JR東日本E257系電車
E257系電車(E257けいでんしゃ)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)の直流特急形電車である。
Contents
概要
JR東日本が日本国有鉄道(国鉄)から引き継いだ直流用特急形電車(183系・189系)や、波動輸送用に転用されていた直流用急行形電車(165系)の置き換えのために2001年より投入した「新世代の特急形電車[1]」である。
最初に登場した0番台の開発コンセプトは「シンプルさの中のくつろぎ」であり、車体傾斜などによる速達性の向上よりは特急列車に求められる基本的な快適性の向上に主眼が置かれている[2]。
JRが独自に設計・製造した特急形車両では初めて製造両数が200両を越え246両に達し、2011年4月1日時点ではJR西日本683系電車に次ぐ製造数であり[3][4]、2015年度に683系2000番台の殆どが289系への改造・2両の廃車が生じた後、2017年現在JRグループの特急型では単独の系列として最大のグループとなっている。車両デザインはGKインダストリアルデザインが担当した。
構造
本稿では共通部分を中心に記述し、各番台固有の構造については後述する。
外観・車体
車体はE653系やE751系を基本としたアルミ合金製ダブルスキン構造を採用している。0番台は大糸線での運転を、500番台は臨時列車での降雪線区の運転[5] をそれぞれ考慮して耐寒耐雪構造としている。
前面形状は高運転台非貫通構造のE653系やE751系とは異なり、E231系に似た切妻に近い形となった。衝撃吸収構造を有する。0番台には非貫通構造と貫通構造があり、貫通構造のクハE257形100番台にはワンタッチ幌装置が備えられている。このほか、付属編成に簡易運転台を装備したクモハE257形が存在する。500番台は分割・併合運転を行うため先頭車は貫通構造のみで、クハE257形500番台にはワンタッチ幌装置が備えられている。
前照灯はシールドビームとプロジェクター式ディスチャージヘッドランプ (HID) を併用している。また上部に補助灯も装備している。尾灯はLED式である。
前面にLED式の種別・愛称表示器を備えている。形状は非貫通構造の先頭車は横長、貫通先頭車ではほぼ正方形となる。側面行先表示器もLED式である。
乗降用のドアはクハE257形は片側2か所、サロハE257形のみ中央寄り1か所で、それ以外は片側1か所設置されている。客室側窓は座席2列分[6] で、E653系やE751系と共通である。窓ガラスは紫外線カット機能付きの複層ガラスである。
低重心化のために空調装置はすべて床下に搭載し[1]、屋根上はパンタグラフ以外の重量物は搭載していないため、平坦である。
後に0番台の全編成と500番台ともに改良型のスカートの取り付けが実施されている[7] 。
走行装置・機器
制御伝送システムには、E231系で採用されたTIMSを特急型車両としては初めて搭載している。
0番台の主回路は日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ装置を搭載し、500番台はモハE257形1500番台が三菱電機製IPMを、モハE257形500番台が日立製作所製IGBT素子VVVFインバータ装置をそれぞれ搭載して、磁励音の低減が図られている。モハE257形0・100・500番台はインバータ装置2群を搭載してモハE256形と合わせて8台の主電動機を、クモハE257形・モハE257形1000・1500番台はインバータ装置1群を搭載して自車のみ4台の主電動機を制御する。主電動機は出力145kWのかご形三相誘導電動機MT72A形(0番台)・MT72B形(500番台)を搭載する。
ブレーキシステムは回生・発電ブレンディングブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを装備する。付随車の基礎ブレーキ装置はディスクブレーキを装備する。TIMSによって適切なブレーキ力を与える。なお、発電ブレーキを搭載した理由は、列車密度の低い路線では回生失効の頻度が高く、空気ブレーキの動作するケースが多いことに基づく。発電ブレーキシステムにはブレーキチョッパを搭載しており、環境への配慮が図られている。
台車はボルスタレス式ヨーダンパ・軸バネオイルダンパ付きで、車輪径は860mm。E653系やE751系と基本的には同じもの[1](電動台車DT64系・付随台車TR249系)である。
パンタグラフは低断面トンネル対応のシングルアーム式PS36形(0番台)・PS37形(500番台)を採用する。PS36形とPS37形は取り付け互換性を有している。
警笛はAW2形空気笛とミュージックホーン・電子ホーンを併用する。
車内
普通車の座席は前後間隔(シートピッチ)960mmの座面スライド機構付きリクライニングシートである。座席の回転は手動式。座席背面にテーブル、カップホルダー、網ポケットのマガジンラックを装備する。車椅子対応座席は車椅子から移乗しやすいように座席は通路側回転としている。
