都渋谷区)
- ヤンレイ(本社:東京都台東区)
- 完全子会社。CD・DVDの販売(CD GARDEN)、アパレルの卸売及び販売など。
- 東京ステーション・サービス(本社:東京都台東区)
- 完全子会社。貸ロッカー業等の受託、飲食店業、建物保守管理など。
- アドレスト長野(本社:長野県長野市)
- 完全子会社。飲食店業、広告代理業など
- ジェイアール東日本物流
- 株式の一部を保有。KIOSK・NEWDAYSの商品管理・配送業務を担当。
かつての子会社・関連会社
- 現在下記2社は、JR東日本の完全子会社となっている。
- ジェイアール東日本フードビジネス(株式の10%を保有のち全株売却)
- 日本レストランエンタプライズ(株式の1.6%を保有のち全株売却)
- 東北キヨスクサービス株式会社(本社:宮城県仙台市青葉区)
- 東北主要駅への商品の配送など。
- 2009年10月物流機能を東北鉄道運輸(株)に統合。
- 東日本駅配送サービス株式会社(本社:東京都台東区)
- 2007年2月1日にジェイアール東日本物流に合併。
- 千葉弘食株式会社(本社:千葉県千葉市中央区)
臨時休業店舗問題
鉄道殉職者や傷病退職者の妻を中心に雇用していた鉄道弘済会時代からの流れでキヨスクの販売員は多くが中高年の女性(正社員)であり、近々の大量退職を機に人件費抑制策として、販売員に退職金を渡した上で希望者は契約社員として再雇用するほか、人手が足りない分は販売員(契約社員)の新規募集を並行して行った。
しかし、多くの販売員がそのまま退職したうえ新規採用をしようにも応募者が来ず、その結果として販売員が足りなくなり、2007年4月頃には首都圏の約3分の1の560店舗中185店舗が臨時休業という事態となった。そのため、利用者にとって不便な状況が続いている事が読売新聞の2007年4月13日電子版ほかで報道された [5]。
なお、一部店舗の閉店やAUTO化も込みで、この事態は解消している。
脚注
- ↑ JR東日本プレスリリース グループ会社の社名変更について
- ↑ 「キオスク」と呼んで!ただし東日本だけ 読売新聞(2007年4月4日)
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「kaisyanenkan1997ge
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ JR東日本グループ事業の再編についてのお知らせ(東日本旅客鉄道株式会社)(2017年12月19日、同日閲覧)
- ↑ キヨスクの3分の1が休業中…首都圏のJR…値段暗記の社員リストラ 補充募集、空振り
首都圏のキオスク、3分の1休業――Suica導入の意外な影響(2007年04月17日)
「キヨスク180店休業中」熟練店員去り、人手不足『朝日新聞』2007年4月8日付朝刊、37面(濃縮版 2007年4月 p.425)