0番台にはグリーン車(グリーン室)が設定され、座席はシートピッチ1,160mm・横4列配置[8] のリクライニングシートで、フットレスト、可動式枕、座席背面にテーブルを装備する。E351系で設置されていたシートヒーターは装備されていない。0番台基本編成の8号車であるサロハE257形の下り方の半室が充てられる。なおグリーン車の床面は絨毯張りである。
車内はFRPやカラーパネルシートを多用している。デッキ・客室間の仕切り扉は無駄な開閉を防止するためタッチスイッチ式となっている。E351系にあった大型の荷物置き場は本系列では設置されていない。
LED式車内案内表示器を客室前後端部に備える。床材はゴム製のシートを挟むことで振動を軽減している[1]。照明はグリーン車・普通車ともに間接式である。
トイレの処理方式は洋式・男性用小便器ともに真空式で臭気を軽減しており、前記したようにサハE257形・モハE257形1500番台は車椅子対応である。車椅子対応トイレは入口幅や室内寸法を拡大し、入口扉は押ボタン式の自動ドアとなっている。
活性炭方式の脱臭機能空気清浄機付き空調装置のエアダクトは荷物棚と一体化しており、荷物棚の先端と下から吹き出す仕組みである[1]。
乗降用ドアは、徐々に強く閉まる方式を特急形で初めて採用し、手を挟んだ場合の安全性を向上している。また、視覚障害者対応として開閉時に女性の声で「ドアが開きます」「ドアが閉まります」とアナウンスするシステムを搭載する。
運転台の主幹制御器は左手操作のワンハンドル式を採用する。運転台には通常のTIMS用のモニタのほか、運転時刻表のみを表示する小型モニタも併設されている。E217系やE231系近郊タイプに準じて踏切事故対策として前後のスペースを広く確保したレイアウトとなっている。貫通・非貫通構造車ともに運転席とデッキはガラスで仕切られているため、デッキから前方の景色を楽しむことができる。それを考慮して、助士席部分の高さは運転席よりも若干低くしてある。また、子供でも景色を楽しむことができるように運転室背面に踏み台として使えるパイプを設置している[1]。運転室の背面仕切カーテンは電動式である。助士席側の小窓にはカーテンは設置されておらず、夜間・トンネル内でもデッキから前方が見通せる。
番台別概要
0番台
中央本線で使われていた183・189系の老朽化による置き換えを目的として、日立製作所・近畿車輛・東急車輛製造の3社で製造された。2001年(平成13年)12月1日のダイヤ改正より中央本線の特急「あずさ」3往復で運用を開始し、翌2002年(平成14年)3月23日には新たに特急「かいじ」5往復を[9]、7月1日には残る4往復を[10]、そして12月1日のダイヤ改正で残った特急「あずさ」をそれぞれ置き換え、1年間で183系・189系を置き換えた[11]。また、同年7月1日より「中央ライナー」「青梅ライナー」にも充当されるようになった。
2016年4月現在、松本車両センターに9両編成16本(144両)と2両編成5本(10両)の計154両が在籍している。指定保全以上の検査は、長野総合車両センターが担当している。
構成
編成は基本編成がMT比5M4Tの9両編成、増結用の付属編成がMT比1M1Tの2両編成である。松本駅における増・解結作業の関係上付属編成が新宿・東京方に連結されており、号車番号は付属編成が1・2号車、基本編成が3 - 11号車となっている。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも号車番号の表示は変更されず、3 - 11号車の9両による運転として案内・表示される。これは編成両数にかかわらず自由席車両とグリーン車の号車番号を統一するための措置である。グリーン車は基本編成の8号車に連結され、普通車との半室構造となっている。
外観
「ふるさとのぬくもり」・「めぐりゆくふるさとの四季」をデザインコンセプトとしている[2]。外観はアルプスの山々や林檎の花をイメージさせる白を基調としており、車体側面に四季の彩りを表す、武田菱を模した大きな菱形模様が描かれる[1]。菱形模様は桃色(春の花)、碧色(夏の木の葉)、黄色(秋の紅葉)、青紫(冬の山々)、銀色(八ヶ岳やアルプスの嶺)、からなり、その配色は似ているものもあるが号車ごとに異なっている(左右のサイドでは向きが逆転しているので8号車を除き全て東京、新宿側へ傾いている)。客用ドア横の号車番号表示には沿線の風物のイラストが号車ごとに描かれている。
室内
室内においてもデザインコンセプトに基づき、普通席・グリーン席共に座席の柄に武田菱を模したひし形のパターンが用いられている。
普通車は明るく軽快なイメージで、「カジュアルで楽しい雰囲気」を指向している。荷棚上の小天井部は奇数号車がピンク、偶数号車がエメラルドグリーンとされた[2]。
グリーン車は木目調の内装材や、カーペットを用いることで、落ち着いた雰囲気が指向されている[2]。
モハE257形100番台(9号車)の新宿方車端部には喫煙用フリースペースを設けていた[1]が、JR東日本の特急列車完全禁煙化により、2007年3月18日からは禁煙のフリースペースとして開放されている。
- JRE E257 type0 nomalcar inside1.jpg
普通車車内(0番台車両 1号車)
- JRE E257 type0 nomalcar inside2.jpg
普通車車内(0番台車両 8号車)
- JREaste-SeriesE257-0NormalSeat.JPG
普通車座席
- JRE E257 type0 greencar inside.jpg
グリーン車車内(0番台車両)
- JREaste-SeriesE257-0GreenCarSeat.JPG
グリーン車座席
- E257 Green Car Table.jpg
グリーン車テーブル。
- E257-freespace.jpg
モハE257形100番台(9号車)新宿方車端に設置しているフリースペース[12]
形式
基本編成(M101 - M116編成)
- クハE256形 (1 - 16)
- 基本編成の11号車に連結。CPを搭載する非貫通型制御車。定員64名。号車表示のイラストは「白馬村のスキー場」。
- クハE257形100番台 (101 - 116)
- 基本編成の3号車に連結。CPを搭載する貫通型制御車。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備える。号車表示のイラストは「富士山」。
- モハE256形 (1 - 16)
- 基本編成の5号車に連結。補助電源用210kVA静止形インバータ (SIV) を搭載する中間電動車。定員64名。松本方車端部にトイレ、洗面所、カード式公衆電話、清涼飲料水の自動販売機を備える[13]。モハE257形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「甲府市の桃」。
- モハE257形 (1 - 16)
- 基本編成の4号車に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形0番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「甲州市のぶどう」。
- モハE256形100番台 (101 - 116)
- 基本編成の10号車に連結。基本的にはモハE256形0番台と同様。モハE257形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「道祖神」。
- モハE257形100番台 (101 - 116)
- 基本編成の9号車に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員64名。新宿方にフリースペースを備える。モハE256形100番台とユニットを構成し、号車表示のイラストは「信州のりんご」。
- モハE257形1000番台 (1001 - 1016)
- 基本編成の6号車に連結。基本的にはモハE257形0番台と同様。本形式とクモハE257形は1C4M方式の単独電動車である。号車表示のイラストは「諏訪湖祭湖上花火大会」。
- サハE257形 (1 - 16)
- 基本編成の7号車に連結。CPを搭載する付随車。定員54名。出入台側に車椅子対応座席2席と松本方車端部に車椅子対応トイレと洗面所、車販準備室、多目的室を備える。号車表示のイラストはなく、その部分に車椅子マークを表示している。
- サロハE257形 (1 - 16)
- 基本編成の8号車に連結。グリーン車・普通車合造の付随車で、定員はグリーン室28名・普通室24名。出入台に車掌室と業務用室、松本方車端部にトイレと洗面所を備える。号車表示ステッカーは2箇所あり、東京寄り(普通車側)のイラストは「松本城」、松本寄り(グリーン車側)はイラストの代わりにグリーン車マークを表示されている。
付属編成(M201 - M205編成)
- クハE257形 (1 - 5)
- 付属編成の1号車に連結。補助電源用110kVA SIVとスクリュー式電動空気圧縮機 (CP) を搭載する非貫通型制御車。定員52名。松本方車端部にトイレと洗面所を備える。号車表示のイラストは「新宿の高層ビル」。
- クモハE257形 (1 - 5)
- 付属編成の2号車に連結。VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する制御電動車。定員68名。松本方に簡易運転台を備える[1]。長距離の運転は想定していないが、スイッチと計器類は本設運転台とほぼ同じものが取り付けられ、電気笛を搭載している。号車表示のイラストは「高尾山の紅葉」。
編成
← 甲府・松本・南小谷 新宿・東京・千葉 →
| |||||||||||
基本編成 | 付属編成 | ||||||||||
号車 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
形式 | クハ E256 -0 |
モハ E256 -100 |
モハ E257 -100 |
サロハ E257 -0 |
サハ E257 -0 |
モハ E257 -1000 |
モハ E256 -0 |
モハ E257 -0 |
クハ E257 -100 |
クモハ E257 -0 |
クハ E257 -0 |
- 前述のとおり、付属編成は新宿・東京方に連結される。号車番号は付属編成が1・2号車、基本編成が3 - 11号車となっている。基本編成のみの9両編成で運転する場合でも、号車番号の表示は変更されず、3- 11号車の9両による運転として案内・表示される。
500番台
房総地区各線の特急列車に運用されていた183系・189系の老朽化による置き換えを目的として、幕張電車区(現・幕張車両センター)に配置され、2004年10月16日のダイヤ改正から営業運転を開始した。「Boso Express」の愛称がある。0番台と同様に日立製作所・近畿車輛・東急車輛製造の3社で製造された。
車両の構造は0番台を基本としているが、一部の車内設備と搭載機器に相違があるために車両番号を500番台として区分している。MT比は地下トンネル内の勾配区間の走行を考慮して3M2Tとしている。分割・併合での運転を考慮して、東京方および銚子・安房鴨川方の先頭車の双方とも前面貫通構造を採用している。
車内は普通車のみの5両編成であり、グリーン車は連結されていない。また、インテリアも座席の柄が青を基調としたものとなっている。
0番台とはVVVFインバータ装置の差異から磁励音が異なるが、純電気ブレーキ(全電気ブレーキ)は採用していない。
車体色は、255系と同様の房総特急のイメージカラーであるホワイト□(夏のビーチ)をベースに、側窓下にブルー■(深みのある太平洋)・客用ドアと正面にイエロー■(明るい陽光と房総に咲く菜の花)を基調にデザインされている。また、客用扉横に「boso」の「b」と、幕張新都心の直線的で近代的な建築物を模したデザインのロゴマークを配置した。
2016年4月現在、幕張車両センターに5両編成19本(NB01~19,95両)が配置されている。
2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正よりさざなみ・わかしおに投入され、さらに翌2005年(平成17年)12月10日のダイヤ改正からはしおさい・あやめにも投入され、房総地区で運用されていた183系・189系をすべて置き換えた。
形式(500番台)
- クハE256形500番台 (501 - 519)
- 補助電源用210kVA SIVとCPを搭載する制御車。定員64名。1 (6) 号車に連結する。
- クハE257形500番台 (501 - 519)
- CPを搭載する制御車。定員52名。東京方車端部にトイレと洗面所を備える。1次車 (501 - 510) は当初喫煙車で天井に空気清浄機とオゾン脱臭装置を備えていた[1] が、2005年12月10日のダイヤ改正で禁煙車となったため撤去された。2次車は当初から禁煙車のため準備工事のみとなっている。また連結時のワンタッチ幌装置を備えている。5 (10) 号車に連結する。
- モハE257形1500番台 (1501 - 1519)
- VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員54名。客室端に車椅子対応座席2席と東京側車端部に車椅子対応トイレと洗面所、車内販売準備室、多目的室を備える。2 (7) 号車に連結する。
- モハE256形500番台 (501 - 519)
- VVVFインバータ装置と補助電源用210kVA SIVを搭載する中間電動車。定員64名。東京方車端部にトイレ・洗面所、カード式公衆電話を備える。モハE257形500番台とユニットを構成し、3 (8) 号車に連結する。
- モハE257形500番台 (501 - 519)
- VVVFインバータ装置とパンタグラフを搭載する中間電動車。定員72名。モハE256形500番台とユニットを構成し、4 (9) 号車に連結する。
編成(500番台)
← 安房鴨川・君津・銚子 東京・新宿 →
| |||||
号車 | 5 (10) |
4 (9) |
3 (8) |
2 (7) |
1 (6) |
---|---|---|---|---|---|
形式 | クハE257 -500 |
モハE257 -500 |
モハE256 -500 |
モハE257 -1500 |
クハE256 -500 |
運用
0番台は「あずさ」「かいじ」「中央ライナー」「青梅ライナー」のほか、篠ノ井線松本 - 信越本線長野間を結ぶ快速列車にも1日1往復充当されている。過去には、ダイヤの乱れや車両整備などの理由によりE351系の代走として「スーパーあずさ」の運用に入ったほか、東海道本線の「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」に充当されていた[14]。また、中央本線を中心とした多客臨時快速列車や団体専用列車として運用されることもある他、団体列車で信越本線黒姫駅まで入線した実績がある。
500番台は房総地区の特急列車のほか、2009年(平成21年)3月14日のダイヤ改正からは「ホームライナー千葉」3・7号にも充当されている。以前は間合い運用で早朝の鹿島線の一部普通列車や横須賀線の「おはようライナー逗子」「ホームライナー逗子」にも使用されていた。 「さざなみ」の減便や「あやめ」の廃止により房総特急の運用が少なくなったことに伴い関東地方を中心とした多くの臨時列車で使用されるようになり、2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正以降は、富士急行線に直通する「ホリデー快速富士山」などでも運用されるようになった。
車体装飾
- NHK大河ドラマ『風林火山』
- デスティネーションキャンペーン「未知を歩こう。信州」
- 2010年10月から12月まで長野県内で実施されていたデスティネーションキャンペーン「未知を歩こう。信州」のキャラクター・アルクマなどのラッピングを施した9両編成2本が同年9月9日から12月中旬まで運行されていた[15]。
- あずさ号運行開始50周年
- 2016年10月15日から12月31日頃まで、9両1編成(M102編成)に50周年を記念したエンブレムとロゴをラッピングし運転された[16]。
- このほか、0番台の全車の車内の座席テーブルにもエンブレムとロゴが施された。
今後の予定・計画
0番台
「あずさ」「かいじ」系統の特急列車では、2017年(平成29年)12月23日からE353系が「スーパーあずさ」で営業運転を開始[17]、2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正より、臨時列車を含む「スーパーあずさ」が全てE353系に置き換えられた。
同年7月1日から「あずさ」「かいじ」の一部にも9両編成のE353系7本(63両)が投入されており、将来的には中央東線の特急(「スーパーあずさ」「あずさ」「かいじ」)用車両はすべてE353系に統一される。これにより余剰となるE257系は順次リニューアル工事を受け、東海道線の特急「踊り子」へ転用される予定である[18]。
500番台
2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正で千葉、房総地区の特急列車が削減された[19]ことに伴い、5両編成9本(45両)の余剰車が発生している[19]。余剰車のうち2本はホームライナーに使用され、3本は富士急行線直通快速に使用されるため、幕張車両センター所属のまま豊田車両センター常駐となった。残り4本の今後の活用は未定とされている[19]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 1.8 1.9 吉田行廣(東日本旅客鉄道 鉄道事業本部運輸車両部車両課副課長基本計画グループリーダー)「新車訪問【65】東日本旅客鉄道 E257系電車」、『RAIL FAN』第49巻第2号、鉄道友の会、2002年2月1日、 2-5頁。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 東日本旅客鉄道(株)運輸車両部企画課車両開発プロジェクト (2001-08-01). “E257系特急型直流電車”. 鉄道ファン (交友社) Vol.41 (通巻484号): pp129-136.
- ↑ 『JR電車編成表 2011夏』 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2011年。ISBN 9784330212111。
- ↑ 『JR電車編成表 2011夏』 ジェー・アール・アール、交通新聞社、2011年。ISBN 9784330212111。
- ↑ 置き換え対象となった幕張車両センターの183・189系車両が、かつて冬場に上越線方面のスキー列車(新雪やシュプール号など)に使われたことがあった。
- ↑ 183系グレードアップ改造車より上下寸法を90mm拡大している。
- ↑ 交通新聞社「JR電車編成表2015夏」記事。
- ↑ 先に房総地区に導入された255系や中央本線に導入されたE351系と同じ。
- ↑ 『RAIL FAN』第49巻第5号、鉄道友の会、2002年5月1日、 19頁。
- ↑ 「鉄道記録帳」、『RAIL FAN』第49巻第10号、鉄道友の会、2002年10月号、 22頁。
- ↑ 捻出された183系・189系の一部は団体・臨時用として使用されていた165系の置き換えに転用されている。
- ↑ 2007年3月17日までは喫煙スペースとして使用。
- ↑ 自動販売機は2008年4月1日から使用停止となっている。
- ↑ 2003年(平成15年)春から2008年3月改正まで充当。
- ↑ 長野新幹線あさま号・中央東線特急あずさ号「信州デスティネーションキャンペーン」ラッピング車両を運転します! (PDF) - 東日本旅客鉄道長野支社プレスリリース 2010年9月7日
- ↑ “特急「あずさ」号運行開始 50 周年を記念したイベントの実施と旅行商品の発売について (PDF)” (2016年10月13日). . 2016閲覧.
- ↑ “中央線新型特急車両 E353系の営業運転開始について ~12月23日(土)デビュー~” (プレスリリース), 東日本旅客鉄道, (2017年10月26日) . 2017閲覧.
- ↑ 中央線特急列車「あずさ」「かいじ」E353系置き換えについて - JR東日本長野支社 2018年5月16日
- ↑ 19.0 19.1 19.2 交友社「鉄道ファン」2015年5月号「平成27年3月14日ダイヤ改正にともなうJR東日本車両の動き」記事。